本文へ
表示モードの切替
印刷

第2部第4章第4節 放射性物質への対応

主な指標と実績

モニタリングポストにおける空間放射線量率

1時間当たり0.23マイクロシーベルト(注*1) 未満 (25地点中25地点)

(*注1)シーベルト:人体が受けた放射線による影響の度合いを表す単位。

第1項 中長期的な視点での環境監視の実施

1 空間放射線量率の測定実施

(1)モニタリングポストによる監視

 県では、文部科学省(平成25年度からは原子力規制委員会)の委託事業である、「環境放射能水準調査」の一環として、放射性物質の飛来状況を監視するため、平成2年度から衛生環境研究所の屋上(地上21.8メートル)に空間放射線量測定器(モニタリングポスト)を設置し、継続して測定を行っています。
 平成23年3月の東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故により、衛生環境研究所(前橋市上沖町)では一時的に空間線量の上昇が認められましたが(平成23年3月15日13時~14時:1時間当たり0.562マイクロシーベルト)、その後減少し、現在の同地点の空間放射線量率は1時間当たり0.02マイクロシーベルト程度と事故前の平常値の範囲内で安定して推移しています。
 平成24年度からは、更に24基のモニタリングポスト(地上1メートル)を追加し、25基で県内全域を常時監視しています。
 平成27年度の県内の状況(地上1メートル)は、1時間当たり0.013~0.102マイクロシーベルトの範囲で推移しています。
 なお、この水準調査ではこの他に、浮遊じん、水道水(後述)、降水、土壌、精米、野菜類、牛乳の放射性物質濃度についても調査を行っています。

(2)サーベイメータ等による測定

 モニタリングポストによる監視とは別に、「県・市町村放射線対策会議」では、「県及び市町村による全県的な放射線監視」として、携行型の空間放射線量測定器(サーベイメータ)等により、定期的に生活圏を中心に空間放射線量を測定し、結果を公表しています。
 平成27年度は5月と11月に県内443地点で測定を実施し、全地点で空間放射線量率は問題のないレベル(1時間当たり0.23マイクロシーベルト未満)で安定していることが確認されました。

2 汚染状況重点調査地域

 東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故により大気中に放出された放射性物質が降下・沈着し、平均的な空間放射線量率が1時間当たり0.23マイクロシーベルト以上である地域については、「放射性物質汚染対処特別措置法」に基づき、国が市町村ごとに「汚染状況重点調査地域」として指定することとされています。
 県内では平成23年12月28日付けで、桐生市、沼田市、渋川市、安中市、みどり市、下仁田町、中之条町、高山村、東吾妻町、片品村、川場村、及びみなかみ町の12市町村が指定を受けました。
 その後の詳細調査の結果、片品村とみなかみ町については、空間放射線量率が低いことが確認され、平成24年12月27日付けで指定が解除されました。
 現在、「汚染状況重点調査地域」に指定されている10市町村のうち9市町村(*注2)で「除染実施計画」が策定され、除染作業が実施されました。除染は、学校や公園等の子ども空間から優先的に実施され、順次住宅、公園・スポーツ施設、道路、農地等について実施されました。
 平成27年11月19日に9市町村全てで除染が完了し、「除染実施計画」を策定した全市町村が「除染措置完了市町村」になりました。

(*注2):安中市は、指定後の詳細調査の結果、面的除染が必要な区域は確認されていません。

3 水道水中の放射性物質検査

(1)水道水の監視

 文部科学省(平成25年度からは原子力規制委員会)の委託事業である「環境放射能水準調査」の一環として年1回測定を行っていましたが、原子力発電所事故発生直後は、強化モニタリングとして毎日1回測定を行う体制となりました。概ね平成23年4月下旬を最後に放射性ヨウ素及び放射性セシウムは不検出が続いていたため、文部科学省の方針変更を受けて、平成24年1月からは3ヶ月分の水道水を濃縮し、精度を100倍に高めた測定を行う体制へと移行しました。
 平成27年度の測定結果は、ヨウ素131は1リットル当たり0.0016ベクレル(*注3)未満、セシウム134は1リットル当たり0.00037未満~0.00059ベクレル、セシウム137は1リットル当たり0.0011~0.0021ベクレルでした。

(2)県内の水道水中の放射性物質検査の実施

 県内の水道水は、厚生労働省が示している「今後の水道水中の放射性物質のモニタリング方針について」に基づき、各水道事業者(市町村等)が定期に実施しているほか、県食品安全検査センターにおいて、同所の水道水について毎週1回の頻度で検査を実施しています。平成23年3月の原子力発電所事故発生以降、継続して検査を実施していますが、平成23年6月3日に検出されたのを最後に、放射性物質は検出されていません。

(3)県営水道の監視体制

 県企業局は水道用水供給事業者として4つの県営水道を運営しており、16市町村の経営する水道事業を通じて、県内の約160万人に水道水を供給しています。
 安全な水を供給するという事業者としての責務から、水質検査センター(太田市新田反町町)において、県営水道の浄水場ごとに、放射性ヨウ素、放射性セシウムについて週1回検査し、結果を公表しています。
 なお、平成27年度の測定では、放射性物質は検出されませんでした。

4 流通食品の放射性物質検査

 県内に流通する食品の安全性を確認するために、放射性物質の検査を実施し、結果を速やかに情報提供しています。
 平成27年度は計120検体の検査を実施し、すべての検体で基準値を下回っていました。

5 野生鳥獣肉の放射性物質検査

 県内各地で捕獲された野生鳥獣肉については、環境調査及び食肉利用の面から検査を実施しています。なお、クマ、イノシシ、シカ及びヤマドリについては、原子力対策本部長から県内全域を対象として出荷制限の指示を受けています。平成27年度は、125検体の検査を行い、うち45検体で基準値超過がありました。
 検査結果については、県のホームページで公開しています。

6 きのこの放射性物質検査

 県では、栽培されているきのこ類については、毎週定期的にモニタリング検査を行い安全性を確認することとし、平成28年3月末までに1,151件実施しました。
 なお、平成24年度以降は基準値を超える栽培きのこ類はありません。

7 農産物の放射性物質検査

 県内で生産されている農産物については、定期的に放射性物質検査を実施し、安全性を確認しています。
 県内では、平成23年3月にホウレンソウ及びカキナが暫定規制値を超えたため、出荷制限の対象となりました。その後、検査によって安全性が確認されたため、平成23年4月には出荷制限は解除になりました。
 また、平成23年6月の検査で暫定規制値を超えたため出荷が制限されていた茶については、平成24年5月の検査で一部解除、さらに平成25年6月の検査で残りの地区の出荷制限が解除されました。
 平成25年6月以降、県内で生産されている農産物で出荷が制限されている品目はありません。

8 農地土壌等の放射性物質の調査

 県産農畜産物の安全性を確保し、生産者が安心して営農に取り組めるよう、平成23年4月から県内の農地土壌を対象とした放射性物質にかかる土壌調査に取り組んでいます。

モニタリング定点調査

 モニタリング定点調査では、県内の農地土壌における放射性セシウム濃度の平成23年度以降の推移を把握するため、平成24年度から継続的な土壌調査を実施しています。平成27年度は、県内88地点で調査を実施したところ、各地点の濃度は乾土1キログラム当たり10~660ベクレルの範囲で、平均すると乾土1キログラム当たり139ベクレルでした。
 各地点の放射性セシウム濃度は、約4年半前と比較して平均46%に減少していました。このことは放射性セシウムの崩壊による物理的減衰(約59%)以上に減少したことを示しています。その理由については、同一ほ場内のばらつきのほかに、風雨によるほ場からの流亡・流入などの自然要因や、ほ場管理の違いなど人為的要因の差による可能性が考えられます。
 なお、モニタリング定点調査の結果は、県のホームページで公開しています。

9 流域下水道脱水汚泥の放射性物質検査

 福島第一原子力発電所の事故に起因し、県が管理する流域下水道終末処理場(奧利根、県央、西邑楽、桐生、利根備前島、平塚)から発生する下水汚泥は、現在、微量な放射性物質が検出されていますが、セメント・肥料の原材料基準を満たしていることから、再資源化を行っています。
 下水汚泥に含まれる放射性物質濃度については、県民への情報提供のため、平成23年5月からは約2週間に1回、平成25年10月からは検出濃度の低下により、月1回のペースで検査結果をホームページで公表しています。

【平成27年度 検査結果】

  • セシウム134 1キログラム当たり0~8ベクレル
  • セシウム137 1キログラム当たり0~33ベクレル

第2項 情報の共有化、広報の推進

1 「群馬県放射線対策現況」による県民への広報

 県内各分野の放射線対策の現況を網羅的に取りまとめ、分かりやすく示すために、平成26年3月に「群馬県放射線対策現況第1版」を作成しました。
 その後、放射線対策の進捗が見えるように「第2版」「第3版」と更新を重ね、平成27年9月に「第4版」を作成しました。
 「群馬県放射線対策現況」は、群馬県のホームページ「群馬県放射線対策現況(URL:http://www.pref.gunma.jp/05/e0900115.html)で公開しています。

2 県・市町村放射線対策会議等による連携強化、情報の共有化

 放射線対策について、県と市町村が連携し、総合的な対策を推進することを目的に平成24年5月7日に「県・市町村放射線対策会議」を設置しました。
 平成27年度は、5月に会議を開催し、「県及び市町村による全県的な放射線監視」の測定地点等を決定しました。
 また、この会議に、汚染状況重点調査地域の指定を受けた12市町村(現在解除となっている2町村を含む)を構成員とする除染部会を設置し、除染対策の円滑な推進に向けた情報共有を図っています。
 また、県では、分野横断的に放射線対策業務の円滑な推進を図るため、平成24年4月25日に企画会議の部会として、「放射線対策庁内連絡会議」を設置し、情報の共有などを行っています。
 平成27年度は5月に会議を開催し、各分野の放射線対策の現況を網羅的に取りまとめた「放射線対策現況」の作成等を行いました。

第3項 放射性物質を含む廃棄物の処理

1 指定廃棄物の処理

(1)指定廃棄物の現状

 指定廃棄物とは、「放射性物質汚染対処特別措置法」において、事故由来放射性物質の放射能濃度(放射性セシウム134と放射性セシウム137の合計値)が1キログラム当たり8,000ベクレルを超える廃棄物であって環境大臣が指定したものと定められています。
 平成27年度末で、群馬県内には指定廃棄物として、浄水発生土が約672.8トン、下水汚泥焼却灰等が約513.9トン、計約1,186.7トンが指定され、保管されています。これら指定廃棄物は、国が責任をもって処理することとされています。

(2)指定廃棄物の処理方針

 「放射性物質汚染対処特別措置法に基づく基本方針」では、指定廃棄物の処理は、当該指定廃棄物が排出された都道府県内において行うこととされています。
 宮城、茨城、栃木、千葉、群馬の5県については、国が長期管理施設(最終処分場)を確保し処理することとされています。現在、国により、長期管理施設の確保などの処理に向けた検討がされています。

2 放射性物質汚染廃棄物処理状況監視

 県では、「放射性物質汚染対処特別措置法」に基づく特定一般廃棄物処理施設である焼却施設8施設及び最終処分場17施設に対して、排出ガスや放流水の自主測定結果の報告を求めたり、立入検査を行っています。その結果、全ての施設において基準に適合していることが確認されました。

平成28年版環境白書のページに戻る

このページについてのお問い合わせ

環境森林部環境政策課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-2821
FAX 027-223-0154
E-mail kanseisaku@pref.gunma.lg.jp
迷惑メール対策のため、メールアドレスの一部(@pref.gunma.lg.jp)を画像化しております。