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第2部第1章第1節 温室効果ガスの排出削減による低炭素社会の実現

更新日:2013年10月25日 印刷ページ表示

第1項 温室効果ガス排出の計画的削減

1 群馬県地球温暖化防止条例の着実な運用

 地球温暖化問題に対する県の姿勢を明らかにするとともに、県、事業者、県民の責務を明確にすることにより、事業者・県民の自主的かつ積極的な温暖化対策を促進して温室効果ガス排出抑制の実効を上げるため、平成21年10月に「群馬県地球温暖化防止条例」を制定し、平成22年4月1日から施行しました。
 この条例では、一定規模以上の事業者に温室効果ガスの排出を抑制するための計画を毎年度提出することを義務付け、その結果を公表することとしています。平成24年度は「温室効果ガス排出削減計画」など3つの計画制度合計で約400の事業者(延べ数)から提出がありました(結果については現在集計中)。
 また、計画の提出義務がある事業者のうち20事業者の事業所に対し立入調査を行い、温室効果ガス排出抑制に向けた取組状況の確認を行いました。
 温室効果ガスの排出抑制は、東日本大震災の影響などにより、今後厳しい状況が続くと予想されますが、計画書の提出・公表制度などを通じ、条例の目的を達成できるよう取組を進めていきます。

2 群馬県地球温暖化対策実行計画の推進

 群馬県地球温暖化防止条例に基づき、平成23年度以降の県内及び県庁内における温暖対策を計画的かつ総合的に推進するため、平成23年3月に「群馬県地球温暖化対策実行計画」を策定しました。

(1)県内全体の計画(区域施策編)

ア 目標

 平成32年度(2020年度)における温室効果ガスの排出量を、平成19年度(2007年度)比で28%削減を目指します(うち森林吸収源対策により6%)。

イ 主な取組

 本計画には、産業、業務、家庭、運輸などの各部門ごとの施策の方向性を記載していますが、次の7項目を重点施策として集中的に推進します。

  • 温室効果ガス排出削減計画等提出・公表制度などの着実な運用
  • 環境マネジメントシステムの導入促進
  • 再生可能エネルギーの導入促進
  • 自動車対策(自動車との賢い付き合い方)
  • 森林の適切な整備・保全と県産木材の利用促進
  • 代替フロン等の適切な管理・処理
  • 環境教育・環境学習の推進
ウ 推進体制

 「群馬県地球温暖化対策推進会議」(注)を本計画の推進組織とし、各構成員の連携による計画の普及・推進を図り、目標の達成を目指します。
 各施策の実施状況については、PDCAサイクルを導入し、毎年度点検するとともに改善を行います。
 また、必要に応じ計画の見直しを行うとともに、温室効果ガスの排出の状況を毎年度推計し、目標の達成状況を把握し、県ホームページで公表します。

  • 注 群馬県地球温暖化対策推進会議:前計画である「第2次群馬県地球温暖化対策推進計画(新コツコツプラン)」の推進のために設置された組織。副知事を会長とし県内各種団体の長などを構成員とする。各構成員の連携による計画の普及・推進を図り、目標の達成を目指す。
エ 県内温室効果ガス排出状況

 平成22年度(2010年度:最新データ)の県内温室効果ガス排出量は1,722万5千トンとなり、平成21年度に比べ1.2%増加し、3年ぶりに増加に転じました。これは、平成20年度に発生したリーマンショック後の景気後退からの回復の中で、エネルギー起源二酸化炭素が増加したことが主な原因です。
 なお、平成19年度(2007年度)との対比では、14.3%の減少となります。

(2)県庁における取組(事務事業編)

ア 概要

 県自らが、事業者として温室効果ガスの排出を抑制するため、2020年度(平成32年度)における県有施設の温室効果ガスの総排出量を、2007年度(平成19年度)比で26%削減することを目標としています。
 本計画を運用し、省エネ法に基づくエネルギー管理推進体制を通じて全庁的な取組を推進します(図2-1-1-2)。
 取組の実施状況については、PDCAサイクルを導入し、毎年度点検するとともに改善を行います。取組結果については公表します。

イ 取組状況

 毎年各所属ごとにa:公用車使用に係るエネルギー使用量・走行距離実績、b:庁舎、施設・設備に係るエネルギー使用量・温室効果ガス排出活動量を報告、c:温室効果ガス排出削減のための行動計画を策定し、各所属で設定した削減目標に向けて温室効果ガス排出活動量の削減を目指しています。
 平成23年度の温室効果ガス排出量実績は表2-1-1-2のとおりです。

第2項 省エネルギー・再生可能エネルギーの推進

1 再生可能エネルギー(新エネルギー)の普及推進

(1)再生可能エネルギーの導入促進

ア 再生可能エネルギーと新エネルギー

 新エネルギーは、再生可能エネルギーの中で、「経済性の面における制約から普及が十分でないものであって、促進することがその導入を図るために特に必要とされる」ものであり、新エネルギー特別措置法により規定されています。
 県では、新エネルギーの普及促進を図るため、様々な事業を実施しています。また、東日本大震災を機に、新エネルギーへの期待が非常に高まってきたことを受けて、エネルギーの地産地消及び低炭素社会の構築に向けた以下の施策を実施しました。

a 小水力発電導入に係る調査支援事業の実施

 小水力発電の導入に向けた流量調査や概略設計調査等について、市町村等に対し補助を実施しました(9件実施)。

b 地中熱利用システム導入モデル支援事業の実施

 モデル的な地中熱利用システムの導入事業について、導入企業に対し補助を実施しました。(3件実施)。

c 畜産バイオマスのエネルギー利用のための研究開発

 県では、平成18年1月から畜産バイオマス(家畜排せつ物)を低温でガス化することにより得られた水素やメタンなどの可燃ガスから発電する技術の研究開発に取り組んでいます。

d 大規模な太陽光発電マッチング事業の実施

 本県は日照時間が長く、太陽光発電に向いていると言われています。また、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の開始により太陽光発電事業の採算性の向上が見込まれ、大規模な太陽光発電事業への投資が活発化しています。
 そのため、県では、発電候補地を求める発電事業者と、未利用の土地等を有効活用したい所有者の出会いの場であるマッチング会を開催しました。(2回開催)

e 群馬県新エネルギー導入目標値の見直し

 平成24年3月に設定した本県の新エネルギーの導入目標値について、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の開始など社会情勢の変化を踏まえて見直しを行い、大幅に上方修正しました。

f 「電源群馬プロジェクト」の立ち上げ

 新エネルギーの導入をさらに強力に進めるため、平成25年1月に「電源群馬プロジェクト」を立ち上げ、全庁的な取組体制を整えました。

 平成25年度は、上記c畜産バイオマス利用については実証試験の規模を拡大し、技術の実用化・事業化を図ります。また、上記e導入目標値の達成に向けて、上記f電源群馬プロジェクトを推進し、a小水力発電導入に係る調査支援事業、b地中熱利用システム導入モデル支援事業、dマッチング事業などについて引き続き実施しています。

イ 住宅用太陽光発電設備

 住宅用太陽光発電設備は、各住宅において発電した電力を自家消費することにより家庭部門から排出される温室効果ガスのより一層の抑制に寄与するものです。さらに、余剰の電力を電力会社に売電することにより再生可能エネルギーとして活用されます。
 県では、住宅用太陽光発電設備の普及推進のため平成21年度から補助事業を実施しています。平成24年度においては、対象となる「住宅用太陽光発電設備」は、太陽電池の最大出力の合計値が10キロワット未満のもので、補助対象経費が1キロワット当たり55万円以下(税別)のものに対し、補助額は太陽電池の最大出力の値1キロワット当たり2万4千円(上限8万円)でした。24年度の補助実績は6,863件、また別に前年度繰越分の補助実績は883件でした。
 国及び一部を除く市町村においても補助事業を行っており、年々普及が進んでいます。県内の住宅における設置件数は、表2−1−1−4のとおりです(国の資料による)。

ウ 小水力発電

 県企業局は、地域における再生可能エネルギーの普及拡大を図るため、市町村等が取り組む小水力発電に対して技術的支援や相談を行っています。

(2)新エネルギーの普及啓発及び調査研究

 県庁内に設置している「新エネルギー研究会」において、群馬県における今後の新エネルギー施策のあり方を総合的・部局横断的に検討しています。
 また、新エネルギーの普及啓発のため研修会等を実施しました。
 平成23年度に実施した新エネルギー導入可能性調査等の結果報告や、小学生を対象とした新エネルギー教室、木質ペレットストーブの燃焼展示やぐんま環境フェスティバルにおける新エネルギー導入事例の紹介など、様々な機会を通じて子どもから大人まで幅広い世代を対象に新エネルギーの普及啓発を行いました。また、県企業局では、水力・風力・太陽光発電の理解を深めるため、県営発電施設の見学案内を行っています。
 平成25年度も引き続き、研修会等を実施し、新エネルギーの普及啓発に努めます。

2 水力発電・太陽光発電の導入促進

 県企業局は、水力発電の導入促進として、平成27年度の運転開始を目指し、平成24年度から桐生市黒保根町を流れる小黒川に出力2,000キロワットの田沢発電所の建設を進めています。
 また、太陽光発電の導入促進として、邑楽郡板倉町に出力2,268キロワットの板倉ニュータウン太陽光発電所を建設し、平成25年7月に運転を開始しました。

3 県有施設における省エネルギーの率先実行

 県自らが率先して二酸化炭素などの温室効果ガスの排出削減を進めるため、大規模施設に対するESCO事業(注1)の導入や庁舎照明設備の高効率化などの省エネ改修を推進するとともに、管理標準(注2)に基づくエネルギーの適正管理や行動計画による職員の省エネ行動の徹底を図っています。
 また、東日本大震災以降は、電力不足に対する夏の節電対策として、使用最大電力の削減に取り組んでいます。

  • 注1 ESCO事業:民間事業者が実施する省エネルギーサービスのことで、設計、施工、運転・維持管理、資金調達などを含めた包括的なサービスのことです。省エネルギー効果を保証するパフォーマンス契約であることが最大の特徴です。
  • 注2 管理標準:エネルギー使用設備のエネルギー使用合理化のための管理要領(運転管理、計測・記録、保守・点検)を定めた「管理マニュアル」をいいます。

(1)ESCO事業導入の推進

 平成20年度及び平成21年度に、一定規模の県有施設9施設に対してESCO事業導入可能性調査を実施し、その中から総合交通センターと生涯学習センターにESCO事業を導入しました。
 平成25年度は自然史博物館にESCO事業を導入します。

(2)省エネ改修の推進

 県有施設へのデマンド監視装置(注)の導入のほか、照明の高効率化や窓の遮熱フィルム貼り付けといった夏の節電対策に重点を置いた対策を実施しています。

  • 注 デマンド監視装置:最大需要電力(最大デマンド値)を常時監視し、設定値を超えるデマンド値の発生が予測される時に警報を発します。最大需要電力(最大デマンド値)は電気料金の基本料金計算の根拠となることから、これを監視することで省エネルギーだけでなく経費の節減にも有効です。

(3)管理標準に基づくエネルギーの適正管理

 平成22年度から各県有施設ごとの管理標準を整備するとともに、エネルギー原単位(注)削減の5か年の中期目標と単年度目標を設定しています。
 また作成した管理標準の遵守状況を毎年チェック、評価することでエネルギーの適正管理を図っています。

  • 注 エネルギー原単位:生産量や売上高など単位あたりのエネルギー使用量のことで、エネルギーに関する効率を表す指標になります。庁舎においては一般的に、延床面積1平方メートルあたりのエネルギー使用量が用いられます。

(4)職員の省エネ行動の徹底

 毎年、各所属ごとに省エネルギーの取組に関する行動計画を作成しています。
 各職員の取組状況を年2回(9月と3月)にチェックし、省エネ行動の徹底を図っています。

(5)夏の節電対策の取組

 平成24年度は各県有施設ごとに夏期の省エネ・節電行動計画を作成し、行政庁舎においては使用最大電力の25%削減(平成22年度比)に取り組みました。
 平成25年度も率先実行の観点から同様の対策を実施します。
 標準的な庁舎における主な取組内容は次のとおりです。

  • 執務エリアの照明を常時2分の1程度間引く。
  • 温度管理をきめ細かく行い、冷房は28℃とする。
  • 繁忙期を除き、コピー機、プリンターの使用を2分の1とする。

第3項 自動車交通対策の推進

1 次世代自動車の普及推進

 平成24年度末で県内の電気自動車(EV)の登録数は727台、プラグインハイブリッド車(PHV)は350台となり、次世代自動車は着実にその数を増やしています。
 平成24年度は、「群馬県電気自動車等普及推進連絡協議会」において情報交換・協議を行うほか、EV等の試乗会(4回)を実施し、また県内の充電インフラの位置情報等を広く提供するため充電マップを5,000部作成し、EV等の周知を図りました。また、三県知事会(群馬・埼玉・新潟)の取組として、平成24年4月に新潟県朱鷺メッセにおいて、「EV・PHVサミット」を開催しました。
 平成25年度は、「次世代自動車充電インフラ整備促進事業」(国の緊急経済対策)が制定されたことに伴い、県内の充電インフラ整備を加速するために「群馬県次世代自動車充電インフラ整備ビジョン」を策定し、次世代自動車の一層の普及促進と利便性向上を図っていきます。

2 エコドライブ・アイドリングストップの推進

 温室効果ガスの排出を抑制するため、群馬県地球温暖化防止条例により、一定規模以上の駐車場(500平方メートル以上)の設置管理者には、看板の掲示などにより、アイドリングストップの周知義務が定められています。また、エコドライブ・アイドリングストップの推進を努めるようとされています。
 さらに、環境に配慮した運転であるエコドライブの普及を図るため「群馬県エコドライブ普及推進協議会」により、運輸団体、経済団体、自動車関連団体、行政等が連携して取り組んでいます。
 取組内容としては、エコドライブの普及・啓発活動(エコドライブ講習会、エコフェスティバルの開催)を行います。

3 公共交通の利用促進

 本県の運輸部門全体からの二酸化炭素排出量は、平成14年度から22年度までの8年間で約16%減少していますが、二酸化炭素排出量のうち、運輸部門の占める割合は約31%(平成22年度)と全国平均の約19%(同年度)と比較して高い水準となっています。
 京都議定書に基づく二酸化炭素排出量の削減目標を達成するためには、一人ひとりの行動を「過度に自動車に頼る暮らし」から「適度に多様な交通手段を利用する暮らし」へと転換することが不可欠です。
 そのためには、交通サービスを提供する交通事業者が、更なるサービス向上に取り組むとともに、企業や各家庭の一人ひとりが自動車から公共交通へと自発的に利用を転換することを、多様な交通施策を通じ促すことが重要です。

(1)路線バス対策

 県民や来県者の移動手段を確保するため、赤字の乗合バス路線を運行しているバス事業者や市町村に対して、運行費や車両購入費等の一部を補助しました。

(2)中小私鉄等再生対策

 県民の日常生活に必要な交通手段を確保するため、県内の中小私鉄等(上毛電気鉄道・上信電鉄・わたらせ渓谷鐵道)に対して、沿線市町村とともに、安全対策等のための設備整備費用や鉄道基盤設備の維持費用を補助しました。

(3)鉄道利用促進対策

 鉄道利用の利便性向上を図るため、鉄道事業者が行う駅施設の整備を支援しました。

4 渋滞の解消

 県では、バイパス整備や拡幅等を行うことで渋滞を解消する施策を行っています。渋滞の解消により、道路交通がスムーズになり、安全性も向上するほか、自動車からの排気ガスが削減されることで地球温暖化防止に貢献することができます。平成24年度に実施した施策は表2−1−1−5のとおりです。

5 自転車利用の促進

 自転車は、排気ガスを出さず、クリーンかつエネルギー効率の高い交通手段として認識されています。
 そこで、本県では自動車から自転車への交通手段の転換を促進するため、自転車の通行環境を整備するとともに、サイクリングロードマップを作成・配布するなど自転車の魅力についての情報発信を行っています。また、利用者の視点で自転車利用の促進を図るため、平成17年4月に「サイクルツアー応援隊」(県民ボランティア)を発足し、協働して様々な取組を進めています。

6 LED式の信号灯器の導入

 LED式の信号灯器は、電球式に比べて4分の1以上の電力消費量であり、省エネルギー対策に寄与します。また、視認性の向上及び疑似点灯の防止に加えて、長寿命化を期待でき、最終的には地球温暖化の防止につながります。
 県では全信号機3,970基(平成25年3月末現在)をLED化することを目標に、平成18年度から積極的に導入を推進しており、平成24年度は177か所の信号機でLED化を実施しました(整備率約41.4%)。

第4項 県民による自主的取組の促進

1 家庭における取組の促進

(1)ストップ温暖化!県民アクションの推進

ア 目的

 地球温暖化防止のためには、一人一人が温暖化の現状や仕組みについて理解し、実際の行動につなげていくことが必要です。
 県では、身近で、成果が実感しやすい温暖化防止に向けた行動をまとめたリーフレット「ストップ温暖化!県民アクション~地球おんだんか防止隊隊員募集~」を作成・配付し、一人一人が防止隊員として取り組んでいくことを広く呼びかけました。

イ 県民アクションの3ステップ
  1. 隊員心得その1:「知る」
     リーフレットから温暖化防止につながる行動例を知り、理解する。
  2. 隊員心得その2:「行動する」
     温暖化防止行動を意識しながら、期間を決めて生活し、自分にできる行動を実践する。
  3. 隊員心得その3:「報告する」
     取組の成果として、削減できた二酸化炭素(CO2)量を足し算し、県に報告する。
ウ 実施期間

 平成24年7月中旬から平成25年2月28日まで

エ 報告結果

 a 報告者数 12,029名
 b CO2削減量 26,108キログラム=約26,1トン

代表的な行動例(1日に削減できるCO2量の目安)
  1. マイカーのかわりに、バスや電車、自転車などをを使おう(180グラム)
  2. エコドライブ発進時「ふんわりアクセルe−スタート」にしよう(207グラム)
  3. 加速の少ない運転をしよう(73グラム)
  4. 買い物にはマイバッグを使い、包装の少ない品物を選ぼう(62グラム)
  5. ごみは種類を分けて、リサイクルしよう(52グラム)
  6. 長い間部屋を空ける時は消灯しよう(2グラム)
  7. テレビは見ていない時は消そう(7グラム)
  8. 主電源を切って待機電力を節約しよう(56グラム)
  9. エアコンの温度を冷房は26℃から28℃に、暖房は22℃から20℃に設定しよう(冷房78グラム 暖房91グラム)
  10. 1日のエアコンの使用時間を1時間へらそう(冷房24グラム 暖房35グラム)
  11. 顔や手を洗うときに、水道の蛇口をこまめに止めよう(出す時間を1時間短くする)(4グラム)
  12. お風呂は、家族で続けて入ろう(86グラム)

2 企業における取組の促進

(1)環境GS(Gunma Standard)認定制度の運営

ア 趣旨・目的

 地球温暖化防止に向けた事業者の自主的な取組を促進するため、自社の環境マネジメントシステム~計画(Plan)、実行(Do)、点検(Check)、見直し(Action)~を整備し、これを組織的に運用する事業者を群馬県が「環境GS事業者」として認定し、支援する制度です。
 平成18年度から認定を開始し、1,946の事業者を認定しています。

イ 特徴
  • 申請書を県に提出した時点から、認定の対象となります。
  • 無理なく取り組めるよう、簡易な内容となっています。
  • 費用は無料です。
  • 参加は事業所単位で、業種等による制限はありません。→ISOやエコアクション21の取得事業者も参加可能です。
ウ 申請期間

 年間随時

エ 認定事業者になると
  • 認定書、ステッカーが交付されます。
  • 事業者名と取組内容が公表されます。
  • 県や民間事業者から支援等が受けられます。
     ・広報紙等による情報提供
     ・研修会・セミナーの開催(無料)
     ・環境GS推進員の派遣
     ・環境GS企業エコ改修資金の貸付
     ・民間金融機関からの融資等

(2)エコアクション21認証・登録の推進

ア エコアクション21とは

 全ての事業者が、環境への取組を効果的、効率的に行うことを目的に、環境に取り組む仕組みを作り、取組を行い、それらを継続的に改善し、結果を公表するための方法について、環境省が策定したエコアクション21ガイドラインに基づき取組を行う事業者を、審査し、認証・登録する制度が、エコアクション21認証・登録制度です。

イ 認証・登録状況

 全国で7,841件、群馬県では、212件(平成25年7月1日現在)の認証・登録があります。【エコアクション21中央事務局ホームページより】

ウ 「エコアクション21認証・登録支援事業(自治体イニシアティブ)」

 平成23年度から環境GS認定事業者を対象として、県とエコアクション21地域事務局が協力して「無料集合コンサルティング」を実施し、エコアクション21認証・登録を目指す事業者を支援しています。
 平成23年度は22事業者が、平成24年度は5事業者が参加しました。

(3)ISO14001(注)認証取得の推進

  • 注 ISO14001:ISO14000シリーズは、国際標準化機構(ISO:International Organization for Standardization)が定めている環境管理システム規格で、1996年9月に発行しました。ISO14001は、このシリーズの中核となる環境マネジメントシステムの仕様及び利用の手引きです。このほか、環境監査の指針、環境ラベル、ライフサイクルアセスメント、用語と定義などの規格があります。
ア 背景

 森林破壊、酸性雨、オゾン層破壊、地球温暖化、海洋汚染など地球環境問題への対応が大きな課題となり、企業の環境問題への取組についても大きな関心が寄せられています。
 こうした中で、環境マネジメントシステムである国際規格ISO14001は、国際競争上、重要となり、大企業を中心に認証取得が進んでいます。
 また、中小企業においても、内外の取引先を開拓していく上で、認証取得が非常に重要となってきています。

イ 認証取得の状況

 平成8年に規格が発行し、我が国の審査登録件数は、平成25年7月9日現在で20,682件となりました。(群馬県:386件)
 産業分野別の状況では、サービス業が約30.8%、以下建設12.9%、基礎金属・加工金属製品12.8%と続きます。最近の動向としては、特定業種だけでなく、自治体、商社、病院、銀行等、サービス業をはじめとした幅広い業種に広がりを見せています。【(公財)日本適合性認定協会調べ】

ウ ISO14001認証取得支援

 中小企業においては資金面や人材面が十分とはいえず、ISO14001認証取得への取組は遅れている状況にあります。
 このため、県では、中小企業パワーアップ資金などの制度融資により資金面での支援を行うとともに、(公財)群馬県産業支援機構では、経営総合相談窓口において専門のマネージャーによる相談や、登録専門家によるコンサルティングなどの支援を行っています。

第5項 県民や民間団体の環境保全活動の推進

1 環境情報の充実・発信

(1)地球温暖化防止活動推進センターの支援

 地球温暖化防止活動推進センターは、「地球温暖化対策の推進に関する法律」第24条に基づき、地球温暖化の現状に関する情報提供や、温暖化対策の普及啓発を行う拠点として平成17年5月に設置されました。
 群馬県では、「NPO法人地球温暖化防止ぐんま県民会議」が、県知事によってセンターに指定されています。
 センターでは、次の業務等を行っています。

  • 地球温暖化対策に関する出前講座への地球温暖化防止活動推進員や環境アドバイザーの派遣
  • 家庭での温室効果ガス削減を目的とした「うちエコ診断員」の派遣
  • 地球温暖化防止活動を行う民間団体の支援
  • 日常生活における温室効果ガスを減らす工夫についての質問・相談対応
  • 環境GS認定事業者への支援事業

 平成25年度は、地球温暖化防止活動推進員や環境GS認定事業者への支援、節電・省エネプロジェクトにおける出前講座等を、県と協働して実施してまいります。

群馬県地球温暖化防止活動推進センター<外部リンク>

〒371-0016
前橋市城東町2丁目3-8(市営城東パーキング1階)
電話:027-237-1103
Fax:027-232-1104
E-mail:info@gccca.jp
URL:http://www.gccca.jp/

(2)環境サポートセンターの運営

 小中学校や地域などにおける環境学習や環境活動を総合的に支援するため、平成15年度に環境サポ−トセンタ−を開設しました。
 センタ−では、環境学習や活動に関する質問や相談の受付、情報提供・発信、エコム−ブ号の運営、環境アドバイザ−やこどもエコクラブの活動支援、住宅用太陽光発電設備補助金の受付・審査等の業務を行っています。

概要
  • 設置場所 群馬県環境政策課温暖化対策室内
  • 設備等 エコムーブ号、実験器具等
平成24年度の利用状況
  • エコムーブ号利用 80件
  • 住宅用太陽光発電設備補助金受付 7,354件

2 地域における環境保全活動の推進

(1)地球温暖化防止活動推進員制度の運営

 地球温暖化防止活動推進員は、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき県知事が委嘱します。地域において、地球温暖化の現状や地球温暖化対策の重要性などの普及啓発を草の根的に推進するため、県や市町村と協働して地球温暖化防止に関する情報提供等の活動を行っています。

活動事例
  • 群馬県地球温暖化防止活動推進センターの「出前講座」講師を務める
  • 県や市町村主催の研修会や講演会に参加し、得た知識を日頃の環境活動に活かす
  • 温暖化防止に関する各種資料やパンフレットを配布し、普及啓発に努める
  • 市町村主催の環境セミナー等で講師、リーダー、アドバイザーを務める
  • 市町村主催のイベントで、パネル展示や体験ブースを設置するなど、温暖化に関する出展をする
  • 家庭から排出される温室効果ガス削減について、導入可能な対策やメニュー提案を行う「うちエコ診断」を行う
  • 地域でマイバッグ運動を実施する

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