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群馬オリジナル蚕品種

更新日:2023年2月22日 印刷ページ表示

 養蚕農家で飼われているカイコは、一般的に、日本種(日本原産のカイコ)と中国種(中国原産のカイコ)を掛け合わせて作った交雑種と呼ばれるものです。このように交雑することにより、病気に強くなったり、より良い繭を作るようになります。

 群馬県では、特徴ある蚕品種の育成に力を入れています。現在までに育成したオリジナル蚕品種は、以下のとおりです。

 なお、カイコの飼育になれていない方は、「ぐんま200」が飼育しやすくおすすめです。

世紀二一

世紀二一の繭と生糸の写真 群馬県蚕糸技術センターが13年を要し育成した日中四元交雑種の二化性品種です。
 虫質は強健で、人工飼料育・桑育ともに適しています。普通蚕品種に比べて生糸量歩合はやや少な目ですが、繭糸繊度は約2.4デニール(普通蚕品種は約3デニール)と細く、繭糸長が約1,500メートル(普通蚕品種は約1,300メートル)と長い特徴を持っています。
 この繭から生産される生糸を用いて織られた製品は、染色性に優れ、風合いと気品のあるものとなります。

ぐんま200

ぐんま200の繭と生糸の写真 群馬県蚕糸技術センターが平成5年に育成した日中一代交雑の二化性品種です。群馬県の気候風土に適し、虫質強健で、解じょ率も良く、生糸量歩合の高い品種です。
 繭糸繊度は、普通蚕品種と同じ程度ですが、生繰りに適し、できた生糸は、節が少なく極めて白度が高いため、和装、洋装と幅広く使われています。

新小石丸

新小石丸の繭と生糸の写真 皇居御養蚕所でも飼育されている日本種「小石丸」と群馬県蚕糸技術センターが育成した中国種「二・一」を交配した日中三元交雑種です。小石丸の繭は小粒で生糸量歩合も低いため、交配により改良しました。
 虫質強健で節が少なく、繊度ムラのない生糸が生産されるため、高級呉服用として好まれています。

ぐんま黄金

ぐんま黄金の繭と生糸の写真 群馬県蚕糸技術センター育成の日本種「ぐんま」と、黄繭中国種「支125号」との、日中一代交雑種です。
 生糸量歩合は約18%、繭糸繊度は約2.5デニール、解じょは良好で、光沢があり、特徴ある黄色生糸が生産されます。

新青白

新青白の繭と生糸の写真 この品種は、日本種「青白」と群馬県蚕糸技術センターが育成した中国種「200」との日中一代交雑種です。
 この繭からは、光沢があり、特徴ある薄緑色の生糸が生産されます。一説によると、「青白」は文政年間に群馬県藤岡市で育成されたといわれています。

蚕太

蚕太の繭と生糸の写真 群馬県蚕糸技術センターが太繊度用蚕品種として育成した日日交雑種「FGN1×N510」で、平成15年2月に「蚕太」と命名されました。
 繭は普通蚕品種に比べて小振りです。生糸量歩合はやや少な目ですが、繭糸繊度は4デニール以上と太い特徴を持ち、生糸はニット製品の素材として注目されています。

上州絹星

上州絹星の繭と生糸の写真 在来種の「又昔」に群馬県蚕糸技術センターが育成した中国種「二」を交配した日中一代交雑種です。繭糸繊度は約2.4デニールと中細で、生糸強伸度が高く、摩擦抵抗性、防しわ性、染色性に優れた特徴を持ち、注目されています。

ぐんま細

ぐんま細の繭と生糸の写真 細繊度生糸の要望に応えるため、日本種の保存品種「N7NONF」に、蚕糸技術センターで育成した中国種「二」を交配した一代交雑種です。

 繭はやや小ぶりですが、白色度に優れ、繭糸が細くて長く(繊度は約2.2デニール)、生糸の割合が高いのが特徴です。飼育・繰糸とも既存技術で対応可能です。

なつこ

なつこの繭と生糸の写真 日本種「榛」と中国種「明」を交配した日中一代交雑種で、令和2年1月に「なつこ」と命名されました。
 これまでの群馬オリジナル蚕品種とは異なり虫質に特徴を持たせた品種で、夏の暑さに強く猛暑日が続く初秋蚕期の飼育において、現行品種よりも多収となり、繭質の評価に関わる解じょ率が高いことが特徴です。