本文へ
表示モードの切替
印刷

【2011年5月】グローバル展開講演会「商社から見た日本食品の風評被害とその対策」を実施しました

 今般の災害の影響により、海外の国々で日本からの食品に対する輸入規制が行われ、また風評被害も問題となっています。そこで、戦後の混乱期から日米の食品貿易に携わり、幾多の困難を乗り越え、アメリカで寿司などの日本食文化を根付かせ、その功績で旭日小綬章を受賞し、現在も第一線でご活躍中の金井紀年氏を講師にお招きし、講演をいただきました。
  金井氏は講演の中で「米国で日本食は風評被害に負けない絶対の地位を築いている」「日本は必ず復興する」「日本文化の素晴らしさを若者に教育して海外に出して」とのご意見を述べられておりました。出席者からは、「現地(米国)の状況がよく分かった」「日本食品を扱う商社の生の声を聞けて良かった」「意気消沈していたが勇気が湧いた」との感想をいただきました。

【日時】

平成23年5月19日(木)午前10時~12時

【場所】

群馬県庁2階ビジターセンター

【講師】

共同貿易グループ代表取締役、南加群馬県人会顧問
     金井紀年 氏 (ロサンゼルス在住)

【出席者数】

70名(食品業界関係者、農業関係者、一般県民)

金井氏:写真

【講演(一部紹介)】

<アメリカで寿司バーを広めるまでの金井氏の歩み>

  • アメリカでマーケットを作るにあたり、近くに住んで実際を見る必要があったので、1964年に一家をあげて渡米しました。
  • 何を中心に世界にひろめたらいいかと色々試して、最初はアメリカ人が好むようなものをやろうとしました。しかし、やはり文化のない底のないものは負けてしまうんですね。結局アメリカ人の中にない文化、食品文化を基礎にして立ち上げる以外はないということに気がつきまして、当時色々な分析をして、寿司を中心にいこうということになりました。
  • 当時アメリカでは魚と言いますと、ステーキのように焼いて食べる切り身を魚だと思っていましたから、頭のある魚、目のある魚なんてものは見たことのない人が多かったんですね。ですから、私の意見に賛成してくれる人は一人もいませんでした。生の食品などアメリカに受け入れられるはずがない、米はアメリカ人が食べるわけがないというわけです。
  • しかし、コックさんと自分とが寿司バーを始めたところ、調理している様子を見せる文化がアメリカで受け、広まっていきました。現在は寿司バーをはじめ日本食レストランがアメリカで1万4千件あります。今ではイギリス、フランス、ドイツ、それから最近ではロシア、中国でにも広まっています。

<原子力発電所事故による風評被害とその対策について>

  • 原発関連の風評被害は、米国では大きい障害にはならないと思います。
  • 日本からの農産品輸入については、事故発生一週間後には、一定のものについては米国に入れさせないようにする対策をFDA(アメリカ食品医薬品局)が発表しました。そして、他の商品も、アメリカ政府がきちんと調査・検査し、汚染された物は絶対に入れないと、明確に国民に約束したのです。それにより、日本から輸入される食料品はほとんど心配ないという認識がアメリカ人にできたのですね。アメリカ国民はアメリカ政府を非常に信頼しています。
  • その結果、輸入する手続きが通常より、一、二週間遅れますけれど、これはしょうがないですよね。しかし、今まで検査により抑えられた商品は一つもないです。
  • 結論としては、日本から入るものは全部大丈夫という認識なので、風評被害を受けることは少ない。日本の物は買わないと言う人も中にはいますけど、少数です。
  • 日本食は、権威ある全米レストランのランキングで、1位から5位までのうち4軒が日本食レストランという、絶対の地位を築いているのです。この事故により日本食のポジションがひっくり返ることはないでしょう。
  • 米国以外は、それぞれの国で対応がちがいますから、(風評被害が)どうなるか分からないが、アメリカが明確な態度で対処しておりますので、これを他の国も信用するようになるのではないでしょうか。

<日本へのメッセージ>

  • 震災の被害は確かにただならぬものですが、必ず復興します。これは間違いなし。日本人は素晴らしいそういった資質をもっているんですよ。
  • 日本の非常にいい点は文化です。外国で茶道とか書道とかそれを魅せられてそれを習って素晴らしいと言っている人は沢山いますよ。
  • 「道」というのが非常に重要で、茶道、書道、色々な「道」がありますよね。こういうのは英語にはないですよ。roadとかlaneとかboulevardとか、色々あるけれど、哲学的な意味があって文化に繋がっているというのはありません。
  • 日本食は、食器で非常に美しくディスプレイします。そういうような文化的な面で非常に日本人は優れており、尊敬されます。ただおいしいだけでは日本食にはなりません。茶道でも、掛け軸、それからお花それからいろいろな道具類がある。そういったものが揃って、茶道になるんですよね。
  • 日本人は「道」を大事に守ってきたのはいいけれど、改革をしていくという点が不足してます。アメリカに行きますと今中国人の方が日本人よりもっと多いですよ。韓国人でも今100万越してますよ。日本人はもっと少ない。最近若く外国へ出る人が少なくなりましたね。日本の文化を外国へ広げるには身を持って行動しなければ駄目ですよ。ですから日本の若い人たちがもう少し元気を出してね、日本の文化を持って外国へ行って、身を挺して何かやってほしいと思います。
  • 蕎麦の味は素晴らしいですよね。アメリカで日本の蕎麦の先生が来て、デモンストレーションをやったら、こんなに素晴らしい食料はないとアメリカ人は褒めていました。ですから蕎麦だけでもアメリカへ行ってやったら大成功すると思います。
  • 日本の人が世界に信頼され、尊敬される分野をつくりたいというのが私の願いです。寿司バーがアメリカで広まった歴史があり、寿司が正当に評価されていることすら、全然知られていない。「日本は素晴らしいんだよ」「日本の素晴らしさを勉強するんだよ」ということを若い人に教育してほしいと思います。

このページについてのお問い合わせ

知事戦略部地域外交課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-897-2982
FAX 027-223-4371
E-mail gaikouka@pref.gunma.lg.jp
迷惑メール対策のため、メールアドレスの一部(@pref.gunma.lg.jp)を画像化しております。