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平成29年度第3回群馬県障害者施策推進審議会の概要

更新日:2018年3月28日 印刷ページ表示

1 日時

 平成30年3月9日(金曜日)午後2時から午後3時50分まで

2 場所

 群馬県庁7階 審議会室

3 出席者

(1)群馬県障害者施策推進審議会委員

 (公社)群馬県身体障害者福祉団体連合会会長 生方 良作
 (一社)群馬県手をつなぐ育成会会長 江村 恵子
 群馬県重症心身障害児(者)を守る会会長 吉田 英子
 (公社)群馬県知的障害者福祉協会会長 中島 穣
 群馬県自閉症協会会長 高森 勉(※高は「はしごだか」)
 (公社)群馬県視覚障害者福祉協会副会長 樺澤 洋
 (一社)群馬県聴覚障害者連盟理事長 早川 健一
 群馬県せきずい損傷者協会副会長 細野 直久
 (特非)群馬県精神障害者社会復帰協議会副理事長 笹澤 繁男
 群馬県難病団体連絡協議会会長 水沼 文男
 国立大学法人 群馬大学教育学部教授 霜田 浩信
 群馬県民生委員児童委員協議会副会長 井上 政道
 (公社)群馬県医師会理事 古作 望
 (公社)群馬県看護協会会長 小川 惠子
 (独法)高齢・障害・求職者雇用支援機構 群馬障害者職業センター所長 加藤 有騎
 群馬県立あさひ特別支援学校校長 土橋 惠津子
 群馬県介護福祉士養成校協議会会長 鈴木 利定
 (一社)群馬建築士会女性委員会副委員長 萩原 香

(2)行政機関

 群馬労働局職業安定部職業対策課地方障害者雇用担当官 竹内 弘佳
 群馬県産業経済部労働政策課補佐(障害者就労支援係長)宮下 貴之
 群馬県教育委員会特別支援教育課長 上原 篤彦

(3)事務局

 群馬県健康福祉部障害政策課長 小林 啓一
 群馬県健康福祉部障害政策課精神保健室長 依田 裕子
 群馬県健康福祉部障害政策課次長 女屋 広之
 群馬県健康福祉部障害政策課自立支援専門官 都丸 要
 群馬県健康福祉部障害政策課社会参加推進係長 関根 智子
 群馬県健康福祉部障害政策課社会参加推進係副主幹 高山 昌史
 群馬県健康福祉部障害政策課補佐(支援調整係長) 米沢 孝明
 群馬県健康福祉部障害政策課支援調整係主任 戸部 太貴
 群馬県健康福祉部障害政策課補佐(地域生活支援係長) 野中 博幸
 群馬県健康福祉部障害政策課施設利用支援係長 高橋 紀幸
 群馬県健康福祉部障害政策課発達支援係長 藤村 正博
 群馬県健康福祉部障害政策課精神保健室精神保健係長 橋本 陽子

4 議事の概要

(1)開会

  • 県の情報公開制度に基づき、審議会を公開とすることを説明
  • 審議内容の概要を県のホームページ等で公開することを説明
  • 議事録作成のため、会議の内容を録音することを説明

(2)あいさつ

 群馬県健康福祉部長 川原 武男
 群馬県障害者施策推進審議会会長 霜田 浩信

(3)議事(議事進行は霜田会長)

1.バリアフリーぐんま障害者プラン7の原案について

※バリアフリーぐんま障害者プラン7の原案について事務局から説明した後、以下のとおり質疑応答が行われた。

(樺澤洋委員(群馬県視覚障害者福祉協会副会長))
 福祉は、困っている人に手をさしのべるものである。それぞれの人が大変だと思うが、法律の隙間、言葉の隙間があってちょっと大変だと思う。この辺を考えてもらいたい。例えば、権利条約はあるが「権利」ではない。「法律」ではない。差別解消法ではない。そういう言葉の隙間が出てきていると思う。福祉はやさしさと思いやりの心だと思うので、法律や言葉の隙間というものについて、皆さんで検討してもらいたい。

(障害政策課・小林課長)
 この計画では、法律や条例等、基本的な仕組みはあるが、最初に、障害のある人もない人も、お互いを尊重した世の中を作りましょうということを謳っている。まさしく委員がおっしゃるように、共生社会ができることをまずは目指すというところから計画に入っている。委員おっしゃるとおりのことで、私どもは進めていきたいと考えている。

(笹澤繁男委員(群馬県精神障害者社会復帰協議会副会長))
 国から来年度の報酬改定が出た。それとの関連で、県として障害者の皆さんに対する施策をどのように進めていくかということが非常に大事な問題だと思っている。前々から危惧していたが、今度の発表を見て、障害者の皆さんの個別的な状況に対してきめ細かいサービスではなくて、一言で言うと、成果主義というと申し訳ないが、そういう傾向が強く出てきたということを危惧しているし、むしろ危機を感じている。具体的なことをいうと、就労系でいくと、特にB型を例にとると、今まで基本報酬は1つだったが、今度は工賃が5千円とか1万円以上とか、7段階に区切られる。今までは工賃をどう高めたかという加算があったが、今回は加算がゼロになって、基本報酬が変わってくるという仕組みになった。一つ例をとると、4万5千円以上の工賃で基本報酬が6,450円になったので、現行の基本報酬である5,840円から見ると610円上がった。ところが、全部のB型事業所が、もちろん努力はしているが、工賃の実績を上げられるような状況にあるのかどうかという点が問題になる。県の方で28年度における110のB型事業所の工賃を発表しており、加算がもらえたところの状況がどうかというと、地域の最低賃金の半分をクリアしているところが7事業所、6.3%しかない。その次のランク、地域の最低賃金の3分の1をクリアしたところが17事業所で15.5%である。それから、県の平均工賃をクリアしているかという第3の加算が30事業所で27.3%である。加算が付かなかったところは50.9%である。また、地域の最低賃金の50%以上をクリアしている一番高いランクで、690円の加算があったが、これと比べて、今回は最高のところとの差額が610円であるから、全体的にポイントが下がってきているということがいえる。こういう中で7段階になるということについては、全体として厳しい体系だと率直に感じている。
 工賃とか、いかに就労させたかということは大事であるが、そこだけで今後の報酬改定がされていくことになると、働けない方、工賃の稼げない方がサービスから排除されてしまうのではないかと心配している。区分によって受けられるサービス、加算やポイントが違う。うちの事業所だけで見ると、102名の利用者のうち精神の方が79名であり、約8割である。その区分の状況は、区分3が7名で8.9%、区分2の方が16名で20%、区分1の方が1名で1%、区分のない方が55名で69%である。知的の方については、区分4が15.3%、区分3が15.3%、区分2が23%、区分1が7.7%、区分のない人が38.4%ということで、倍ぐらいの違いが現実的にある。こういう点、障害特性という点から見て、配慮してもらえるかということをお願いしたいところである。さらに、利用率を見ると、先月は、精神の方が60.4%である。それに対して知的の方は81.5%である。これくらいの違いがある。こういう利用状況等も含めて、今回の改定が基礎ポイントでも変わってしまう。安定的な基盤がない中で、毎年ここはどうなるか分からない。工賃向上の面で見ると、工賃の稼げる人が重点になる。そこへ新たに退院したばかりの人とか、そういう毎日来ることからステップアップする人が入ってくる。そこで工賃のことを言われると、もうそのことだけで工賃を上げることは難しく、逆に下がるのが普通であるという実態になる。
 この計画で「障害のある人の性別、年齢、障害の状態及びに生活の実情に配慮した当事者本位の総合的支援を行います」という基本目標を掲げているわけである。県の施策として、B型が、稼げるとか、就労移行に行けるとか、そういうのに合わない人を、しかも区分がつかない人、こういう人にサービス提供を支援していくのか。この点については、数字的にどうかということではなく、考え方として十分に検討していただく必要があるのではないかと切実に感じている。

(障害政策課・小林課長)
 笹澤委員におかれては実際の障害者の就労支援の現場で非常に一生懸命やっていただいており、現場の声を伺ったような感じがする。今回は、就労支援についてだけでなく、障害福祉サービスの報酬が全面的に改定されたわけであるが、障害の報酬改定のほかに、今年度は、医療の診療報酬の改定、それから、介護報酬の改定もなされた。同時に3つの基準の改定がなされたということで、非常に大きな変革の時期だったと思っている。本日はバリアフリープランの計画であるが、報酬の話については、実際の現場でこれからどうなるというところは、当然、県としても、国が決めたことだから関係ないという気持ちはないが、具体的な計画として、工賃向上計画を今年度見直しているので、そういったところで、福祉的就労の中で、工賃をどうやって上げていこうかと。今まで2万円を目標にやってきたところであるが、それがなかなか達成できていない中で、具体的に、障害者の生活が自立できるような仕組み。例えば、今セルプ協で共同受注窓口をやっていただいているとか、新しく農福連携、障害者が地域の農業を支えるような仕組みはできないかとか、そういったことを、いろいろ新しいことを工夫しながらやっていくことも必要だと思っている。新しい取組と、ベースになる報酬――これは、国が要するに政策誘導しようという考えのもとでやっているわけである。私ども、報酬が見直されることによって、どういうふうになるかというところは、なかなか動きが見えてこないかなと思っている。今まで報酬が加算方式で、基準を達成した段階で加算がつくということだが、ある程度、一生懸命努力して4万円、5万円稼ぐという事業者にとっては伸びしろがないというところには、どういうような報酬が払われるべきか、やはりそれも問題になっていたわけである。今回国が見直した中で、どういうふうな動きになるかは、少し様子を見させていただきたいと思う。
 障害者プランの第4章の中で、就労支援サービスをどのように進めていくかというようなところについて、課題を踏まえながらどうしていくかということに触れている。また、工賃向上計画にも具体的な方策と、事業者の皆様からいただいたアンケートの回答も記載して、具体的な計画になっているので、そちらもご覧いただいて、これからどういうふうに一生懸命やろうかということで、一緒に考えさせていただきたい。

(笹澤繁男委員(群馬県精神障害者社会復帰協議会副会長))
 お話はよく分かった。ただ、私は報酬改定が厳しいからということが主ではなくて、日中系の、特に就労系のサービスのシステムが、B型とA型と移行が中心で、生活訓練や介護もあるが、精神の方を主とした障害特性をどのように把握するか。質問だが、支援区分を精神の方の中で、それぞれの区分ごとにどの程度の割合で受けているか、区分が決定されているか、そういうものを把握しているのかどうか。
 それから、障害者の特性等を加味して、あるいはこれから高齢化もある。B型であるが、工賃とか就労移行とかいうことだけではなく、病院などにいるよりも、例えば具体的に言うと入院していると1か月50万円ぐらいかかる。もしB型を利用して1日6千円の費用で22日ぐらいすると13万円ぐらいになる。グループホームを利用しても1日2千円ぐらいで、6万円ちょっとである。費用という面で見ても、20万円ぐらいで、そういうサービスがあって、緩やかでもいいから、入院しているよりも、地域の中でその人らしく暮らせる、あるいは働ける。そういうサービスもないと、自分がB型の中にいると工賃を下げて肩身が狭いというふうに利用者に思わせるようなことについて、どういうようにお考えなのか。あるいは、県として、国がそうなっている以上、それに多少でもカバーするような施策はできないものかどうかということを申し上げたかったのである。

(障害政策課・米沢補佐(支援調整係長))
 支援区分の関係であるが、県全体で精神の方がどれくらいの支援区分の割合かということをまとめたようなデータは今のところ取っていない。実際にサービスの利用した実績はシステムの中に入っているので、その中でどの程度の割合かということを月別に出していくことは可能であるが、具体的にまとめたものはない。
 それから、就労の関係のサービスであるが、当然、いまプラン7を立てて、よりよい支援に向けて計画に基づいて実行していくが、その中で法定のサービスだけでは支援が十分でないというものがあれば、関係の皆様等の御協力をいただきながら、必要に応じて、新しい事業・施策を打っていくというところは考えていかなければならないと考えている。

(水沼文男委員(群馬県難病団体連絡協議会会長))
 プランの「お互いの理解の促進」というところに関連して、難病患者も、「世界稀少・難治性疾患の日」を2月末日としている。日本の国の中でも難治性の日をそれぞれやっているところが増えてきている。そういう中で、群馬県も、この日を難病患者の日として確認していただきたいが、その辺はいかがか。

(障害政策課社会参加推進係・高山副主幹)
 難治性疾患の日については、いま初めて伺った。よく勉強させていただき、ここに載せるかどうかも含めて検討したい。

(中島穣副会長(群馬県知的障害者福祉協会会長))
 今後3年間の福祉サービスの見込みを見ると、どのサービスも右肩上がりである。ということは人手が必要だということである。第3章の中で、「福祉サービスを支える人材の育成と確保」という項目があるが、研修を進めるというところがクローズアップされているような内容になっており、若い人に福祉の道に入ってきてもらうというイメージがちょっと抜けていると思う。福祉に興味をもってもらう、福祉のまちづくりを推進するという意気込みをぜひ掲げていただきたい。やはり困っている人が近くにいれば助け合う、そういうような精神を県としてもどんどん推進していって、若い人達が福祉の道で私は食べていくのだというようなものをぜひとも出してもらいたい。平成12年に介護保険制度がスタートしたときは、本当に人があふれていた。人を募集すればすぐに来てくれた時代があった。しかし、どんどん厳しくなり、3Kどころではなくて4K、5Kで、福祉の分野に入ると責任ばっかり押しつけられる、苦しい仕事をしなければならないというようなイメージがあるような気がする。そんなに大変な仕事ではなくて、私自身はすごく楽しい仕事だと思う。そういったことをぜひ発信できるような項目を入れてもらえると非常にありがたい。

(障害政策課・小林課長)
 いま景気がよくて、どの分野も人材が不足している。特に福祉の分野では、福祉全般の人材が不足しているという認識はあるが、いかんせん介護人材という大きなパイの中で人材育成が進んでいるような気がする。人材育成については、障害福祉の分野も当然確保していかなければならないし、サービスもこれから増えるということで、中島委員のおっしゃるとおりである。仕組みができても支える人がいなければ意味がない。記載の方が十分でなかった部分はあるとは思うが、行政分野としては当然承知していることであるので、県としても一生懸命やりたいと考えている。
 あと、鈴木先生もいらっしゃるので、最近の学生の現状等もちょっとご披露いただけるとありがたい。

(鈴木利定委員(群馬県介護福祉士養成施設協会会長))
 福祉分野を希望する学生が従来は多かった。ところが、やはり3K、5Kというような風潮がある。我々も、人材養成で責任があるということで、仕事に対して夢や希望や楽しいというイメージを作るため、介護福祉士を管理指導する資格を作ろうということで、5年間かけて、厚生労働省関係の方々と一緒に検討し、今年できあがった。これは管理介護福祉士という仮称である。どんな内容かというと、各分野・各仕事の内容について、今まで介護福祉士は意見や主張ができなかったが、リーダー的な役割をできるような勉強の内容、仕組みになっている。そういうようなことで、社会に出てどんな事柄でも胸を張って、介護福祉士であるというプライドをもった仕事にしていこうではないかということで取り組んでいる。
 ただ、現実には、やはり夢がない。実は、私事になってここで申し上げるのはちょっと控えさせていただこうかと思ったが、ついでにちょっと話をするが、20何年前に、もうお亡くなりになった松山善三さんという映画監督が、私のところの理事をやっており、「一本の手」という介護福祉士の映画を作った。内容は、一流の俳優が、群馬県で、今でいう老健施設に入っていて、その老健施設がつぶれてしまい、自分たちでもって、20何年前の構想で、今でいう有料老人ホームを赤城のふもとにつくって、皆で楽しい生活をしようというようなストーリーである。こういうような夢のある、つまり我々がこれから学ぶ学生達にするような環境づくりをしたらいいのではないかと思う。そういう夢のあることが結構ないのである。冗談であるが、群馬県でそういう夢のある映画でも作ればまた違うかもしれない。ただ、現状は四苦八苦している。

(江村恵子委員(群馬県手をつなぐ育成会会長))
 思いやり駐車場の共感看板について共感した。これから増えていくということなのではないかと思うがどうか。

(障害政策課社会参加推進係・関根係長)
 共感看板については、今回パブリックコメントで意見を出した方の団体が、フレッセイ等に対して働きかけて設置しており、少しずつ店舗数は増えている。県として特にバックアップはしていないが、こういった形で共感を呼ぶような看板を作成し、なるべく車いすの方達が止めやすいようにしたいということで動いている団体である。

(障害政策課・小林課長)
 思いやり駐車場のマークを駐車場のところに設置し、そして、一定の基準を満たす方に思いやり駐車場の利用証を配って、その利用証をダッシュボードに置いておくと、外見から分かりづらい障害を持っている方も止めやすいということである。ただ、その思いやり駐車場も、障害のない方が心ない形で勝手に止めていることが多いようである。仕組みとして思いやり駐車場制度というきちんとした基準に基づく利用証を出しているにもかかわらず、利用証のない方が不用意に障害者のための駐車場を使ってしまうということがある。これを、DET(障害平等研修)に取り組んでいる方が、車いすに乗っている自分の写真をそこに貼って、そこは障害者のための駐車場であるということを非常に分かりやすく表示して下さっている。そうすると、さすがに心ない人でもそこは止めづらいようである。フレッセイと農協で進めていただいているということであり、民間のスーパーの方などの具体的な取組としていいことだと思うが、仕組みとして県がそういう写真を至る所に置くというのも難しいので、企業から問い合わせがあればこういう方がやっているというような橋渡しはできると思っている。意識の高い民間企業において、障害のある人にいらしていただきやすいような取組として自主的に取り組んでいただけるとありがたいと考えている。

(樺澤洋委員(群馬県視覚障害者福祉協会副会長))
 皆さんが作ってくれたこのプランは本当によくできている。これをやっていくのは大変だと思うが、ぜひ頑張ってほしい。これだけできていれば最高だと思う。
 それから、障害者のシンボルマークと思いやり駐車場の件であるが、車いすのマークが置いてあるところは、他の人は本当は止められない。あそこは本当は車いすの方用なのである。それは思いやり駐車場であっても、車いすの人は足が悪いからということで、もともとできたのがそうなのである。それから、国際シンボルマークはブルーである。国内シンボルマークの色は緑である。どこかの駐車場で車いすのマークがあるところでは、緑とブルーが使ってあると思う。県の方でもいっぱい勉強してもらって、そういうものも周知してもらいたい。

(霜田浩信会長(群馬大学教育学部教授))
 他に御意見はよろしいか。
 それでは、御審議いただきありがとうございました。このように滞りなく進んだのも、委員の皆様から貴重な御意見があったおかげであると思う。また、事務局の方でも、意見を踏まえた丁寧な検討を重ねてきていただいたおかげだと思う。
 今回のプランにおいても様々な施策が盛り込まれているが、その中でも私自身が非常に印象的だったのが、医療的ケアの方々へのサービス提供、総合的な支援体制を構築していこうという事業・施策が非常に印象的だった。というのは、医療的ケアの方々へのサービスというのは、保健医療の領域からだけではなく、福祉との連携が必要であるし、さらには学齢期の方に対しては教育との連携が必要となる。保健医療領域、福祉領域、教育領域、時には労働といった様々な領域が連携をとっていく必要性は言われて久しいが、なかなかそれが現実的な施策として見えてこないということがあった。そういう中で、今回の医療的ケアの方々への施策というのは、その連携というものが実現されていく施策として非常に感じることができた。今後、このプランに基づいて施策を進めていくことになるが、様々な領域で横の連携をもって進めていくということをぜひお願いしたい。
 それでは、プラン7についての審議は以上とさせていただく。

2.その他

※事務局より、群馬県障害を理由とする差別解消条例(仮称)の制定に向けた状況について報告した後、各委員から自由意見を伺った。

(樺澤洋委員(群馬県視覚障害者福祉協会副会長))
 差別解消法ができて2年になるが、企業とかそういうところが動いている。県ではないが、市町村の窓口、福祉を担当している人が、意外と差別をしているのではないかなと自分では感じる。どこの企業でもやれるところは結構やっている。その辺を、国ベース、県ベースで、市町村の福祉を担当する人が少しでもその辺を考えてもらえるようにしてほしい。何かの機会に、県の人たちや検討会の意見が聞ければいいと思う。

(霜田浩信会長(群馬大学教育学部教授))
 これから検討に入っていくということであるので、樺澤委員からお話のあったことも踏まえて検討していただきたい。

(高森勉委員(群馬県自閉症協会会長))
 プラン7の件では、入所支援のところや人材育成の文言などを検討していただいた。全体的に内容には満足しているが、ただその中で一つ、当然、数値目標は大事だと思うが、数字ありきではなく、定性的なところの判断も踏まえて、ぜひ様々な取組をしていただきたいと思う。現場サイドで、福祉サービスだとか、教育の分野もそうだが、受ける側として、数値ありきのところで追いかけていくとなかなか追いつかないサービスの内容や教育の内容は絶対あると思う。そういうところを踏まえて取組を実施していただけたらありがたい。

(障害政策課・小林課長)
 サービスの供給量という観点で計画ができており、そこのところはまず量の確保ということがあると思うが、高森委員がおっしゃるように、いわゆる質の向上が大事である。その辺は、課題としていろいろ書いている。例えば、子どもに関しては、放課後等デイサービス等の数が増えてきているが、きちんとした療育がされているかというところで問題がある。あと、笹澤委員がおっしゃった就労支援については、ある程度各地域にできてきている状況はあるが、いかにして障害者のための工賃が向上するかということもあわせて検討しているところである。数だけの話ではないということについては承知しているので、よろしくお願いしたい。

(特別支援教育課・上原課長)
 プラン7の中で教育の内容を入れていただき、また同時期に特別支援教育推進計画についてもこの2月に策定ということで、次の5年間進んでいく。教育の部分のところも、例えば、「個別の指導計画」や「個別の教育支援計画」の話がよく出てくると思う。今までの5年間で、数値という点では確実に増えてきているが、「作成」というところで止まっているのではないか。次の、内容といったときには、その指導計画が「作成」の域から「活用」――要するに、計画がその子の授業レベルまでどう行ったのかというところを考えていく時期だろうということで、(学校現場に)下ろすときにも「活用」の部分を強調していこうと思っている。また、教育支援計画は「つなぐためのツール」であるから、つなぐために、次のところでどれだけ活用されたのか。そこも「活用」というという視点で進めている必要があるだろうということで検討しているところである。本当に貴重な意見だと思う。次の計画でしっかり取り組んで行きたい。またよろしくお願いしたい。

(土橋惠津子委員(県立あさひ特別支援学校校長))
 先ほど教育委員会からも話があったが、個別の指導計画や教育支援計画について学校現場サイドで見ると、さらに進んできていると思う。例えば、放課後等デイサービスに利用している方々はたくさんおり、10年前に比べると、学校の放課後は車の行列である。子どもたちのために、親御さんのためにもなってきたと思うが、先ほど上原課長さんがおっしゃったように、それをつなげるというところでは、いまサービス利用計画等の計画作成会議には、事業者さんと相談所さんと、そしてまた学校の担任なども一緒になって、お子さんの支援等を考えるような形となった。10年前とは全く違う。これがまたよりよく活用できるよう、私ども学校としても、担任の資質向上等に努めていきたい。

(細野直久委員(群馬県せきずい損傷者協会副会長))
 オリパラがこのプランの時期に、2020年に来る。自分は車いすテニスをやっているが、群馬県でも、ジュニアで、車いすテニスで日本ランキング1位の人がいるが、奈良さんもシドニーパラリンピックのときに相談に乗ったり、いろいろな話をしたりしたが、すごくお金がかかる。大会の時だけ支援してもらっても、大会に出るまでにお金がかかる。支援も工夫していただけると助かると思っている。育成の面で力を入れていただきたい。
 もう一つ、防災の面で、避難所でバリアフリーになっていないところがいっぱいあって、県に問い合わせても詳しい情報はもらえない。そういった面も改善されると嬉しいと思う。
 最後に、DET(障害平等研修)であるが、差別や偏見をなくせるかとかいうことを推進するための研修で、県庁でもやっていただいているが、せきずい損傷者協会にファシリテーターが3人おり、自分もメンバーである。群馬県内で、昨年1年間で70回、2000人ぐらいに受けていただいた。また、小学校などでもやっていただいた。差別をなくすとか共生社会を築くという点で、DETはいいかもしれないので、もしよければお声がけいただいて広まっていくと群馬県がすばらしい社会に変わると思うのでよろしくお願いしたい。

(障害政策課社会参加推進係・関根係長)
 オリパラの関係については、障害政策課としてたくさんのお金は用意できないが、「パラアスリート発掘・育成事業」で、オリパラを目指せるような人たちに対して支援している。今後、国体や全国障害者スポーツ大会も2028年に群馬で開催されることがほぼ決定しているので、今後スポーツ振興を頑張って進めていければと思っている。
 避難所については、設置するのが市町村であり、県の方に情報が上がってこない状況であるが、こちらとしても福祉避難所等を設営していただきたいということで働きかけていければと思っている。
 DET(障害平等研修)については、プランにもコラムとして載せている。DETを受けると「そういうことが社会的障壁になっていたんだ」等と気づく部分が多々有り、本当に有意義な研修だと思うので、今後も引き続きやらせていただければと思っている。

(小川惠子委員(群馬県看護協会会長))
 福祉人材の育成・確保のことについてお話しする。看護職はいままでは本当に医療分野が多かったが、地域包括ケアシステムの構築の中で推進役ということが言われている。医療的ケアが充実されてきているとのことであるが、在宅を支える訪問看護の養成など、福祉サイドの中で生活者を支える看護職を意識的に養成していこうということで、研修会などをさせていただいているが、何せどこでも人材が不足しており、一番求人が来るのが福祉分野なのである。子育て中の看護職もいるので、昼間だけ時短で働けるようにするなど、工夫しながら福祉分野にも看護職が投入できるように努力していきたいと思っている。今までは病院・施設が多かったが、様々な分野で看護職が必要とされており、あらゆる分野で働けるような看護職をこれから支援していきたいと思っているので、皆さんの御意見をいただければと思っている。

(霜田浩信会長(群馬大学教育学部教授))
 大変心強いお話をいただいた。

(早川健一委員(群馬県聴覚障害者連盟理事長))
 以前、DET(障害平等研修)に参加したことがある。その中で、見える障害者、車いすの方達と話をしたことがある。実際、聴覚障害というのは目に見えない障害である。なので、見えない障害についても理解を普及していただきたいと考えている。車いすの方の車いす体験や、見えない方の体験だとアイマスクをする等があるが、なかなか聴覚に障害を持つという体験は難しいものである。なので、ぜひ手話などを学び、その中で聴覚障害者について理解していただきたいと思う。
 民生委員の方々も、自分の地域に、聞こえない方がいるということを把握していただきたい。民生委員の方々にも手話を学んで覚えていただき、コミュニケーションができるようにお願いしたい。できれば県の方から、手話の普及について助力をいただければと思う。

(障害政策課・野中補佐(地域生活支援係長))
 市町村の方に対し、県で主催している意思疎通支援の運営連絡会がある。その中で、市町村の職員の方に働きかけ、聴覚障害について市町村の理解が深まるよう働きかけてまいりたい。

(樺澤洋委員(群馬県視覚障害者福祉協会副会長))
 いま差別解消条例について事務局の方で一生懸命やってくれているが、市町村の方はどうか。手話言語条例は前橋でも作ってもらっている。そういうものが市町村に働きかけてもらえるような形にならないと、県の方でいくら差別解消法だと言っても、自分たちが受けるのは結果的には市町村である。事務局の方は、前橋がどうだとか、高崎がどうだとか分かるのであれば教えていただきたい。

(障害政策課・小林課長)
 検討会に出席される委員の皆様にはたたき台をお示ししているが、その中に県の責務、それから市町村の役割、県民の役割、そういったそれぞれの立場の方々にどういった役割をお願いするかということも書いている。先ほど樺澤委員がおっしゃった手話言語条例については、県として条例を作ったが、その後、高崎、前橋など11市町村で作っている。35市町村全部作るかどうかはそれぞれの市町村に任されていることであるが、差別解消条例についても、県が作ったことによって、各市町村で、手話言語条例のように、差別解消条例がそれぞれの市町村で必要な認識になれば、市町村で差別解消条例が進むのではないかと思う。県だからといって上から目線で言うつもりはないが、市町村も作った方がいいというのは、率先垂範ということであれば、市町村にも見習っていただきたいと思う。

(4)閉会

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