ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織からさがす > 教育委員会 > 吾妻教育事務所 > 教育あがつま 第135号

本文

教育あがつま 第135号

更新日:2015年3月18日 印刷ページ表示

文化の継承

嬬恋村教育委員会教育長 熊川 浩

 日本には古くから「道(どう)」という名のつく文化があり、柔道、剣道や空手道などの武道のほかにも、書道、茶道、華道などもありますが、この「道」という文化に共通することは、礼に始まり礼に終わることです。特に武道においては、お互いに敬意を表し礼を尽くし、卑怯な手段を使わないで敗者への思いやりを忘れず、戦い終えたら仲良くすることなど、人間としての基本的な教えが「道」の中にあるものです。これは人として、嘘をついてはいけない、約束は守る、弱いものをいじめない、仲違いしても時間が経ったら水に流して仲直りするなど、人が生きていく上で大変重要なことを教えています。
 剣道や柔道の試合を観戦するたびに、正々堂々と戦う選手の姿に清々しさを感じ、茶道や華道を習っている人たちの様子を見る機会に触れると穏やかな気持ちになり、この国に古くから伝わる「道」の文化のすばらしさを強く感じるもので、まさに日本独特の文化ではないでしょうか。
 多くの子どもたちが「道」の文化を経験したり、その作法に接する機会をもつことで一人の人間として成長し、さらに次の世代に引き継いでもらいたいと願っています。

吾妻における特別支援学校開校に向けて

吾妻教育事務所 管理主監 野本 泉

 昨年の4月から、また吾妻教育事務所で仕事をさせてもらうことになりました。よろしくお願いいたします。
 6年ぶりに管内の教育委員会や学校を訪問させてもらっています。その際に学校の統廃合や特別支援学校の設置にかかわり新築または増築されている校舎を見ると、吾妻の教育環境が変わりつつあることを強く実感しています。その中で県立吾妻特別支援学校が本年4月1日に開校することは、以前から管内の特別支援教育充実のために特別支援学校の必要性が話題になっていましたので、感慨深いものがあります。
 さて、特別支援学校は、皆さんご存じのように児童生徒一人一人の教育的ニーズ(特性・関心・能力・学習ニーズ)に応える専門性の高い学校であり、同時に、地域の特別支援教育のセンターとしての役割が期待されます。管内の幼稚園や小・中学校の先生が、吾妻特別支援学校の先生に特別な支援が必要な子どもたちの指導方法について助言を受けたり、保護者からの相談を受けてもらったりすることができます。先生方には、特別支援学校の施設を見たり先生と話したりする機会をつくっていただき、それを指導に生かすとともに保護者に情報提供や助言をお願いいたします。教育事務所でも特別支援学校の専門性を生かした研修等について計画したいと考えています。ぜひ管内の幼稚園や小中学校が吾妻特別支援学校と連携・協力しながら特別支援教育のより一層の充実を図りましょう。

平成26年度学校・園計画訪問より「本年度のまとめ」学校教育係

信頼される学校・園づくりのために

いじめのない学校づくり

お祭りの様子写真
お祭りの様子

 各学校では、児童生徒が主体となり「いじめ防止宣言」を具現化する取組が行われ、いじめを許さない気持ちと自己有用感をはぐくむ教育活動が展開されてきました。
 太田小学校では、6年生の学級活動において「2年生と遊ぼう」という議題のもと、計画委員が中心となって話合いが行われ、手作りの「お祭り」に2年生を招待することを集団決定し、実践しました。これらの活動を通して、「計画委員として企画・運営ができた」、「6年生として2年生に喜んでもらえた」といった達成感や充実感を感じることができ、自己有用感を高めることにつながりました。その他、各学校とも縦割りの団活動や委員会活動の工夫など様々な取組が見られました。
 今後は、今まで実践してきたことやいじめ防止に関する基本方針等を、家庭や地域の方々へ情報発信したり、より充実したものとなるよう活動協力を求めたりしながら、学校・家庭・地域の連携を深める取組をお願いします。

特別支援教育の充実

 昨年度の学校教育法施行令の一部改正により、就学先を決定する仕組みが改正されました。これにより、早期からの教育相談・支援や就学先決定のみならず、その後の一貫した支援についても助言を行うという観点から、これまで「就学指導」と見なされていたものが「教育支援」という名称に変わりました。各学校においては、特別な支援を必要とする児童生徒の学習や行動の状態について的確にとらえるように努めることや、関係機関との連携、さらには保護者・本人から就学先についての意見を聴取し、十分な情報を提供しながら適切な教育環境について合意を得るように努めることが必要です。
 本年度の研修会では、交流及び共同学習における具体的な支援のあり方について、グループ協議をもち、各学校における成果や課題について活発な意見交換が行われました。様々な交流の形態がある中で、単に交流させるのではなく、指導者がねらいや目的をもって活動させ、交流学級と支援学級双方にとって実りある授業の充実に努めてください。

たくましく生きる力をはぐくむために

確かな学力

6年算数の授業の写真
東小学校6年生算数の授業

 本年度は計画訪問等において「めあてと振り返り」を位置付けた授業の実践を重点的にお願いしてきました。授業参観において、「めあて」の提示についてはほとんどの先生方が行っている様子を見せていただきました。中にはマグネットシートを各教室に整備し、本時のめあてを提示している学校もありました。「振り返り」については、意識して行っている授業も見られましたが、時間が確保できなかったり、授業のねらいにつながっていなかったりした例も見られました。授業の終末に現れてほしい子どもの姿や言葉をイメージして、ゴールから授業を組み立てていくことで、「めあて」から「振り返り」までの整合性のある授業展開が期待できます。
 今後もねらいを明確にし、子どもたちに目指すべき「めあて」をはっきりともたせるとともに、終末では身に付けた力を実感できるように「振り返り」をさせる授業づくりをお願いします。

健康な体

 各学校では、食物アレルギー対応をはじめとした緊急時の体制整備が行われています。アレルギーを有する児童生徒の割合は増加しており、アナフィラキシーショック時の処方薬(エピペン)が処方されている児童生徒も昨年度に比べ増えています。各園・学校において、「校内食物アレルギー対策委員会」を設置し、全職員が共通理解を図るとともに、児童生徒に合わせた「個別取組プラン」を作成し、より安全な学校生活管理をお願いします。さらに、校内のみならず、医療機関、消防機関等の幅広い関係者が、児童生徒の食物アレルギー対応について、共通認識をもつことが重要になることから、連携体制の構築をお願いします。
 また、体力向上に関することでは、今年度各校において「体力向上プラン」を作成し取り組んでいただきました。児童生徒の体力向上に向けた取組は、一部の教員の取組とするのではなく、全職員で共有し、進めていくことが重要です。そして、今年度の実践を検証し、児童生徒の運動習慣の改善や運動意欲の向上につながる取組の改善・推進をお願いします。

たくましく生きる力の基礎をはぐくむために

幼稚園教育の充実

かいこと遊ぶ園児の写真
小さな蚕と接する沢田幼稚園の園児

 各園では、幼児の発達やねらいにふさわしい遊具や素材などを準備し、遊び込める環境を構成することや、幼児が挑戦しようとする姿を励ますなどの援助を行い、遊びを通しての総合的な指導が進められています。
 幼稚園教育要領に示されたねらいは、幼稚園修了までに育つことが期待される生きる力の基礎となる心情、意欲、態度などであり、「ねらい」を達成するために幼児が身に付けていくことが望まれるものを「内容」としています。このような「ねらい」と「内容」を子どもの発達の側面からまとめ【健康】【人間関係】【環境】【言葉】【表現】の5つの領域が編成されています。管内の園を訪問させていただく中でも、「ねらい」「内容」と「発達の過程」をふまえ環境を構成した保育が見られました。例えば、健康(2)を含む内容では、いつものジャンケンゲームを斜度がある場にかかるようにしたり、環境(5)を含む内容では、才児に配慮した素材を準備したりといった工夫がありました。
 今後も、保育の中で幼児の姿がどのように変容しているか個と全体をとらえながら、そのような姿が生み出されてきた様々な環境構成について適切かどうかを検討して、保育の充実に努めてください。

平成26年度 事業報告 生涯学習係

「吾妻の特色を生かした地域づくり・人づくり」を目標に、各種事業、研修会等に取り組んできました。今年度、生涯学習係として、特に力を入れて取り組んだものを紹介させていただきます。

青少年の健全育成 (「おぜのかみさま」の推進)

 今年度、吾妻教育事務所では郡内の教職員、保護者、児童生徒や地域の方を対象に出前セーフネット教室や講習会を実施しました。 携帯型ゲーム機、スマートフォン、音楽プレーヤーなど、インターネットに接続できる機器を持つ子どもたちが増えてきており、それに伴ってトラブルに巻き込まれる事例が増えてきています。今年は不適切な写真のアップロードやパスワードの使い回しによる新たな被害事例が見られました。インターネットは便利ですが、使い方を間違えるとトラブルに巻き込まれます。90万種類以上あると言われているアプリケーションの中から必要なサービスを選択し、適切に使用するためには、判断力や自制心が必要です。インターネットを正しく利用できる青少年を育成し、指導する一助として、ぜひ「おぜのかみさま」をご活用ください。

セーフネット標語「おぜのかみさま」
  標語の内容 子どもたちを守りたい
おくらない 「児童ポルノの被害から」
ぜったいに会わない! 「性犯罪の被害から」
のせない(個人情報) 「個人情報の漏洩から」
かきこまない(悪口) 「ネット上のいじめから」
みない(有害サイト) 「有害サイトから」
さがさない(出会い) 「出会い系サイトから」
まもる(ルール) 「ネット依存症から」

生涯学習の推進 (県民カレッジ…10年後の自分にプレゼント講座 パート2)

県民カレッジの写真
群馬パース大学 学長 栗田 昌裕 氏

 「10年後、自分の身の回りはどう変わっているのか、自分の健康はどうなるのか」不安に思ったことはありませんか?ぐんま県民カレッジオープンキャンパス「10年後の自分にプレゼント」講座が、昨年度に引き続き、パート2として開講されました。これは「今よりも心と体の健康美人を目指して、10年後の自分にプレゼント」をテーマに企画しました。全3回講座で、今年度は群馬パース大学公開講座と連携しました。第1回「自分で触ってわかる、骨と筋肉-知ればおもしろい自分の体- 講師:目黒准教授」では、痛みのある部分を実際、自分の体に触れながら体の仕組みを学習しました。第2回「こころの健康を守れ!-鍵はセルフケアにあり- 講師:小笠原准教授」では、ストレス・生活習慣・病気の関係を知り、それらを解決する方法として「セルフケア」を学習しました。第3回「心と体の能力開発法-指回し体操を例として- 講師:栗田学長」では、まず、健康づくりに必要な考え方を学習しました。そして、講師が提唱する「栗田式健康法」の一つ「指回し体操」を用いることで、どのように肩こり・腰痛などが改善され、どのように元気になるかを実際に体験しました。

学校・家庭・地域の連携推進 (フォーラム…子どもの自立心や社会性を育てるために)

推進フォーラムの写真
川村学園女子大学名誉教授 齋藤 哲瑯 氏

 学校・家庭・地域が連携し地域社会全体で子どもを育てる環境を整えることは、未来を担う子どもたちへの豊かな学びと健やかな成長につながります。吾妻教育事務所では、「PTA指導者研修会」「放課後子ども教室教育支援活動者等研修会」「学校支援センター推進研修会」「地域と学校のパートナーシップ推進フォーラム」等を開催し、学校・家庭・地域の連携推進や、地域の教育力向上に努めています。「地域と学校のパートナーシップ推進フォーラム」では、学校関係者やPTA、各種社会教育関係団体や地域の方々にご参加いただきました。講演会では「子どもの自立心や社会性を育てるために」と題して川村学園女子大学名誉教授の齋藤哲瑯(てつろう)先生にご講演をいただきました。子どもの自立心を育てるためには、親子の信頼関係が重要であり、その上に学校での経験や学び、地域社会での体験が積み重なり子どもの自立心がはぐくまれるというお話をいただきました。さらに、学校・家庭・地域の中で日々子どもたちが生きた経験や体験をすることは、子どもの社会性を育てる上で重要であるというお話しもいただきました。また事例発表では、嬬恋村の放課後子ども教室と中之条町学校支援地域本部事業のコーディネーター様から日々の実践について発表をいただきました。

教育あがつまのトップページに戻る。

吾妻教育事務所のトップページに戻る。