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令和3年度 第1回群馬県観光審議会結果概要

更新日:2022年4月7日 印刷ページ表示

日時:令和4年2月14日(月曜日)10時00分~11時50分
会場:群馬県庁 第二特別会議室

1 開会

2 戦略セールス局長挨拶

3 自己紹介

4 会長、副会長選出

5 議事

(1)報告事項
 事務局説明(配付資料により説明) 略

(2)審議

6 意見概要

【会長】
 本日は、事務局説明を受け、第2回会議に向けた課題の選定をしたい。
 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた、その後の観光振興についてどのような観点を持って進めていくべきか意見を伺いたい。

【A委員】

  • 広域の観光に関わっている立場から発言すると、外国はコロナ後に向けた観光施策を既に発表している。
  • 県の観光振興計画でも、量から質、高付加価値へということを言っているが、どの国にも共通した方向性といえる。コロナ前のような大量送客ができない中で、来たお客様にしっかりと付加価値を提供して観光消費額の単価を上げていくことが、しばらくは重要になっていく。
  • コロナの影響を通して、体験型の消費のニーズが高まっている。体験に付加価値をつけてお金を落としてもらうことを意識したツアー造成や受け入れ態勢を整えていくことが重要である。

【B委員】

  • それぞれの施設、地域ごとの状況はあるかもしれないが、コロナ後、あるいはwithコロナの方策が見極められた時に生き残っていなければ、先が見えない。そのような状況である。今は耐える時だと思って、先の目標よりも何とか今を生き延びる方法を模索しているのが、観光地や温泉旅館の現状だということをまず発言させていただきたい。ここにどう支援があるかが私たちの一番の関心事である。そういった意味では、国も県も自治体も、金融機関も多方面にわたり支援を考えてくださっており、感謝申し上げる。
  • 県は観光に対して手厚く考えてくれており、観光審議会も設置されている。「ググっとぐんま」では、観光イコール広告宣伝、地域で観光資源を発掘してそれを磨き上げて提示するということを展開しているので、全県で協力して続けていっていただきたい。
  • 今は、ニューノーマルと言われる新しいスタイルでの旅が始まっていて、ドア・トゥ・ドアになっている。車で宿に来る、そして施設は感染対策をしっかりしている、だから安心して旅ができる、ということが大切になっている。なので、観光振興計画に掲げた目標についても、新しい旅のスタイルへの対応が必要である。例えば、一人当たりの宿泊日数を伸ばす、そのためのアクティビティや体験を地域ぐるみで考えていかなければいけないという方向。消費額を伸ばすにしても、旅の付帯売り上げが少なくなっている。観光バスで来てお土産を買っていく、というのがなくなって、自分のために何かを買っていく、自分の生活に必要なものを選んで買っていく、という少量・少額な消費になった。品目も多様化するなど、施設も対応を考えていかなくてはならなくなっている。
  • 観光や温泉は、心身の癒やしである。今までの知識や経験に自信をもってお客様にアピールしていくが、withコロナの生活の中で今までとは違う考えをもってやっていく。新しい旅のスタイル、ニーズに合わせ変化していく必要があると考えている。

【C委員】

  • 県の支援によりコロナ対応の経費の一部が補助されていることはありがたい。
  • この2年で旅館のサービスのあり方が変わってきた。変化の機会があったことはよかったと考えている。来ていただけるお客様の安心を守るのが第一という中で、旅館側が一方的にお客様に対してサービスをするというおもてなしの仕方から、感染予防を通してお客様も一緒に旅館の空間を作ってくださるという形になったのは、お客様にとっても新しい感覚だったと思う。ホテルとは違うお客様と従業員の近い距離感の中で、お互いにいい空間を作っていこうというのは高付加価値化になった。
  • 今後の需要については、団体客を見込むことは近い将来は難しい。会社や団体においても、リモートで用が足りれば会わなくてもよいのでは、というところがあり、需要の確保は個人客をいかに取り込むかということに集約されてくる。地方の温泉は団塊の世代を中心にしてきたが、次に多い世代の50代。これからの消費者にとって大切なのは、自由に選べること。今後、GoToトラベルを機会に来てくださるお客様に対して、もう一度行こうと思ってもらえるものを、今、作っておくことが大事である。
  • 各旅館・施設の営業努力ではできないところ、情報発信を県でやってもらいたい。お客様が求めるものと群馬の観光資源のマッチングをどう図るかが重要。アプリによって好みの泉質の温泉が選べる、あるいは地域でガイドをしている人、あるいはバリアフリーの施設など、どのようにマッチングさせるかコンテンツが重要である。
  • 現状でも、一人旅が非常に増えている。仕事をしながら旅行を楽しまれている方もいる。素泊まりや、夕食だけつけるとか、そういった泊まり方で地域を楽しむ方もいる。旅行者の方が自由に選べるということは、楽しい旅行の仕方になると思っている。
  • コロナの間に、いままで取らなかった修学旅行を何件か受け入れてみた。これまで我慢してきた子どもたちにいい思い出を持って帰ってもらうということを考え、出来上がった観光地を見てもらうだけでなく、生活を学ぶという体験を企画した。掃除の仕方や布団の敷き方などを1泊の中で体験してもらったところ、評判が良かった。私生活に繋がる体験を観光の中でしていただく、ということは修学旅行だけでなく他のお客様にも当てはまるところがあると思う。
  • 帰省してきて、実家ではなく祖父母の家の近くの旅館に泊まるというお客様もいる。これも新しい旅のあり方で、自由に物事が選べる、お客様ごとに心の癒やし方はそれぞれなので、旅館としてのサービスはしつつ、お客様が選ぶことに対して我々がどれだけ対応できるか、ということをGoToトラベル再開に向けて準備できたら良いなと考えている。

【D委員】

  • これまで発掘して磨き上げた観光資源を発信するにあたって、これらにどう横串を刺していくかということで申し上げると、方向性は3つになる。
  • 1つは付加価値を上げていくこと、富裕層を含めてどう呼び込んでいくかが課題である。
  • 2つ目は、いわゆるアドベンチャートラベル、アクティビティなどを楽しんでいただく旅行を訴求力のあるものとしていく。来年、北海道ではアドベンチャートラベル・ワールドサミットが開催されるが、アクティビティ、自然の中での体験、さらには日本らしさ、日本の文化を体験できるコンテンツをどのようにプロモーションしていくかが、重要になっている。群馬県は、みなかみでの取組などもあり進んでいるところなので、群馬県らしさを伝えていくコンテンツを作っていくことが大事になってくる。
  • 3つ目は、オリパラに合わせてJNTOでも海外への情報発信のよい機会として取り組んできた。その中でも、ユニバーサルツーリズムとして、障害を持った方々も含めた情報発信をしてきたが海外で取り上げられる機会も多かった。
  • バリアフリーについても、ハードだけではなくソフトの面も含めてしっかりと発信していくことが重要だと思っている。バリアフリーも含めたサステナビリティというところをしっかりと意識しながら、進めていきたい。サステナブルツーリズムという、バリアフリー、環境保護、伝統文化、地域経済といった視点をもったコンテンツは欧米でもニーズが増えてきており、長い目で見ると意識を向けて取組んでいく必要があると考えている。

【E委員】

  • ワーケーションについて、私どものNPOでアンケートをとったものもあるのでお話しさせていただきたい。今年「親子ワーケーション」というモニターツアーを実施した。ワーケーションやリモートワークでは、子どもがいると仕事に集中できないというところがある。ワーケーションの旅行プランも出ているが、子どもが親から離れて体験プログラムなどを行う時間が半日程度だったり、親子参加のアクティビティだったりと、仕事をできる時間が意外と少なく、ワークよりはバケーションに寄ったものが多い。子どもたちは一日NPOで預かり、親は一日しっかり仕事をできるというプランを実施したが、仕事の時間をしっかりとりたいという参加者が多かった。終業時刻後も打合せをしたいなどのニーズもあり、バケーションの施設が充実していないエリアではワークを強めにしたワーケーションで他県と差別化できるのではないかと感じた。
  • フリーランスの方や企業にアンケートを取ったところ、95%の人がワーケーションに参加してみたいという回答だった。子どもたちに体験させたい活動は、一位が農業、二位が天体観測で、群馬県内ならどこでも提供できるメニューだった。作り込んだ観光プランでなくても、日常の中にあるものを体験できる、あるいは非日常と日常の間、というようなもの、東京の日常をそのまま持ち込めるようなものにニーズがあるのかと思う。滞在期間も、1~2週間を希望する人が1割、2泊3日から3泊4日が半数なので、旅館のオフシーズンにワーケーションのプランを入れていくと、ぐんまの魅力を伝えられるのではないかと思う。子どもの預かりにいくらくらい出せるかという問いには、1万円くらいという回答が25%くらい、7千円から1万円までという回答と合わせると70%くらいだったので、地域にそれなりのお金が落ちると思う。県でもワーケーションに力を入れているということなので、ワークを強めにするなど他県との差別化をしていくとよいのでは。

【F委員】

  • 他県出身だが、群馬県の魅力だと感じるのは温泉と食。自身は農業生産法人にいるので、食の部分で魅力の発信ができたらと思っている。
  • 県内の人に群馬県を好きになってもらうと、その先に他県から群馬県にきてもらえるというのがあると思う。愛郷ぐんまキャンペーンを利用したが、群馬県の場所場所で魅力がある。群馬の人がまず群馬を楽しむことがよいのかなと感じている。
  • 体験型のコンテンツは非常に人気で、弊社でも農業体験を提供している。県外参加者も多くコロナの影響で今は見合わせているが、野菜嫌いの子どもが自分で収穫した野菜をおいしく食べられたり、他の子がおいしそうに食べているのをみて食べられたりということがあり、体験というのは大きい。他では中之条町でオンラインの収穫ツアーをやっている方がいたり、新しい取組も参考にしていきたい。
  • 弊社では味噌部というのを作って一緒に味噌造りをしていたが、来てもらうことが難しくなったので材料を送って、Zoomで作る工程を共有した。リアルで集まりたいと思うが、やめてしまうと繋がりが途切れてしまうので、オンラインという方法を活用していく方法を考えられたらと思う。お客様と継続的な関係を持てるやり方は面白いと思う。
    農業で言えば、種をまいて成長する過程をオンラインで共有して、収穫や草取りに来てもらうということもできる。
  • コロナ後に人の移動がどうなるか分からないが、まずは県内の人に楽しんでもらえるやり方を今年はできたらと思っている。

【G委員】

  • JRの関係について申し上げると、中長距離の乗客が減っているが、その中で考えていることが2点ある。1つは、デジタルをしっかり使うということで群馬でも「ググっとぐんMaaS」を実施している。お客様の利便性も高まるし、観光型のMaaSを東北で実証実験しているが、検索から予約、決裁まで一連ででき、特に二次交通の利便性をどうするかという課題に対して、デマンド交通を交えることによって好きな時間に予約や移動ができるようになった。軽井沢でも、軽井沢周遊のMaaSの実証実験をやっており、お客様の利便性を高める取組をしていきたい。ググっとぐんMaaSなど地域型のMaaSについても、群馬県は以前にも前橋市と実証実験を行っていて下地があると思っており、しっかりと取組んでいきたい。
  • 2つ目は、魅力発信をしっかり行っていくということで、JRの高崎支社では、SLなどの貴重な鉄道車両を持っており、また温泉などの観光資源が豊富であることから、こういったことを連動させて多く滞在していただきたいと考えている。情報発信という面でいうと首都圏への発信にもいくつか取組んでおり、鉄道で地方の生鮮品を運んで現地への誘客を図るなどの取組を行っている。地元と連携して、いかに滞在していくかということを考えていきたい。また、今年は、鉄道150周年記念や、群馬県とも関係の深い新幹線イヤーなどを発信していきたい。

【H委員】

  • 国内の旅行情報を発信している。コロナ禍でみえてきたこととして、ひとり旅の需要がさらに増えている。また、夫婦や親子などの旅が多く、友達同士の旅行は敬遠してしまうという傾向がある。人との距離感が変化し、夫婦や親子の関係が改めて見直されている。コロナで旅行書が減る中、児童書だけが伸びている商品なので、親子というのが見直されている。
  • 自治体ではどこも同じことを考えていて、インバウンド、ワーケーション、付加価値、体験、といったところはみんな考えている。同じところで観光客にどう来てもらえるかを考えているので、他の自治体ではやっていないようなことを考えていかないと、群馬県に来てもらうことは厳しい。
  • 計画のKPIについては、コロナでいろいろなことが変わってきているので見直しをした方がよいのではないか。
  • ワーケーションについても、自分の会社ではまだワーケーションの制度はできていない。テレワークの制度が今度の4月に整うところである。会社の制度が整わないと、ワーケーションは難しい。ワーケーションをPRするにしても、制度がある会社をしっかり取り込むことが必要。
  • インバウンドに関しては、2025年の大阪万博が一つのトピックになるのではないかと考える。大阪から群馬は、インバウンドの方にとっては移動可能な距離なので、考えていけることの一つではないか。

【I委員】

  • コロナの前はインバウンドが隆盛で、受け入れ態勢を整えたり外国人材の活用といった取り組みもしてきたが、コロナでそういった取り組みも途絶え、お客様もいなくなった。今は新たな需要を作り出す、というのが大きなテーマである。そのための手段として、バリアフリーやワーケーション、修学旅行の新しいスタイルといったことを考えているのだと思う。
  • 自身の、若い人との関わりからお話させていただくと、大学・専門学校では、観光を学ぶ学生が現地に行くことができないで、オンラインの授業を聴講している。彼らが就職後の将来を見据えることが難しく、また、観光のコースを志望する学生も減っている。他県では、そういった学生をインターンシップで受け入れている旅館もある。学びと観光体験を両立させている。観光需要の創出という点では大きくはないが、将来のことを考えると、首都圏に近い群馬でもこのような取り組み、(観光人材の)学びの場としての存在を打ち出していくというのもよいと考える。学校としても学生が観光施設や観光地、観光体験に触れる機会がないという悩みがあるので、地域とのマッチングができれば、需要の創出にもつながると思う。行政から支援の動きがあればありがたいと思う。
  • 修学旅行での体験については、他県でも要望が大きい。他県では、旅館で避難訓練をした例がある。海沿いの観光地で津波を想定したものであったが、教育の機会となったという声もあったので、群馬県でも新たな需要として考えてみてもよいのでは。

【J委員】

  • 2月18日に開催される全国温泉振興議員連盟の総会で、温泉協会として要望を予定している。温泉地の市町村としてコロナ後にどうしていくかという部分もあるので紹介させていただきたい。
    1つは地熱開発が温泉に与える影響を懸念しているというもの。また、草津で行われた温泉科学会で、草津温泉に新型コロナウイルスを不活化する効果があることが群馬大学により発表された。同様の研究発表は箱根温泉、蔵王温泉、川湯温泉などでもされており、明るい話題でありPRしていきたい。温泉文化のユネスコ無形文化遺産への登録についても、日本の温泉を世界に知ってもらうために推進していただきたい。

【K委員】

  • 旅行者、ユーザーとしての立場から発言させていただきたい。
  • 体験型、ヒューマンツーリズムといった、コト消費が旅行を選ぶ際に重要になっている。旅行者も発信力をつけていて、SNSに上げたいという気持ちを持っている。みんなが知らないようなニッチな観光資源が求められている。旅行者のニーズが多様化しているので、マッチングアプリなどでマッチさせることも大事だが、旅行後にそのアプリの中でフィードバックが共有されるような仕組みがあるといいと思う。
  • ワーケーションについては、自分自身も会社での制度が整っていない。すぐに商品として売るのは難しいと感じる。すぐにできる取組みとしては、滞在日数を増やすよりは回数を増やすことが現実的なのではないか。すぐにコロナが収まるとは思えないので、マイクロツーリズムを推進していくには、行った人の声が共有される仕組みだったり、リピートの動機になるようなソフトの部分があると、いい循環になるのではないか。

【観光魅力創出課長】

  • 皆様から、体験、コト消費、自由に選ぶ、リピーターの獲得、アドベンチャーツーリズム、MaaSなどのデジタル化、本県の強みの温泉なについて御意見をいただき、コロナによって「観光とは何か」を改めて考える必要を感じた。
    観光とは、日常から離れてリラックスできたり新たな体験ができたりすることなのだろうと思う中で、ニーズの変化への対応をどうやっていくかということは難しい。一つ、自信を持てるのは、体験・コト消費というのを本県では前々から重視してきており、観光資源を発掘して、磨き上げ、発信するということを何年もやってきている。コロナ禍ではあるが、方向性は間違っていなかったと感じられた。
  • コロナで情報発信がうまくできない中で、どのタイミングで、どう発信するかナーバスになっていた部分もある。旅行の形態も団体旅行から個人旅行へ変わり、旅行者が自由に選べるということも大切になってきた。マッチングアプリの話などもいただいたが、行政としてどういうことをやっていくのが良いのか改めて考えている。新しい需要に対応しようとする地域の取組みへの支援として、補助金を今年度から創設している。今年度も4件採択したところであるが、行政がどう関わるか、地域をどう応援していくか、今後御意見をいただきながら考えていきたい。

【会長】

  • ここまでの話を受け、次回の会議で議論を深めていく。テーマは、「ワーケーション需要の創出・誘客について」、「バリアフリー情報の提供について」としたいと思うがいかがか。

【各委員】

  • 異議無し。

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