ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織からさがす > 県土整備部 > 河川課 > 平成21年12月2日 「八ッ場ダム建設事業に係る1都5県知事緊急申し入れ」について

本文

平成21年12月2日 「八ッ場ダム建設事業に係る1都5県知事緊急申し入れ」について

更新日:2011年3月1日 印刷ページ表示

平成21年12月2日、東京都知事、埼玉県知事、千葉県知事、茨城県知事、栃木県知事、群馬県知事により、国土交通大臣に対し、「八ッ場ダム建設事業に係る1都5県知事の緊急申し入れ」を下記のとおり行いましたので、お知らせいたします。

八ッ場ダム建設事業に係る1都5県知事の緊急申し入れ

 10月27日に開催された関東地方知事会議に、八ッ場ダム建設に参画する1都5県知事が集まった際、前原国土交通大臣との話し合いが行われた。この場において、大臣から、他のダムと同様に八ッ場ダムについても再検証するとの考えが示された。

 11月13日に1都5県知事は八ッ場ダム建設事業の再検証について緊急の申し入れを行ったが、何らの対応もない。

 また、11月20日には「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」について記者発表がなされ、その中で当会議からの中間報告は来年夏になると予定されている。

 そもそも八ッ場ダム建設事業自体に事業を継続できない理由があるわけではなく、有識者会議や八ッ場ダムの再検証は、あくまでも「できるだけダムに頼らない治水へ」という国の政策転換により実施されるものである。このことは、末松信介参議院議員からの質問主意書に対する答弁書(平成21年11月24日閣議決定)において「ダムを建設した場合には、一般的に、ダム下流における河川の水質悪化、土砂の流れが遮断されることによる河床低下及び河口部の海浜後退等が生じる場合があること、また、これらに対応するための新たな費用が必要となる場合も懸念されることを踏まえ、できるだけダムに頼らない治水への政策転換を図ることとしており、この政策転換の端緒として、八ッ場ダムの本体工事を中止する考えを表明したもの」とされていることからも明らかである。

 このように、国は政策転換という理由をもって八ッ場ダムの中止を表明しているが、仮に有識者会議や八ッ場ダムの再検証を行うことが原因で利根川の治水・利水の安全性の向上が妨げられる若しくは遅延するようなことがあるのならば、その政策転換はまさに『洪水及び渇水のリスクの放置』にほかならない。

 したがって、1都5県としては、再検証の結果として、八ッ場ダムが継続されるにせよ、代替対策が実施されるにせよ、その工期は現在の八ッ場ダム建設事業の工期である平成27年度でなくてはならず、残された時間を考慮すれば、国は、平成22年度予算政府原案の決定時までに再検証を実施し、必要な対策を当該予算原案に反映させるものと認識している。

 以上を踏まえ、八ッ場ダムの再検証について、国土交通大臣に対し、以下のとおり申し入れるとともに、11月13日の1都5県 知事の緊急申し入れと併せて、文書により速やかに回答されることを求める。

一 八ッ場ダムの治水・利水に係る再検証を早急に実施されたい。ついては、当該再検証のスケジュールについて明確に示されたい。

二 仮に再検証が平成22年度予算政府原案決定時までに実施されない場合、再検証のスケジュールを踏まえ、八ッ場ダム建設及び治水・利水の代替対策について、平成27年度完成・完了までの具体的な工程を説明されたい。

三 10月27日の話し合いの際に、国土交通大臣は八ッ場ダムの再検証にあたっては1都5県の意見を聴く旨の考えを示している。ついては、大臣と1都5県知事との再検証に係る話し合いの場を早急に設置されたい。

 また、1都5県としては、実際のデータ及び科学的根拠に基づき意見を述べる必要があると考えており、今後、国土交通省は、新たな解析が必要となるものも含め、利根川の治水・利水計画に係るデータの要求には速やかに対応されたい。

平成21年12月2日

 国土交通大臣

 前原 誠司 殿

 東京都知事 石原慎太郎

 埼玉県知事 上田 清司

 千葉県知事 森田 健作

 茨城県知事 橋本 昌

 栃木県知事 福田 富一

 群馬県知事 大澤 正明