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「ヤード」対策等に関する特別委員会(令和8年3月13日)
近年、使用済みの金属やプラスチックなどの既存法令による規制のない再生資源物を屋外で保管する事業場「ヤード」に起因する周辺の生活環境保全上の支障の発生が認められており、県民は不安、危機感を募らせている。
令和6年度は循環型社会構築に関する特別委員会で、令和7年度は当委員会で、「ヤード」等に関して様々な議論を交わし、令和7年10月には、いわゆる「自動車ヤード条例」が施行され、また、令和8年第1回定例会に「群馬県再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例」議案が上程されるなど、本県の生活環境の保全と安全安心に暮らすことのできる社会の実現に向け、積極的に取組を進めている。
また、再生可能エネルギー・グリーンイノベーションに関しては、長期的な目標と、2035年までの戦略を策定する「グリーンイノベーション群馬戦略2035」を策定し、県内への再生可能エネルギー導入や産業分野でのグリーンイノベーション創出を促進するため、取組を進めている。
県当局におかれては、次の事項に留意され、「ヤード」対策等に関する施策の推進に取り組まれるよう、強く要望する。
- 「ヤード」対策に関すること
<群馬県再生資源物の屋外保管等の規制に関する条例に関して>
(1)条例の実効性を高めるため、再生資源物屋外保管業者に対し、立入検査による各種基準の遵守などの指導監督を徹底するとともに、広報啓発を強化すること。
(2)外国人事業者が主体となる場合でも、現場責任者が条例理解と手続き対応を確保できるよう努めること。
(3)再生資源物屋外保管業者に対しても、産業廃棄物処理業と同様に講習受講を義務化するなど、生活環境保全や有害物質の適正管理を徹底する仕組みを検討すること。
(4)事業計画と稼働実態の乖離を防ぐための行政指導を徹底するとともに、土地利用規制との連携を強化し、不法ヤードの増加防止と地域住民の安心確保を図るよう努めること。
(5)騒音・振動に関する苦情対応の強化に向け、市町村との連携を深めるとともに、事前協議制度の徹底を図ること。
<群馬県ヤードにおける自動車等の適正な取扱いの確保に関する条例に関して>
(1)自動車盗難や銅線等の盗難が頻発する現状を踏まえ、警察と関係部局が情報共有と防犯対策の連携を強化し、県民への周知啓発を一体的に推進すること。
(2)自動車ヤードにおける適正な取扱いを確保するため、条例に基づく届出義務や取引記録の保存、警察への申告義務を徹底し、立入検査と罰則規定を活用して犯罪抑止と盗品流通防止に取り組むこと。 - 廃棄物処理に関すること
(1)廃棄物と有価物の線引きを明確化するため、5要素の判断基準に加え、環境リスクを踏まえた判断ガイドラインを整備するなど、行政の対応力を強化すること。
(2)廃棄物を有価物と主張する事業者への対応を強化し、廃棄物処理法による行政代執行を含む措置を弾力的に運用すること。
(3)廃棄物不適正処理の未然防止と早期解決に向け、立入検査と監視指導の体制を強化するため、市町村や関係機関との連携をさらに深めるとともに、人員体制の充実を検討すること。 - 再生可能エネルギー・グリーンイノベーションに関すること
(1)水素ビジョンの実効性を高めるため、企業との対話を継続しつつ、需要喚起と国の支援制度の活用を軸に、県独自の補完的支援策や保安体制の検討を進めること。
(2)水素ビジョンについて、民間事業者の意見を丁寧に収集・反映し、内陸県の産業脱炭素化に資する実効性ある方針とすること。
(3)水素モビリティの普及促進に向け、物流・製造業に加え、乗用車利用を視野に入れた水素供給インフラの整備を検討すること。
(4)水素利用の推進に加え、太陽熱・地中熱・雪氷熱など自然エネルギーの直接利用を含め、工場・運輸・住宅など幅広い分野で総合的な脱炭素戦略を検討すること。
(5)再生可能エネルギーの導入にあたっては、太陽熱・地中熱・雪氷熱など自然由来の熱エネルギーも積極的に活用し、技術革新やコスト低減を見据えた総合的な政策を推進すること。
(6)天狗岩総社発電所の整備について、教育機能等を付加し、再生可能エネルギー推進と地域文化発信を両立させるよう努めること。
以上、提言する。
令和8年3月13日
群馬県議会「ヤード」対策等に関する特別委員会
群馬県知事 山本 一太 様
