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教育あがつま 第129号

更新日:2012年3月8日 印刷ページ表示

「しつけ」のタイミング

高山村教育委員会教育長 高平 秀三

『高平の「高」は「はしごのたか」だが、機種依存文字のため「高」と表記』

   「自分で判断して行動する」
 このことは、人間として社会生活を送る上で必要不可欠の条件です。
 そして、その指導のタイミングは、昔から「三つ子の魂百まで」と言われているように、この時期に「物事のけじめ」として、先ず、人生最初の先生である「親・家族」から「物事の善し悪し・他人に対する迷惑行為」等、適切に身に付けてもらっているか否かで、社会人として生活する上でどれ程プラスになるか計り知れないものがあります。
 以前幼稚園教育に関わったことがありましたが、当然、園児の殆どが「三つ子の魂百まで」の真っ最中の子どもたちです。
 園生活を始めたからには、園生活を送る上での約束事を守ることから始まります。
 親を含めた身近の家族が、自己満足だけで子どもの意のままに振る舞うことが、その後の人生に大きな障害となることについても肝に銘じるべきであると考えます。
 よく見聞きするケースに、「登園を渋る子どもの言いなりになって、その場をつくろう」
そのことは、これから起こる諸々の事象に対して、子どもの要求を受け入れることが多くなり、そのことが「わがままな人間になる」ことにつながります。
 結果、社会生活の随所で適応不能となり、人間社会の仲間入りが出来なくなるという悲しい事実は、よく耳にする話です。

 「15」から見えるもの

吾妻教育事務所管理主監 桑原 三七次

 3.11。未曾有の甚大な被害をもたらした東日本大震災からやがて1年になろうとしている。改めて被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
 併せて、この震災は、我々教育に携わるものにとっても、安全とは何か、危機管理とは何か、問われることになったのは間違いないところである。
 次に9.11とくれば・・・。言わずと知れた世界を震撼させた同時多発テロが起きた日である。このように、歴史上でも我々の生活の上でも必ず数字がついてくる。今までも我我は、数字と一緒にその出来事を見つめ直すことをしてきたのではないだろうか。
 そこで、ここでは「15」という数字を考えてみたい。最初は、「15」に秒。これは、平均的なCM時間である。僅か数秒の中で商品のコンセプトをいかに視聴者の心に残るようにするか。すべてを賭けた戦いであるから非常に洗練されたものが多い。ここに授業の導入のヒントが隠れているのではないだろうか。次は「15」分。これは、一般的に番組作成上、一区切りとして、CMになる時間。つまり、視聴者にとって集中力の続く時間とも考えられる。この「15」分に、授業の展開部分で一呼吸入れ、集中させていくヒントが隠れているのではないだろうか。このように「15」という数字は、見方を変えれば授業改善のヒントがあると思う。最後に、まさか学校に「15」時間、勤務はないですね。

平成23年度 学校・園計画訪問より 「本年度のまとめ」 学校教育係

信頼される学校・園づくりのために

特別支援教育の推進

 本年度は管内6町村が特別支援教育総合推進事業の推進地域の指定を受け、講演会等を通して特別支援教育に対する理解を深めていただきました。加えて、長野原町ではグランドモデル地域(2年目)として相談支援ファイルの作成・活用を中心に町の相談支援体制の充実に取り組んでいただき、中之条町では自閉症・情緒障害教育等充実事業として、学校生活に不適応を起こしている生徒に対する特別支援教育の視点を生かした適切な支援を充実していただきました。これらの指定事業の取組を基盤にして、各園・学校においては特別支援教育を教育活動の重点に位置付けて推進していただいている様子が窺えます。
 今後の課題としては、特別支援学級と通常の学級における交流及び共同学習の充実が挙げられます。特別支援学級の児童生徒が協力学級で学習したり生活したりする時間を量的に増やすという考え方だけで進めるのではなく、児童生徒の経験を広めて積極的な態度を養い、社会性や豊かな人間性を育むために、個別の教育支援計画及び個別の指導計画を基に特別支援学級担任と協力学級担任が事前に十分な打合せを行って、目的やねらい、評価項目や評価方法を明確にして実施する必要があります。各園・学校の校内委員会等で効果を十分に検討した上で関係する先生方で共通理解を図り、特別支援学級及び通常の学級の児童生徒双方にとって意義のある交流及び共同学習の充実に努めてください。

たくましく生きる力をはぐくむために

少人数指導の取組

 本年度は、管内19の小中学校で、ステップアップティーチャーやマイタウンティーチャーの配置による少人数指導の取組がありました。そこでは児童生徒の実態と単元のねらいを踏まえ、単元を通した指導形態を工夫していただいている様子を見ることができました。課題としては、問題が解け、いわゆる「指示待ち」状態の時間が長い児童生徒に対する効果的な学習の提供が挙げられます。また、TTによる指導を行う場合の明確な役割分担や情報交換の充実も必要です。
 単元の途中で習熟の程度に応じた少人数指導を取り入れたり、発展的な問題を適切に与えたりするなど、児童生徒の実態に応じて工夫することが大切です。そして、T1とT2の役割分担を明確にすることで、机間指導や授業中の評価の効率化が図られます。また、学習状況等の情報を共有することで、その後の効果的な個別指導に生かせたり、適切な評価を行ったりすることができます。今後も、児童生徒一人一人の学習の習得が確実に行われるように努めてください。

スクールカウンセラーの活用

 各学校で生徒指導担当や教育相談担当などを中心とした不登校・いじめ・問題行動等への組織的な対応が行われています。それらの組織の中にスクールカウンセラーや特別支援教育コーディネーターなどの活用もあり、生徒指導の組織力が高まってきています。不登校・いじめ・問題行動等の未然防止のために、スクールカウンセラーが全児童生徒の個人面談を行うなどの積極的な取組も多く見られます。
 東日本大地震に伴い、管内に一時避難している児童生徒に対する心のケアについてもスクールカウンセラー等を活用した適切な対応が進められていました。
 今後も、不登校の解決に向けては、保護者と学校との連携や医療機関等と学校との情報の共有を図ることが重要となってきます。担任や関わりのある教職員等による家庭訪問などで、本人の考えや保護者の意向を汲み取るとともに、スクールカウンセラーを交えた面談を進め、対応に悩んでいる保護者へのケアも進められるように努めてください。

食育推進体制等

 健康でたくましい体を育てるために、食育推進体制の整備が求められています。学校で食育を推進するためには、全教職員が連携協力しながら、効果的な指導を推し進めるといった組織的な取組が必要です。ただし、改めて部会を立ち上げるのではなく、既存の校内の組織を活用するなど各校の実態に応じた体制づくりをお願いします。管内でも学校保健委員会などを活用している学校が多くあります。食に関する指導を給食の時間だけでなく各教科・特別活動など学校教育活動全体を通して行うための食育の全体計画については、ほとんどの学校で作成されていました。
 今後の課題としては、食育の全体計画の計画的な実践が行われるような見直しが挙げられます。また、現在、体力が高い子どもと低い子どもの格差が広がってきています。自ら積極的に体を動かそうとする児童・生徒を育ててください。

たくましく生きる力の基礎をはぐくむために

中之条幼稚園の園児の様子の画像
中之条幼稚園の園児の様子

幼稚園教育の充実

 各園では、計画的に環境を構成し、遊びを中心とした生活を通して体験を重ね、一人一人に応じた総合的な指導が進められています。本年度は、運営要領「幼稚園教育の充実」に『思いや考えを言葉に表現する』『協同する経験を重ねる』『生活習慣や食について家庭との連携を深める』の3つを重点として挙げ、保育実践の充実に努めていただきました。幼稚園教育要領の改訂から既に4年を迎えますが、今回の改訂で新たに加わった「協同」については、まず一人一人がその子らしく遊ぶことができるように、自発性を育てることを基盤におくことが大切です。自分のやりたいことをもつことで、その思いを実現するように工夫したり、言葉で伝えたりする必要性がでてきます。
 今後も、幼児が心動かされる体験を通して、その感動や思い、考えを言葉に表し、自分の言葉が教師や友だちなどに伝わる喜びを味わうとともに、相手の話を聞き、その内容を理解し、言葉による伝え合いができるように支援してください。

第1回ぐんまスクール・オブ・ザ・イヤー


草津中学校が最優秀賞に、北軽井沢小学校が優良賞に選ばれました

草津中生の発表の様子の画像
草津中生の発表の様子

 本年度より始まりました、「ぐんまスクール・オブ・ザ・イヤー」の趣旨は『地域や学校の実態を踏まえ、児童生徒が創意工夫しながら主体的に取り組む特色ある教育活動を募集し、その中から優れた活動を表彰する』というものです。その大賞ともいえる最優秀賞に、中学校の部で草津中学校の「コマクサ保護活動」が選出されました。また、小学校の部で北軽井沢小学校の『安全教育に対する取組』が優良賞に選出されました。
 草津中は1年生の総合的な学習の時間で「自然環境を考える総合学習」を行い、その中でコマクサに関する学習を進め、保護活動に取り組んでいます。市村校長先生は報道機関の取材の中で、「昭和56年から保護活動に参加している。先人が築いた歴史を生徒たちが引き継いでくれたことが受賞につながった。」と答えていました。また、実践発表した生徒は「緊張したが、最優秀でとてもうれしい。コマクサについて深く調べてきた。後輩たちも保護活動を続けていってほしい。」と答えていました。なお、この保護活動は学校と地域の連携の視点からも大変意義深い取組です。

平成23年度 事業報告 生涯学習係

「吾妻の特色を生かした地域づくり・人づくり」を目標に、各種事業、研修会等に取り組んできました。本年度、特に重点をおいて取り組んだものを紹介させていただきます。

人権擁護委員による人権学習会の画像
人権擁護委員による人権学習会

人権教育の充実と推進

 人権教育の充実を目指し、法務局と連携した「あがつま人権フェスタ」の開催や、人権学習会への支援に重点を置いた取組を行ってきました。
 「あがつま人権フェスタ」は、中之条地方法務局中之条支局、中之条人権擁護委員協議会、吾妻教育事務所(群馬県教育委員会)の3者の連携に加え、中之条町教育委員会の共催により実現することができました。内容は、人権講演会、中学生人権作文コンテスト表彰式、人権作文朗読発表の3つを柱に開催しました。郡内中学校の御理解と御協力により、1050作品の応募があり、郡代表は2名とも県で入選を果たしました。代表者による人権作文朗読発表では、いじめや差別などの身近な人権課題に気付き、考え、行動した様子を中学生らしい視点で鋭くとらえた素晴らしい主張を聞くことができました。絵本作家の空羽ファティマ氏を招いて行った人権講演会では、個の違いを豊かさととらえ、個を尊重し合える社会実現の重要性を再認識することができました。管内小中学校の人権学習会への支援では、中之条人権擁護委員協議会の「子どもの人権委員」が学校へ出向き、ゲストティーチャーとして人権学習に関わる講話を行いました。管内では、小学校6校、中学校1校で実施し、紙芝居やビデオ教材を活用して、子どもたちの心を揺さぶる、感動的な講話をしていただきました。今後、さらに「子どもの人権委員」による人権学習会の機会の広がりに期待するところです。また、障害のある人たちの人権や、ハンセン病元患者の人たちの人権、インターネット等による人権侵害等、様々な課題に関わる講師を招いた人権学習会の実施も、多くの学校で実施されました。吾妻教育事務所生涯学習係としても、人権に関わる講師の紹介や、教職員向けの参加体験型実技研修の実施等についても支援していきます。

学校支援センターの充実

   地域の教育力を活用して学校の教育活動の充実を図ることを目的とした「学校支援センター」が各小中学校に設置されてから現在に至るまで、管内でも登下校の安全パトロール、環境整備、学習指導、地域との交流活動など、各校の実態に応じて様々な活動が行われてきました。本年度はそのさらなる充実に向けて、PTAや教育関係者、諸団体の方々などに、「地域と学校のパートナーシップ推進フォーラム」で、管内小学校の取組を報告しました。地域の子どもたちを支える取組の1つととらえ、自分にもできることがあれば支援したいという御意見を多数いただきました。また、「学校支援センター推進研修会」では、小学校・中学校・ボランティア・行政・保護者に分かれて班別協議を実施し、成果や課題を確認しながら、さらなる充実に向けてそれぞれの立場でできることを話し合いました。

学校・家庭・地域が連携した活動への支援

 放課後に子どもたちが安全で安心して、健やかに育まれるよう、小学校の教室などを活用して、地域の方々の参画を得ながら、管内13教室で「放課後子ども教室」が開かれています。今回は草津町子ども教室の視察に加え、災害時の対応や子どもへの接し方について、日頃感じていることについての意見交換を行いました。開催日を増やしてほしいという家庭からの要望も聞こえてくる中、各教室の安全管理員や学習アドバイザー等の確保も重要な課題になっています。PTA指導者研修会では、「子どものやる気を育てるコツ~子育てコーチング~」と題して、TERUコミュニケーションステージの渡辺照子氏に御講演いただきました。「認める」「聞く」「任せる」の3つのコツをペアワークで互いに親や子どもの立場になって学び合いました。親や教師としての自分の日常を振り返り、苦笑いが出たり、同じ体験に安堵したりする場面もありました。草津小学校・中之条中学校両PTAの長年継続されている活動の発表は、各PTA活動を見直しながら継続していくことの大切さを教えていただくことができた内容でした。  

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