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株式会社ティーアールエスに対する行政処分(6か月の業務停止命令)

更新日:2020年7月31日 印刷ページ表示

 群馬県は、令和2年7月30日、寝具の販売等を行う訪問販売事業者である株式会社ティーアールエスに対し、特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)の規定に基づく行政処分(第8条に基づく業務停止命令6か月および第7条に基づく指示)を実施するのと同時に、同社の役員・使用人等3名に対して特定商取引法第8条の2に基づく業務禁止命令6か月を実施しました。
 認定した違反行為は、「勧誘目的不明示」「迷惑勧誘」「迷惑解除妨害」です。
 本県が、特定商取引法に基づく行政処分を行うのは今回が12回目(処分件数としては累計20件)です。

1 被処分事業者

(1)名称

 株式会社ティーアールエス

(2)代表者

 代表取締役 大塚雅友

(3)所在地

 群馬県渋川市渋川898番地26(本店)

(4)設立

 平成19年11月15日

2 行政処分の内容

(1)株式会社ティーアールエスに対して

 ア 内容
 (ア)特定商取引法第2条第1項に規定する訪問販売に関する業務のうち、一部の業務の停止
 (イ)違反行為等の再発防止策を講じ、コンプライアンス体制を構築するべき事の指示
 イ 停止命令の期間
 令和2年7月31日から令和3年1月30日(6か月)

(2)役員・使用人等に対して

 ア 命令の対象者
 (ア)曽我真澄(社内における呼称は「会長」)
 (イ)大塚雅友(代表取締役)
 (ウ)佐藤 郷(営業本部長)
 イ 命令の内容
 同社の業務停止を命ずる範囲の業務を新たに開始すること(当該業務を営む法人の当該業務を担当する役員となることを含む)の禁止
 ウ 禁止命令の期間
 令和2年7月31日から令和3年1月30日(6か月)

3 違反行為の主な内容

(1)特定商取引法第3条違反(勧誘目的不明示)

 同社の営業員は、訪問販売の勧誘に先立って、寝具の無料の点検・清掃のためである旨のみを告げ、寝具の売買契約の締結のための勧誘をすることが目的であることを告げなかった。

(2)特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第1号に該当(迷惑勧誘)

 同社の営業員は、高齢の消費者宅に長時間滞在して、消費者が断っているにもかかわらず繰り返し執拗に勧誘を続け、また、契約を締結する前に消費者所有の布団を担当者の車両に持ち込み、契約の締結を断りづらい状況にした上で、布団の打ち直しないし布団の売買契約の締結を勧誘するなどして、本件商品の売買契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘を行った。

(3)特定商取引法第7条第1項第5号の規定に基づく施行規則第7条第1号に該当(迷惑解除妨害)

 同社の営業員は、消費者の契約解除の申出に対して、営業員に対する同情心を煽ったり、契約時の消費者の言動を追及するなどして、執拗に説得して契約解除に応じず、迷惑を覚えるような仕方で売買契約の解除を妨げていた。

4 勧誘事例

【事例1】(勧誘目的不明示、迷惑勧誘)

 同社の従業員Zは、80歳代の消費者A方に電話をかけ、A宅を訪問する旨の約束をする際に、「電気のマットレスを買いましたよね。」、「1年ごとに洗ったりしなければならない。○○(地名)を回っているので無料で洗います。」などと告げた。また、セールスが目的ではないのか確認したAに対して、「いいえ、そんなことはしていません。」と否定するなどして、訪問の目的が、Aが所有している電気布団の無料の清掃のためである旨のみを伝え、本件商品の売買契約の締結について勧誘する目的である旨を告げずにAから訪問の承諾を得た。
 翌日、Zは、A宅を訪問したが、Zは訪問の目的が売買契約の締結のための勧誘であることを告げないまま、A宅に上がり、以下のような経緯で本件商品の売買契約の締結について勧誘を開始した。
 Zは、所携の掃除機でAが使用する電気布団の掃除を開始し、掃除終了後、掃除機内の容器に入った水が濁った様子をAに示した。その後、Zは、Aへの断りなしに本件商品をA宅に持ち込み、「このマットレスはもう古い。」、「電気のことだから寝ているうちに、事故に遭ったら大変だ。」等と説明し、Aの承諾なく本件商品を広げて、「寝てみて下さい。」などと試してみることを勧めるなど、本件商品購入を勧めた。
 AがZに商品の値段を尋ねたところ、○○万円と高額であったため、Aは「そんなに高いものは買えません。」と契約締結しない旨をZに告げたが、Zは聞き入れず、「半額の○○万円にできます。古いマットレスを下取りすれば○○万円になります。」等と再度勧誘を行った。
 Aは減額されても高額だと考え、再度「そんなに高いものは買えない。」と購入しない旨をZに告げたが、Zは諦めることなく同じような話を何度も繰り返しながら、「保証が○年ついて、僕がメンテナンスに来るので○○,000円のメンテナンスサービスをタダに出来ます。」などとAに有利な条件を小出しに勧誘を続け、執拗に何度も勧誘を行った。
 Zは、3時間以上A宅に滞在し、その間、本件商品の売買契約の締結について、以上のような勧誘を行った。
 Aは最終的に、本件商品の売買契約を締結し、その場でその代金の一部を支払った。

【事例2】(勧誘目的不明示、迷惑勧誘、迷惑解除妨害)

 同社の従業員Wは、80歳代の消費者B方に電話をかけ、B宅を同社の従業員が訪問する旨の約束をする際に、「布団の無料クリーニングで、近所を回っています。」と告げるのみで、訪問の目的が、Bが使用している布団の清掃が目的であることのみを伝え、本件商品の売買契約の締結のための勧誘が目的であることを告げなかった。Bは、同社をこれまで訪問してきた無料クリーニングを行う他社(以下「他社」という。)と誤認し、訪問を承諾した。
 同社の従業員Xは、承諾に基づきB宅を訪問し、Bに対して「電話で約束した布団の無料クリーニングに来た。費用は掛かりません。」などと、電話で訪問を約束した際に告げたとおり寝具の清掃のために訪問した旨のみを告げ、その日の訪問が本件商品の売買契約の締結について勧誘をする目的である旨を告げなかった。Bは、同社を他社と誤認したまま、無料クリーニングとして、Xを宅内に招き入れ、Xは以下のような経緯で本件商品の売買契約の締結について勧誘を行った。
 Xは、掃除機をB宅に運び入れ、Bとその夫が使用する布団に掃除機をかけると、更に、Bに使っていない布団がないか訊ねた。Bが、別の布団を見せたところ、羽毛が飛び出しているところがあり、Xは「持ち帰って私が修理するので安く出来ます。」などと、布団の修繕を勧めた。
 Bが腰痛を抱えていることを知ったXは、Bに普段使用している布団に横になるよう求めると、「腰に圧迫感があります。」、「他に良い布団があります。」等と告げ、本件商品の売買契約締結の勧誘を行った。
 Bは、他社による無料クリーニングと誤認していたので、本件商品の売買契約締結の勧誘が始まったため驚いたものの、Xにその値段を訊ねた。Xが「(布団)上下で○○万円です。」と返答したため、Bは、「そんなに高いものは買えません。」と契約しない旨をXに告げた。しかし、Xはこれを聞き入れず、「サービスします、半額にします。」などと告げて一方的に契約書を作成し、再度勧誘を行ったが、再度Bは「いりません。」と契約する意思がないことを告げた。それにもかかわらず、Xは諦めることなく、勧める商品の組み合わせを変えるなどしながら執拗に、「買って下さい。」と勧誘を継続し、Bはその都度「いりません。」と断っていた。
 Xが勧誘を諦めないので、Bは迷惑に感じ時計を確認すると、Xが訪問してから約3時間半経っていることが分かった。
 結局、Bは、契約すればXが帰ってくれると考えるに至り、本件商品の購入、布団のクリーニングの役務提供契約を締結し、その場でその代金の一部を支払った。
 なお、Bは最後まで訪問してきたのが他社であると誤認していたが、Xの退出後、契約時に手交された契約伝票を確認し、初めて訪問した事業者が群馬県渋川市所在の同社であることを認識した。
 翌日、Bは解約の申出のため、同社相談窓口に電話をかけたところXが電話応対した。BはXに「昨日の契約はやめたい。クーリング・オフをしたい。」と契約解除を申し出たが、Xは「だめです、できません。」などとXの申出に対し、言い訳をして解約を受け付けなかった。更にその後もXは「僕が会社を首になり仕事が出来なくなってしまう。小さい子供もいるのに生活できない。」などと同情心を煽るなどして、消費者が繰り返し契約解除を求めても、執拗に解約を思いとどまらせようとするなどして契約解除に応じず、迷惑を覚えるような仕方で契約解除を妨げていた。

【事例3】(迷惑勧誘)

 同社の従業員Yは、80歳代の消費者C宅を訪問し、「今日は、あの、布団のことでお電話してた。」、「しっかりケアしていきますね。」、「あ、そうだ、僕名刺渡さなきゃ。僕、ティーアールエスの、僕Y。」、「渋川にある会社でこういった健康布団とか羽毛布団のお手入れやっている会社になります。」と会社の業務内容の一部のみを告げて、Cが使用する羽毛布団に掃除機をかけた。
 掃除後の掃除機内の汚れた水をCに示して、「こういう風に真っ黒くなりながらカビながら使うのと、真っ黒くならないでカビないで使うの。どっちで使っていきたい、お母さんは?」、「中の汚れとカビ取り、それだけして使ってください。」などと告げて、羽毛布団のメンテナンスの役務提供契約の勧誘を開始した。
 それに対しCは、「先立つものがなくちゃ出来ない。」、「ダメだよ今。もう、本当金ないんだもん。」などと契約しない意思を繰り返し示したが、Yはその都度「大丈夫だよ。そんなのみんな小遣い程度でやってるんだから。」、「布団に関しては最後だからさ。」などと聞き入れずに執拗に勧誘を続け、Cが「大丈夫じゃないよ」などと断っているにもかかわらず、「これに関しては1回見積もりとって、2~3日預かって、しっかりその汚れとカビ、それだけ僕ちゃんと取ってくるから。」等と、汚れとカビ取りの名目によりメンテナンスの値段も告げず、Cの承諾がないまま、Cの布団を営業車両まで持ち去った。
 その後Yは、持ち去った布団に関しては打ち直しすることを提案し、「こういったときに、打ち直して、生地だけ見本見せないといけないのね。」等と告げて本件商品の見本品をC方に運び入れた。Yは、打ち直しの料金が○○万円である旨告げたが、月賦払いするのであれば、手数料を上乗せして新品を一括払い購入してはどうかCに示した。Cは、「無理だよー。困っちゃう。」と難色を示し、打ち直しについても、「私こんなお金ないの初めてだよ。嫌だ。」、「頭痛くなってきた。」などと繰り返し契約締結しない意思を示した。しかしYは、「どのくらいだったら月賦で払うの?」、「1回で頼んでくれるんだったら、カバーはサービスしてあげる。」、「生きてれば年金は入ってくるんだから。」などと勧誘を続けた。その後もCは契約締結を断り続けていたが、Yは、「お母さん頑張ってね、年金が入ったら払うよって言ってくれたら、今週だけやってるのが、手直しではなくて」、「下取りって名目にして、新品でこれでいいよってこと。」、「で、カバーも付ける。」と、打ち直しの価格である○○万円で、見本品として持ち込んだ本件商品の売買契約締結について勧誘を始めた。
 これに対し、Cはさらに「なんでここにきて高い支払しなきゃならないん。間違っちゃってる。」、「頭痛くなってきた。」、「○○万円って。倅なんかに言えないよ。」などと契約を締結しない旨の意思を表示したが、Yは聞き入れず、一方的に代金の支払方法や支払時期の相談へと話を進めた。結局Cは、その場で見本品として示された本件商品の売買契約を締結し、その代金の一部をその場で支払った
 Yは、約3時間C方に滞在して、その間、本件商品の売買契約の締結について以上のようなやりとりをしながら勧誘を続けた。

【事例4】(迷惑勧誘)

 同社の従業員Yは、80歳代の消費者D宅を訪問し、「しっかりその場のメンテナンスで僕回ってたんですよ。ティーアールエスの僕Yって言います。」などと告げて、D方に上がり込み、次のような経緯で勧誘を開始した。
 Yは、Dが所有する電気布団について点検を開始したところ、Dは、「はあ、暫く使ってないよ。」、「やだよ、そんなもんで電気使って、そんな。」、「いっくら無料で見てくれるなんたっていいよ、もう。よお。」などと点検の中止を求めたが、Yは聞き入れず、「冬使いなよ」、「電気代かかるわけないじゃん。」などとその都度反論して、結局点検中止の求めに応じなかった。
 その後Yは、ムートンシーツの点検を行おうとしたところ、Dは、「しまっちゃったよ。」、「またそんなこと言ってる。」などとメンテナンスに難色を示した。しかし、Yはそのまま点検を開始し、点検終了後、ムートンの中の汚れを示して、「こういう風に真っ黒に使ってたら体に良いと思うってこと。良いと思う?これ。みんな良いという人はいないんだけど。」、「これに関しては一度あの、カビ取りでちょっと2~3日だけ預かって、気持ちよく寝て下さい。」などと告げてムートンシーツのリフォームの役務提供契約の勧誘を行った。Yは、「これに関しては最後カビ取りだけ僕やって来てあげるから任せておいて下さい。」とだけ告げて、カビ取りの名目により、その役務の対価を告げず、Dの承諾もないまま、Dが使用していたムートンシーツを営業車両に持ち去った。
 その後Yは、ムートンシーツのリフォームと併せて、ムートンシーツを清潔に使うためのムートンパットの購入を勧め、「僕のところでリフォームとパッドを買うと大体○○○,000円だけど、で、こういったときに頼んでくれれば、端数切って、キャンペーンだからここまでさげてあげる。リフォームとパッドで。」と告げて、改めてムートンシーツのリフォームの役務提供契約の勧誘とムートンパットの購入契約の勧誘を行った。
 Dは価格を示された当初、「うーん、弱ったなぁ、大金で。」などと困惑していたが、しぶしぶ契約締結を承諾した。その後Yから、「お母さんえっとねー、今回やってくれたから。」、「今回が特別に、あの値段は中古の値段で、あの前に使ってたやつを特別に下取りって形にしてあげて、あの中古の値段で新品で。」と説明を受けた。Dは、結局、新品のムートンシーツとムートンパットの売買契約を締結し、代金の一部をその場で支払った。
 Yは、訪問から退出まで約2時間50分、D方に滞在して、その間上記のようなやりとりをしながら、本件商品の売買契約の締結について勧誘を続けた。

【事例5】(迷惑勧誘、迷惑解除妨害)

 同社の従業員Yは、E宅を訪問し、応対したEの妻Fに対し、「そしたら僕、布団のね、医療のアドバイスする人だから。あの、これからもね、これからも自分の為にちゃんと使ってください。そのためにこれ使い方ちゃんと教えていくから。」、「今日そもそもなぜ来たかっていうと、医療器。管理医療機器のやつのものだから。何年かに一度ちゃんと安心してね。使ってもらえるように来たの。」などと告げて、次のような経緯で勧誘を行った。
 Yは、Fが所有する健康布団に掃除機をかけ、汚れた掃除機内の水を示して、「こういう風に汚れちゃったり、こういう風に黒くなってるのカビだからね。こういう風にカビてきたら、機械ってどうなっちゃうと思う?お母さん。」等と摘示し、「これに関しては1回中の汚れと、中のカビだけね。あの、最後しっかり取って使ってください。」、「これに関してはちょっとメンテナンス、僕の方でやってくるから、任せておいて下さい。」とだけ告げて、価格を示さないままメンテナンスの名目により、また、Fの承諾なく、当該健康布団を営業車両に持ち去った。その上で、「人が電気を使う物だからね、やっぱり安心して使えるように、あとは配線の入れ直しってかたちをしてあげるんだわね。そうすることによって、まあ新品じゃないけど、簡単に言うと、新品みたく、新品みたく元通りに。なんで楽しみに待っててください。」などとメンテナンスから切り替えて、リフォームの役務提供契約の勧誘を始めた。
 Yは、「リフォームすると、こうなりますよーって見本だけ見せていかないと怒られちゃうから、それだけ見せていくから。」などと告げて、リフォーム後の見本品と称して健康布団とともに本件商品2点を運び入れてE及びFに示し、リフォームの役務提供のほか本件商品2点の計3点の値段を示した。しかし、高額であったため、Fは、「今は、物価が上がっていろいろが上がってるから、こんなにもするんだって言うぜ。」、「こんなのはなくもいいけどな。」、「そうやっちゃ、みんな騙されて買うんだ。」と契約する意思がない旨を告げた。しかし、Yはその度に「あった方が良いよ。」、「プラスね。○年保証付くんで。」などと勧誘を続けたが、Fは承服しなかったため、Yは「だったら電気だけやっておきましょう」と健康布団のリフォーム契約のみの勧誘に切り替えた。
 Fは、健康布団のリフォーム契約のみでも○○○,000円と高額であったので、「うーん、今の世の中、変なんだから、本当に。」、「何だって、今こうにいかねぇよ。そう思っちゃあ負けだ。」、「ドブにぶちゃったと思って。」などと承服したくない意思を示す発言を続けたが、結局、Fは、健康布団のリフォームの役務提供契約のみ契約することとなった。
 ところが、その直後、Yは「あの、前の預かったやつあるじゃない?10万円使ったマッサージのやつね。特別に中古の値段で、ね?これで。新品で出してあげる。要するに、結局預かってくと、こうなるから、前のを下取りって名目にしてあげて、新品でこれ。」などと健康布団のリフォーム契約を、本件商品の売買契約に切り替えることを提案し、結局、Fは本件商品の売買契約と定期メンテナンスの役務提供契約を締結することとなった。
 Yは契約締結後、E及びFに、無理矢理契約したわけではないこと及び契約解除しないことの確認を求めたが、両人とも返事をせずに黙っていたため、Yは「大丈夫だったら僕と握手して下さい。」などと告げて強引に握手を求め、握手した。
 Yは、3時間30分以上E宅に滞在し、その間、本件商品の売買契約の締結について、以上のようなやりとりをしながら勧誘を行った。
 契約翌日、YはE宅に電話を掛けたところ、Fから「折角で申し訳ねぇんだけど。」、「よすべぇかと思って。」、「白紙にしてもらうべぇなと思って。」等と再三解約の申出を受けた。それにも関わらず、Yは、「いや、お母さん、これは大事に使ってください。」、「だってお母さんが、自分でお父さんとお母さんで決めて、これだけは大丈夫だって言ってたからそれ信じて(本件商品)置いていったんだよ。」、「だって僕だってなかなかそっち行く機会もないからさ。」、「わざわざ取りに行くのも嫌だからさって話してたじゃない?」などと契約締結時等の消費者の言動を追及するなど聞き入れず、「僕も社長に怒られちゃうからさ。」、「Yの顔を立てて使ってください。」などと同情心を煽るなどして執拗に説得し、解約を思いとどまらせようとして契約解除に応じず、契約解除について迷惑を覚えるような仕方で妨げていた。
 前記電話の3日後、更にYが、E宅に電話を掛けた際にも、Fから再度「使わないでおいて、持ってってもらうよ。」、「悪いけど、布団はそうしてくんな。はぁ、嫌だ。俺は」、「布団は、はぁいらねぇ。いっぱいあるから。」等と繰り返し解約を申し出たにも関わらず、「この前も言ったけどさ、使うよって言ってくれたからさ。」「僕怒られちゃうよ。そんな事言ったら。」「そこは僕を信用してもらってさ。」などと、執拗に消費者の言動を追及したり、同情心を煽るなどして、解約を思いとどまらせようとして契約解除に応じず、本件商品の売買契約の解除について、迷惑を覚えるような仕方で解除を妨げていた。

5 今後の対応

 特定商取引法に基づく命令に従わない場合は、同法第70条第2号の規定により、違反者が3年以下の懲役又は300万円以下の罰金(これらの併科を含む。)に処せられることがあるほか、同法第74条第1号の規定により、法人が3億円以下の罰金に処せられることがあります。

6 その他

 本処分は、関東経済産業局と群馬県が連携して調査を行い、関東経済産業局も令和2年7月30日付けで同社に対する特定商取引法に基づく行政処分(業務停止命令(6か月)及び指示並びに業務禁止命令(6か月))を行いました。関東経済産業局の処分により、当該行政処分は国内全ての地域で適用されます。