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教育あがつま134号

更新日:2014年12月24日 印刷ページ表示

目を離さず、手を離せ

吾妻教育事務所長 茂木 一弘

 昨年度、指導主事の計画訪問にあわせて郡内の各小中学校を訪問し、多くの授業を目にすることができました。参観させていただいた授業では、子どもたちが目を輝かせ、生き生きと学んでいる姿を多く観ることができました。また、先生方が日頃から一人一人の子どもたちに目を向け、安心して意見を出し合える温かな学級経営を進めてくださっている様子を知り、心強く思いました。
 そんな中で一つ気になる光景を目にしました。小学校低学年の授業で、二人の先生が協力してきめ細かな指導を進めていました。授業テンポもよく、子どもたちも生き生きと活動していました。しかし、授業内容が変わるときに、それまで子どもたちが使っていた机上の学習用具を一人の先生が片付け始めたのです。その間、子どもたちはもう一方の先生の話に耳を傾けていましたが、何か違和感を感じました。
 表題の「目を離さず、手を離せ」は、山口県下に住む教育者が長年の教職経験を踏まえてまとめた「子育て四訓」の中にある一つです。実際には「少年は、手を離せ、目を離すな」となっています。現在、ほとんどの学校で少人数指導や複数の教員によるきめ細かな指導が実施されています。しかし、本来、子どもたちに考えさせるべきこと、行わせるべきことにまで手を出し過ぎてはいないでしょうか。子どもたちの主体的な力を育てる観点から、私たち教育者は、「目を離さず、手を離せ」を絶えず意識する必要があるのではないでしょうか。

おぜのかみさまの憂鬱

吾妻教育事務所 青少年育成コーディネーター 小林 智佳

 本県ではインターネットに関連する新たな青少年問題に対応することを目的とした「おぜのかみさま」県民運動を推進しています。
 昨年度、SNSについてお話をする機会を得ましたが、その感想の中から新たな課題が2点浮かび上がってきました。
 一つ目は子どもたちの不適切なアプリケーションの利用です。子どもたちの感想から、不適切なアプリケーションを利用している状況が見られました。子どもたちが安易な方法で金品を得たり、知らない人とつながったりすることは望ましいことではありません。
 二つ目は、保護者同士のトラブルの増加です。SNSを利用する保護者間での書き込みによる誹謗中傷、安易な写真の掲載、長時間にわたる使用、SNSを利用していない人に対するソーシャルハラスメントなど、子どもたちの間で見られるトラブルと全く同じ内容のご相談が増えてきました。
 家庭や地域で基本的なマナーや金銭感覚を伝えていくことは、子どもたちの未来を支えます。そのためにはまず、大人がインターネットに操られない姿勢を子どもたちに見せていくことが何よりも大切だと思います。

平成25年度実践記録・自作学習材コンテスト

優秀賞作品の紹介

地域ぐるみで取り組むアウトメディアの実践について

 中之条町養護教諭会

写真:手作り旗
手作り旗で啓発

1 ねらい

 メディアの危険性を十分に知らずに使用したり与えたりしている現状の中、学校・家庭・地域が一体となってメディアとの適切な付き合い方について啓発する。

2 具体的な取組
  1. 「メディア依存度チェック票」を活用した実態把握と対策の検討:平成23年度に具体的な対策を検討する目的で作成し、実態を把握した。その実態から対策を検討し、アウトメディア対策の柱を「3つの提言」としてまとめ、各家庭に啓発した。「3つの提言」の内容は以下のとおり。
    • メディアへの接触は1日2時間以内にしよう。
    • 食事の時はテレビやゲームをやめて家族がふれあう時間にしよう。
    • 小中学生に携帯電話を持たせるのをやめよう。
  2. 各地区・各学校におけるアウトメディアチャレンジの実施:各学校においては、学校保健委員会を核とした取組を推進した。平成25年度からは、提言の1つを重点として絞り、地域への呼びかけを行った。また、講演会による保護者への啓発にも取り組んだ。
  3. アウトメディア通信の発行:月1回『げんき!なかんじょっこ』を発行し、家庭へ配布している。
3 成果と課題

 取組を継続し、町教育委員会等をはじめとする関係機関と連携することで、取組への理解も広がった。学校・家庭・地域が連携した取組を推進していくことが課題である。

歌声の響く学校を目指した音楽科の取組

 長野原町立東中学校 教諭 岩崎 晶子

写真:パート練習
パート練習の様子

1 ねらい

 「伝え合い感じ合いながら、仲間とともにつくりあげる音楽活動の実践」を通して、音楽表現を向上させるとともに、よさや感じたことを共有する時間(ブラボータイム)を設定するなど、音楽科での活動を通して人間関係づくりを推進している。さらに、学習の成果を様々な場面で発表する活動等により、「歌声の響く学校」を目指す。

2 具体的な取組
  1. ねらいに合った学習形態の工夫:ペアやトリオで「音程」を意識させ、小集団やパートでは正しい音程がつかめるように反復練習をした。全体練習の後、学級を2つの小集団に編成し、お互いのよさを聴き合い、全体で歌い込んで合唱を仕上げていった。
  2. 合唱コンクールに向けた異学年交流(中間発表会):練習の成果を発表するとともに、合唱コンクールに向けた今後の課題をつかませた。
  3. 箏の学習:伝統楽器である箏に親しむとともに、日本音楽特有の「間」や「余韻」を感じ取らせた。
  4. 全校合唱:全校で共通の感動体験をさせることにより、生徒同士が豊かな人間関係を築くことができた。
  5. 音楽朝礼:音楽によって生活を明るく豊かなものにさせるとともに、歌う楽しさを体験させた。(月に2回)
3 成果と課題

 音楽づくりの活動を通して、仲間のよいところに気付き、仲間のよさを受け入れられる人間関係をつくりあげている。

特別支援学級における、学年・実態・進度が異なる生徒への考え方を育てる指導

 東吾妻町立東中学校 教諭 小林 久美子

写真:教具の活用
教具を活用している様子

1 ねらい

 実態把握に基づく教具・ワークシートの工夫と個々への指導時間を確保する教材の組合せの工夫を通して、違う単元や教科を学習する2名の生徒の活動時間を確保することや、生徒一人でも自主的に学習を進められるようにする。

2 具体的な取組
  1. 生徒一人一人の実態把握:生徒のつまずく場面や集中継続時間に加えて、得意な学習の情報を集め手立てを検討した。
  2. 考え方を身に付けさせるための教材研究:単元や授業の目標を強く意識し、授業の視点の明確化と学習過程の工夫を行った。
  3. 1時間内の授業構成の工夫:1人の生徒に対して個別指導している時に、もう1人の生徒は作業ができるように教材の準備と時間配分を工夫した。
  4. 思考の細分化と筋道の提示:理解しやすいように思考の段階を細かく分けたり、実態に応じてつまずきやすい部分と自分の力で進められる部分とを明確示ししたりして、指導を行った。
  5. 1人でも学習が進められる教材・教具・ワークシートの工夫:生徒が自分の力で学習を進められるように、実態に応じたものを工夫した。
3 成果と課題

 生徒が学習しない時間を大幅に減らすことができたことの加え、筋道を立てて考えようとしたり、自力で解決しようとしたりするようになった。教材と教具を作成する時間の確保が課題である。

生徒の考えを大切にし、学び合いを深めるためのワークシート型教材の作成と工夫

 中之条町立六合中学校 教諭 鈴木 智子

写真:学び合い
学び合いの様子

1 教材作成の経緯

 物語教材を指導するにあたり、本文の描写から登場人物の心情や変容を読み取る際に、本文が読み返しやすく、自分の考えをまとめて学び合いに生かせるものを目指し、ワークシート型教材を作成して学習活動の充実を図った。

2 特徴
  1. 視覚的・作業的負担の軽減:本文は数ページに渡って書かれているが、1枚のワークシートに必要な本文を収めることで、前半と後半を比較して読む際に比べやすくした。
  2. ワークスペースの確保:下段に自分の考えを自由に記述できる空欄を設け、生徒の初発の疑問や教師が考えてほしい点をあらかじめ書き込んでおいた。生徒には下段にその都度考えたことを記入させた。本文には線を引く等、考えたことに対応する部分が分かりやすいようにした。
3 活用
  1. 下段に自分の考えを書き込み、その書き込みから本時の課題を考え、それを付箋に書いてシートに貼らせた。
  2. グループでの話合いでは、付箋に書いたことの根拠等を発表し合い、参考になる意見や考えはシートに記入させた。
4 成果と課題

 生徒の作業効率が上がり、話合いの時間を確保できたので、学び合いを充実させることができた。再考の場を設ける等、読みを深めさせるための工夫が課題である。

吾妻の特色を生かした地域づくり・人づくりの推進

写真:パートナーシップ
地域と学校のパートナーシップ推進フォーラム

生涯学習係運営方針

  • 個人や地域が直面する様々な課題や多様な学習ニーズを踏まえ、関係機関と連携した学習機会や情報を提供します。
  • 青少年の健全な成長と社会性をはぐくむため、学校・家庭・地域が連携した活動を推進します。
  • 家庭の教育力の向上が図れるよう、子育てやPTA活動への支援に努めるとともに、役立つ情報を提供します。
  • 社会全体の人権意識を高めるため、主体的に参加できる人権学習の機会や情報を提供します。
  • 地域文化の継承並びに多様な文化の振興を図るため、環境整備や指導者・団体の育成を支援します。

学校、児童・生徒、保護者対象の主な講座・研修会

写真:少年の主張
第35回少年の主張吾妻地区大会

写真:いろいろバルーン
青少年育成活動事業「いろいろバルーンで、でかでかリース」

吾妻ブロック青少年育成推進研修会

 6月17日(火曜日)ツインプラザ(中之条町)

・青少年育成推進員の委嘱替えに伴い、郡内の推進員活動の一層の活性化を図り青少年の健全育成と非行防止対策を推進します。

PTA指導者研修会

 6月22日(日曜日)山村開発センター(長野原町)

  • 園・学校の特色を生かしたPTA活動の推進と指導者の資質の向上を図ります。
  • 研修内容:教育評論家、親野智可等様による講演会、干俣小学校PTAと草津中学校PTAの事例発表を実施します。

少年の主張吾妻地区大会

 8月19日(火曜日)ツインプラザ(中之条町)

  • 郡内13中学校の代表生徒が、日頃の生活の中で感じていることや考えていることを発表します。
  • 社会の諸課題に対する率直な意見や提言を、熱意をもって発表する中学生の主張をぜひお聴きください。

地域と学校のパートナーシップ推進フォーラム

 11月26日(水曜日)コンベンションホール(東吾妻町)

  • 学校と家庭、地域、行政等の関係者を対象に、地域と家庭の連携・協力に関する共通理解を図ります。
  • 内容:事例発表と講演会を実施する予定です。

青少年育成活動事業「親子教室」

 12月6日(土曜日)中之条合同庁舎(予定)

  • 「おぜのかみさま」県民運動を普及促進し、親子の交流を図りながら、家族の絆を深めます。

人権教育(社会教育)指導者研修会「あがつま人権フェスタ」

 <予定>12月14日(日曜日)ツインプラザ(中之条町)

  • 法務局、中之条人権擁護委員協議会との共催事業として、中之条町教育委員会の後援を得て、様々な人権問題に関する理解と認識を深め、人権尊重社会の実現をめざします。
  • 研修内容:全国中学生人権作文コンテスト(吾妻地区大会)の受賞者の表彰、及び代表者による作文発表や人権講演会の視聴等を通して、豊かな人権感覚の育成の一助とします。

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