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令和元年度第2回県立図書館協議会の開催結果について

更新日:2020年3月26日 印刷ページ表示

1 日時

令和2年2月14日(金曜日)14時00分~16時00分

2 開催場所

県立図書館3階ホール

3 出席者

委員10名、事務局8名

4 傍聴人

なし

5 議事

  1. 令和元年度事業の実施状況について
  2. 令和元年度図書館サービス目標の進捗状況及び令和2年度図書館サービス目標の見直しについて
  3. 令和2年度主要事業(案)について

主な意見等

(委員)
 サービス目標の進捗状況では、全国高校生ビブリオバトル2019群馬大会の達成率は117.6%と素晴らしい成果であり、また、学習支援図書貸出冊数の達成率が12月末時点で98.8%で、3月末には目標値を超えるのではないかと期待しているところである。
 学習支援図書セットが243セットから250セットに増え、来年度から学校で始まる「プログラミング」や、夏に開催されるオリンピック・パラリンピックなどの新しいテーマが加わり、現場の職員も授業に活用したり、また子ども達も興味を示すのではないかと思う。
朝の読書セットでは、今年度は最寄りの公共図書館まで届けていただいたので大変有り難いと思っている。
県立図書館では、本の世界を味わうために、幅広い視点で色々な企画、事業が企画されているが、特にボランティアや様々な団体が関わりながら、本に関することを題材にしたコミュニケーションの場としても活用されており、図書館の存在が大きく広がっていって、地域の新しい立ち位置になっていると感じている。
 高校生のビブリオバトルはとてもよいと思うが、対象が高校生から中学生や小学生に広がっていくような方向性はあるのか。高校生ビブリオバトルの小学生版のようなものができればよいなと思う。

(事務局)
 高校生のビブリオバトルは全国大会があり、その県大会を県立図書館で開催している。県内9地区に分かれ、予選会をやっているところもあるし、そうではなく地区の代表が決まっているところもある。個々の学校での予選会を経て地区の予選会につながるように、階層化によるしっかりした仕組みができたらよいと思っており、現実的にそういう方向に進んできている。
 高校生以外の年齢層については、中学生には対応できる手法なので、学校司書の集まる会議、研修等で、各学校の授業時間の中で工夫して、うまく活用して欲しいと伝えている。
 小学校では、5、6年生であればできると思う。5分のプレゼンが長いということであれば、3分でやることもできるので、やり方を工夫しながら、小学校の授業の中でもビブリオバトルを取り入れていただければと思う。
 大人の方の場合、高崎では民間団体が自分達で定期的にビブリオバトルを行っている。また前橋市の下川淵町公民館ではすでに2回、公民館の事業として行っている。来年度から前橋市内の他の公民館にも発展的に広がっていくのではないかと期待している。色々なところで自主的に実施していけるように広げていきたいと考えている。
 県立図書館では、民間団体との協働事業として、県立図書館活用パートナーシップ事業を実施しているが、この中に「アフターファイブ委員会」という若者がイベントなどを企画する事業がある。その中で、大学生対抗ビブリオバトルという企画案も出ており、いずれは実施されるのではないかと期待している。
 本の良さを共有できるビブリオバトルは、同世代、共通体験ができる人達で行うのが一番分かりやすくて、広がるきっかけになると思う。そういう機会を色々な所で実施してもらえるよう努めていきたい。

(委員)
 館長のリーダーシップのもと、様々な改革が進められ、図書館の事業が充実していることがわかった。以前に比べると図書館が暖かい雰囲気で、明るい感じになった印象がある。本校の学校司書も新人のため、県立図書館の研修に参加しているが、研修で多くのことを学び、刺激を受けており、業務に生かしている。
 先日の群馬県図書館大会に参加したが、公共図書館というのは全ての人のものであって、コミュニティーの核としての存在であるという話しがあり、県立図書館で実施しているパートナーシップ事業やボランティアによる催しもまさにそのようなものだと思う。学校もこれから社会と繋がってコミュニティースクールとしてやっていかなければいけないが、図書館にとっては利用者、学校にとっては地域の人達をいかに当事者として取り込んでいくのかという所は共通の課題である。当事者意識を持ってもらうためには、足を運んでもらう工夫が必要であり、図書館の事業は大変参考になる。
 たくさんの事業があり、全て成果があったと思うが、学校も昨今の働き方改革で、目的から照らしてこれは余り成果が薄いから止めようといった見直しを行っているところである。県立図書館でも効果が薄いからこれは止めようというものはあるか。またサービスの目標、評価指標の変更については、この見直しによって、今行っている色々なサービスが評価に反映される形になって、非常に良いのではないのかと思う。

(事務局)
 パートナーシップ事業は共催する各団体に実施してもらい、ボランティアによる催しは図書館ボランティアにより自主的に実施してもらっているので、図書館側から内容の見直しを行うことはしていない。しかし、それぞれの企画内容で参加者の数が伸びないものは、それが評価の一つの答えであると思う。最初は参加者が少なくても徐々に数が増えていけば、それだけ効果が上がっていて、徐々に参加者が減っているのは、もう一つ工夫、見直しが必要になるものと思う。
 ただパートナーシップ事業もボランティアの催しも、基本的には予算ゼロの手弁当で行ってもらっている。そういう意味ではコスト的な見直しはない。しかし、職員が多少はリードしないと上手くいかない面もある。事業の企画数が増えれば増えるほど職員の負担も増えていくので、各団体やボランティアの自主性を尊重しながら、図書館としての連携協力のあり方も、事業の回数を重ねながら工夫していきたいと考えている。
 評価の項目については、目標の評価指標の外に、新たに基本指標を設定して、項目を2つに分けた。考え方としては、入館者数や貸出件数は大きな数であるが、ただそれだけで図書館の価値は計れないことを多くの図書館関係者が強く意識している。一般の人には、何人来たか、何冊貸したか、何冊蔵書があるかという具体的な数字の方がわかりやすい。しかし、図書館の評価は、数で示せる部分と数で示せない部分があり、目標の設定となるとどうしても数字で示すしかないため、そこのジレンマがあって、今回の目標の見直しでは、評価指標の設定を二段階に分けた訳である。数は真実は語るけれども、真実の一面しか語っていないと思う。そこで語れない部分をどうやって補っていくかというのは、目標設定全般において言えることだが、我々が努力していかなければいけない部分である。今後も目標、評価指標は定期的に見直しを行い、、工夫・改善しながら取り組んでいきたいと考えている。

(委員)
 県立図書館で実施している研修は対象別に色々とあるが、外部の研修に参加したり、または内部的な研修をした場合に、その結果の共有をどのような形でしているのか。例えば報告書を館内で供覧するなどフィードバックした場合、それをどのように次の研修に活かすのかについて聞きたい。

(事務局)
 研修については、主催者側として実施する場合と参加者として受講する場合の二通りある。主催者側としては様々な研修を担当職員がそれぞれ企画して実施している。研修の企画は、研修担当係内で、各担当者が事前によく館内で情報交換、調整しなが準備を進めている。実施した研修の結果については、かなり細かい分析を行っており、また利用者アンケートで研修受講生の個別意見もしっかり集約して、次回の企画内容に反映させるようにしている。
 当館の職員が外部の研修に参加した場合、その成果をその職員以外の者に波及させているかという点は手薄になっている。今後は、一週間位の長期研修に参加する場合もあるので、研修を受けた職員が研修内容をコンパクトに伝達できる館内研修会のような機会を設けたいと思う。

(委員)
 除籍資料の無償譲渡について、公民館図書室と書いてあるが、実績としてどのような所に譲渡しているのか、或いは、、この期間に来て勝手に持って行ってよいものなのか。申請等の手続きがあるのか。

(事務局)
 参加したところと、何冊持っていったかということはわかる。また児童書と一般書との区分くらいはできていると思う。公民館というのは、図書館のない町村にある公民館図書室が主になる。各市町の地域の公民館ではない。

(委員)
 色々と連携事業をしていると思うが、昨年の実績の中で県立歴史博物館との連携事業はあるのか。

(事務局)
 近代美術館はあったが、歴史博物館と郷土史に関する連携について、特にそれを全面に出したものは無いが、今後考えていきたいと思う。

(委員)
 今年はデスティネーションキャンペーンの本番があるので、それに関して何か連携する企画はあるのか。

(事務局)
 まだ具体的なことは聞いていないが、必ずやると思う。

(委員)
 今年はオリンピック・パラリンピックの年でもあるし、感染病との関連で医療関連のテーマなど、正に今私たちが直面している課題について、国際交流のような視点からの展示だとか企画等講演などが開催されたらよいと思う。例えば県内の市町村をオリンピックの事前合宿地にしている国の情報などに視点を当てた図書展示や講演会などを市町村と連携して実施したらよいと思う。

(事務局)
 今年度はワールドカップラグビーが国内で開催されたこともあり、当館の新聞雑誌室の企画展示で9月にラグビーの特集をした。今年の7月とか8月の時期には、雑誌を中心にオリンピック・パラリンピック絡みの企画展示を行うことになると思う。また、県内市町村では、太田市が海外の都市と盛んに交流しているが、その国の資料展示をするにあたり、小さい国のため関連する本が市の図書館にないということで、当館に相談があり、その国に関する本を何冊か貸出している。今後各市町村の図書館から同様な問い合わせがあると思うので、オリンピック絡みで協力できることは市町村と連携していきたい。また、地域のスポーツ振興や文化振興については、県民の関心が高いので、県庁の関係各課と連携して事業を実施していければと考えている。

(委員)
 指標の達成度は12月末現在、ほぼまんべんなく達成されているということだが、ただメディア掲載件数はメディア側の事情があったり、或いは指標の基準値をどう設定するかで変わると思うので、これを基本的な指標として認めてもよいのではと思う。
 目標、評価指標の変更については、条例制定を受けての変更ということで、全体的には妥当なものだと思う。ただ来年度一年間やってみて、上手く適応するかどうか確認して欲しい。基本指標も今までのように数字でガチガチに固めるのではなくて、少し余裕を持って図書館をとらえているという意味で適切であると考える。
 目標値の設定の考え方が項目によって少しばらつきがあるが、現実に合わせた目標値の設定ではないかと理解した。例えば、平均値を目標値とするケースと、実績を維持するというケースがあるが、それをどう使い分けしているのかと教えて欲しい。

(事務局)
 実績値をとるケースでは、どちらかというと右肩下がりなのか右肩上がりなのか、その実績を見て、それが余りにも右肩下がりであれば、現状維持とするのが妥当な目標値になる。ただ右肩上がりのものを前年と同じというのでは目標として相応しくないということになる。上に伸ばせる指標もあれば、現状維持だけで精一杯の指標もあるので、その辺を色々と工夫しながら、使い分けて設定している。

(委員)
 今年度の新規事業にぐんま新発見講座があるが、新規で始まった事業が一年で名称が新発見から再発見に変わった事情を教えて欲しい。もし歴史博物館と連携するのであれば同じようなテーマ内容になってしまう心配もあるが、図書館らしさを打ち出すとすればどういった事を考えているのか教えて欲しい。

(事務局)
 ぐんま新発見講座については、新しい事業という新規性を出すために名称を工夫したものである。ただ講師の選定や企画内容については、工夫をしていきたいと考えている。今年度は富岡製糸場が世界遺産になって5周年という記念の年でもあり、全体として富岡製糸場と世界遺産を関連させた企画として考えたものである。
 来年度のぐんま再発見講座については、歴史博物館の職員の方に講師をお願いすることもあるかと思うので、ぐんまの再発見にふさわしい企画を考えていきたいなと思う。来年度のテーマも何か一つの柱があって、それにバリエーションつけるという形で運営できればと考えている。

(委員)
 私が代表をしている群馬県地域文化研究協議会でも、こうした企画にお手伝いできる人材がいるので協力できると思う。

(事務局)
 ぜひ企画の段階で相談させていただきたい。

(委員)
 昨年度の群馬県図書館大会に出席して、ビブリオバトルを発案した先生のお話しを聞いて、自分達もビブリオバトルをやりたいと思い、前橋市下川淵公民館で行っているビブリオバトルに出席させてもらって、勉強させてもらっている。また先日の群馬県図書館大会では講師の方が映画「ニューヨーク公共図書館エクス・リブリス」の話しをされ、私も映画を観ていたので、大変興味深く話を聞かせてもらった。ニューヨーク公共図書館は地域の住民に開かれた図書館として様々な人々が利用している。高崎市には公民館が学校区に一箇所ずつあって、44箇所ほどある。そこに図書室があって、小さいながらもきちんと冷暖房完備である。こうした地域の公民館が、図書を借りたり、お年寄りが歌を歌ったり、会話をしたり、地域住民の憩いの場として活用されていけば、地域に自分たちのニューヨーク公共図書館ができるようになってくると思う。
 また、基調講演の講師の方が、図書館は予算を取ってこれる職員がいなければいけないと話していた。県立図書館も予算面で苦労しているようだが、来年度予算は今年度と同額の資料購入費を確保できたとのことで、すばらしいことだと思う。
 資料を見ると、図書館では様々な有意義な事業を実施していて、職員の方も大変だと思うが、利用者が少なかったころから、色んな人が図書館の事業を知っていき、徐々に増えてきたのは、館長と職員が一丸となってなし得た結果であると思う。協議会の委員になって県立図書館は素晴らしい図書館になっていきつつあると感じている。

(事務局)
 映画「ニューヨーク公共図書館エクス・リブリス」が予想外に大反響だったということは、それだけ図書館に対する期待というのが、図書館関係者が思っている以上に世の中にはあるということを改めて気付かさせてくれたとても意味のある映画だと思う。
 文部科学省も図書館の位置づけについて、社会教育施設の一つであるという側面をここのところ強く出している。つまり、社会教育施設の代表は公民館であり、公民館も図書館も、同じ仲間であり、もっと近い存在であるということ。今ある社会教育施設の中で一番公民館と接点があるのは図書館であると思っている。そのことに気付いたところが、NPOの活動拠点センターと図書館の統合化にあらわれていると思う。今のお話しのように高崎市の公民館図書室をもっと開いていこうというのは本当に良いことだと思っている。前橋市は全ての公民館は図書館の分館を持っており、全国的に進んでいる形で、もっと広く知ってもらいたいと思っている。そういう意味で、図書館は社会教育施設であり、公民館に一番近い施設であり、そして公民館がやっている事業の手法は、図書館でもできるという考え方で、当館では図書館活用パートナーシップ事業などに取り組んでいる。
 資料購入費は私が着任してきたときは2700万円位であった。それが二年続く中で、色々な方々に図書館の果たす役割の重要性をご理解いただき、協力していただいた。群馬県議会では図書館支援議員連盟が立ち上がり、「群馬県民の読書活動の推進に関する条例」まで制定された。こういった図書館に対する応援があり、お陰様で三年間に渡り、5千万円以上の資料購入費が維持できているわけである。
 また、協議会の委員の皆様方に色々と応援や助言をいただきながら、色々な事業に取り組む中で、職員皆が自主的に様々な企画を考え、取り組んでくれたことも、図書館のPRにつながってきていると思う。図書館職員の自主的・主体的な取り組み姿勢にこれからも期待しているところである。

(委員)
 群馬県立図書館の職員の努力を本当に感謝している。事業概要の中で、研修の名称が、学校司書のためのとか、先生のためのとか具体的に書いてある。何々のためのというと、その人にどういう意図でこういうことをするのかっていうのが伝わってとてもよいと思う。参加する人もその気持ちを受け取って一生懸命講義を聞いて、また別の人に伝えてあげようとする。コミュニケーションの一つだと思う。
 評価指標の変更について、数値の設定のところが少し解らない部分がある。今、労働人口も就学人口も減っている中で、前年比で何%増えたかというはちょっとおかしいと思う。実際に周辺の環境を見た上で数値を出す必要があると思う。
 群馬県立図書館は本当にすばらしい図書館になっていると思う。私も先日の群馬県図書館大会に参加し、基調講演を聴いてすごく感銘を受けた。理想の図書館はどのようなものかと質問したところ、歩いて5分位で行けるところにある図書館と言われた。そういう所に何でも相談に行ける、そういう図書館があったら本当によいと思う。
 先日、日本経済新聞の記事を見ていて、中小企業支援のための図書館がたくさんあると書かれていた。県立図書館の事業には、中小企業支援のための事業というのが余りないが、どのように考えているか。

(事務局)

 確かに目標値の対象の変化を見ながら指標を設定するというのも大事なので、それに関連する社会全体の数値も一緒に反映できるように標記の仕方を工夫していきたいと思う。日本経済新聞の記事には鳥取県の例が載っていたと思うが、起業したり、新しい技術を開発するということは、かなり専門的知識が必要である。図書館の司書はそうした分野は専門外であり、餅は餅屋に任せるという考え方で、県立図書館では中小企業支援の相談には取り組んでいない。

(委員)
 昨年の会議で県内市町村の図書館長会議を開催して欲しいと言ったが、今年度に開催していただき大変ありがたい。市町村立図書館の館長が県内の情報を知ることは大切なことであると思う。
 資料購入費の県予算が昨年と同じ5千万くらい確保できるとのことである。市立図書館の予算は市町村によっても違うが、どこの図書館も予算が減っている状況である。そういう中で、資料購入費の予算が5千万円になり、市町村からのリクエストにかなり応えられているのではないかと思う。
 県立図書館では週に1回、相互貸借の配送車が県内の図書館を巡回している。しかし、週1回の配送なので本を届けるのに2週間かかってしまう。相互貸借の貸出件数が増えているということは、市町村の図書館の予算が少なくなり他館から借りたりすることが多くなっているということなので、早く本を手元に届ける必要がある。相互貸借の巡回車はここ七年位はずっと週1回の運行であるが、それを増やす考えはあるのか。

(事務局)
 予算があるということは本が買えるということで、市町村で買えない様な本が県立で買えるというのは本当にそのとおりである。県内の公共図書館の予算がここ20年で3割減ったという話がありましたが、上毛新聞が12月30日の紙面に一面トップで記事を書いていただいたが、大変インパクトのある記事であった。
 相互貸借の数は今年4月から1月末の実績で114%で件数は増えており、効果が出ていることがわかる。相互貸借の市町村支援協力車については、現在2台の車で6つのコースを1週間に1回巡回しているが、巡回の回数を更に1回増やすということは、車も人も倍かそれ以上にしなければならないので、現在はとても手が回らない。そういう意味で、まだまだ改善する余地はある。ただ県内の図書館が全体で一つの図書館であるということを多くの人が知ってきて、直近の実績で14%増えているわけで、これが将来的にもっと増えていけば、その時には巡回車の頻度を増やすことも議題に上がってくると思う。まだ現状の数字では週1回の運行が妥当であると考える。

(委員)
 図書館が未設置の自治体が12町村ある。県は未設置町村に対して図書を貸出したり、その他いろんな支援を行っていると思う。これから先図書館を作るということを考えている市町村もあると思うが、「群馬県民の読書活動の推進に関する条例」が制定され、その中でも県の責務として市町村への支援が謳ってある。群馬県としては図書館を増やすことについて、県が引っ張っていくという考えはあるのか。

(事務局)
 どこの町村にも、歩いて5分か10分位の所に図書館があるということが理想だと思っている。ただ、地域の状況から、図書館がない自治体が12町村あることも事実である。今どこの自治体も財政状況が厳しい中で、図書館の建設の話が持ち上がるかということは、なかなか難しい問題だと思う。市町村にもそれぞれの事情がある。県内の町村で図書館を作ってくれるところがあればもちろん応援するが、それを県がリードするということは少し無理があると思う。もちろん県民に同じサービスが行き届かなくてはならないことは、おっしゃるとおりで、引き続き図書館未設置町村の希望にそった形で相互貸借など各種支援を充実していくよう努力していきたいと思う。

(委員)
 昔は移動図書館車というものがあり、県立にもみやま号があり、前橋市や高崎市にもあった。今、県内で移動図書館車を持っているのは沼田、邑楽と藤岡市だけである。しかし日本全国で移動図書館車が見直されてきているという新聞記事も出ている昨今、移動図書館車という考え方について、県立図書館ではどのように考えているか。

(事務局)
 個人的には地形と人口分布の関係であり、今でも移動図書館車に適したところもあり、その自治体で考えて取り組んでもらうことであると思う。例えば、図書館のない比較的面積の大きな村でも、地区の小さな公民館には図書の棚は作っている。移動図書館の車を走らせるよりも合理的だと村が判断してのことだと思う。つまり今ある設備の状況や財政状況をそれぞれの町村で工夫することが大事であり、昔のようにすることがいいことだとも一概には言えないと思っている。各市町村が地域の様々な状況や住民の要望を踏まえて、検討されるのがよいのではと考える。

(委員)
 県立図書館長と市町村図書館の懇談会は本当に大事なのではないかなと思う。地道なところを一つ一つ取り組んでいくことが将来への発展につながるので、本当に大事なことにしっかり取り組んでいると感じた。誰々さんのためのという講座のネーミングもとても良いと思うし、先日の群馬県図書館大会で相互貸借の貸出冊数が伸びた市町村を表彰していたが、そのアイデアもとても良かったと思う。図書の貸出しをお互い協力しあって取り組んでいることを各市町村の図書館同士で確認しあえるし、県立図書館と市町村立図書館が仲間で一丸となって活動しているということを感じられて、とてもいいアイデアだと思う。
 資料の中の新聞記事の紹介に読書フェスティバルという記載があるが、この催し物は県立図書館の事業の中でどのような位置づけになるのか。

(事務局)
 読書フェスティバルは、本に関係するイベントであり協力したが、県教育委員会生涯学習課が主体で実施しているものなので、県立図書館の事業としては載せていない。

(委員)
 共催事業である県立図書館活用パートナーシップ事業は、今年度8事業を協働で実施したということだが、前年度に比べて増減はどのようになっているか。

(事務局)
 前年度に比べて増えている。「図書館でライブ」、「日本の伝統音楽を学ぶ」といった音楽の演奏会などが加わった。当初は、図書館は静かであるべきところと思っている利用者の方もいらっしゃるので、音を出すイベントは控えていたのだが、ホールの防音効果もあり、大きな問題は発生しなかった。パートナーシップ事業は、いろいろな企画を試行錯誤しながら取り組んでいるところであり、来年度も継続して取り組んでいきたい。

(委員)
 まえばしCITYエフエムの生放送番組に図書館職員が出演して話をしたようだが、中々いい試みだと思う。職員が何人くらい出演したのか。

(事務局)
 正規職員20人中、13人が出演した。生放送番組に出演するという機会もなかなかないと思うので、良い経験ができたと思う。

(委員)
 評価指標の中にビブリオバトル参加者数があるが、数字だけでは評価しきれない部分があると思う。群馬県大会の出場者が全国優勝していたり、本当にすごいことだと思う。高校生ビブリオバトル県大会を県立図書館で開催し始めたことは、大変大きな意味を持つことであり、もう少しアピールできると良いと思う。また、新年度事業に取り組むにあたり、来年度は何に重点をおいて取り組んでいくのかという話し合いはどのようにしているのか。

(事務局)
 人が集う図書館にしたいという考えが基本にある。図書館のイベントに来てくれた人が図書を利用してくれる相乗効果も期待しており、大きな方向としては人が集うために図書館で何ができるかを常に考えて取り組んでいる。そういう意味で、パートナーシップ事業などの共催事業は、計画性がなく場当たり的な面もあるが、色々な人に協力してもらいながら様々な企画に試行錯誤しながら取り組んでいる。

(委員)
 新しい目標、評価指標、基本指標はよくまとまっていると思う。また館長がいろいろな新しい事業を始める中で、職員が自発的に取り組むようになったという話があったが、資料を見ていて職員間で共通認識ができ、事業方針が共有できていると感じる。館長を中心に図書館職員が本当によくやっていると思う。

(委員)
 職員の意識が変わってきたという話があったが、改めて紹介していただきたい。

(事務局)図書館職員
 企画展示はほとんど職員が行っている。職員が自主的に取り組んでくれており、タイムリーな企画展示ができるようになった。例えば、ある作家が亡くなったニュースが出ると、その人の作品を次の日の朝から展示したり、受賞作が決まった作家の過去の作品が展示されたりとか、資料の事業実績には記載していないが、小さな企画展示が頻繁に行われるようになったことがある。
 また、お正月の企画で「図書館に初詣」という展示を行ったが、本のおみくじを始めたら、市町村の図書館でも似たような企画が始まったりしたが、県立がモデル的に事業をやって、それが市町村に広がるという側面があると思う。そのモデル事業を職員がアイデアとして出してくれるようになってきたというのは大変有り難いことである。職員が工夫をした、心のこもった企画展示が増えていると感じている。

(委員)
 県立図書館では、独自に図書館のミッションを館内に掲示するようなことはしているのか。

(事務局)
 当館では、日本図書館協会が採択した「図書館の自由に関する宣言」を掲示しているが、県立図書館独自のミッションというものは掲げていないし、他の図書館でも掲げていないと思う。ただ図書館の使命をそれぞれの図書館がきちんと位置づけることは意味があると感じており、職員と議論していきたいと思う。

(委員)
 県立図書館という固いイメージは、どこの県に行っても同じように感じるが、群馬県立図書館は今とても良い結果が出ていると思う。今年度は「群馬県民の読書活動の推進に関する条例」が施行されたが、そういった外形的なこととは別に、群馬県立図書館がどんな努力をしているのか、何を目標にしているのか、そういったものをミッションとして掲げて、館内のどこかに掲示すれば、より今の県立図書館の努力が県民に伝わるのではないかと思う。そして職員の総意が集約されているミッションは、館長が替わっても継続されていくはずであり、検討していただければと思う。

(事務局)
 よく検討していきたいと思う。

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