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第2部第1章第2節 二酸化炭素の吸収源対策

第1項 森林等の保全・整備

1 森林整備の推進

 我が国は、気候変動枠組条約の京都議定書において、第1約束期間(2008年から2012年)に温室効果ガスの6%の削減が義務付けられ、そのうちの3.8%を森林による二酸化炭素吸収で確保することとしており、森林吸収源対策として森林整備を進めてきました。
 京都議定書の第2約束期間(2013年から2020年)には参加していないものの引き続き国際的な責務を果たすため、温室効果ガスの排出削減努力を続けることとして、森林による二酸化炭素の吸収作用の保全及び強化を図るため、森林整備を確実に進めていくことが重要となっています。

 本県では、第2次群馬県地球温暖化対策推進計画(新コツコツプラン)を経て、現在は群馬県地球温暖化対策実行計画(2011年から2020年)に基づき森林による二酸化炭素吸収源対策を推進しています。

2 規制管理による森林の保全

 森林吸収源の対象となる森林は、適切な管理・経営が行われている森林に限られています。私たちの暮らしを守るうえで特に重要な役割を果たしている森林を保安林に指定することにより、立木の伐採や土地の形質変更を制限し、適切に手を加えるなどして必要な管理を行っています。

3 森林の二酸化炭素吸収量認証制度の活用

 この制度は、植栽や間伐などの森林づくり活動を、京都議定書の枠組みに準じて二酸化炭素吸収量として認証するものです。企業や自治体、ボランティア団体などが、森林所有者等との間で協定を結んで行う活動が対象となります。
 この制度を通じて、より多くの方に森林づくり活動について関心を寄せていただき、企業等が行う森林づくり活動を広げ、環境貢献活動の一環として森林の保全・整備を推進することを目的としています。
 この制度で認証するのは、手入れをした森林が一年間に生長する量から計算する二酸化炭素吸収量です。例えば、35年生のスギを1ヘクタール間伐した場合では1年間で11.7トンの二酸化炭素量に、また広葉樹を植栽した場合では1ヘクタールあたり4.4トンの二酸化炭素量に相当します。制度が発足した平成22年から平成24年度末までに14件の申請があり、合計2,388.1トンの二酸化炭素吸収量活動を認証しました。
 認証制度では、吸収量を記載した認証書を発行しています。森林づくり活動への貢献度が目に見える形になり、企業のPRや取組の励みにもなると好評です。
 企業や自治体、ボランティア団体の皆さんの活動により、これまで長い間放置されていた森林は光を取り戻して元気によみがえっています。
 今後も、二酸化炭素の吸収を促す森林づくり活動を、この制度を通じて広くお知らせしていきます。

4 二酸化炭素固定化のための県産木材の長期的利用

 樹木は、光合成によって大気中の二酸化炭素を取り込み、木材の形で炭素を貯蔵します。木材を住宅等に利用することは、社会全体における炭素の貯蔵量を増すこととなり、大気中の二酸化炭素を低減することにつながります。また、住宅部材に使用されていた木材をパーティクルボード等に加工して家具等に再利用すれば、炭素を木材の形で貯蔵する時間を延ばすことができます。
 そのため、県産木材の住宅や家具等への積極的な利用を推進するとともに、今まで使われずに林地に放置されていた不良材や丸太を製材した後の端材など資材として利用できない木材は、エネルギー源として利用しています。また、県産木材の新しい需要を開拓するため、合板、集成材など様々な用途開発を進めています。

5 木質バイオマス活用推進

 かつて木材は、木炭や薪として、日常的なエネルギー源として多用されていましたが、昭和30年代後半の「エネルギー革命」を経て、主要なエネルギー源ではなくなりました。木材の燃焼により排出される二酸化炭素は、樹木の成長過程で大気中の二酸化炭素を蓄積したもので、化石燃料の代わりに、持続的に管理されている森林から伐採した木材をエネルギー源として利用することは、化石燃料に由来する二酸化炭素の排出を抑制することになります。

(1)木質ペレットの利用

 木質ペレットは、木材加工時に発生するおが粉等を圧縮形成した燃料で、形状が一定で取扱いやすい、エネルギー密度が高い、含水率が低く燃焼しやすい、運搬・貯蔵が安易であるなどの利点があります。最近では、公共施設や一般家庭におけるペレットボイラーやペレットストーブの導入が進められています。

(2)林地残材利用の推進

 本県は、県土面積の3分の2に相当する42万5千ヘクタールが森林である「関東一の森林県」で、木質バイオマスは豊富に存在していますが、間伐材の収集・運搬には費用がかかり、また、木材価格の低迷などから間伐実施面積の約8割は伐採した木が搬出されずに林内に放置されています。
 一方、東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、再生可能エネルギーに対する関心が高まっており、木質バイオマスもエネルギー供給源の一つとして期待されています。また、平成24年7月には「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」が導入され、太陽光、風力、中小水力、地熱、バイオマスを用いて発電された電気を対象として、電気事業者が買取りに必要な接続や契約の締結に応じる義務を負うこととされました。木質バイオマスから発電された電気の買取価格(消費税相当額を含む)は、間伐材等由来の木質バイオマスを用いる場合は33.6円キロワット時、一般木質バイオマスは25.2円キロワット時、建設資材廃棄物は13.65円キロワット時とされ、買取期間は20年間に設定されました。
 これらにより全国各地で木質バイオマスによる発電施設が建設・整備されています。木質バイオマス発電施設の導入による地域への経済波及効果としては、標準的な送電出力5,000キロワットの発電所の場合、年間約10万立方メートルの間伐材等の未利用材が燃料として使用されるほか、約12億円から13億円の発電収入(うち燃料代は約7億円から9億円)、50人程度の雇用が見込まれると試算されています。
 今後、県内に豊富に存在する木質バイオマスを有効利用するため、木質バイオマス発電施設の建設・整備を推進するとともに、円滑な事業化に向けた相談窓口の設置等、サポート体制を構築します。


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