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教育あがつま133号

更新日:2014年3月17日 印刷ページ表示

美しい言葉

草津町教育委員会教育長 中澤 隆

 昨年の大きな出来事の一つに、2020年東京オリンピックの開催決定がありました。どれだけの人々の思いがここに集結されていたのか、本当にうれしい思いがいたしました。IOCの総会で行われた、滝川クリステルさんのプレゼンテーションでは、世界の人々が日本の感性を知ることとなります。皆さんご存じの「お・も・て・な・し」です。その言葉には、先人から受け継がれてきた「人を心から慈しみお迎えする」という深い意味があるからです。その一方、若者の間で当人たちにしか理解できない言葉が日常的に使われているのも事実です。皆さんは次の言葉の意味をご存じですか。「・ようつべ(YouTube)・ググる(検索する)・マジおこ(本気で怒っている)・てへぺろ(ごめんなさい)・とりま(とりあえず、まあ)」等々、世情に疎い私などは皆目わかりません。
 日本には心遣いと合わせ、豊かな視野をもつ言葉がたくさんあります。「うらうら、川明かり、絆、おくゆかしい、たおやか」等は、一言でその情景や心の動き、相手への思いやりなどが感じられる日本特有の美しい言葉と言えるでしょう。
 学校、家庭、そして地域で心のこもった美しい言葉を使うことで、昨今のいじめの問題も軽減されるのではないかと思います。世界で一番美しい言葉と言われる日本語。あらゆる人達に、相手の立場に立った心遣いをもって、美しい言葉を発信したいものです。

「型破り」と「形無し」

吾妻教育事務所 管理主監 茂木 一弘

 先日、ある雑誌で平成24年12月に亡くなった歌舞伎役者の中村勘三郎さんの逸話を目にしました。勘三郎さんは、現代演劇に新しい演出を取り入れたり、海外で江戸時代の芝居小屋を再現して興行を行ったりと、次々に歌舞伎界に新風を吹き込んだ人でした。こうした姿勢に対して、歌舞伎界では批判的な声があったようですが、勘三郎さんは「歌舞伎は死んだ古典ではなく、二十一世紀にも生きている演劇である。」という強い信念のもと、新たな試みを次々に進めていきました。そんな勘三郎さんが大切にしていた言葉に「型のある人が型を破るから“型破り”なのであり、型のない人が新しいことをやっても、それは“形無し”である。」があるそうです。その言葉どおり、勘三郎さんは誰よりも歌舞伎の基本を重視し、自ら厳しい稽古を積むとともに、同じく歌舞伎役者となった二人の息子に対しても、徹底的に基本を身に付けさせたということです。
 昨夏の甲子園では、本県代表の前橋育英高校が見事に全国制覇を成し遂げ、われわれに勇気を与えてくれました。荒井監督は「凡事徹底」をモットーとし、トスでのキャッチボールをはじめ徹底的に基本練習を繰り返したそうです。その結果が、優勝の原動力となった攻めの守備力につながっています。
 「きちんとした基本があってこそ、できる。」こと、これは教育にも大きくつながることではないでしょうか。今、学校では新たな取組が多く求められていますが、基本だけは忘れずに取組を進めてほしいと思います。「形無し」の教育にならないためにも…。

平成25年度学校・園計画訪問より「本年度のまとめ」 学校教育係

信頼される学校・園づくりのために

写真:いじめ防止フォーラム
いじめ防止フォーラム

写真:あったかハート宣言
あったかハート宣言

いじめのない学校づくり

 今年度はオール群馬でいじめ防止活動に取り組み、「いじめ防止フォーラム」や「いじめ防止サミット」が開催され、「ぐんまの子ども『いじめ防止宣言』(勇気・思いやり・協力)」が採択されました。この宣言を受け、各学校においても、学級活動での話合いや児童会、生徒会活動を通した活動が展開されました。
 北軽井沢小学校では、人権教育と結び付け、思いやりの心を大切にした「あったかハート集会」を開き、各学級で決めた「あったかハート宣言」を発表し合いました。草津中学校では、生徒会が中心となり、異学年での交流給食を行いました。その中で、誰でも話せるテーマを設定し、活発な話合いを通して人間関係づくりに取り組みました。
 その他、あいさつ運動やなかよし集会など、いじめの未然防止という観点での活動が管内各学校で多く展開されました。大切なのは継続していくことです。今後も、児童生徒主体のいじめ防止活動を各学校が展開し、いじめを許さない強い意識や態度をしっかりと育んでいくことをお願いします。

特別支援教育の充実

 平成25年3月に策定された「群馬県特別支援教育推進計画」の中で、「特別支援教育は一人一人の多様性を尊重し、その可能性を最大限に伸ばす教育」と示されました。今後は、目の前の子どもにどう対応するかといった具体的な動きを一層充実させることが必要です。
 本年度の研修会では、発達障害者支援センターの前所長、安田淑美先生を講師としてお迎えし、福祉の側面からみた特別支援教育について講演していただきました。また、吾妻保健福祉事務所との合同開催会議では、県立特別支援学校や関係機関の情報と、各町村教育委員会がもっている連携のためのツールや工夫した取組を共有することができました。
 各学校においても、通級指導教室及び特別支援学級の学びや手立てを通常の学級でやらずに生かせないということがないようにお願いします。そのためにも、支援会議の情報を共有し、子どもたちが通常学級や学校生活の中で学んだことが発揮できるように、共通の手立てで指導する「連携」の充実に努めてください。

たくましく生きる力をはぐくむために

写真:基礎・基本習得のための実践研究授業
基礎・基本習得のための実践研究授業

確かな学力

 各学校においては、平成25年度全国学力・学習状況調査の結果から自校の課題を明確にし、課題解決に向けた対応を始めていただいているところだと思います。吾妻管内全体に共通する課題の主なものとして、家庭学習(内容や評価の共通理解)、個に応じた指導(補充的学習と発展的学習)、主体的な学習活動などがあげられます。重点となる課題はそれぞれ異なると思いますが、各学校において、特定の教科や学年だけの問題とすることなく、全教科、全職員で学校としての課題を共通理解していただくことが大切です。その課題の解決に向けては、2つの「つながり」を意識してください。 まず、縦のつながりとしての「幼小中の連携」です。子どもを中心にとらえ、個々に獲得してきた学習習慣や学習内容、それぞれの課題を明確にして系統的に指導することが大切です。 次に、横のつながりとしての「継続性」です。あれもこれもではなく、学校の課題から具体的な対応策をできるだけ絞り込んだ上で、それを全職員で共通理解し、徹底して継続することが大切です。 この2つの「つながり」を意識して、各学校の学力向上に向けた対応をお願いします。

健康な体

 健康教育を進める上で、職員間の共通理解を図ることは不可欠です。特に学校における食物アレルギーの対応は、重要な課題です。管内各学校・園でも、職員会議等において共通理解を図り、対応していただいています。今年度、県教育委員会では「学校における食物アレルギー対応マニュアル」を作成し、活用をお願いしています。
 学校における食物アレルギーを有する児童生徒への対応は、まず、全職員が食物アレルギーに対する正しい知識をもつこと、児童生徒の情報を正しく収集し、その児童生徒に合わせた「個別取組プラン」を作成し取り組むこと、誤食などの緊急時の対応を確認すること、これらが基本となります。各学校で体制を整えるよう努めてください。
 また、健やかな体をはぐくむために体力の向上を図ることも課題です。新体力テストの結果からも、より一層の充実が求められています。運動量を十分に確保した体育の授業とともに、新体力テストの結果を分析し、自校の課題に沿った体力向上の取組を引き続きお願いします。

たくましく生きる力の基礎をはぐくむために

写真:ザリガニ釣りに熱中する幼児
ザリガニ釣りに熱中する幼児

幼稚園教育の充実

 管内各園では、幼児が言葉で思いを伝え合う喜びを味わうようになるための環境の構成や教師の関わりについて、積極的な取組が見られました。まず、思わず伝えたくなる体験をさせるための環境の構成として、幼児の自発的な遊びが広がる園庭の工夫や、様々な素材に触れて創造できる場づくりなどの工夫に取り組んだ園がありました。また、多くの園で、協同して遊ぶ中で幼児が自分の思いを言葉で伝えたり、必要感をもって相手の話を聞いたりできるよう、仲立ちする・受け止める・見守る等、教師の援助のあり方が工夫されていました。 環境を通しての保育とは、単に子どもをどこかに置いて自発的な活動を仕向ければ可能となるということではありません。環境に置かれた人や物から価値ある学びを得られるように、何を置くか、どう関わればその価値が引き出せるかを教師は前もって検討しておきます。改めて自分の園の環境を見直して、学びの価値を明確にし、そこで深い体験が出来るようにするために、子どもの主体的な活動をどのようにして可能にするのかを、日常の記録をもとに、カンファレンス等を通して改善をお願いします。 今後も、小学校以降の教育の土台となる学びの芽生えを着実に育て、5歳児の後半には、「学びの芽生え」から「自覚的な学び」へとつながっていくような活動の展開に努めてください。

平成25年度 事業報告 生涯学習係

人権教育の推進(いじめ防止を中心に)

写真:あがつま人権フェスタ 講師 秦 健二 氏
あがつま人権フェスタ 講師 秦 健二 氏

 「人権とは生まれてから亡くなるまですべての人に等しくあるものです。」これは、人権擁護委員さんが、学校での人権教室で話された言葉です。子どもたちは、人権擁護委員さんのお話に真剣に耳を傾けていました。人権擁護委員さんは、法務大臣から委嘱を受けて人権に関する相談や啓発を行っています。今年度は、オール群馬でいじめ防止に向けた取組を行っていることもあり、人権擁護委員さんに、「いじめ」に関する内容を中心にした人権教室を依頼する学校もみられました。
 前橋地方法務局中之条支局や中之条人権擁護委員協議会と連携して開催した「あがつま人権フェスタ」でも、NPO法人「遊び塾」の秦健二代表による「いじめ防止」をテーマとした講演会を行いました。いじめによるチック症状に今もなお苦しんでいるご経験に立ち、子どもたちを守るために大人にできることをお話しいただきました。続いて、郡内中学校のご理解ご協力により、多くの応募があった人権作文コンテストの朗読発表も行われ、群馬県大会で入賞した作品を通して、人権について考える機会をもつこともできました。

学校・家庭・地域の連携、地域の教育力向上へ支援

写真:地域と学校のパートナーシップ推進フォーラム
地域と学校のパートナーシップ推進フォーラム

 子どもたちが健やかに成長していくためには、学校・家庭・地域の3者の協力が大切です。吾妻教育事務所では、「PTA指導者研修会」「放課後子ども教室教育支援活動者等研修会」「学校支援センター推進研修会」「地域と学校のパートナーシップ推進フォーラム」等を開催し、学校・家庭・地域の連携推進や、地域の教育力向上に努めています。
 「地域と学校のパートナーシップ推進フォーラム」では、学校関係者やPTA、各種社会教育関係団体や地域の方々などにご参加いただきました。講演は、茨城大学の長谷川幸介准教授らによる「子どもの発達と地域の教育力」についてです。その中で、学校には学校の役割(学力)、家庭には家庭の役割(自己肯定力)、地域社会には地域社会の役割(社会力)があること。だから、子どもたちに生きていくために必要な力を授けるためには、学校・家庭・地域の協力のもと子どもたちを育てていくことが大切であるとのお話をいただきました。また、事例発表では、群馬県食生活改善推進員連絡協議会中之条支部の皆さんに、郡内の幼稚園や小中学校で実施している「親子の食育教室」「郷土料理教室」などの活動について発表いただきました。

青少年の健全育成の推進(インターネットによるトラブル防止のために)

 スマートフォン、音楽プレーヤー、携帯型ゲーム機など、インターネットに接続できる機器を持つ子どもたちが増えてきており、それに伴ってトラブルに巻き込まれる事例も増えてきています。今年度、吾妻教育事務所では、郡内の小中学校26校で先生や保護者、子どもたち向けに出前セーフネット教室や講習会を実施しました。インターネットは便利ですが、使い方を間違えるとトラブルに巻き込まれます。最近は、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や無料通話アプリ等でトラブルが急増しています。「生活習慣の乱れやネット依存」「いじめ」「悪意のある大人とつながる危険性」「高額請求(課金トラブル)」などの危険から子どもたちを守るためにも、ぜひ御協力をお願いします。

セーフネット標語「おぜのかみさま」
  標語の内容 子どもたちを守りたい
おくらない 「児童ポルノの被害から」
ぜったいに会わない! 「性犯罪の被害から」
のせない(個人情報) 「個人情報の漏洩から」
かきこまない(悪口) 「ネット上のいじめから」
みない(有害サイト) 「有害サイトから」
さがさない(出会い) 「出会い系サイトから」
まもる(ルール) 「ネット依存症から」

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