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令和3年度第1回県立図書館協議会の開催結果について

更新日:2021年9月8日 印刷ページ表示

1 日時

令和3年7月28日(水曜日)13時30分~15時30分

2 開催場所

県立図書館3階ホール

3 出席者

委員9名出席、事務局7名

4 傍聴人

1名

5 議事

  1. 群馬県立図書館の運営状況について
  2. 令和3年度群馬県立図書館の事業計画について
  3. 群馬県図書館サービスの評価について

主な意見

議事1 群馬県立図書館の運営状況について
議事2 令和3年度事業計画案について

(委員)
 コロナの影響で実際対面での研修は中止になっているケースもあったかと思います。特に学校関係での図書館指導員等は研修に期待をしている職員もたくさんいます。そういった中で、今年度につきましては配信などたくさん工夫をして計画をしていただいているところは大変ありがたいなと思っています。

(委員)
 コロナ禍の中、いろいろと工夫してやってくださっているなと感謝しております。
 質問ですが、学校に関係するところで、学習支援図書の貸し出しですけれど、利用している学校の校数ではなくて冊数で評価する理由を説明していただきたいなと思います。校数は少ないかなと思うのですけれど、一つの学校が何回も借りているのでしょうか。そうであればその学校は、そのセットの良さとか必要性を感じているのではないかなと思います。自分自身もやはりそういう学校が増えるといいのかなと思います。ですから、この校数ではなくて冊数を見ていく意味を質問させていただきます。

(事務局)
 資料の10ページをご覧いただきたいと思います。上側に学習支援図書貸出冊数というタイトルがございましてこれは令和2年度の実績を書かせていただいております。5,000冊を目標としていたところ実績として6,525冊貸し出しましたということです。この表の一番下、評価分析のところに利用校の内訳を書いています。小学校28校、中学校4校、高校6校、特別支援学校2校、幼稚園2園、という内訳になっています。ご指摘のとおり、利用している学校、特に高校は、頻繁に使っていただいていることが多いのは間違いありません。新しい学校がどれくらいあったかは、係に資料がありますか?

(事務局)
 小学校28校は延べ数ではなくて実数です。学校数の増減は手元に資料がありません。

(事務局)
 申し訳ありません。新しくご利用いただいた学校などの資料は後ほど委員さんにお送りしたいと思います。

(委員)
 コロナで何もやらないことがスタンダードになっちゃっているので、できることと、できないことを良く見極めて、できれば通常の学校の活動をやるように自分の学校の職員にもお願いしています。高校の場合だと3年間のやり直しはきかないので、できればよく見極めて実施してもらえたらなと思います。
 それと、我々のところは県立図書館からは距離が離れています。近くの人はすごく恩恵にあずかれるのかもしれないけれど、県の周辺部の人は余り恩恵にあずかれないのかなと思っていました。その点からもオンラインの配信というのはそれを解消する一個の手立てなのかなと思いました。

(事務局)
 ご意見ありがとうございました。今ご指摘のあった、県立図書館の近くの方は利用できるけれども遠くの方は利用しづらいのではないかという点に関しては、私どもも県域を相手にしている図書館として大きな問題意識を持っています。
 群馬県図書館協会という団体があります。高校の教育研究会図書館部会にも入っていただいてますが、この団体の事業で相互貸借、図書館同士の資料のやりとりができます。近くの図書館で県立の本も借りられることをもっと利用者の方に知っていただくことが必要と考えています。今年度は協会の事業としてそれを周知するようなチラシの作成を考えています。
 県域の図書館の蔵書を全て足しますと830万点くらいあります。たとえば自身のお住まいの市町村の図書館に行っても、そこにあるのは数万冊、多くても20、30万冊というところかと思います。けれども、そこを窓口として830万点へのアクセスが仕組み的には保証されています。そういったところをもっと利用者の方に知っていただく必要があるなと考えています。

(委員)
 説明をしていただいて、随分見やすい資料になっていまして、すごく分かりやすいなと思いました。前に「学校の図書館に本をたくさん貸してあげてください」とお願いしましたが、そのこともすごく分かりやすく、すごく細かいところまで書かれていて、ああ何かすごいなと思いました。
私がしている学校の読み聞かせもコロナで随分少なくなってしまって、図書館のいろいろな活動もそうだと思います。●短大で絵本のお話をさせていただく機会があったときに、学生さんに「学校で読み聞かせをしてもらったことがある人」と聞いたら、50人くらいいた皆さん、ほぼ全員、手を上げたんですね。わあーすごいなーって。多分学生さんはあちこちから来られていると思うんですけれど、こんなにたくさんの人たちが読み聞かせしてもらっているんだって。
 本を読むことは教育的にいいことだとはよく言われていることだと思うんです。学校では多分PTAの方とかが読んでくれているんだと思うのですが、私たちとしては1つお願いしたいことがあります。それは、本を選んでほしいということです。
 二十歳になるくらいまでちゃんと記憶に残していきたいと思ったら何でも良いわけではなくて、学校も一緒に取り組んで良い本を選んでほしい。
先ほどコロナで研修が動画配信になったと説明がありましたが、うちの会でも、この間、●市の教育センターから、学校の図書室の司書さんたちや、図書館の司書さんたちの研修の講師の依頼がありました。
 うちの会員には、かなり勉強している●●図書館の●●という者がいまして、●●は遠くて小さい自治体ですけれど、すごい優れた図書室を作っています。ぜひその●●に話をさせたいと思ったら、やはりコロナなので動画にしてくれといわれました。ただ、うちは才能のあるスタッフがたくさんいまして、●●の図書館に行って、図書館の分類の仕方や、読み聞かせの仕方を録ってきました。
それから、うちの会は、点字付きさわる絵本っていうのを作っていますけれど、その効果、目の見えない人のためばかりじゃない効果があるってことや、どうしてその点字付きさわる絵本を私たちは皆さんに見てもらいたいと思っているのかとか、各出版社が本当に会社の枠を超えたところで、手に取ってもらえるような本を作る努力をしていることなども織り込みました。点字付きさわる絵本は、県立図書館さんでお世話になって、群馬県中、どこへでもお貸しするシステムがあります。
 今、集まって勉強することができなくなった中でも、かえって違う部分のところをお伝えできることもできるのかなと思いました。コロナが明けたとしても何かこういうものが残れば、聞き逃しちゃったからもう一回聴くということができたりとか、何人かの先生が集まってもう一回復習しようというようなことができます。そんなふうになってもらいたい。
 ほかにもいろいろあるんですけれど、すごく何か良くなっていく県立図書館を見ているようでうれしく思っています。

(委員)
 コロナ禍の中、イベントそれから研修事業を中心にできることを精査してその上でどういう方向でできるのかということを工夫を凝らしていただいているのかよく分かりました。昨年に続いて今年もこういう状況で続いていきますと、これがおそらくスタンダードになっていくのかなと感じています。
 そうしますと、動画の利便性っていうのもあると思うのですけれども、こうやって顔を合わせて実際にお話をする良さということが、忘れられてしまうという懸念もあると思います。ですので、終息したあかつきには、このスタンダードになったと思われる部分でも、もう一度会場を設けて皆で顔を合わせてやるんだというものも精査し直して、元に戻った方がいいものについては手法を見直す機会があるといいかなと思います。
 さきほど説明のありました相互貸借制度ですが、私もこれは初めて知りました。県立図書館が巡回しているのは知っていたのですが、こんなにきめ細やかなシステムだということは初めて知りました。今回資料を拝見して、とても良いことたくさんやってらっしゃるのですが、この魅力をどう発信するのか、どう皆さんの耳に届けていくのか、目に届けていくのかっていうところの工夫があれば、更にこれは利用されていくはずだと思いました。そのあたり何か手立てがあれば、ここでまた考えていけたらと思います。

(事務局)
 相互貸借の資料搬送に関しては、先程、●●委員からもご指摘のあったとおり、県立図書館がもっともっと皆さんに知っていただかないといけない事業の一つだと考えています。
 今年度、新収蔵資料抄というリーフレットを出す事業を始めました。県立が買っている資料を県立にいらっしゃれない方にも知っていただき、最寄りの図書館から借りていただくことが狙いです。なるべく他の図書館が入れてない資料で、なおかつ高価で専門的なものを選んで、なるべく面白く紹介することをやっています。こうした取組も、もう少し認知されていくといいなと考えています。

(委員)
 1点目として要覧の2ページですね。県立図書館の役割というところで(4)の県域資料の最終保存という役割が掲げられているんですが、具体的に何をされているのかということを教えていただきたいと思います。
 それと2点目は感想なんですけれども、7ページの(2)のエ、「専門人材の配置と人材育成」というところです。これも今まで掲げられてきたことなのだと思うのですけれど、調査相談カウンターの職員の配置の強化、それと館外研修を通して人材の育成に取り組むという部分です。こういうようにはっきりと明記されているということは、職員さん全員の共通認識にも役立つのかなと思います。この目標がここに掲げられていることはすごく良いことではないかと思います。

(事務局)
 運営方針に掲げました、県立図書館の役割の中の県域資料の最終保存ですが、これは正直申し上げると、恥ずかしながら、当館は今現在、この役割を果たせているとはとても言えない状況です。
 と申しますのは、当館は現在、約86万冊に雑誌20万冊を超える蔵書を持っておりますけれども、書庫のキャパシティは82万冊なのです。もう120%を超えている状況です。あれこれ工夫はしていますが、書庫不足の解消には至っていません。本来であれば、例えばある市町村立図書館が所蔵していて県域の他の図書館が持っていない資料があれば、それは市町村立が廃棄するタイミングで私どもに移管していただいて、県域の唯一の資料として県立図書館がずっとそれを保存しておく、という役割を県立図書館は期待されているのです。これは実は昔はやっていたのです。ただ、今の書庫の状況を考えると県域の所蔵がない本は県立にくださいという市町村へのお願いはできていない状況です。
先ほど挨拶の中でも申し上げましたが、今、県有施設のあり方見直しが行われています。その中で「県立図書館は、もっと収集保存に力を入れるべきだ」という方向が示されれば、昨年度末の最終報告では再整備という方向も示されているので、場合によれば書庫の増設にも道が見えてくるかもしれません。そうなれば組織的、システム的な市町村からの移管も再度実施できるのではないかと期待しているところです。

(委員)
 資料2ページの行事のところですが、コロナ禍で大変な中、高校生のビブリオバトルを開いていただいて本当に有り難いなと思っています。規模を縮小しても、ビブリオバトルをやることで刺激になって読書を推進できたのではないかと思います。高校生だけでなく、大人もできたら良いかなと。大人の方も本の紹介を、県立図書館に来られる方と一緒にできたら良いかなと思っています。
 あと先ほど、相互貸借の話が出ていましたが、たとえ県立図書館から遠くても相互貸借で最寄りの図書館から借りることができるということですけれど、私が疑問に思っているのは相互貸借では漫画は借りられないということなんです。●市立図書館だったか、漫画を一杯持っているんですけれど、それは貸出しができないということだったと思います。
 例えば、『はたらく細胞』という漫画がありまして、これは高校生の生物に大変役に立つと私は思っているんですが、そういう、子どもたちがこれをきっかけに生物に興味を持ってくれたら、それから専門書へというようにもなるので、入り口は漫画でもいいのではないかと思います。それで、相互貸借で借りられたらいいなと思っています。
 あと、展示です。私は3週間に一度は県立図書館に来ますが、いつも来るたびに違う企画展示になっていて、「あ、こんな世界があるのか」と本当に楽しませてもらっています。色々な世界を見せていただいて、本当にたくさんやっていただいて有り難いなと感謝しています。
私、子どもが中学生と高校生なのですが、学校から「英語」「英語」と、さかんに英語を勉強するようにいわれます。そこで、例えば群馬のおもてなし英語とか、そういった本とか企画などがあると群馬のことも英語のことも勉強できていいかなと思っています。

(事務局)
 大人のビブリオバトルはとてもいい意見をいただいたなと思っています。これまで、小中学生にも広げられないかというお話しは伺っていて、それを検討していた経緯もあるんですけれども、大人に関しては初めてご提案をいただきました。大人の場合、全国大会はないので県版になってしまいますけれど、実現できるかどうか研究してみたいと思います。
 『はたらく細胞』は、私も大好きです。ご指摘の相互貸借に関しては「マンガは相互貸借で扱わない」という統一のルールがあるわけではありません。ただし、貸す方、例えば●市立から借りるとすれば●市立の貸出の方針、●市立から借りるなら●市立の方針が優先される、ということはあります。漫画であっても所蔵館が貸しますよということであればそれは借りられますので、ぜひご利用いただきたいと思います。
英語に関するご提案に関しては、お話を伺いながら県の国際担当の専門部署に提案してみようかなとも思ったのですが、よく考えてみると●●委員さんも関わってらっしゃる、上毛カルタの英語版があるじゃないか、と思いつきました。上毛カルタの英語版は英語の勉強にも郷土の勉強にもすごくいいのではないかと思います。当館にも所蔵がありますので、それをもっと広めるような掲示なり展示なりをやってみたいと思いました。

(委員)
 厳しい状況の中で、多彩な事業を精一杯の努力をして展開しているとつくづく感じております。ただ、幾つか心配な点があったのが今ご指摘のあった企画・展示なんです。
 非常に回数が多くてですね、、これは企画を考えることにかなり負担が大きいのではないかと思います。また、回を重ねるに従ってだんだんタネ切れになる心配があるのではと懸念しました。ですから、できるだけ衆知を集めて、我々も含めてアイデアを出していくことが必要ではないかと思います。
 それから、先程からオンラインのことがしきりに指摘されておりまして、実際にそういった状況になっていくのかと思うのですけれども、資料の4ページに「tsulunosを使って動画を作成して公開しました」とありますが、この結果、あるいは反応はどうだったかということを教えていただきたいと思います。
 それともう一つ意見があるんですけれども、先ほど図書館職員さんからも説明があったように、県の施設の見直しが問題になっています。また令和3年度の事業計画であるとか、あるいは活動目標、その中にもいろいろ専門的なことも含まれておりますが、県立図書館の素晴らしさが端的に書かれているものがあることを、私、つい先日、妻から教わりました。それは、北村薫さんの「太宰治の辞書」という本です。
 見ましたらまさにこの群馬県立の図書館が非常に的確に扱われておりまして、建物の様子から周りのコブシの木、そして館の職員の対応の丁寧なこと、そして住谷文庫の中にある貴重本、それに対しての情報を得ることができたと。しかも関連の情報が他のどこの館にあるかということまできちんと説明されたと書かれている。これはまさに、先程から説明されているこの県立図書館の大きな特色が示されているのではないかと思います。それが非常に的確に分かりやすく述べられておりました。
 もし、しかるべき人たちに県立図書館の意義を説明される場合には、この本の引用などを使うと分かりやすくていいのではないかなと思いました。

(事務局)
 tsulunosの反応に関しては逐一その動画の画面を見て視聴回数を確認するしかないのですが、それぞれの動画の視聴回数の統計はとっていないので、今、恥ずかしく思っています。
 一番最近に公開したのは「ぐんま再発見講座」という講座の、佐藤喜久一郎先生の講義、「上野神話を彩る三女神」の動画ですけれども、これは公開直後から視聴回数が上がって今は90…?

(事務局)
 今日の朝の時点で110です。

(図書館職員)
 普通に教室でお話されているものを録画した関係で、一部聞きづらいところがあるかもしれませんが、集会形式よりも多くの人に聞かれているとは言えそうです。テーマは神道集で、赤城神社や榛名神社の縁起などが含まれていて面白いと思います。口承伝承との関係も分かりやすくお話しいただいていて、個人的にも勉強になりました。ぜひご覧いただけたらと思います。

議事3 群馬県立図書館サービスの評価について

(委員)
 8ページの(2)の高度な専門的情報サービスの提供の調査相談件数が96.8%と高く評価もAとなっていて調査相談も大変多く利用されていてデーターベースへの入力件数も多いので大変素晴らしいことですが、これは、幅広く色々な人が活用されているのでしょうか、それとも同じ人が多数利用されているのでしょうか。
 また、相互貸借はやはり知らない方が多いのではないかと思います。制度を周知するリーフレットの作成や配布をしていただけるということで、大変有り難いなって思います。大勢の人に相互貸借制度を知っていただいてもっともっと利用していただきたいなと思いました。
それと、「オーダーメードブックリストの作成事業」の中身がよく分からないのですが、ご説明をお願いいたします。

(事務局)
 調査相談件数に関しては、これは延べ人数の数字です。実人数が何人かという数字は申し訳ないのですが持っていません。
 オーダーメードブックリスト作成は、今年度新規で試行している事業です。当館には「子ども読書相談室」という場所があります。読書相談室という名前が付いているとおり、本来は、子どもたち本人からの相談はもちろん、お母さんやお父さん、おじいちゃんやおばあちゃん、あるいは、学校の先生や保育士さん、そういう子どもに関わる大人の方の「子どもにどんな本を読ませたらいいか」というような相談も受ける場所だったはずです。その機能をもう一度取り戻したいと考え、「どんな本を読んだら、あるいは読ませたらいいか」という個々個別の相談に対して、ブックリストを作ってお渡しするサービスです。お子さんに対してアンケートをとらせていただいて、読書傾向だとか、趣味嗜好みたいなことをお尋ねした上で、「こんな本を読んでみたら?」というようなリストを、2週間位かけて作ってお返しします。

(委員)
 それはオンライン上ですか?それとも対面でしょうか?あとまた2週間かけて作成していただくのは紙媒体でしょうか?

(事務局)
 こういうご時世ですが、対面で、紙媒体でお返しするような形になっています。

(委員)
 民間の会社か何かがオンライン上でそういう相談ができて、お薦めの本が出てくるってサービスは見たことがあるんですけれど、こういうオーダーメードブックリストの事業をされている県だったり市町村だったりっていうのはどれ位あるんでしょうか?

(事務局)
 全国に幾つかはあるんです。ただそれは主には市町村立館です。私どもがこれを始めたのは、ここでそのスキルを蓄積し、それを県内の市町村立の方に環流したいと考えるからです。こういうことをやると、こういうことができるよ、というようなノウハウをお伝えできるといいなと考えて始めたものです。

(委員)
 新たな取り組みも含めて、皆さんご努力されていることを、有り難いなと思っています。その中で、実績のところなのですが、例えば10ページの学習支援図書貸し出し冊数が評価がAということで目標が達成されたとなっています。担当の方のご努力だと思うのですが、そのAが達成できたことの手応えというか、どこをどういうふうにしたのでこういう結果として成果を上げることができたっていうことを何か感じてらっしゃることがあればお聞きしたいなと思います。よろしくお願いいたします。

(事務局)
 学習支援図書は授業で使っていただくことが多いのですが、図書館とすれば、セットの内容に知恵を絞ることになります。現場の先生が図書セットを使って学ばせたいことをきちんと学ばせることができたと感じられると、次の利用にもつながります。利用回数・冊数が伸びることで、セット編成が評価されているように感じます。

(委員)
 2番の(2)の受入資料平均単価というのが新規でありますが、これはどのような目的で金額を出しているのでしょうか。またこの3,500円というのがどうしてこれが妥当なのかというのが分からないので教えていただけたらと思います。

(事務局)
 実に説明しづらい部分です。私どもは県立館として高度専門的資料の収集に努めると申し上げていますが、では高度専門的資料とはどのような資料かというのは、一概には規定できません。
 一方で、多くの読者が見込まれない出版物は単価が高く設定されるという性質・特徴が書物にはあります。医学書など、そもそもの発行部数が少ないものは単価が高い、という構造です。お叱りを覚悟で非常にざっくり言ってしまうと、高価な資料ほど専門性は高いという面があると思っています。
 そして、そのボーダーとして挙げた3,500円ですが、もちろんいろいろ議論があって当然です。これは令和元年度の資料の平均が3,159円だったことを基にしています。所蔵資料をもっと専門的な方向にシフトさせるために、単価を上げることを目標として掲げてみようということで3,500円を置いた訳なんです。県内の市町村立の平均単価は1,800円くらいなので、その倍くらいの値段、という目安でもあります。
購入資料の平均単価を見ていくと、専門館の大阪府立中之島図書館は当然のことながら、平均単価はとても高額です。同規模で同じような機能が期待されている館を見ていくと、4,000円半ばです。収集の結果としての平均単価が4,400円くらいになると、県立に期待されている専門性がコレクションからも見えてくるのではないかと考えています。

(委員)
 もしそういうことがあって設定したのであればその、内容の高度さと価格がある程度連動していると思われることからというような、少し補足があると分かりやすいかなという気がします。

(委員)
 オーダーメードブックリストは、そういうリストを県立図書館で作ってくれるシステムって何か凄いなと思います。
 私たち、小さい時から子どもたちの成長を見ています。小さいときは一生懸命読み聞かせしたり、絵本買ってくれたりするんですけれど、小学校入った途端に子どもたちは本を読まなくなるので、自分で読ませようと必死になる親が結構多くなったりします。
 良い本ってすごくたくさんあって、そんなにたくさん読まなくてもいいのだけれど、良い本は子どもたちに手渡したいなって思います。良い本を教えてくれる人は、例えば学校図書室の司書さんたちだったりもします。すごい優秀な司書さんがいると、学校全体の読書力とかいろんな部分が上がります。多分先生方も感じるし、数字にも表れるんじゃないかと思うんです。そうかと思うと、子どもたちの中に知りたいという欲求があるのに全然いかされない学校もあったり。そういうのを見聞きします。
 次にどんな本を読んだらいいのか分からない子どもたちに、次の本を、例え的確じゃなくても渡せるような人が学校の中にいて欲しい。ましてや、その子のブックリストを作ってあげられる人がいたらすごくいいなと思います。
私事ですが、私たちの会の来年の絵本原画の展覧会は、50年以上読み継がれている本を展覧会の中で渡そうと思っています。入場券収入でやっているので、コロナ続きで経営も成り立っていかないんですけれども、たとえ持ち出しになったとしても来年しかできないことをやろうとしています。
 岩波の少年文庫は70年続いていますが、以前●●さんがその少年文庫をいろいろ宣伝してくれた時がありました。そういう助けがあると心強い。私たちの展覧会も●●さんが手伝ってくれたらすごく評判になるのに。
 『次に読むのどれにしよう』っていう本を越高綾乃さんっていう人が書いたんですね。それは古い本ばっかりなんですよね。子どもが小さい時に読んで感動した本を、次に読む子に紹介する本なんです。それはいいなと思って。
 私が読んでほしいと思う古い本は、ケストナーとかの本ですね。ケストナーを、小学生高学年、中学生にぜひ一冊読んで貰いたいって思っているんです。ケストナーに、『点子ちゃんとアントン』という本があります。あるお母さんが6年生の女の子と話していて、「バレンタインのチョコをあげるなら、アントンみたいな子にあげたい」って言ったら、「チョコレートをあげたくなるような男の子の本って何?」って食いついてきたそうです。いくら大人が思春期に入る子どもにケストナーを読ませたいと思っても子どもは手に取らないのに、です。それでお母さんが「いや~、アントン素敵ね」って言ったら、中学2年のお兄ちゃんが「そんなに素敵な奴ってどんな奴よ!?」って言って読み始めて、家族中で楽しんだそうです。ただお父さんだけが入ってこられないという課題はあったそうですが。
 何か、そんな簡単なことで子どもが本を手に取ってくれるんだったら、何かそんなふうな展覧会をやろうということになっています。すごく古い本なので原画を展示するのは難しいけれど、出版社の編集部の人たちからは、挿絵はもう著作権が切れているから大丈夫だって言われていて。何かそれを利用して本を手に取ってもらえるように工夫をしたい。今、いろんな事がある中で、子どもが自分の頭の中で考えて、考えられるように育てなきゃいけないなって思います。それは、かこさとしさんも仰っています。
 もうケストナーにしても、ドリトル先生にしても、70年とか80年とか経っても、子どもは読む。そういう素晴らしい本を、知らない人には知らせたいなって思っているんですね。
 今は誘惑がすごく多すぎるから、その1冊を手にしないまま大きくなってしまう人たちもいる。その人たちに知らせたい。優れた漫画もたくさんあるからそれを読んでくれるのでもいいんだけど、ちゃんと自分の頭で考えられる子どもを育てないと大変なことになる。今は余計にそう思います。そう考えると、図書館で自分のブックリストを作ってもらうって、ものすごい理想です。自分のことも一杯しゃべってしまってすみません。

(委員)
要覧の13ページの2番の図書館運営の館管理運営の71,622千円というのは光熱費だけですか?非常勤の人件費とかも入っているんですか?

(事務局)
  非常勤の人件費が含まれています。

(委員)
 分かりました。それと先程、相互貸借は各市町村の規則なり何なりを優先するということでしたけれど、それを集めて調整するのがまさに県立図書館の仕事なんじゃないのかなと思います。調整会議みたいなのをやったらどうですか。
 それと3点目は、評価結果について目標値とか昨年度比とかを使っているの多いんですけれど他県比較とかしてるのかどうかなっていうことです。あと人口比とか。
 それと、意見のようになってしまいますが、費用対効果っていうと、大体大衆化とか、視聴率とれるものってなってしまうけれども、新しいものを取り入れるのも仕事だと思うけれど、良いものを残していくのも仕事なので、その辺、お願いしたいなと。
 最後に、県立図書館にしかできないこと、さっき出ていましたけど例えば●●さんを呼ぶとか。まあ、マラソン大会ならできるけど、ニューイヤー駅伝は県しかできないから。もしそういうのできたらお願いしたいなと思います。以上です。

(事務局)
 ●●さんを呼ぶ機会があるとすれば、来年度に予定されている全国図書館大会の時かもしれません。来てくださるか分かりませんが、候補の一人として事務局に検討させます。
 相互貸借の調整をもっと細かくやってほしいというご意見をいただきました。おっしゃるとおりこれを調整するのは県立の仕事だと思います。事情を申し上げますと、相互貸借でやりとりする資料の取扱いが難しいのは、各館のルールもありますが、それぞれの資料の状態が一様ではないということもあります。禁帯以外のものは貸すという原則だが、これは運搬の途中でばらばらになってしまう危険があるから相互貸借には乗せられないとか。申し訳ないけどこれは借りた館の館内だけで見せるだけにしてとか。或いはこれは絶対開き癖を付ないでくれというものもあります。そういう個々の資料の性質であるとか状態であるとかもあるので、一律のルールが難しいということがあります。CDなどもそうですね。
 全て制約なしが理想ですが、そのためには財産的な価値を損なわない輸送のシステムがあること前提で、なおかつ、最終的な利用者の資料取扱いがどの館からも信頼されていることが前提になる気がします。
 それと評価の基準を、同規模の都道府県なりと比較したらどうかというお話については、これはおっしゃる通りだと思います。運営方針が違うことで、各県で指標自体のばらつきもあると思いますが、同様の指標があれば加味していきたいと思います。

(委員)
 ビブリオバトルの参加者数は、参集型のビブリオバトルを想定されていると思います。学校では、今年度から一人1台タブレットを持っていて、授業は本当に一変しました。それを考えると、必ずしも集まらなくても参加する方法はあるのではないかなと思いますので、検討していただいて、目標値もそういう意味も含めた形でできるといいかなと思いました。
 あとは4番の図書館等職員研修の参加人数です。先ほど●●委員さんもおっしゃったとおり、学校は図書館職員の力量次第で、貸出しの冊数とか、図書室に行く人数とかが大きく変わるんですね。ですので、本当に本と子どもたち、あるいは図書館と子どもたちをつなぐ大人がすごく大事だなと思っています。それを考えると、こうした研修も、オンラインで、例えば教員も4時過ぎだったら出られるかなと思います。昼間だったら授業があるので難しいですよね。そんなところも工夫してもらえるといいかなと思いました。

(事務局)
 オンラインでのビブリオバトルは、実は昨年、地域協力係で研究してもらって「オンラインでビブリオバトルっぽいものをやってみた」という動画を作ってアップしたことがあります。ただ、その動画自体に、どうやったら今見ているような画面が実現できるのかというような技術的なアドバイスを入れなかったので、それを見てもらえばできますよっていうのが言えないところが残念です。オンラインでもできるやり方はこれからも開発していきたいと思っています。
 それから、学校図書館司書さんの取組が子どもの読書推進に大きく影響するというお話です。県立図書館は図書館法で都道府県に努力義務が課せられている司書の研修を実施する機関としての役割も持っています。これは他の図書館では担っていない県立固有の重要な仕事だと思っていますので、今後とも一生懸命取り組んで県内の図書館関係者の一層の資質向上に努めてまいりたいと思います。

(委員)
 先ほども話が出ましたが、今年度から、子どもたちが小学生でも1年生から6年生まで、1人1台のタブレットを持つようになりました。
 学校図書館の支援については、これまでの図書支援は総合的な学習等で使われる調べ学習を想定したものが多かったかと思いますが、今、子どもたちが何かを調べようと思ったときにはタブレットで調べることが可能になったんですね。本当にポッと手にとって。
 ただ、子どもたちがインターネットで調べているものは、広くて薄い。その中で学習の狙いを達成するのに十分なものを探せる子は少ないと感じます。それを考えると、図書には、学校で教員が子どもたちに身につけさせたい力をつける為によい資料を与え、与えることによって、狙いを達成できるって大きなメリット、価値があったと思うのです。
 学校の図書は予算の関係もあって情報の更新ができないことや、数が揃わないということもありますので、ぜひ県立図書館のような所で、充実した良い資料を用意していただけると、学校の方も単にタブレットに流れない教育に当たれるのではないかと思いました。
タブレットが入って、図書貸出冊数も今後大きく変わっていくと思いますが、どんなふうになっていくのかなというのは、個人的にもとても関心があるところです。

(委員)
 資料を拝見しまして、令和2年度の評価結果について少し細かく見させていただきましたけれども、資料1のビブリオバトルがCになっているというものの、これは中の説明を見ていくとやむを得ない。逆によくコロナで開催したなと機械的評価以外の評価ができるのではないかなと思いました。
 そうしますと、ほとんどがAとBになりまして、これはおおむね努力していると見てよろしいのではないかなと思います。
 令和3年度の評価の方の設定ですが、令和2年度にならって、それを踏まえて反省点やあるいは項目整備等を行いましたので、妥当かなと思います。
 その上で2つほどお聞きしたいのですが、この資料の作成でこれはそれぞれの事業の担当の方が原稿を書いてそれをほぼそのまま採用しているのでしょうか。それとも評価の担当の方がいらっしゃって、全体を目を通して整理した形で出されているのかどうか。ちょっとその評価の資料の作り方について教えていただきたいということです。
 もう1つ、資料の12ページです。下段の横断検索システムの検索件数というところなんですが、そこで目標値設定の考え方で4月~6月は令和2年度実績49,032件、7月~3月は令和元年度実績193,670件を基準とするとあるんですけれど、これは令和2年度の評価ではないかと思うんです。そうすると、この中に令和2年度の実績が入ってくるっていうのは、ちょっとどういうことなのか疑問を感じました。そのことについて、教えていただきたいと思います。

(事務局)
 まずは資料の作り方に関するご質問ですが、数字を作る部分に関してはそれぞれの担当がやっていますが、まとめるにあたっては、組織として統一する意味で、できる限り考え方を揃えているつもりです。これは1カ所だけ違うというようなことがあれば、ぜひご指摘いただきたいと思います。
 それと12ページの横断検索システムの検索件数に関してなんですが、これはおっしゃる通り令和2年度の実績の説明の部分です。令和3年度の目標に関しては21ページの丁度中央辺り、3の(2)の部分に目標の考え方を記載させていただきました。

(委員)
 12ページのはこれは令和2年度の実績の報告、評価結果についてなので、そこで評価基準の中にですね、令和2年度のデーターを目標値というのがあります。つまり目標値 243,000件を設定した中に、令和2年度でありながらすでに令和2年度の実績値が入ってしまっているというのは、ちょっと解せないなという思いがした、そういうところがございます。

(事務局)
 ご指摘ごもっともです。毎年、この時期、7月頃に目標値を確定させていますが、令和2年度の場合はコロナの関係で年度当初に閉館になりました。そのため年度の目標算定にあたっては、この特殊な期間をどう考えるかが問題になりました。元年度の実績値を使うと令和2年度が上がり過ぎてしまうため、この部分に関しては7月までの実績値で代えたということかと思います。分かりづらくて申し訳ありません。

(委員)
 私も●●委員さんと同じで、この数値が補正する必要があったのかなというふうには思います。昨年度たてた目標通りでいけばBとかCとか評価は悪くなるかもしれませんが、それはコロナの影響がどれくらいのインパクトがあったかということが計れるので、目標値を操作しなくてもいいのではないのかなと考えていました。●●委員さんはそういうことをおっしゃったのだとと思います。
 今年から始まるブックリストの事業につきましては、私もお聞きしたいなと思っていましたが、委員の皆様のご質問で内容が大分理解できました。委員の皆様からは、昨年度のご意見も踏まえて要覧の方も大変見やすくなったという意見もありました。私もこちらの要覧の2ページ3ページの方にコンパクトにまとめてある運営方針と令和3年度の目標辺りは県立図書館さんとして本当に良く考えていただいてまさに過不足なく本当にこういうことを進めていただければという内容になっているなと思っております。
 それから何人かの委員さんから企画展示がしょっちゅう変わっていて、頑張り過ぎていないのかということを心配されていましたけれど、そういった意欲的に取り組んでいただけるような雰囲気だったり職場の環境だったりということがあるのかなと思いまして、それに対しても本当に感謝申し上げたいと思っております。
 また委員さんからは今日、来年度せっかく全国大会が群馬県で開催されますので、●●さんを呼んで話を聞くっていうような案も出てきましたので、ぜひともそういった事を踏まえて、またよりよい県立図書館の活動につなげていただければと思っています。

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