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平成29年度第2回群馬県障害者施策推進審議会の概要

更新日:2018年1月23日 印刷ページ表示

1 日時

 平成29年12月19日(火曜日)午後2時から午後4時10分まで

2 場所

 群馬県庁7階 審議会室

3 出席者

(1)群馬県障害者施策推進審議会委員

 (公社)群馬県身体障害者福祉団体連合会会長 生方 良作
 (一社)群馬県手をつなぐ育成会会長 江村 恵子
 (公社)群馬県知的障害者福祉協会会長 中島 穣
 群馬県身体障害者施設協議会会長 眞下 宗司
 群馬県精神障害者家族会連合会会長 吉邑 玲子
 (公社)日本精神科病院協会群馬県支部副支部理事 服部 真弓
 群馬県自閉症協会会長 高森 勉(※高は「はしごだか」)
 (公社)群馬県視覚障害者福祉協会副会長 樺澤 洋
 (一社)群馬県聴覚障害者連盟理事長 早川 健一
 群馬県せきずい損傷者協会副会長 細野 直久
 (特非)群馬県精神障害者社会復帰協議会副理事長 笹澤 繁男
 群馬県難病団体連絡協議会会長 水沼 文男
 国立大学法人 群馬大学教育学部教授 霜田 浩信
 群馬県民生委員児童委員協議会副会長 井上 政道
 (公社)群馬県医師会理事 古作 望
 (公社)群馬県看護協会会長 小川 惠子
 (独法)高齢・障害・求職者雇用支援機構 群馬障害者職業センター所長 加藤 有騎
 群馬県立あさひ特別支援学校校長 土橋 惠津子
 群馬県介護福祉士養成校協議会会長 鈴木 利定
 (一社)群馬建築士会女性委員会副委員長 萩原 香

(2)行政機関

 群馬労働局職業安定部職業対策課長 鈴木 勉
 群馬県産業経済部労働政策課補佐(障害者就労支援係長)宮下 貴之
 群馬県教育委員会特別支援教育課長 上原 篤彦

(3)事務局

 群馬県健康福祉部障害政策課長 小林 啓一
 群馬県健康福祉部障害政策課精神保健室長 依田 裕子
 群馬県健康福祉部障害政策課次長 女屋 広之
 群馬県健康福祉部障害政策課自立支援専門官 都丸 要
 群馬県健康福祉部障害政策課社会参加推進係長 関根 智子
 群馬県健康福祉部障害政策課社会参加推進係副主幹 高山 昌史
 群馬県健康福祉部障害政策課補佐(支援調整係長) 米沢 孝明
 群馬県健康福祉部障害政策課支援調整係主任 戸部 太貴
 群馬県健康福祉部障害政策課補佐(地域生活支援係長) 野中 博幸
 群馬県健康福祉部障害政策課施設利用支援係長 高橋 紀幸
 群馬県健康福祉部障害政策課発達支援係長 藤村 正博
 群馬県健康福祉部障害政策課精神保健室精神保健係長 橋本 陽子

4 議事の概要

(1)開会

  • 県の情報公開制度に基づき、審議会を公開とすることを説明
  • 審議内容の概要を県のホームページ等で公開することを説明
  • 議事録作成のため、会議の内容を録音することを説明

(2)あいさつ

 群馬県健康福祉部長 川原 武男
 群馬県障害者施策推進審議会会長 霜田 浩信

(3)議事(議事進行は霜田会長)

1.バリアフリーぐんま障害者プラン7の素案について

【前半】(総論、施策の体系、障害者施策の展開)

※バリアフリーぐんま障害者プラン7の素案の前半について事務局から説明した後、以下のとおり質疑応答が行われた。

(眞下宗司委員(群馬県身体障害者施設協議会会長))
 いま報酬改定が大詰めになっているが、地域生活拠点等の整備がなかなか進まないということで、報酬で評価することになった。5つ全部やらなくても拠点になるというのが厚労省の見解である。それをここに載せる必要はないが、県の方で認識していただいて、拠点を多く作っていただきたい。例えば相談事業所が緊急でショートステイに預けるという仕組みができていれば、相談のところに報酬が入る、さらにショートステイの方にも入るような仕組みになる。5つのところの1つでも絡んでいけば拠点になるような方向である。その辺、各市町村の認識を深めていく必要がある。渋川でも1つと言われていたが、よくよく考えると7つぐらいできるような状況になっている。報酬がつくのとつかないのでは、事業者がやるかやらないかに大きな差があるので、その辺の認識をいただきたい。
 それから、共生型サービスについて、まだ政省令が出ていないが、いろいろ問題がある。それは市町村の判断だというのがここのところ厚労省も多いので、一律にはならないのだろうが、出てみないと分からない。障害福祉サービスを5年使った障害者の人は引き続き使い続けられるような仕組みになると思うが、では3年はどうか、2年はどうか。その辺のところも含めて、しっかりと本人が選択できる仕組みを構築できるような県になってもらいたい。それは市町村の判断ということになったときに、本人・家族の意思を尊重するようなところで統一ができればいいと思う。

(障害政策課・米沢補佐(支援調整係長))
 まず、地域生活支援拠点等については、現在の状況としては、県内で拠点として整備されているところはない。眞下委員の御意見のとおり、今度、報酬改定において、拠点として位置づけられたものについて、それぞれの担当する障害福祉サービスの中で加算の制度ができる。計画の中でどこまで盛り込んでいくかというのはなかなか難しいが、プランの後半の中で目標として地域生活支援拠点等の整備についても触れているので、その中で可能な限り記載していきたい。
もう一つ、共生型サービスの関係については、可能な限り活用しながらやっていきたい。ルールはまだ明確になってきていないところであるが、介護保険サービスと障害福祉サービス、さらには児童のサービスの相互乗り入れができやすい仕組みができてきているので、こういう部分を活用しながら、提供体制の整備に努めていきたい。計画の中で、共生型サービスについても記載していく。

(眞下宗司委員(群馬県身体障害者施設協議会会長))
 共生型の方だが、5年とか3年とか、各市町村で変わってくるのでそれぞれの事情があると思うが、基本的に本人・家族を尊重できるような仕組みがいいと思う。

(障害政策課・米沢補佐(支援調整係長))
 その話はおそらく介護保険への移行の関係で、新たな制度として、60歳から65歳の5年間障害福祉サービスを使っていて、かつ介護保険サービスを使っていなかった人がそのまま65歳になって介護保険サービスに移行した場合に、介護保険サービスの自己負担分を障害福祉サービスの中で軽減する仕組みができるということである。これについては、一定のサービスということで限定されており、期間については5年間と決定している。具体的な事務の手続きについてはいま国の方で詰めている段階である。

(眞下宗司委員(群馬県身体障害者施設協議会会長))
 障害福祉サービスの全てが入るのか。

(障害政策課・米沢補佐(支援調整係長))
 軽減の対象となるサービスとしては、居宅介護、重度訪問介護、生活介護、自立訓練といったものが入ってくる。これから65歳になって、介護保険の訪問介護に移ったりするというところで、軽減の対象になる。現在承知しているところでは、例えば居宅介護を使っていた人が訪問介護を使わなければならないというものではなく、対象になる障害福祉のサービスから、対象になる介護保険のサービスのいずれかに移ったときに軽減の対象になるということである。なお、自己負担がかかっていなかった人が対象である。

(笹澤繁男委員(群馬県精神障害者社会復帰協議会副理事長))
 まず、障害者の差別を解消するために県が条例を作るということを心から歓迎する。ぜひこれを充実したものにしてほしいと思う。障害者に対する差別・偏見が非常に強い中で、特に精神障害者の方に対する差別・偏見と言うことで、私どももグループホームを作るときに問題を抱えて断念することがあった。群精社協としても、数年にわたってぜひこの条例をつくってほしい、差別をなくすための施策をお願いしたいということで、県議会前に自民党の政調会のときにも、第1項目にあげた。具体的に全国でかなりの都道府県で制定されているが、群馬では県も含めてどこの自治体もないという中で、今回こういう形で実現する方向になったことを非常にうれしく思う。
 さて、1点目であるが、日中活動の充実ということで、地域活動支援センターの設置運営に対する支援についてである。具体的な問題については前にお話したことがあるが、市町村事業のために委託費の格差が大きな問題になっていて、特に日中の活動ということでいろいろな就労支援などがあるが、その支援のニーズに合わない方―だんだん高齢化するとか、精神障害者でいきなり退院してすぐにB型(事業所の利用)が難しい方―をB型(事業所)が受け入れている。日中の居場所的な活動を含めて、今のサービスの中では地域活動支援センターの3型が何とか適していると思う。県では、施設整備の補助があるということをこの前伺ったが、特に運営費が問題である。具体的には、吉岡では数年前に年間400万円だったが、人件費2人分も出ないので返上せざるを得なかった。例えば県が一定の水準を設けて、それに達しないところについて県が特別に差額を助成するような支援ができないか。
 2つ目、グループホームの充実が叫ばれているが、今回の中でも公営住宅の活用等が盛り込まれている。前に質問したときに、まだ1件しか確保できていない、それ以降進んでいない。その理由が、新たな消防法によって、それに見合う建物になっていないとのことだった。今回の方向としては、それをクリアするための改修予算を考えて進めようとしているのか。
 3つ目、精神障害者の医療の補助、マルフクがいま問題になっている。最近、年金の見直しの中で1級でなくなる方が出てきている。年金で1万5~6千円収入減ってしまう。マルフクで精神科に月1回行くと6~7千円かかってしまう。糖尿もあるので、1万いくら費用を負担しなければならない。ちょっと聞いてみると、市町村によって違っていて、2級でもそれを受けられるところがある。公平という点で、県として是正し、2級まで全部マルフクが使えるような配慮ができないか。
 最後に、余暇活動・レクリエーション施設の問題とか、障害者の当事者団体の支援ということがある。精神の障害者の中で、ピアサポートのような当事者活動が活発になってきている。しかし費用がなくてボランティア的な活動として何とか頑張っている。大きな額でなくてもよいが、当事者活動についての予算ができないものか。それから、ピアサポーターの雇用について、県職員として、1~2名でもいいから雇用することはできないか。

(障害政策課・野中補佐(地域生活支援係長))
 1つ目の地域活動支援センターについては、基本的には市町村の事業であり、地域生活支援事業の中の市町村事業ということで、地域の状況に応じた柔軟な運営という制度という中でやっているものである。前回の審議会でも質問があり、そのとき、委託費については200万から3600万円ということでかなりの差があるという説明をした。ここについて、県として運営についての補助については、実施主体が市町村ということなので難しいと考えている。しかし、施設整備の際には、県としても補助を出して支援をするということでやっており、これについては継続して支援していきたいと考えている。
 2つ目のグループホームについて、県営住宅のグループホームとしての活用ということであるが、予算措置となると住宅政策課の方になる。これについては、現在、県営住宅の長寿命化対策を推進しており、県営住宅を改修する際の費用を予算措置していきたいと考えていると聞いている。改修計画の中でグループホームとして活用できるような県営住宅があれば、当課と住宅政策課で連携しながら進めていきたい。

(障害政策課・小林課長)
 福祉医療の関係であるが、知事の考えで子どもについては中学生まで無料にしようということで、子どもの関係。それから重度の障害者の関係。例えば、常時介護が必要なぐらいの重い 障害者を対象とする。それから、一人親の家庭など、分野を定めている。国保援護課の方で、福祉医療ということで、県内35市町村で足並みを揃えてやっている。
 障害者については、県内でこれだけは共通してやりましょうというところを県が音頭をとって、重い障害のある方ということで決めているが、それにさらに上乗せするというのは、市町村長のお考えで上乗せしている部分であるので、足並みを全部揃えてやろうというと、市町村の財政状況もある。県としては、共通してやろうというところまで市町村の理解をいただいて進めているので、地域ごとの取組として考えたい。

(障害政策課・依田室長)
 ピアサポーターの活動については、特に長期入院者の地域移行のところで非常にご活躍いただいており、我々も非常に力強く思っている。ピアサポーターがこれからどのような活動をしていくのかというところについては、我々も、事業委託先である群精社協の皆様と検討していく時期に来ていると認識している。今現在、長期入院の方が退院したりするというところで活躍している活動をさらにどんなふうに広げていくのかについては、今後一緒に考えさせていただきたい。
 それから、県職員への採用もというようなお話もあったが、県庁全体の中で障害者の方の雇用を進めていく中で、どのような役割を担っていただくのかということについて、あわせて今後の検討課題とさせていただきたい。

(笹澤繁男委員(群馬県精神障害者社会復帰協議会副理事長))
 当事者活動に対する支援については、退院促進のための動機付けとか、力を発揮するということは大事だと思うが、ただ、入院している人だけでなく、既に地域で暮らしている人の中でも、ちょっとしたことで体調を崩して再入院する人も結構多い。それをなくすためにも、当事者どうしが活発に交流したり、あるいは集まって色々活動したりすることは非常に効果があると思う。ピアサポートというのは一方向ではなく双方向である。ある場合には相手をサポートする、逆に自分もサポートされる。お互いに自信をつけ、お互いに経験を学び合い、それがリカバリーにつながる。そういう点を考えると、そんなに大きくなくてよいが、当事者活動が活発になるように支援を考えていただければありがたい。

(水沼文男委員(群馬県難病団体連絡協議会会長))
 まずは、プラン6までは難病患者というのはあまり出てこなかったが、プラン7は難病患者のことが出てきたのでありがたい。ただ、2015年から、(対象となる難病が)56疾病から330疾病まで拡大し、かなり数が増えてきているが、専門医が少ない。難病ということがはっきりわからずにたらいまわしにされて、やっと分かったが、そのときには何年も経って病状が悪化してしまったという経過が多い。難病患者に関する専門医の育成を考えていただきたい。

(障害政策課・小林課長)
 要望ということで承りたい。

(樺澤洋委員(群馬県視覚障害者福祉協会副理事長))
 1つは、相談員と介護保険のケアマネのことである。ケアマネに聞くと、福祉サービスが分からないということをよく聞く。それともう一つは、福祉サービスの方だが、相談員さんは、障害者全部である。知的、視覚障害、耳の悪い人。そうすると、専門的な人がいない。専門的なものができるのであれば、県の方も力を入れてもらいたい。
 もう1つは、視覚障害者にとって点字ブロックというのは、電車のレールのようなものである。そこに、聞く話によると、パトカーが止まっていたり、消防車が止まっていたり、自転車が止まっていたり、そこに雑談する人がいたりする。県がいろんなことを考えて、先進的なことをやっているのだろうが、上っ面だけさっと春風が吹いているようなことではなく、基本的なことをもう一度振り返ってほしい。目の悪い人には点字ブロックが必要である。点字ブロックは、皆さんよく見かけていると思うが、詩みたいなものである。もうすこし、作文ぐらい長くして、点字ブロックでうまく行けるようにしてほしい。点字ブロックについてはもう一つある。マスをたどるとポールに当たる。マスをたどると川の中に落ちてしまうところもある。付ける人と、こういうふうに付けてほしいという側の考え方の違いがある。全部やるのも大変だと思う。まずお金がかかることである。
 一番言いたいことは、点字ブロックのこと。相談員の専門化。それともう一つは、ケアマネさんが福祉サービスのことを分からない。こういう勉強を県の方でしてもらったらいいと思う。

(障害政策課・小林課長)
 点字ブロックについては、確かに古くなってはがれていたり、あるいは、心ない路上駐車・駐輪が目につくということがある。私ども、福祉のまちづくり条例もあって住みよい街を作らなければいけないという大きな目標を掲げているが、日々の生活の具体的なことについては、点字ブロックは大事なものと承知している。
 点字ブロックを街中に敷設するのに、どこに置くのが有効かというのは、県土整備部や県警と意見調整をしながら進めて行きたい。新たに、エスコートゾーンということで、視覚障害の方が横断歩道を安全に渡れるようブロックを敷設する取組を進めている。前橋の盲学校のところに付いており、また、新前橋の社会福祉総合センターなど、優先順位を付けて進めようとしている。財源を有効につかって、だんだん良くしていきたい。
 相談支援専門員が障害のいろんな分野にわたって相談するということになっているが、現在、相談支援員を専門化するということで、発達障害について、いま相談が多くなってきている部分である。医療的な面、あるいは学問的にも研究されてきており、そういったことについてサポーターの研修を行って、県内各地に20人ぐらい養成したところである。地域で安心して相談できるようにということで、基本的には相談支援専門員であるが、ある程度、県の研修の中で発達障害に詳しい相談員を養成している。今度、医療的ケアが必要な人への支援や相談に対応できるということで、医療分野と福祉分野の知識を持ったコーディネーターを養成していきたいと思っている。基本的なベースは障害全般的に詳しいということが必要であるが、その上に、分野ごとに特化した専門員を育てていきたいと思っている。大事なご指摘として承りたい。

(高森勉委員(群馬県自閉症協会会長))
 しろがね学園は非常に貴重な存在であると認識しており、民間施設で対応困難な重度の障害のある子どもを積極的に受け入れるということで、「入口」の話はありがたい。しかし、児童施設ということで、18歳までしか居られないという現実を踏まえると、なかなか民間で対応できないお子さんが果たして成人期になったときにどこに行ったらいいのかというところで、私も、職員の方も含め、非常に苦い経験をした。群馬県ではなかなか受け入れをしていただける環境がないという現実を目の前で感じたところがある。「入口」の話とともに、「出口」のところを考えた文言を入れていただくと、当事者も家族も安心できると思う。
 それから、発達障害については(、プランの中で)用語解説が設けられている。発達障害については、医学的・科学的にいろんな形で根拠が生まれてきて、その根拠に基づいた支援をしていくことで、本人にとっても困り感が緩和されるところもある。障害種別によっても、発見するタイミングが非常に重要であると昨今言われている。その辺も用語解説のところで文言として謳っていただくと、もう少し早期発見に対する意識が変わると思う。
 それから、特別支援教育のところで、発達障害についてASD(自閉症スペクトラム症)の文言が省かれているのはなぜかお聞かせいただきたい(※注)。

(※注)「LD(学習障害)、ADHD(注意欠如・多動性障害)、高機能自閉症等を含めた障害のある児童生徒…」と記載されている箇所についての質問。

(障害政策課発達支援係・藤村係長)
 しろがね学園の中で入所を続けた加齢児(18歳を越えた方)については、障害種別に応じて検討を進めているところである。確かに委員がおっしゃるように、「出口」に関する文言が抜けているという部分があるので、そこは前向きに考えていきたい。
 発達障害については、根拠のある早期支援を積極的に行っている方もいて、そういう人を群馬県に呼んで研修も行っている。そういった文言も検討したい。

(教育委員会特別支援教育課・上原課長)
 (特別支援教育のところの記載については、)省かれているということではなく、「等」という言葉で含まれている。文部科学省の方で、この並びで使っている部分もあるので、そのような言い方になっている。

【後半】(障害福祉サービスの見込量・数値目標等)

※バリアフリーぐんま障害者プラン7の素案のうち後半部分について事務局から説明した後、以下のとおり質疑応答が行われた。

(中島穣委員(群馬県知的障害者福祉協会会長))
 プラン6からプラン7ということで、時代が移ってきた。自立支援法ができた当初から目標値を掲げて地域移行が進められてきたが、入所者の重度化や高齢化、あるいはいろいろ障害特性に対する配慮等、なかなか地域移行が進まなくなってきているのも実情ではないかと思う。そこで、プランが進んでいく中で、当初の目標値からプラン7に対してはどのくらいの移行率を考えているのか。このプランではさらに高めていかなければいけないというように読み取れたが、その辺の考え方を聞かせてほしい。
 2点目は、福祉施設から一般就労への移行に関する目標のところだが、もともと福祉サービス事業所の種別が地域によって様々である。いろいろな事業が揃っている地域もあれば限られた地域もある。その中で、本来の事業目的に合った形で利用が進んでいないところもある。分かりやすく言うと、重度の知的障害をお持ちの方が就労移行を利用するとかいうことが、地域によってはあると聞いている。そこには、学校の進路の先生の意向、もっというと親御さんの意向が反映しているのではないか。移行事業は限られた人員の中で支援しているので、トイレや移動の支援が必要な方が移行に入ってくると、就労体験等をやらなければならないところまで手が回らないというようなことがある。今のニーズに合わせた形でサービスを提供するという仕組みになっているが、アセスメントをしてその方の本来のニーズに合った福祉サービスを提供する形について、県としてどのように考えているか。

(障害政策課・米沢補佐(支援調整係長))
 まず、1点目の移行率については、国の指針では平成28年度末施設入所者の9%以上を地域移行させることとされている。これについては、前回までは12%であった。国全体としても、地域移行できる人はだいぶ出てきたということから、数字については落ちている。さらには、これまでは地域に出られなかった重い障害のある人も地域生活ができるよう、グループホームを整備していくということも、国の方針として、これについては報酬改定の中で反映されるとのことである。数字については、実績からすると9%は難しいとも考えたが、目標数値は高くもっていこうというところと、一方で、無い袖は振れないところもあるので、国の指針のぎりぎりのところで設定した。

(中島穣委員(群馬県知的障害者福祉協会会長))
 私は事業所の人間であるが、目標を達成しないと報酬が削られたりするということまで考えてしまう。目標を高くもってそれに向かって頑張っていこう、地域移行を進めていこうというのはすばらしいと思うが、社会の資源を見てみると、理想と現実というのが必ず問題として出てくると思う。できればプラン6の現状と課題の文面の中には、先ほどおっしゃっていただいたような、国の方でもこういうような状況にあるとか、あるいは、何年か続けてきて移行がずいぶん進んできたが、実際にいま入所施設に残っている人のニーズはこういうところにあるのではないか、というような文を付け加えていただくと、さらに分かりやすくなるのではないかと思う。

(障害政策課・米沢補佐(支援調整係長))
 それについて、しっかりと盛り込んでいきたい。
 2点目については、就労移行支援の関係で、本来は就労できないような方が利用されているというようなお話があったが、基本的にはそういうことがないようにしっかりとアセスメントをして利用されていると認識している。そのためには、相談支援専門員のアセスメント能力ももちろんであるし、特別支援学校との連携も必要であるし、あとはそれぞれの事業所のアセスメント能力や支援能力の向上も必要である。ただ、今は、意思決定を大事にして、本人のニーズを最大限に活かすような利用の仕組みをやっていける体制にあると認識している。

(早川健一委員(群馬県聴覚障害者連盟理事長))
 まず1点目は、4つの方針の3番目、「就労定着支援の強化」についてである。聴覚障害者連盟ではハローワーク8箇所に、1週間に1回、2時間、手話通訳者を協力員として設置している。しかし、面接のときの対応時間が伸びてしまうことがあるが、2時間を越えることはできないので、その時間で終わってしまう。その次は翌週になってしまい、それまで1週間待たなければならないということがある。就職が決まった後、その職場でのコミュニケーションの問題がある。その問題に、県として、ジョブコーチをしっかり設置してほしいと思う。聴覚障害者とちゃんとコミュニケーションが取れる専門的な人が必要である。
 2点目であるが、盲ろう者の方―「盲」と「ろう」の重複障害の方―もいる。そういう人たちが18歳になったときに、仕事に入ろうと思っても壁があって就職することができない。その辺りを考えていただきたい。子どものうちはともかく、成長していくと問題がある。その辺りも記載していただければありがたい。

(障害政策課・米沢補佐(支援調整係長))
 コミュニケーション支援の関係については、もう少し踏み込んだ形で記載できるよう検討していきたい。

(服部真弓委員(日本精神科病院協会群馬県支部理事))
 平成30年4月から(法定雇用率に精神障害者が算入されることにより)法定雇用率が上がるということで、地域移行、就労支援とあるように、先ほど笹澤委員がおっしゃっていたように、精神障害者についての偏見がないように進めていただきたい。ただ、精神科病院としては、取り扱う疾患が精神障害だけではなくて認知症、発達障害など、多岐多様にわたっている。
 そんな中で、地域活動支援センターの設置については、地域に偏りがあって患者が利用しづらいという実態があり、ネットワークがうまくいかないところがある。利用しやすいように、地域がうまくいく形で持って行っていただきたいと思う。

(障害政策課・野中補佐)
 地域活動支援センターについては、市町村の地域生活支援事業という位置づけであるので、種別も含め、市町村の判断になってしまうところがある。現状バラツキがあるということではあるが、どうしても制度上市町村が主体となって運営するものであるので、その辺は地域ごとに考えてやっていくということになる。

(服部真弓委員(日本精神科病院協会群馬県支部理事))
 だからオール群馬でやっていただきたいという話である。各地域でいろいろ言っても、結局、話がうまくいかないということが多々ある。だから、できればオール群馬で考えて、地域活動支援センターの配置やネットワークをしっかりしていただきたい。

(障害政策課・小林課長)
 御要望として、確かにそういう声はあると思う。いくら市町村事業とはいえ、県民として最低限利用できるサービスがないといけないので、県からのアドバイスは必要だと思う。どれぐらいの密度で置けばいいかということになれば市町村の実情があるが、やはり日中活動の場としての地域活動支援センターは必要だと思う。ただ、それに代わるもの―例えば就労継続B型というような福祉的な就労サービス―があればいいが、何もないところがあれば配慮した方がいいということもある。地域の実情については、市町村の担当者の会議で良くチェックするとか、例えば地図を書いてみてうまく配置されているかなど、細かい作業の中でチェックしてみたい。また御意見をいただければと思う。

(霜田浩信会長)
 以上で、バリアフリーぐんま障害者プラン7の素案についての審議を終了する。事務局においては、各委員からいただいたご意見を踏まえながら、プランの策定作業を進めてください。
 なお、この場で出せなかった御意見がある場合には、後日、お手元の意見提出用紙を事務局にご提出いただき、事務局の方で対応していただくこととする。また、内容に関する御質問等がある場合にも、事務局にお寄せいただければと思う。

(眞下宗司委員(群馬県身体障害者施設協議会会長))
 ちょっとよろしいか。まず、いいプランを立てて、このままやるのでいいと思うが、これを達成するには人材である。人材がなければどうにもならない。この辺、我々事業者も含めて考えなければならないし、今日は鈴木学長もいらっしゃるし、いろんな部分で協働しながら、人材をどうしていくのかということを、これから先考えていかなければならない。
 もう1点は、共生社会の実現、「我が事・丸ごと」の話であるが、このプランの次のプランに必ず入らなければならないのは、介護・高齢との連携や、医療との連携である。その辺を、県の段階でしっかりとやってほしい。渋川市でもやろうと思ったが、行政が後ずさりしているのでできない状況にある。行政の中から縦割りをなくしていかないと、まず地域が連携していかないと思う。次のプランの時はその辺の考え方もしっかり入れてほしい。

(障害政策課社会参加推進係・高山副主幹)
 御意見として承り、今後進めていきたい。

2.その他

 事務局より、次の2点について報告。

  • 今後のプランの策定スケジュール(1月にパブリックコメントの実施、3月に次回の審議会を開催)
  • 群馬県障害を理由とする差別解消条例(仮称)の制定に関する事項

(4)閉会

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