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ヤマメ(サクラマス)

更新日:2011年3月22日 印刷ページ表示

ヤマメ(サクラマス)の画像

 ヤマメはサケ科サケ亜科サケ属に分類され、サクラマスとともに北太平洋のアジア側にのみ住んでいる魚です。

 サクラマスは川の上流部で産卵し、親はそこで一生を終えますが、ふ化した稚魚は1年間程の淡水生活をし、海に下ります。そして、2年間程海中生活をした後、産卵のため自分の生まれた川に戻ってきます。このサクラマスのなかにも環境や成長過程によって海に下がらず、一生を川で過ごすものもいます。このサクラマスをヤマメと呼んでいますが、実際には1年間程の淡水生活をしているサクラマスの幼魚との区別がつきにくいため、両方を一括してヤマメといいます。総じて一生を川で過ごすものをヤマメ、海に下るものをサクラマスと呼んでおり、両者は分類学的にも同じものです。

 ヤマメには体側にパーマークと呼ばれる小判型のはん紋が並列しています。パーとはサケの稚魚の意味で、サケ科のほとんどの稚魚にはパーマークがあり成長するにつれて消えてしまうのが普通です。ところが川に残るヤマメは消えないままで成熟することから幼形成熟魚と呼ばれています。しかし、幼形成熟魚の雄はサクラマスの産卵行動にも積極的に参加します。今、海のない群馬県で養殖されているヤマメは、この海に下らない性質のサクラマスを利用した幼形成熟魚群です。群馬県下では昭和30年ごろより山間地の川にヤマメの姿が少なくなり、なんとか人工生産できないものかと水産試験場にも漁業組合等から相談が持ちかけられました。そこで、群馬県水産試験場では昭和42年に本格的に研究を始めました。まず、吾妻川の支流である見城川で天然ヤマメを採取し、親魚養成に成功し、翌43年には稚魚をフ化することに成功しました。吾妻川系のヤマメは日本でも数少ない純系で水産試験場では大切に種の保存をしています。

 ヤマメの産卵期は10月ごろで自然では自力で産卵し、養殖場では人工採卵をします。卵は1粒0.1グラム(g)程の重さで、水温15度の水中で採卵受精から約2ケ月間でエサを食べるようになります。エサは養殖場では魚粉が主体の配合飼料を与え満2年で親魚となり1度産卵するとその一生を終えます。