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防災・減災・治安に関する特別委員会(令和8年3月13日)

 昨年は、記録的な高温と少雨による渇水が深刻化した一方、線状降水帯による豪雨で甚大な浸水や土砂災害が発生し、関東でも短時間豪雨による都市型水害が起き、災害の極端化を痛感した。さらに、妙義山や桐生市をはじめ、全国で山火事が頻発するなど、乾燥による火災リスクが高まった。12月には青森県東方沖を震源とするマグニチュード7.5の地震が発生し、運用開始以来、初の「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表された。
 こうした多様な災害に加え、豪雨や地震で道路や橋梁などのインフラが損壊したほか、埼玉県内で下水道管の老朽化による道路陥没事故が発生し、老朽化対策と防災強化が急務であることが改めて認識された。
 また、災害時にはSNSを通じて偽情報が拡散され、混乱を招く事例も増えており、正確な情報発信体制の強化とデジタル時代に対応した新たな対策が求められている。
 治安面では、刑法犯認知件数が増加し、住宅対象の侵入窃盗や自動車盗などの乗り物盗が急増している。特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺は手口を巧妙化させ、高齢者だけでなく幅広い世代が被害に遭うなど厳しい状況にある。さらに、災害時には避難所や家屋等での治安維持対策も不可欠である。
 群馬県は比較的災害が少ない地域であるため、県民の防災意識が十分に高まっていないことが課題であり、県民の意識変容を促すことが重要である。
 また、防災・減災や治安維持を強化するためには、地域コミュニティの力が不可欠である。地域と行政が一体となって、顔の見える関係を築き、情報共有や見守り活動を進めることで、災害時の初動対応や犯罪抑止に大きな効果を発揮する。
 本委員会では、このような視点から、1年間にわたり、活発な議論を行ってきたところであり、県当局におかれては、次の事項に留意し、防災・減災と治安対策を一体的に強化した施策を推進されるよう強く要望する。

  1. 防災・減災に関すること
    (1)避難所運営の主体となる住民や市町村に対し、群馬県避難ビジョンの理念を広く浸透させる取組を行うこと。また、防災物資や避難ビジョンの理念を具体化するために必要な資機材等の準備状況を把握し、十分な水準に達していないと考えられる部分については支援を検討すること。
    (2)出水期前には、各機関が一体となって、情報伝達訓練や災害図上訓練などを実施すること。
    (3)災害が少ない県である利点を活かし、各省庁や企業の本社機能の誘致・移転について、部局横断的に総合的な取組を進めること。
    (4)災害時の県職員による受援・応援体制の強化について、受援・応援職員の宿泊施設の確保、災害マネジメント総括支援員の増員に取り組むこと。
    (5)県有施設の福祉避難所の指定に関して、市町村の意見を踏まえて対応すること。
    (6)町内会長など、日常的な地域活動を支える組織における意思決定者の女性割合の向上、女性防火クラブの継続的な活動など、災害時にも女性の意思が十分に反映されることを意識した取組を進めること。
    (7)避難所の運営改善について、避難ビジョンの理念に沿った運営が可能となるよう、指定避難所となる体育館等の施設においては、女子トイレの増設などにより、十分なトイレを確保できるよう努めること。また、避難所受付においては、アプリの導入などDX化による受付の迅速化を検討すること。
    (8)災害時の拠点となる県庁舎について、什器類の固定、落雷抑制型避雷針設置など、更なる安全確保対策を進めること。
    (9)クマ対策については、出没範囲の拡大や人身被害の増加、関係所属の増加といった現状を踏まえ、全庁的な対応の検討を進め、効率的な対処を図ること。また、SNS利用者が増加している現状を踏まえた効果的な情報発信の実施、警察官によるライフル銃使用に向けた準備、さらにクマが人の居住範囲へ移動してくる経路や潜伏場所を減らすための河川伐木の強化など、必要な対応を推進すること。
    (10)森林火災発生時における消防本部や自衛隊など関係機関との連携を一層強化すること。また、消火薬剤の使用については、ゲル消火剤を含め有効な消火剤の使用を検討すること。
    (11)「ぐんま消防団応援の店」について、登録店舗を増加させるために、市町村と連携し、利用実態等の調査を行うこと。
    (12)消防団や女性防火クラブが実施している火災予防の意識を醸成する取組について、各団体が取り組みやすいよう支援すること。
    (13)学校における防災教育の取組状況について、実態を調査するとともに、子どもたちの災害対応力の底上げを図ること。
  2. 治安対策に関すること(子どもの安全含む)
    (1)「高齢者向け詐欺・防犯対策体験型研修」及び「NO!詐欺キーパー講座」について、市町村と連携し広く普及すること。
    (2)急増・深刻化する状況を踏まえ、闇バイトによる犯罪の防止に努めること。
    (3)ネットを発端として子どもが犯罪に巻き込まれる事例が増加している現状を踏まえ、警察、教育委員会、福祉部局など関係部局間の連携を一層密にして取り組むこと。
  3. 公共インフラの老朽化対策に関すること
    (1)老朽化、洪水等の災害を踏まえ、地元が安心できるよう市町村と連携しながら対策を進めること。
    (2)インフラマネジメントについては、市町村ごとに予算や人材、メンテナンスが必要となる範囲などが異なり、その進捗状況にも差が生じていることを踏まえ、国が進める地域インフラ群再生戦略マネジメントの考え方も取り入れつつ、市町村への財政支援につながるよう取り組むこと。
    (3)教育委員会や警察などを含む県有施設のインフラ老朽化対策については、長寿命化計画等の趣旨を踏まえ、年度ごとの財政状況に変動がある中でも、優先的に予算を確保し、計画的に進めること。

以上、提言する。

 令和8年3月13日

群馬県議会防災・減災・治安に関する特別委員会

 群馬県知事 山本 一太 様


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