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公共建築物等における木材の利用の促進に関する方針

平成23年3月29日
令和2年1月29日一部改正
群馬県

第1 方針策定の趣旨

 この方針は、関東一の森林面積を有する本県において、県産木材を中心とした地域材の利用を促進することが山村地域の活性化と県内経済の振興を図るうえで極めて重要であり、同時に、木材の利用を通じた適正な森林管理が、国土の保全、水源のかん養などの森林の有する多面的機能の持続的な発揮に不可欠であること、地球温暖化の防止や循環型社会の形成に貢献するものであることを基本認識としている。そして、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律(平成22年法律第36号。以下「法」という。)第8条第1項の規定に基づき、本県の公共建築物における木材の利用の促進のための施策に関する基本的事項、県が整備する公共建築物における木材の利用の目標、公共建築物の整備の用に供する木材の適切な供給の確保に関する基本的事項、その他公共建築物における木材の利用の促進に関し必要な事項を定めるものである。

第2 木材の利用の促進のための施策に関する基本的事項

1  木材利用の基本的な考え方

(1)目指す方向

 森林は、国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、公衆の保健、地球温暖化の防止、木材等林産物の供給など多面的機能の発揮を通じて、人々の豊かで、快適な生活を支えている。また、木材は、森林の生産力を適切に保持する限り再生可能な資源であり、他の資材に比べて製造時のエネルギー消費が小さく、燃やしても大気中の二酸化炭素の濃度に影響しないカーボンニュートラルな特性を持ち、長期間にわたって炭素を固定する極めて環境に優しい資材である。さらに、木材は断熱性、調湿性に優れ、有害な紫外線を吸収する効果や衝撃を緩和する効果が高く、建築材料としても優れた特性を有する。
 我が国においては、古くから木造建築の技術が高く、現存する世界最古の木造建築物である法隆寺五重塔をはじめとする多くの歴史的建造物が木造で建築されてきた。
 しかし、公共建築物においては、建物の不燃化などの様々な要因から木材が使われない状況が長く続き、現在に至っても木材の利用が進まない状況にある。
 公共建築物は、多くの県民が利用することから、建築物としての広報効果が極めて高く、木材を使った公共建築物の整備を進めることは、木材の利用に対する県民理解の醸成につながるものである。
 そこで、本県においては、戦後植林された人工林資源が利用可能な段階を迎えていることや県産木材を使用した木造建築は地域経済への波及効果が高いことを踏まえ、公共建築物及び公共建築物に準ずる建築物における木材の利用を促進し、県内で生産された木材を利用して、県内の木造建築技術の進展と地産地消型の木造建築の流れを定着させ、木材利用を通じた森林の適性管理による森林の多面的機能の持続的発揮と地球温暖化防止及び資源循環型社会の形成に資するものとする。

(2)県の取組

 県は、木材の利用を効果的に促進するため、公共事業等執行方針、グリーン購入法に基づく「グリーン購入指針」、地球温暖化対策推進法に基づく「地球温暖化防止対策実行計画」、その他法令に基づき木材の利用の促進に寄与する計画との整合を図り、本方針に基づいて公共建築物等における木材の利用の促進に取り組むものとする。

(3)事業者との協働

 県は、法第5条に基づく事業者の木材利用の取組に関し、県産木材の利用促進に協力を求め、県が実施する木材利用施策を、事業者と協働して推進するものとする。

(4)県民理解の醸成

 県は、広く県民に対して木とふれあい、木の良さを実感する機会を提供し、木材の特性やその利用を促進する意義について理解が深まるよう効果的な情報発信に努めるものとする。

2 木材の利用を促進すべき公共建築物

 法第2条第1項第1号及び第2号で定める木材の利用を促進すべき建築物の主なものは、次のとおりとする。

(1)県又は市町村が整備する公共建築物

  • 学校
  • 社会福祉施設(老人ホーム、保育所等)
  • 病院・診療所
  • 運動施設(体育館、水泳場等)
  • 社会教育施設(図書館、公民館等)
  • 公営住宅等
  • 事務・事業の用に供される庁舎
  • 職員の住居の用に供される公務員宿舎等

(2)県又は市町村以外の者(国を除く。)が整備する(1)に準ずる建築物

  • 学校
  • 老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類する社会福祉施設
  • 病院又は診療所
  • 体育館、水泳場、その他これらに類する運動施設
  • 図書館、青年の家その他これらに類する社会教育施設
  • 車輌の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合いの用に供するもの
  • 高速道路(高速道路株式会社法(平成十六年法律第九十九号)第二条第二項に規定する高速道路をいう。)の通行者又は利用者の利便に供するための休憩所

3 木材の利用を促進する公共建築物以外の施設等

 県が公共建築物以外で木材の利用を促進する施設等の主なものは次のとおりとする。

  1. 道路施設(林道施設を含む)
  2. 自然・森林公園施設
  3. 都市公園施設
  4. 農業土木施設
  5. 河川・砂防施設
  6. 治山施設

4  木材の利用を促進する施策の具体的方向

(1)計画段階での配慮

 県は、新築、増築又は改築する公共建築物の計画に当たっては、建築基準法その他の法令に基づく基準において木造とすることが困難な場合を除き、木材が長期間にわたり二酸化炭素を固定し、木造建築物が二酸化炭素の貯蔵庫の役割を果すことを認識し、建設等の費用に加え二酸化炭素の削減効果や建物の維持管理及び解体・廃棄等の費用を含めて総合的に判断して、国が定める木造計画・設計基準に準じて、木材の利用を図るものとする。

(2)補助事業者への要請

 県は、県が整備費用の一部を助成する公共建築物及び公共建築物に準ずる建築物の整備に当たっては、補助事業者に対して県に準じて木材の利用に努めるよう要請するものとする。

(3)多様な木材の利用の促進

 公共建築物等の木材の利用の促進に当たっては、建築構造材料としての木材の利用はもとより、それ以外の次の用途についても木材の利用を促進するものとする。

  • 壁、床、天井などの内装
  • 机、椅子、書棚等の備品
  • 木質バイオマスを燃料とする暖房器具やボイラー
  • その他紙類、文具類等

5  積極的に木造化を促進する建築物の範囲

 第2第2号(1)又は(2)に掲げる建築物のうち、建築基準法その他の法令に基づく基準において、耐火建築物としなければならない建築物又は主要構造部を耐火構造としなければならない建築物以外の建築物とする。
 ただし、木材の耐火性等に関する技術の進展や新たな建築技術の開発などにより、公共建築物の木造化の推進に必要な建築物については木造化を図ることとする。

第3 県が整備する公共建築物等における木材の利用の目標

1 公共建築物の木材利用の目標

 公共建築物の新築、増築又は改築に当たっては、建築基準法その他の法令等に基づく基準において、耐火建築物とすること又は主要構造部を耐火構造とすることが求められていない地上3階建て以下の低層建築物については、原則として木造とする。
また、建築基準法その他の法令等に基づく基準において、不燃材料など防火上必要な仕様が求められない建築物の外壁及び内壁等の仕上げ材については、機能性及び安全性を考慮して木材以外の仕上げ材が適している場合を除き、原則として木材を使用する。

2 公共建築物以外の施設の木材利用の目標

 公共建築物以外の施設については、現地状況やライフサイクルコスト等を十分検討し、下表の工種等を中心に木材の利用に努めるものとする。

公共建築物以外の施設の木材利用の目標
施設等の区分 木材利用が考えられる主な工種等
道路施設(林道施設を含む) 転落防止柵、遮音壁、ガードレール、土留工、視線誘導標、案内標識、丸太伏工等
自然・森林公園施設 案内板、標柱、四阿、階段等
都市公園施設 四阿、ベンチ、野外卓、樹木の支柱等
農業土木施設 転落防止柵、柵工、看板等
河川・砂防施設 杭柵工、沈床工等
治山施設 谷止工、落石防護工、土留工、柵工等

3 その他の木材利用の目標

 建築物及び施設の整備に伴う原材料、仮設資材、備品、消耗品等のほか、チップやペレット等のエネルギー利用にも努めるものとする。

4 上記1から3において、率先して県産木材及び県産木材製品の利用に努めるものとする。

第4 木材の適切な供給の確保に関する基本的事項

1 木材の供給体制に関する事項

(1)森林資源の状況

 本県は、県土面積の3分の2にあたる42万5千ヘクタール(注)の森林を有し、民有林と国有林を合わせた人工林の面積は17万7千ヘクタール、その蓄積は6,527万立方メートルで、年間成長量は91万立方メートルに達する。
 また、民有人工林では、収穫(主伐)期を迎える植林後51年(11齢級)以上の森林が65%を占めている。

森林資源の現況
区分 面積(ヘクタール) 蓄積(千立方メートル) 年間生長量(千立方メートル)
民有林 人工林 110,168 51,121 674
天然林 111,361 16,515 151
国有林 人工林 66,665 14,147 239
天然林 108,692 13,825 74
人工林 176,833 65,268 913
天然林 220,053 30,340 225

 ※林政課調べ(平成31年4月1日現在)
 (注)森林面積には未立木地面積を含む

(2)木材需給の現況

 本県の木材需要量は、ピーク時の昭和48年に190万4千立方メートルを記録して以来減少傾向に転じて減り続け、平成30年次の需要量は79万6千立方メートルとピーク時の約4割となっている。
また、県産材の供給量は、昭和41年の89万2千立方メートルをピークに減少を続け、平成17年に17万3千立方メートルまで落ち込んだが、その後、回復基調にあり、平成30年次は36万5千立方メートルとなっている。

森林資源の現況
供給(千立法メートル) 需要(千立方メートル)
国産材 県内材 365 製材用 548
県産材 18 チップ・合板用 102
外材   413 その他 146
  796 796

※林業振興課調べ

(3)安定供給に向けた取組

 木材が、公共建築物の資材として需要に応えていくためには、公共建築の構造的特性に対応した規格及び品質の木材が低コストで円滑に供給されることが必要である。
このため、森林所有者や森林組合、素材生産業者等、森林からの木材生産に携わる者が連携して、林内路網の整備や高性能林業機械の導入など林業生産性の向上に取り組むとともに、森林資源情報を共有して、必要な時に必要な量と質の木材が安定的に供給できる体制づくりを推進するものとする。

2  木材の加工体制の整備に関する事項

(1)木材の高次加工の推進

 建築資材としての木材にも性能の明確化や性能表示など工業製品並みの品質が求められていることから、木材乾燥施設の導入、JAS機械等級区分の推進、集成材加工施設の整備など木材の高次加工を推進するものとする。

(2)木材製造の高度化への取組支援

 県は、法第10条に規定する木材製造の高度化に関する計画を作成し、農林水産大臣の認定を受けようとする事業者に対して、情報の提供、その他必要な助言等支援するとともに、公共建築物の整備に必要な木材の製造及び加工体制の整備を促進するものとする。

第5 木材の利用の促進に関し必要な事項

1  コスト面で考慮すべき事項

 県は、公共建築物の整備において木材を利用するに当たっては、一般に流通している木材の使用に配慮し建築コストの適正な管理を図るとともに、維持管理及び解体・廃棄等のコストを含むライフサイクルコストについて十分に検討し総合的に判断した上で、木材の利用に努めるものとする。

2  県産木材の強度性能に関する事項

 県は、県産木材の強度性能に関して、強度試験、その他の方法により資料収集に努めるとともに、その結果について木材及び建築関係者に幅広く情報提供するものとする。

3  ぐんまの木利用推進会議の活用

 本方針に基づき公共建築物等の木材の利用を促進するために必要な事項については、ぐんまの木利用推進会議において検討するものとする。

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このページについてのお問い合わせ

環境森林部森林局林業振興課
〒371-8570 前橋市大手町1-1-1
電話 027-226-3240
FAX 027-223-0154
E-mail rinshin@pref.gunma.lg.jp
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