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平成21年10月19日 1都5県知事と地元自治体及び住民代表との意見交換会

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

1.開会

群馬県特定ダム対策課:坂井(以下、司会)

ただいまから八ッ場ダム建設推進にかかる1都5県知事と地元自治体および住民代表による意見交換会を開催致します。本日の司会を務めさせていただきます、私は群馬県特定ダム対策課の坂井と申します。よろしくお願いいたします。

はじめに、本日視察にお越しいただきました1都5県の知事さんから関連工事の進む現場を視察いただき、八ッ場ダム建設事業についての感想やご意見を頂きたいと思います。ハンドマイクでお願いします。では大澤知事さんよろしくお願いいたします。

2.意見交換会

《知事》

群馬県知事:大澤正明

今日は1都4県の知事さんにおかれましては、本当にお忙しい中をこの八ッ場ダムまでお越しいただきまして大変ありがとうございました。今、現場を視察していただいて、工事の進捗(しんちょく)状況をつぶさに見ていただきました。現状がしっかり掌握できたかなと思っております。

このダムは昭和27年に国のほうから八ッ場ダム構想が持ち上がりました。以来、30年にわたる反対闘争の末に、昭和55年に群馬県が仲裁し、この再建案を提案しました。以来、16年をかけて一つずつ再建案を積み上げまして、平成4年に水没地区の長野原町と、また平成7年に吾妻町とダムの基本協定を結んで、平成8年からこのダムの工事が進んできたわけであります。

しかしながらこの間、57年という長い間、地元の方々の苦悩というのは大きなものがあったわけです。「首都圏の水がめになる」、「首都圏の洪水を守る」、そういう大義のもとに地元の方々が、水没地区の方々が納得していただいて、このダムの工事に入ったわけであります。

しかしながら、先月23日、前原国交大臣が視察にいらして、ダムの中止ありきの発言をされたことで、あと6年でのこのダムの完成と、長い間苦労してきた地元の方々の生活再建の希望が、一瞬のうちに打ち砕かれたわけであります。地元の人たちの気持ちを考えると非常に大きなものがあると思っております。

1都4県の皆様方がお越しになったということは、地元の皆さんにとっては非常に心強く、ありがたく思っている、そういう思いであります。何といっても、このダムのために、地域の方々は土地を放棄するわけであります。群馬県の治水・利水は当然のことながら、大きな目的は首都圏の利水・治水のためにこのダムの工事に賛同したわけであります。

国交大臣がいらしたときには地元の方々は出席しませんでしたが、本日は地元の方々も出席していますので、その辺のところを十分お汲み取りの上、ぜひ、皆様方の意見を聞いていただいて、このダムの今後の在り方についていろいろご協議いただければありがたいと思います。今日は本当にありがとうございます。

司会

ありがとうございました。それでは石原都知事さんにお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

東京都知事:石原慎太郎

石原でございます。今日はある意味非常に恐ろしい思いをしました。やっぱりいろいろ人間の間にも政党の間にも価値観の違い、考え方の違いがあるでしょう。ただ、これが行政へどう反映されるかということが大事だと思いますが、マニフェストか公約か知りませんけれども、はじめに言葉ありき、ということでそれが全てで進んでしまった。これは人間の神様、仏様という信仰の問題、宗教の問題ですな。行政、立法と分かれているわけですけども、やっぱり立場を超えた議論、討論、話合いが行われて初めて公平に運営出来るのでしょうけれども、勝利した政党が、新しい政権の公約という言葉にがんじがらめにして、既に決めたことだということは、これはどう考えても民主主義の原理にもとると思いますね。

東京都からも提案いたしまして、埼玉県の上田知事のおかげで共通の共同声明といいましょうか、我々6人の知事の意見をまとめて頂きましたが、私いろいろ調べましても色んな事実が分かってきました。今日実際に現場を私は最初にヘリで飛びましたけど、皆様にもあとで飛んで頂きますが、しかも地上で歩いて眺めて見て、報道の方にお願いしたい。個々の事業の進捗状況を0とされる橋なんてほとんどできている。渡ってないだけなんですよ。これを進捗状況0と報道されれば、国民はこれ懐疑を抱く以前に、間違った判断を持ちますよ。聞いてみたけどそういう情報の上に世論というのが成り立つとあって、中止というものをなんとか中止してほしい。やっぱりここまで来た事業なのだから推進してほしいという現地の方々に非難中傷といいますか、脅迫の電話がくる、こんなことが開かれた市民社会の日本にあって良いんだろうか、私はつくづくそう思います。これはやっぱりメディアの責任だと思いますよ。誰が主張をしているかしらんけども、やっぱりすでにでき上がってあと渡るだけ、あと舗装するだけ、そういった橋そのものの答えが進捗状況0という形で報道されるってことは、これはやっぱり、全体のイメージといいましょうか非常に物事を狂わせる原因の一つだと私は思います。

それからいろいろ調べましたら、なぜか喧伝されてないんで、上田さんにお聞きして、それを入れといてと申し、上田さんの方も同じ認識をもってらっしゃいましたが、平成に入っての8年に、利根川水域に恩恵を被っている関東のかなり広範囲の所で取水制限というのが1年間に117日行われました。これもし八ッ場ダムが完成していたら、100日マイナス、つまり17日程度の取水制限で済んだんですけれども、その結果、栃木県、千葉県は農作物が非常に豊富な県でありますけれども、農産物の育成のために農業のために必要な水というものの供給に非常に不自由したり、東京などもいくつか大きなビール会社がございますが、皆さんお好きなアサヒともう一つどこですか、サッポロビール会社がビールを作れずに、要するに生産量を下げた。夏に子供たちがプールで水泳ができずに、水が淀むと不潔になりますから、そういった私たち苦い思いをした訳でありまして、そういったことを思い返しますと、カスリーン台風うんぬんとずいぶん見出しで話してる、そんなものを持ち出さなくても、この平成の世に入って、首都圏・関東という日本の主要な部分だと思いますが、それが水という根源的な問題で非常に痛い思いをしたわけです。

しかも一方では世界の異常気象でこれからいったい何が起こるかわからない。温暖化がどんどん進んでいけば、これはやっぱり日本の農業でもいろいろ対応が変わるでしょう。既に今ミカンを作っている地域は温暖化でミカンができなくなるという状況が進んでいる。私もそういう問題に非常に強い危機感を持っております。だからこそ東京はICAPというものに入りましたし、今後12月にはCOP15、コペンハーゲンの会議で京都議定書をさらに進めた約束をしなければ地球そのものが救われないということが書いてあるのですが、それを踏まえて私たちはこの日本の態様を見ても異常気象でもたらす災害が頻発しているわけで、皆さんゲリラ豪雨・集中豪雨に関心をお持ちでしょうけど、しかしこれからやっぱり干ばつだってくるかも分からないし、そういうことで私たちこの利水・治水を含めて、ここまできたダムのプロジェクトを、これから先どういう気象の変化というのが何をもたらすか分からない時代で、これを作っておくことは絶対必要だと私は思います。

東京も苦い経験がございまして、最後に申し上げますが、小河内ダムという東京で一番大きな水瓶をつくりました時に、これ反対がありました。そしてできた瞬間、反対の人たちはこんなダム持っていてもしょうがないと、小河内ダムというのをよく読むと「しょうがない」と読めるので、それでしょうがない、しょうがないダムと言っていた訳ですよ。その次の年に、渇水期がきて、このおかげで助かったとみんながホッとしたわけですよ。反対派は沈黙したわけですけど。こういう苦い苦い経験もございます。どうぞそういうことを踏まえて、私たちこの非常に大きな気候変動の時代に、このダムだけは完成させるべきだと私は思いますし、私たちが政府に強くそれを進言するつもりでございます。長々と失礼しました。

司会

ありがとうございました。続きまして埼玉県の上田知事さんにお願いしたいと思います。

埼玉県知事:上田清司

どうも皆さまご苦労様です。私はもっとも利水と治水で埼玉県717万人の県民がお世話になっているところでございます。現実に我々はまだ安定水利権を70%しか確保しておりませんが、八ツ場ダムができることにより99%確保することになります。本当に私は代表して、自ら犠牲になって各下流の都民・県民のために自ら犠牲になられて本当に長年御苦労された皆様方に心から感謝を申し上げたいと思いますし、いわんやそうした方々に非難中傷されるような方々には特に猛省を促したい、こんな思いで今日は参りました。

(パネルを使用して)

まず皆さんに見て頂きたいのですが、一番右側が利根川の土手ですが約20mの高さ(標高)です。埼玉県の春日部市や越谷市は、5m程度の高さであります。約13mのところに東北新幹線があったり、国道4号線があります。従いまして、利根川が破堤すれば埼玉県の東部地域は大方水浸しになるという状況であります。

実は平成10年以降にもですね、利根川沿いで漏水が20数カ所でております。これは平成13年の15号台風の時に埼玉県の加須市の大越地区というところで、漏水つまり土手の反対の田んぼ側から水が噴き出した図であります。構造としてはこんなふうになります。河川の水位が高くなると下の方から砂地層を通って水が噴き出します。こういう漏水が平成10年以降20数カ所、利根川の埼玉県と群馬県、あるいは栃木県との境あたりでしばしば起こっております。これは、国土交通省の職員が発見したのではないのです。地元の水防団が発見するのです。大雨が降ればグルグル見まわって大事のないようにしております。

こういう治水上の大きな課題を、埼玉県は一次的に抱えています。二次的には利水の問題であります。先ほど石原都知事がご紹介になりました、少なくとも平成に入ってから6回渇水があり、取水制限を行っております。先ほどご紹介の平成8年の夏も冬も渇水があったとき、取水制限期間が117日ありましたが、八ツ場ダムがその時に完成していれば100日分それがなくて済んだ、17日だけで済んだということであります。そういう効能が現にあるということであります。

また治水に戻りますが、残念ながら吾妻川流域にはダムがありません。奥利根流域に圧倒的にダムがあります。そういう意味で、どこで集中豪雨があるか分かりません。一方で石原都知事もご紹介になりましたように、日本では、降雨量がもちろん年によって増えたり下がったりしていますが、統計を見れば少なくなってきております。増えたり減ったりはします、年度によって。しかしずっと少雨化の傾向があります。ご案内のように今年の9月、9月というのは1年を通じて一番雨量の多い月でありますが、宇都宮市においては120年の観測上の中で9月としては最小の雨量でありました。前橋も、113年の中で最少です。熊谷は113年の観測史上で2番目に少なかった。このように異常気象の中で、我々は八ツ場ダムの効用というのは大変大きい。

八ツ場ダムの治水効果は、31通りの洪水パターンで計算しており、そのうち29通りで効果があるということもちゃんと国土交通省の質問答弁書にも書いてあります。

工事も予算と同じようなパーセンテージで、道路もできればさまざまな施設もできているんです。こういうことも正しく伝えて頂きたいと思います。また、東京電力に後で何百億とのお金を払わなくてはいけないという話もありますが、16年の国会答弁書でも明らかです。4,600億円の中にそれも入っています。そういうことやいかにこの八ツ場ダムが参画都県のですね、いわば県民・都民の命を守り、そして水道用水の水を守り、工業用水を守っているか、メディアがきちっと報道して欲しい。しかし、できたからといって絶対に安全というわけではありませんが、プールの水とは違い、延長240km、川幅数百m、こういうところの1cmの水位の低下の重みがどれだけ大きいか。ちょっとでも水の量が増えると土手の中への水の浸透が進み、土手は弱くなるのです。だから少しでも水位が下がればこれは大きいのです。仮に百歩譲って13cmでも、13cmも下がるのかと私は申し上げて、皆様方にご報告したいと思います。ありがとうございました。

司会

ありがとうございました。続きまして千葉県の森田知事さんにお願いいたします。

千葉県知事:森田健作

千葉県の森田健作でございます。私ね、ずっと見てきまして、ずっと色々とお話を聞かさせて頂きました。本当に地元の皆様の50数年に渡る御苦労、そしてですね苦渋の決断、それから私たち1都5県のですね、利水・治水、重要性そしてこの進捗状況を見て、これはやっぱりやらなければならないんではないかなとそのように思います。

私ね、これは入口が間違ったと思うんです。先ほど町長さんからお話をいただきました。やり方が納得できないんです。確かに民主党さんは大勝し、そしてマニフェストに書いてあるんだ、中止なんだ、だからやるんだ。これじゃあ、いくら現政権といったってね、180度変えるには、やっぱり地元の皆さんをはじめ関係の都県に納得のいくように説明をしないといけない。私そう思っています。

ですから、私はこのダム中止を一時棚上げにするべきだと思います。そのぐらいの度量が民主党さんにあったって良いでしょう。そしてもう一度一から胸襟を開いて話し合う。そしてどうしても万が一、中止というならば、それこそ地元の皆さんの生活再建、感情も含めてケアし、そして治水・利水を、将来像をはっきり示す、これをやってもらわなければですね、私たちは納得できないと思います。

それと同時に国民はですね、このような事業、このいうことを将来国民は協力しなくなりますよ、皆さん。これは大変な問題なんです。ですから私は、国に対しきちっと今回の件はですね、一時棚上げにしてもう一度、一から話し合いを始めるということを、心から心からお願いしたいです。ありがとうございました。

司会

ありがとうございました。続きまして茨城県の橋本知事さんにお願いしたいと思います。

茨城県知事:橋本昌

茨城県知事の橋本でございます。みなさんこの度は御苦労様でございます。今日はつぶさに現場を見させて頂きました。そしてこの進捗率が6%、2%ということについてもずい分違うということを実態としてしっかりと見させて頂いた次第でございます。そして、我々の県でも約130km利根川と接しております。利水という面では、つくばエクスプレスが開業しておりますが、あの周辺で50万人ほどこの水を使わせていただいていくことになっております。それだから、国と一緒になってこの事業を絶対に推進しなくてはいかんという説明をしてきたわけでありますので、急に政権が代わってですね、どうやって県会議員あるいは県民の皆さんに説明すれば良いのか、というのが一番困ってしまうわけであります。先般、大臣の方から手紙がきまして、そのうち是非お目にかかりましょうということも言われておりますけれども、その前にやはりなぜこうなってきたかという理由をしっかりと示して頂きたい。治水については、私どもの県は何回も大きな洪水被害を受けております。これをどうやって少しでも和らげる方策・手段を考えられるのかどうか。

また、利水につきましては、先ほどお話したとおりです。治水も利水もですね、地球温暖化の関係で大変に豪雨になりやすい、あるいはまた渇水になりやすい、そういう大変な時代を今迎えようとしているわけでございますので、ダムの必要性というのは、これまで以上に重要性が増してきているのではないかと思っております。そういった点から、1都4県の知事さん方と一緒になって、是非この事業の完成に向けまして頑張って参りたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

司会

ありがとうございました。続きまして栃木県の福田知事さんにお願いしたいと思います。

栃木県知事:福田富一

みなさんこんにちは。ご紹介を賜りました栃木県知事の福田でございます。栃木県も今、2つのダム、ひとつは水機構、水資源機構、もう一つは国直轄で行っておりますけれども、48ダム事業については21年度については新たな段階に入らないと示された、この2つが我が県にもございます。

その中の一つ湯西川ダムにつきましては過日、日光市議会がダム推進に関する決議を行いました。そして知事宛に意見書を持ってこられたわけでありますけれども、その際の住民、地元の選出の市会議員さんの言葉が印象的でありました。我々は金を貰ってそれで納得する、解決できるということではないんです。ダムを中止して、金をもらえば良いということではないんです。生活再建・地域振興はあくまでもダムに、ダムをつくってそこに水が貯まって、そこで初めて生活再建であり、地域振興を考えているんです。ですから、知事そしてまた国宛にも県も含めてですね、県もダム推進について積極的に意見を申すように、こういうご指摘を頂いたところであります。

今日は大澤知事をはじめ、県の職員の方々から地元のさまざまな事情についてご意見を、内容についてお聞きすることができました。まず、今までお話がありましたように、地元の意見を尊重すべきだということが第1番目。そして2つ目に進捗率が70%という状況になっているわけでありますから、まさに完成目前という印象を受けました。予定通り平成27年度に完成をして、洪水効果、洪水防止効果、そしてまた利水効果が得られるようにしてほしいという思いを新たにしたところであります。

司会

ありがとうございました。ただいまの知事さんのご意見を伺って地元の方々から意見を頂きたいと思っております。まずはじめに、長野原町の高山町長さんにお願いしたいと思います。

《地元》

長野原町長:高山欣也

1都5県の6名の知事の皆さん、ようこそ八ッ場ダム現地視察へお越しいただきました。そして私たち住民と意見交換会の場を設けて頂きまして、大変ありがとうございます。

前原大臣が就任数時間の内に、八ッ場ダム中止をマニフェストにあるからということで明言されました。我々住民は非常に困惑しております。これまで1都5県の都議さん県議さんが、現地視察においでを頂きました。そして現場を見て頂き進捗状況により、このダムは中止はとても無理である、完成しなければならないという強いお言葉を頂き、心にうれしく思ったところであります。そして今日こうして6名の知事さん方が現地を視察していただき、今ご挨拶頂きましたが、心強いご挨拶そして感想を述べて頂きまして、非常にうれしく住民を代表しまして心から厚く御礼を申し上げます。引き続き、只今頂きましたご意見を尊重して頂ければと思っております。

私どもは長い闘争の末、国道、代替地、そして国県道を今年度あと半年後に、そしてJRが23年度末に完成を予定をしておるところにきておりますが、ここにきて大臣は治水・利水について、そして生活再建についても今後これから考えると言っておりますが、住民といたしますともう長いこと闘争しておりますので、6年先に完成が見えておりますのでそのゴールに向けて、今生活再建やっと明かりが見えたところでありますので、ここにきてこういう話では、再度またダムの後戻りになりますので、非常にそれは困りますので、是非とも最も近いダム完成という、ダムから離れられる道に是非とも行きたいということで、それにはやはりダム完成が最も近いと感じでおりますので、その道を選択させていただければうれしく思っております。

そして本日お見えになりました知事さん方におかれましては、国との共同事業主体者でありますので、今日現地をご覧いただき進捗状況、非常に進んでいるというご意見を頂き大変うれしく思ったことでありますが、今後、今日頂いたお話しいただいた知事さん方の感想を、是非さらに強固にこれを再確認して頂きまして、ダム完成に向けて白紙撤回になるように、さらにご支援を頂ければありがたいと思っております。本日は大変ありがとうございました。

司会

ありがとうございました。続きまして東吾妻町の茂木町長さんにお願いしたいと思います。

東吾妻町長:茂木伸一

ダムの直下にあたります東吾妻町の町長茂木伸一でございます。本日は遠いところまでようこそいらっしゃいました。本当にありがとうございます。そして足もとの悪い中、ご視察を頂き、そして進捗率についても十分にご理解いただいき、とてもありがたく思っております。

私の計算の進捗率はまたちょっと違いまして、今まではダムの本体工事をするための準備作業を行っていた。その準備作業につきましては事業の進捗率は86%だというように思っております。あと10%ちょっとでダム本体、要するに水を止める、水を貯めることができる、そういうように考えている次第でございます。もっと進んでいるんだという認識もお願いできたらと思います。

さて、政権交代後におけるダム中止宣言、それにつきまして1都5県の知事の方々のコメントをずっと注目をさせて頂いておりました。とても力強い頼もしく思えるコメントをいつも発信していただいて、本当にありがとうございます。

我々といたしましても、我々の兄弟そして子供たちが下流都県の方々のところでいろいろと、学校にしても仕事にしてもお世話になっております。そういった下流都県の流域の方々の治水・利水のためという想いが、この地元の方々にやはりあったんだと思います。ただお金をもらえればそれで済むという問題ではありません。その大義が足もとから崩された、というのが今回の仕打ちだと思っておる次第でございます。そのへんのところも十分皆様方がお分かりいただけているということを、本当に涙が出るような気持ちで見ておりました。

さてその他にも我々の地域の振興、地域活性化に対しまして、水源地域対策特別措置法における負担金を負担して頂いておる、そしてそれによって我々の地域振興が図られる、そういったことで随分と推進にご協力をして頂いておること、感謝を申し上げる次第でございます。

そしてその水源地域対策特別措置法に基づく協定書、その中には相互の信頼と協力においてこの事業をスムーズに進めていくんだという一文がございます。我々は、国とそして皆様方との相互の信頼と協力を基に事業を進めてきたつもりでおります。それが9月17日未明、早朝でしょうか、突然の中止を明言、それも正式なものではなくマスコミに対するぶら下がり記者会見というような形の中で行われたということ、そしてずっとそういった発言によって我々が翻弄し続け、翻弄され続けていることに対しても、やっぱり怒りを覚える次第でございます。

水源地域対策特別措置法の中では最近なって資料を確認してみましたら、茨城県知事の橋本知事はその当時も現職でおられてサインがございました。東京では青島知事、埼玉では土屋知事だったでしょうか、群馬県では小寺知事、そしてその知事が代わってもその後もずっと変わらずにこうやって協力をしていただいておるということです。これはやはり、行政の継続性ということをちゃんと身をもって皆さま方はやって下さっている。そしてこれから先もずっとこの協力体制、そして私どもも一生懸命地元の者と一緒に、ご協力をさせて頂きたいと思いますので、是非ともダムの早期完成をそして7年後にもし洪水が来たらというとんでもないことをいうようですが、その時の問題というのはどうなるのかちょっと疑問に思います。

様々なことがございますけれども、私ども一生懸命やりますので、皆様方と共に闘っていきたいと考えております。ご協力ご指導をお願いいたします。今日はどうもありがとうございます。

司会

ありがとうございました。

地元住民代表

本日は1都5県の知事様には、公私ともご多忙の中、八ッ場ダムの現地をご視察いただき、ご指導いただくことに深く感謝を申し上げる次第でございます。

私が申し上げるまでもなく、八ッ場ダムは57年を経過しております。その当初の目的は下流都県の治水・利水のためにどうしても必要なダムだということで我々は、悩み苦しみ、そして試行錯誤しながら、現在にいたっておるわけでございます。あと数年でダムも完成しようという時に政変がございました。民主党の天下で前原さんが大臣になられまして、そのなったすぐ2時間後にはマニフェストにあるから八ッ場ダムは中止するのだという、こういう発表でございます。私たち57年間、下流都民の皆さま方のために協力してきたものが一瞬にして水泡に帰してなくなったわけでございます。

どうかひとつ都県の知事さん方には一致協力して、私たちの生活再建が、湖水を見ながらの生活再建ができますように力強いご支援ご協力のほどお願いしたいというふうに思います。よろしくご協力のほどお願い申し上げます。ありがとうございました。

司会

ありがとうございました。これからは地元住民の代表の方々からご発言を頂きたいと思います。

地元住民代表

大変お世話になります。遠いところをおいで頂きまして本当にありがとうございます。よろしくお願いします。

長野原町と当町は8月6日に民主党に出向きました。マニフェストに八ッ場ダム中止というものが書かれたということで、その撤回の要請に行って参りました。あくまでも中止ということで向こうは言い張ったんですけれども、私たちも粘りに粘って、せめて中止する前に地元と協議・調整をして欲しいという、これについては一応そうして頂くという約束を取り付けてきました。でも大臣が変わった途端にあっという間に中止、これが現実です。

私は民主党の政策を全て批判するものではありませんけれども、このダムに関してだけはどうしても納得いきません。こんなことがあるんであれば、日本の民主主義というものはもうあり得ないと思っています。それが現実だと思います。そういった点を踏まえまして、私たちは国を信じてここまで協力してやってきたんです。これはやはりどうしても許すことができない。この気持ちでいっぱいでございます。

このままでは私たち、特に長野原町は町の存亡がかかっている。また地域の皆さんは、町の生活、住民の方の生活というものが本当に危機に瀕しているという状況になるのは必至です。このままでは本当に、そういった状況を迎えてしまうというのは明らかです。そういった中で私たちはともかく住民代表としては、住民協議会というのを郡内につくっていただきまして、現在、中止撤回、ダム推進の署名活動を展開いたしております。うちの町の一例ですと16,000人の内11,000人ほど今署名が集まっております。16,000人の内11,000人書ける人にはほとんど書いていただいたということだと思います。これは同じ郡内の中の各町村にお願いして現在展開しております。今月末には一定程度できるものが集まると思っております。

さらに地区の対策委員会というか対策協議会というものがありますので、そういった所で全て、ダム中止は認めないという決議をして頂こうと思っています。こういったものと先ほどの署名を合わせて、国にまた国交省そういったところにダム中止は容認できないということを要請に行きたいと思っております。

町の議会としましては、去る14日に長野原町と当町のダム対策の特別委員会というものがありますけれども、その合同懇談会を開きました。そういった中できちっと共同歩調をとって、しっかり対応いこうということを確認いたしました。そういった中で、各議会ごとにきちっと国交省、必要があれば参考に呼んで、そういう中で2月24日の再評価の段階で、9月の議会にこれは必要だということを国交省から説明を受けたばかりなんです、私たちは。それがなぜ突然、大臣が変わった途端に変わるのか、こういったものをもう感情的なものでなくて科学的に論理的にきちっと説明を受ける、そういった中で検証していきたいと思っています。

また必要があれば民主党に対してもなぜ、今までの検討結果をきちっと出して頂いて、どうした経緯でこれが中止になったというのかというものを、きちっと検証していきたいと思っています。併せて、県内の各市町村にも是非ダム推進の意見書を出して頂けるような要請活動、こういったものを続けていきたいと思っています。

皆さんにどうしてもお願いしたいのは、私たち地元の住民・町にとっての選択肢は、ダムをつる以外にはないのです。これ以外にはありません。代替案がどうのこうの住民再建とか地域での生活再建がうんぬん、こんなことは現在時点では考えられないんです。これが現状なんです。これを是非ご理解して頂いて、是非1都5県の皆さん方にも知事さん方にも、そういった形での決議をしていただきたい、そんなふうに是非お願いしたいと思っています。

つい先日森田知事さんが羽田のハブ空港の問題でいろいろ問題がありましたけれども、あの時はお話をしていただいてWIN-WIN関係っていうんですかね、そういった確認がなされたというふうに聞いていますが、このダムに関しては私たち地元住民も1都5県も国も余分な金を出すということを考えると、全くこれを中止したことによって得をする人が一人もいないんではないかと思います。これが現実なんだと思っています。こんなことが許されるのか、私はそう思っています。

正直に言いまして、高速道路の無料化に向けて試行に6,000億円使うという話が出ている。私はそれよりは、こちらをきちっと仕上げてもらうのが先だなと、私はそう感じています。私たちの願いはそこにあります。私たちも頑張りますけれども、今日お集まりの皆さんが一番頼りになるんです。ですから両町長さんもそういうお願いをしています。そういった意味においては、是非とも私たちも頑張りますので、ご協力をよろしくお願いしたいと思っております。どうか私たちを見捨てないように、是非よろしくお願いしたいと思います。私の方からは以上です。ありがとうございました。

司会

ありがとうございました。

地元住民代表

こんにちは。公私ともにお忙しい中、私たち長野原町にお訪ね下さいまして本当にありがとうございます。どうぞ宜しくお願いいたします。今日はどうしても二度とお会いできない皆さん、そして後にも先にも今日だけかと思いますと、想いをいっぱい伝えたいことがいっぱいあるんですけれども、過去の流れからそして今のこの気持ちまでを伝えていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

民主党がマニフェストにダムの中止を掲げましてから、私たちは本当に不安な日々を送って参りました。今では町民の皆さんからは笑顔もすっかり消えてしまいました。でも本日この会場で各県都知事の皆さんのこのダムへの熱い思い、そしてその温かい心が伝わって参りまして本当にうれしく心強く思います。

私はこの長野原町へ前橋市から嫁いで参りまして40数年経ちました。嫁いで参りました時はまだ、本当にダムの反対の真っただ中でした。父は建設省の方々がみえますと散弾銃を取り上げ、祖父は鍬を振り上げて自分たちの土地を守ろうと本当に必死に闘って参りました。でも国の強い要望をもとに、ダムも条件付き賛成へと変わって参りまして、昼夜を問わず日々生活再建のための会議が開かれるようになりました。仕事に会議に時間を費やし、疲労と心労で幾多の方々が命を落としたことでしょうか。私の夫も平成8年12月、58歳で心労のために突然死されてしまいました。私はその意志を継ぎたくて町議会に立候補致しまして今日までダムと取り組んでまいりました。

また水没5地区では、240世帯、約820人の方々が住み慣れた故郷を離れて行きました。住み慣れた家を解体する悲しい音が吾妻の谷のあちこちに幾日、何か月鳴り響いたことでしょうか。また墓地も水没のために移転するはめになりました。先祖代々静かに眠る墓の堀り返しに、ごめんなさいごめんなさいと何度涙を流したことでしょう。昔はほとんど土葬のために毛布に包まれた変わり果てた遺体と、その遺体と対面したときには本当に言葉もありませんでした。悔しさ虚しさ、お分かり頂けるでしょうか。こんなことを発表いたしましたら、電話で、墓地なんてまた元に戻せばいいじゃないか、掘り返してまた元の墓地に戻せばいいじゃないか、電話を数回頂きまして私は言葉もなく食欲もなく3kg体重が減りました。

ダム完成を前提としてのすべての作業でありましたので、本当にあのなんか悔しい、今まで何だったのだろう、そういう想いがいっぱいやってまいりました。そして100年に一度あるかないかの洪水のためにダムなんていらない、という言葉を聞きましたが、この地球温暖化、この異常気象をどう捉えているのでしょうか。私は5歳の時にカスリーン台風に遭遇いたしました。小高い丘の上に兄に連れて行かれ、自分の家がそして家族が濁流にのまれていくのを目の当たりに見ました。そして次の日はあちこちの竹やぶに沢山の死体が流れてついている、その惨状は5歳の時でしたが未だ、まだかつて忘れることが出来ません。

このような悲しい恐ろしい災害を私はどうしても下流都県の皆さまには同じ想いをしていただきたくないのです。私の兄弟も主人の兄弟も埼玉、千葉、東京、茨城にいます。こういった身内の人たちが安心して住めるためには、どうしても治水のダムが必要だと思います。ダムは税金の無駄遣い、ダムは無駄、語呂合わせのような言葉があちこちから飛んで参りますけれども、税金は人の命を守るために使うものであります。決して無駄ではないと思います。関東平野の皆さんの大切な大切な命を守るためには、ダムを造ってその税金を有効に使ってこそ、人の命の重さが守れるものと思いますので、是非ダム完成に向けてはご尽力のほどよろしくお願いいたします。

そしてまた、このままダムが止まってしまいますと、川原湯、川原畑地区は少数残存地域になってしまいまして、本当にもう社会の行政が成り立たなくなってしまいます。ダムの生活再建に向けての代替地に移って、新しい生活を待っているわけですから、是非ここでストップさせては私は絶対にいけないと思います。人口流出で過疎になり、雇用の場も失い、大変な不便な生活を余儀なくされます。ダムができてそこに色々な施設ができて、そしてそこに雇用の場ができるのです。私たちは農地を失いもうすべての収入の道を断たれてしまいました。雇用の場が出来なければ本当にわずかな年金でしかの生活が残っていない訳でございます。

そしてまた国が買い上げた広大な土地は、ダムができなければ一体どうなるのでしょうか。獣の住処となり、私たちわずかに残された農地での作物さえも作れなくなってしまうのです。家を壊したのも、墓をまた動かしたのも、ダムを完成の夢を見て、そしてみんなの平和な安心した生活の夢を見ての納得の上での作業でございました。もう今までの時間は戻りません。もう時間がないんです。もうこれ以上待てないんです。私たちが今まで生きてきた道を、この生きてきた時間をぜひ無駄にしないでください。

最後になりますが、家を動かし、墓を堀り返しそして土地を手放し、私たち長野原町はもう水を貯める準備は着々と進んでおります。後は下流都県の皆様に是非力を出して頂いてダムの完成を待つばかりとなっております。下流都県のこれは一つお願いでございますが、下流都県の住民の皆さまに利水・治水の必要性を、受益者の各都県の知事の皆様から住民の皆様にその必要性を強く強く訴えて頂きたいと思います。どうぞ今日ご出席の知事の皆様、下流都県の皆様のこの水の必要性を全国に発信してダム完成に向けてのご尽力をお願いいたしまして、私の意見を終わらせていただきます。ありがとうございました。

地元住民代表

皆さんこんにちは。よろしくお願いします。本日は1都5県の知事におかれましては大変お忙しい中、この八ツ場の地、長野原町へおいで頂きまして本当にありがとうございます。お世話になっております。

8月の30日以来ですね、強いていえば前原国交大臣が就任して八ッ場ダム中止発言以来、そしてまた23日の前原大臣来町以来、この長野原町は大変なショックに襲われた感じで現在しております。そしてこの来町以来ですね、この八ッ場ダムといった問題が国対長野原町そして個人、といった構図にされているのではないかと私現在思っています。

その中で長野原町におきましてもメール、電話等で誹謗中傷が連続しております。話を聞くところによりますと、宿直した方などは電話が年がら年中なりまして全然休めない。この非常時でありますから常に準備してならない状況でそういった状況が続いたそうでございます。町の行政の業務にも支障をきたすような状況ということがいえると思います。そしてまた個人に対する誹謗中傷といったものも日に日にエスカレートしていっているような状況ではないかと思います。ある方で数年前に長野原町から他地区へ移転した方がいらっしゃいます。その方などは、補償で受けました個人的な金額ですね、そういったものまで出されてプライベートな個人名ももちろんでございます。そしてまたそういった金額の使い道までが誹謗中傷されるといったような状況があります。果たしてそういったことがなされて良いのでしょうか。私は本当に疑問に思うところでございます。

国の政策によって、自分たちの先祖伝来の土地を離れそして移り、そして他地区へ行った方そして土地を移り長野原町に移転を決めた方でもやっと昨年度から代替地が出来上がり生活再建といったことがやっと決まりかけたところであります。そのことが前原大臣のこの一言によって、まるっきりお先真っ暗といったような状況になっているところが現実ではないかと思います。私たち関係住民は、今まで国に対して協力をしてきたということが全ての点でいえるのではないかと思います。そういった住民が、何でこういった誹謗中傷をそしてこの先を悩まなければならないのかということに疑問に思っているところでございます。そしてそのような状況から、いくらこの地域が頑張っても国と長野原町個人では絶対に対敵できません。これにつきましては皆様方のお力をぜひ今後もお借りしなければならない点ではないかと思ってます。そしてその中で、ひとつの功名といいますか群馬県さんをはじめ1都5県の推進議連の方々、国会議員の方々、そういった方々がこの地元に見えてくれまして八ッ場ダムの必要性そして水の必要性を話してくれます。そして我々と一緒になって意見交換をしてくれます。そういったことが、我々にとって本当に一つの光明だなということを思っております。本日この席で1都5県の知事さんが、先般お話し下さいましたそういったお言葉が非常に私たちにとっても心強いものとなっております。今後関係住民の皆さま方に知事さん方の思いをそして地域の住民の思いというものを是非とも繋げて頂きまして八ッ場ダムの早期完成、そしてダム湖の仕上がり、地域再建といったことに是非とも結び付けていって頂きたいと思いますが、今後ともよろしくお願いします。大変お世話になりました。

司会

ありがとうございました。

地元住民代表

はじめまして。よろしくお願いいたします。八ッ場ダムは57年前に国がダムを、ダムという根っこを地元に植え付けました。私たちはその根っこを取り除こうと一生懸命努力をいたしましたが、昭和60年生活再建案に合意をしてからは、その根っこを地域のために逆に活用できるように努力をしてきました。ダムは下流の人々に必要だったからです。以来20年以上、その根っこは徐々に住民の生活になくてはならないほど地中深く根をはやし、今やダムなしでは生活できなくなってしまいました。その理由のひとつに観光政策があります。ここは群馬の北西になりますが、伊香保温泉や四万温泉、上流には草津温泉、また軽井沢など、有名な温泉地に囲まれております。その中でJRの駅が至近にある湖の畔で温泉宿が出来る土地はどこにもないわけでございます。私くしたちはダムで出来る人造湖を負の遺産と捉えるのではなく、まねのできない地域の差別化につなげようと生活再建を考えてきたわけでございます。またダムをきっかけに上下流交流事業も長い間続けるうちに、人の交流も生まれてまいりました。しかし、ダム完成の期日を度々延ばされた各旅館は、具体的な設備投資が出来ず施設の老朽化に悩み、もうこれ以上の延期は数百年営んできた家業を断念せざるを得ない状況まで来ております。

もっとも、利益よりも子々孫々末代まで家業を引き継ぐことを使命としてきた日本の文化でもある旅館が、今国によって廃業の危機に追い込まれようとしております。また私たちが何か悪いことをしたのでしょうか。私くしたちは国が約束した平成22年度末には川原湯温泉の全ての旅館が代替地で再建を果たし、先に生活をスタートしておられる住民の皆様とともに、また一緒に温泉街を再生していこうと考えております。もうこれ以上人口が減少しないうちに移転出来ますよう、生活再建に心よりお力添えをよろしくお願い申し上げます。

私くしたちは国の出した資料を信じて57年の間生活を犠牲にし、ここまで協力してまいりました。ここでダムという根っこを取り除いてしまえば、みんな地滑りを起こして大変なことになってしまいます。ダムは地元住民の将来を左右するほど、それほど生活に深く入り込んでいるのです。私くしたちが八ッ場ダムを公共事業ではなく生活福祉事業というのはそのためであります。最後に、我々は国のダム資料を信じて調印をしております。国は1都5県の住民を欺かないと信じております。政権が変わったからといって治水・利水の効果までなくなるということがあるのでしょうか。八ッ場ダムはこれからの無駄を省くことが一番大切です。八ッ場ダムは費用対効果の高いダムです。これからの無駄を省くことが一番大切です。以後使う残額を無駄のないようにしっかり監視をして、下流都県民、水没住民、国の三者が受ける利益の最大公約数を目指すことが大切だと思っております。一番無駄のない進め方ではないかと思います。地域のことはそこに住む生活者にしか本当のことは解りません。地域の民意の代表者である皆様方でしか下流と上流の住民のことは解らないと存じます。是非とも一致団結をしていただきまして、過去からの経緯を踏まえ、ぶれない行動を心よりお願い申し上げます。長くなりましたがよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

地元住民代表

どうもこんにちは。よろしくお願いいたします。

まずは知事さんたちにお礼を申し上げます。といいますのは、いわゆるダムで公共事業そのものが全部国がやる訳ですが、そういう中で私たちの生活再建につきまして、皆さんの下流都県の方から大変貴重な財産をいただきまして小さな事業ではありますが、花ですとかキノコですとかまた直売所ですとかそういう事業にたくさんの皆さんからのご支援を頂いて、本日まできております。仮にここでダムが中止になりますと、そういうものもおそらく皆さん水がたまらないところになんかお金を出してくれないと思います。その中で私たちは非常に不安に思っております。そういう進んでいる中で先般、石原知事さんはオリンピック招致のために外国に行かれまして結果やぶれて非常に残念だとおっしゃっておりました。その中で知事さんのおっしゃられる見えない力学に負けたなと、私たちはここで見える中止という力学に非常に翻弄されております。

これから先いろいろな皆さんのお力添えがあることを期待して、心強くおもっているのですが、これからそういう中で今日の新聞にも出ておりますが、いつだったら出来るのかと、数字的根拠説明が焦点、こんなところに書いております。こういう数字的根拠が出されますと、非常に私たち住民にが理解するには難しいんです。上田知事さんが非常にいい数字を出していただきまして、それをぜひ前原大臣にぶつけていただきまして早期完成をお願いしていきたいと思います。その中でいろいろ誹謗中傷があるのですが、一通のお手紙を頂きましてちょっとお時間もあれですので簡単にご紹介したいと思います。途中は省かせて頂きますが、長野原町だけの狭い地域でなく、全国から大規模な署名を集めて、頑固一徹な前原さんに突き付けてはどうですか。

マニフェスト一点張り、平成今の時代にこんな封建政治がおこなわれたのでは、水戸黄門さんが怒って出てきますよ。埼玉、千葉、東京関係する知事も怒っています。団結して、なぜ中止なのか納得行く説明が必要だと思います。全国140か所からダムを中止するというのでは、ですから八ッ場ダムが頑張ることが他のダムへも影響します。先人たちの苦労を思うとツルの一声で簡単に中止されたのでは堪ったものではありません。誹謗中傷のことが書いてあるのですが、400通からの手紙やメールが届いているそうですが、きっとその人たちはその財源で子供手当、授業料がタダになる恩恵を受ける自分のことだけを考える人たちでしょうから、負けないでください。

一人の子供に毎年26,000円、年間31.2万円、2人3人と子供のいる人は降ってわいたような夢の話に小躍りして一喜一憂している人たちでしょう。

八ッ場ダムの人たちが犠牲者が出ても自分さえよければ、という人たちが、私は女性のことが書いてありますが、明後日で68歳になりますが、私たちの子育ての時はおむつを手作り、病気の主人と年老いた乳のみ子幼子の3人を抱えて何の経験もないのに、個人的なことが書いてあるのですがこれは省略いたします。それではですね、あの自分の苦労をいろいろ書いてあるわけですが、最後に全国には私みたいに思っている人が星の数ほどいると思います。

どうぞ頑張って下さい。というお手紙です。茨城県の橋本知事さん、茨城県竜ヶ崎市川原代町というのがあるのでしょうか、その方からのお手紙でした。よろしくお伝えください。どうも大変失礼いたします。

司会

ありがとうございました。まだまだ地元の方のご意見もあろうかと思いますが、ここでご意見を伺って、知事さんの中からご発言がありましたらよろしくお願いしたいと思います。

《地元からの意見を受けて知事から》

群馬県知事:大澤正明

地元の皆さん方には貴重なご意見を大変ありがとうございました。まだまだ意見もあろうことかと思いますけども、時間の都合もあるわけでありまして、皆さん一人一人の意見が聞けないことが非常に残念な思いでありますけれども、今日お見えの1都4県の知事と一緒になりまして、今月27日に前橋市で関東地方知事会議が開かれます。この知事会議で一緒になって、協議が出来るよう、この1都4県の知事さんと連携しながら頑張っていきたいと思いますので、よろしくご理解のほどお願い申し上げます。

埼玉県知事:上田清司

ありがとうございました。本当に協力したのにこの仕打ちは何だというのが大方の話ではないかなと思います。自らを犠牲にされて、1都5県の下流のですね県民、都民のために本当にご尽力をいただいたにも拘らず、このような結果に今なっているということに大変憤慨されている思いというのも改めて良く分かりました。本当に何とかしなければと思っております。

少なくとも私たちは国会が始まる前に前原大臣もしくは副大臣または政務官の方々に、各都県を回ってですね、どういう根拠で中止になるか説明すべきだと思っています。我々は半分近い費用を負担しておりますし、共同事業者としての立場でこれまでも3回ほどの変更協議なども議会の審議を経てですね、回答を送ったりしております。また何よりも地元の皆さんたちの再建に関していえば、どんなに遅くても12月28日、今年中に皆さんたちが納得するような、多分ダム建設以外に私は手品でもない限り無理ではないかと思っておりますが、百歩譲って青空を描けるようなですね、良いアイデアがあるんだったら、皆さんにご提示されて少なくとも皆さんの合意をですね、12月28日までに出せないようであれば、これはもう潔く民主党政権としてこのマニフェストの八ツ場ダム中止というのは間違っていたということをきちっというべきではないかというふうに私は思っております。また1都5県の皆さん方も、これはいくらなんでも今年中に地元の皆様のことは決着をつけないと、これは大変なことだと、人道上の問題だとこういう認識に一致いたしました。私たちも、ものの筋からすると前原大臣が我々に説明に来るべきであると思っておりますが、先ほど大澤知事がいわれましたように、何でしたら関東知事会で話し合いをしたらそれでも良いですよというご提案もありましたので、そういう場を活用されて前原大臣がですね本当に代替案があるのかどうか。

16日に前原大臣から私たちに手紙を頂きました。これから速やかにダムによらない方法での治水・利水を早急に取りまとめたいと書かれています。早急に取りまとめたいということですので、つまり今までダムに替わる代替案はなかったと私は思っております。しかし実は埼玉県でもスーパー堤防を県内で延長221km計画しておりますが、このうち完成した延長は7km、進捗率3%ですが1,340億円掛かってます。単純に計算しても4兆4千億掛かりますが、一般的に一番簡単なところからスタートして行きますので、住民の多いところとか補償のかかるところとか手間のかかるところは後回しになりますので、こういう数字よりもはるかにお金がかかる、このように思っております。八ツ場ダムの完成予定である6年以内にこういったスーパー堤防が出来るとは夢にも思いません。そういう意味で、少しでもリスクを減らし、多くの方々のいざという時に生命・財産を守る、上流におけるこうしたダムの効能、そしてまた渇水時には、水をためて確実に下流に水を送るという、八ツ場ダムの重要性について理論的にしっかり訴えなくてはいけない。古代からため池を作り、あるいは堤を作り、渇水に備えたり洪水に備えたりやってきたのです。四国の細川内ダムも中止にした後大洪水がおきて、そして大渇水が起きて大変な被害を受けてあの時作ればよかったという話も出たりしております。私たちは絶対八ツ場ダムが出来たから安心というわけにはいかないと思うが、やはり治水、利水両方で、いろんな手立てを講じなければならない。この水の重要性っていうのが問われている時に私はやはり、きちっと検証をした上でやるべきだと思います。ぜひ前原大臣においては、2,110億円からなぜ4,600億円になったのか、そういうことを解明して、まさに無駄を排除して、しかるべき立派な公共事業をやっていただきたいなと私たちは思っています。少し長くなって申し訳ありません。

ありがとうございました。

司会

ありがとうございました。

東京都知事:石原慎太郎

今、上田知事からもお話がありましたように、私のところにも手紙がきました。非常に文学的な文章だった。コンクリートを使わないで山紫水明の国をつくるっていうけど、いうのは易しいけどね、使うものは使わなくちゃいけない。ただ、私は建設省を何から何まで信頼しているわけじゃないんですよ。アレックスカーという日本の非常に好きな面白い作家がいまして。この人は不思議な本を書くんですが、それを読んだら、日本の1年間のコンクリートの量というのはなんとアメリカの倍なんです、ちょうど。これは、日本の国土が急峻なところが多くて海岸線はあるし、アメリカみたいにほとんど平ったいところではありませんから、いろんな需要があるんでしょうけれども、それにしても建設省の人たちはひどい事業をしてきた。たとえば諫早湾の干拓とか、長良川の河口堰とか、なんであんな馬鹿なことをなんで役人が勘違いしたか、何で自民党の族議員がそういうことをやってきたか。そういうことも認識して皆さん携わって来てると思います。やっぱり役人が国にのさばり過ぎた。自民党が今回やめたのは、厚生省に止められたようなもんです。

こんなでたらめなことを放置してきて、国民もうんざりしてきた。しかしこれは政党の責任だと思います。それを今さらいっても仕方がないんですが、ただ、コンクリートを使わない国づくりは結構だけれども、しかしさっき誰かがおっしゃったがやっぱりコストアンドベネフィット、公共事業とは必要なものはやはりやらなくちゃいけない。でないともたないものがたくさんある。投資額と利益が上がってくる、こういったものの計算というものはなかなか難しいんですが、ちゃんと方程式がありまして、それでやっていくのが正当な行政だと思います。そういった意味では、ダムに関しては、八ッ場ダムっていうのは非常に高い指数を持っているわけです。

例えば東京なんかも、外環はこれ東京のためじゃないんです。国全体のために東京はいつもハブになっていますから、東京に流れてくる仕事のための車の6割は、実は東京に関係ない、千葉に行ったり、東北に行ったり、地方に行ったりするんですけれど、外環をやっと凍結解除してやろうと思ったら、政権が変わったからダメだっていう。こういう事例があちこちありますから。

ここで最低限の公共事業もやらずに、コスト&ベネフィット、一番指数の高いものもやらずに公共事業というのは悪としてやめることになると、大分前に、東京をめちゃくちゃにした共産党と社会党が熱烈に支持した美濃部さんという知事がいた。優しい声でゆっくり話をする、女の人に非常に人気のあったけれども、この人が10何年間いましたが、東京の財政をめちゃくちゃにしちゃったんですね。要するにね、何でもかんでもタダにした。老人はバスをタダにした。そういったことを随分やりました。しかし、先ほどお手紙にあったことに対して、もらう方は確かに嬉しいかもしれないが、こういうお金というのは還流しないんですよ。戻ってこない、これは非常に恐ろしいんだ。財政がもたなければ経済がもたない、経済がもたないから財政がもたない。これは両方とも要するに車の両輪なんだけれども。そういう原理でいくと、私はこの八ッ場ダムに象徴される公共事業に対する非常に否定的な性格が強いから、怖いですね。そこで削ったものをどこに回すかといったら、子供の養育費、それも結構でしょう。学費の補填、それも結構でしょう。しかし、教育事業もあるかも知らんが、こういうものがのさばって幅広くなるとどうなるかというと、お金は還流していきません。となると経済、財政の原理として私は非常に恐ろしい気がする。八ツ場を見ても、ここでもう止めを刺さないと。この悪い還流しないお金の使い方ってのは、この日本全体でかつての東京都みたいにしては取り返しがつかないです。

そういうことで私は、やっぱりその八ッ場ダム関係の方々だけじゃなしに、この問題は包括された若い人たちもたくさん来ているんだけれども、とっても大事だと思う。これが日本の成り行き、つまり経済、財政を踏まえた日本の運命を左右しかねない非常に大きな問題だと思いまして、これから私たちは、ハッキリした主張をして、メディアの方々に正確に物事を伝えてもらって、このプロジェクトの進行状態についてもセンチメントにのったデマ報道です。出来上がった後、要するにあと舗装だけで車の走る橋の進捗状況が0だなんて、こんなものは嘘に近いデマだ。こういったものがのさばり、今後プロジェクトが非常に国民も誤解されていることを私たちは一刻も早く広範囲に公開しないと、ここでつまずくと、この国は駄目になる。これは決して八ッ場ダム問題ひとつだけではない。関東地域の利水・治水の問題じゃない。こういう点で私はある意味の大きな危機感を持ってきましたし、今日のヘリコプターから見て本当に恐ろしい日本の光景となるような気が致しました。お互いに頑張りましょう、これは。

司会

ありがとうございました。これをもちまして意見交換会を終了したいと思います。長時間にわたりご協力ありがとうございました。

議事録(PDFファイル:66KB)