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第2部第2章第3節【有害化学物質による環境リスクの低減】

【環境基準達成率】
 ダイオキシン類 大気 100.0%(5/5地点)
 公共用水域(水質) 100.0%(5/5地点) (底質) 100.0%(5/5地点)
 地下水質 100.0%(5/5地点)
 土壌 100.0%(5/5地点)
 
【敷地境界基準値の達成状況】
 アスベスト 大気 100.0%(7/7地点)

1 PRTR

(1)PRTR制度の背景

 現在の私たちの生活は、多種多様な化学物質を利用することで成り立っています。
 しかし、化学物質の中には、人や生態系に悪影響を及ぼすおそれがある物質もあります。
 このため、従来の対策手法(多種多様な化学物質を厳格な法律により規制する方法)には限界があるとの指摘がなされ、平成11年に「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」*2が公布され、PRTR制度が導入されました。

(2)PRTR制度の目的

  • 事業者による化学物質の「自主的な管理」の改善を促進する。
  • 環境保全上の支障を未然に防止する。

(3)PRTR制度の仕組み

 対象となる化学物質を製造又は使用している事業者は、大気、公共用水域、土壌及び事業所内埋立など環境中に排出した量及び廃棄物として処理するために事業所外へ移動させた量を自ら把握し、都道府県を経由して国に毎年届け出ます。
 国は事業所からの届出データを整理・集計する他、届出対象となっていない家庭や農地、自動車などから排出されている対象の化学物質量を推計し、両データを併せて公表します。
 なお、届け出た個別事業所のデータについては、次のホームページから入手することができます。

PRTRインフォメーション広場[環境省](外部リンク)
化学物質排出把握管理促進法[経済産業省](外部リンク)

(4)排出量・移動量の集計結果

 平成23年2月に第9回目(平成21年度分)の排出量等のデータが公表されました。

ア 届出データ

 a 届出事業所数

 県内の届出事業所数は前年度より59件少ない802件となり、全国の38,141件の約2.1%を占めています。そのうち約4割を燃料小売業が占めていました。(全国と同傾向)

 b 届出排出量・移動量

 県内の届出排出量は約4.3千トンで、全国の約2.4%を占め、排出量順で20番目でした。
全国及び県内の排出量・移動量は、表2−2−3−1に示すとおりです。大気への排出量の割合が高く、群馬県の場合は排出量全体の約97%を占めています。排出量の多い物質は、上からトルエン、キシレン、エチルベンゼンとなっています。

イ 届出外(推計)排出量データ

 県内の届出外排出量は、届出排出量の約1.6倍となっています。(表2−2−3−2)
 また、県内の届出外排出物質の上位3物質は、トルエン、クロロピクリン、キシレンの順となっています。
 PRTR制度により得られたデータは県が行う化学物質調査の基礎として活用されています。また、リスクコミュニケーションへの活用も図っていきます。

(5)化学物質大気環境調査

 PRTR制度による届出データの集計結果に基づき、環境への影響を調査するため、排出量の多かった地域で夏期及び冬期の年2回、大気環境調査を行いました。調査対象は、排出量の上位5物質(トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロエチレン)で、平成22年度の調査結果(年2回の調査結果における平均値)は表2−2−3−3のとおりです。
 また、ニッケルおよびクロムの排出が予想される対象事業所の周辺で、それらの測定を行いました。結果は表2−2−3−4に示すとおりです。

2 ダイオキシン類

 ダイオキシン類対策特別措置法では、ダイオキシン類をポリ塩化ジベンゾ−パラ−ジオキシン(PCDD)、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)及びコプラナーポリ塩化ビフェニル(コプラナーPCB)の総称と定義しています。
 ダイオキシン類は、工業等で意図的に製造する物質ではなく、焼却の過程等で非意図的に生成してしまう物質です。環境中に広く存在していますが、その量は非常にわずかです。
 私たちは、食事や呼吸等を通じて1日平均体重1キログラム当たり約1.06ピコグラムのダイオキシン類を摂取しており、その約98%は食品を経由しています。この水準はダイオキシン類の耐容一日摂取量(TDI)(体重1キログラム当たり4ピコグラム)を下回っています。したがって、健康への影響はないと考えられます。

1 ピコグラムは、1兆分の1グラムに相当します。例えば、東京ドームを水でいっぱいにした時に角砂糖1個(1グラム)を溶かした場合の水1ccに含まれている砂糖の量が1ピコグラムです。

(1)ダイオキシン類を出さないために

 本県では、ダイオキシン類による汚染の拡大を防止し、環境リスクの低減を図り、安全な生活環境を確保するため、国が推進する対策等も勘案しながら1環境実態調査、2発生源対策、3ごみ減量化・リサイクルの推進、を総合的に推進しています。
 群馬県の生活環境を保全する条例では、野焼きや小型焼却炉での焼却の規制を設け、みだりに焼却をさせないよう指導しています。また、焼却炉等に係る国の排出基準も平成14年12月1日から強化されています。
 ダイオキシン類の発生源は様々なものがありますが、特に廃棄物焼却炉から発生するものが全体の6割以上を占めています。その中には一般家庭等から排出されたごみの焼却によるものも含まれていてダイオキシン類の発生する原因は、私たち一人ひとりにもあるのです。
 ダイオキシン類を減らすためには、まず、再利用やリサイクルなどを推進することです。このためには、ごみの分別回収に協力することも大切です。

(2)環境中のダイオキシン類調査結果

 ダイオキシン類対策特別措置法により、大気、水質、水底の底質及び土壌の環境基準が定められています。平成22年度に実施した環境中のダイオキシン類の調査結果は、表2−2−3−5のとおりです。
 その結果、大気・公共用水域(水質・底質)・地下水・土壌は、すべての地点で環境基準以下でした。

(3)ダイオキシン類対策特別措置法の対象施設

 平成23年3月末日現在、本法の届出状況は、大気基準適用施設では、廃棄物焼却炉156施設等を含め計169施設、水質基準適用施設では、廃ガス洗浄施設7施設等を含め計23施設となっています(前橋市届出分を除く)。廃棄物焼却炉の届出施設のうち、約42%が焼却能力200キログラム/時間未満の小型焼却炉となっています。
 なお、平成21年4月1日から前橋市が中核市へ移行したため、ダイオキシン類対策特別措置法の届出事務が移管されました。

(4)施設設置者による測定結果

 施設設置者は、排出ガス、排出水及び燃え殻等のダイオキシン類による汚染状況について、年1回以上測定を行い、結果を報告し、公表することが義務づけられています。

ア 大気基準適用施設

 新設及び過年度に休止中の施設を除いた報告対象施設である141施設のうち、製鋼用電気炉1施設、亜鉛回収施設2施設、アルミニウム合金製造施設7施設、廃棄物焼却炉122施設から排出ガス等の測定結果の報告があり、全ての施設が基準に適合していました。
 また、測定未報告施設が9施設(うち2施設は22年度中に廃止)ありました。

イ 水質基準適用事業場

 新設及び過年度に休止中の施設を除いた報告対象事業場である10事業場のうち、アセチレン製造施設を設置している1事業場、廃棄物焼却炉の廃ガス洗浄施設・湿式集じん施設・灰の貯留施設を主として設置している5事業場、下水道終末処理施設を主として設置している2事業場、フロン類破壊施設を設置している1事業場から排出水の測定結果の報告があり、全ての施設が基準に適合していました。
 また、測定未報告施設が1施設ありました。

3 アスベスト

 アスベスト(石綿)は、天然の鉱物繊維であり、熱や摩耗に強く、酸やアルカリにも変化しにくいという特性と経済的に安価であったことから、高度経済成長期をピークとして建築材料や工業製品などに幅広く大量に使用されてきました。
 しかし、アスベストの極めて微細な繊維を吸い込むことにより、人体に深刻な影響を与えることが確認されたため、国では段階的にアスベストの使用等に関する規制を強化し、現在では代替物質がない一部用途を除いて全面的に使用が禁止されています。一方で、アスベストを原因とする健康被害者に対する救済制度が創設されました。
 アスベストを原因とする健康被害については、アスベストを吸い込んでから自覚症状等をきっかけとして発見されるまでの期間が非常に長い(例:中皮腫では30−50年)ため、今後も長期的な視野に立って被害者の早期発見及び救済を図っていくことが必要であります。
 また、環境保全の観点からはアスベストを使用した建築物の老朽化が進行し、建て替え等の時期を迎えているため、解体時の飛散防止対策の徹底と解体に伴って大量発生が予測されるアスベスト廃棄物の適正処理能力の向上に努めていくことなどが重要な課題となっています。

(1)国の対応

 国は、アスベストの使用や飛散防止措置等に関して、1970年代から労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物処理法などの関係法令による規制を段階的に強化しており、2006年には、労働安全衛生法により一部用途を除いて全面的にアスベストの使用等を禁止しました。

(2)県の対応

 県は、関係課や地域機関において、一般県民等からのアスベストに関する健康被害や環境保全、住宅建材などの相談や質問に対応するとともに、保健予防課と各保健福祉事務所において国が創設した健康被害者に対する救済制度の申請受付を行っています。
 また、アスベストの飛散を防止し、アスベスト廃棄物の適正な処理が行われるよう、大気汚染防止法や廃棄物処理法などの法律に基づく監視・指導を行うとともに、県の各分野が連携して総合的にアスベスト対策を推進するため、「群馬県アスベスト対策連絡会議」を設置しています。

(3)県内のアスベスト解体工事

 吹付け等飛散性アスベストが使用された建築物を解体・改造・補修する際には大気汚染防止法上の届出が必要となります。県では、この届出のあった全ての現場に立ち入り、適正に作業が行われているかを確認しています。
 なお、平成22年度は50件の届出がありました(政令市である前橋市及び高崎市への届出17件分を含む)。

(4)大気中のアスベスト濃度

 県内の大気環境中のアスベスト調査に係る総繊維数濃度について一般環境2地点、飛散性アスベスト(特定粉じん)排出等作業現場5現場(30地点)で測定を行った結果、全ての地点でアスベスト製造施設の敷地境界基準値(10本/リットル)を下回っていました。飛散性アスベスト作業現場でも、一般環境と同等の濃度が保たれていました。

(5)県内のアスベスト製品製造施設

 大気汚染防止法上のアスベスト製品製造施設は、過去県内で15事業所ありましたが、平成18年度をもって全て廃止となっており、現在は存在しません。

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E-mail kanseisaku@pref.gunma.lg.jp
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