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「2017ぐんまの家」設計・建設コンクール受賞作品

更新日:2018年3月2日 印刷ページ表示

 「ぐんまの家」設計・建設コンクールは、良質で住みよい住宅を表彰することにより、県民の住宅に関する関心を高め、居住水準の向上及び良好な住環境への啓発を図ることを目的とし、群馬県及び群馬県ゆとりある住生活推進協議会の主催により毎年開催しています。
 審査は、施主の要望が適切に満たされた設計・施工、地域景観と調和したデザイン、材料、工事費、施工品質等に重点をおき、審査委員8名によって厳正に行われました。
 その結果、36点の応募作品の中から、最優秀賞1点、優秀賞4点、優良賞6点の合計11点が受賞作品に選ばれました。

受賞作品一覧

受賞作品一覧一覧
住宅名称 設計者 施工者
最優秀賞 山河の家 米田横堀建築研究所 株式会社津久井工務店
優秀賞
(まちなか住宅賞)
リュウノイエ 株式会社IZ建築計画 株式会社関工務所
優秀賞
(ファミリー住宅賞)
大きな輪の家 田村建築設計工房 大塚工務店(専門工事店代表)
優秀賞
(アイデア住宅賞)
内外を回遊できる家 田中朋久建築設計事務所 株式会社翼創建
優秀賞
(コンセプト住宅賞)
箕郷町の3つの家(ナナメ) 有限会社HIRO建築工房 阿部工務店
優良賞 景色とつながる桐生の家 テクトン建築設計事務所 株式会社オムニバス
優良賞 磯部・木組の家 工作舎 株式会社ケイハウス
優良賞 風通りの家 有限会社HIRO建築工房 阿部工務店
優良賞 やねなみのいえ ATELIER N 株式会社関工務所
優良賞 カコミノイエ ATELIER N 株式会社関工務所
優良賞 方形屋根の家 ATELIER N 株式会社オムニバス

審査委員長総評

 今年もたくさんの魅力ある作品に触れることができ、審査員一同期待と興奮の幕開けでした。
 一次審査から作品の質の高さと拮抗するレベルでの選考に審査員一同頭を抱えました。今年の作品は内部環境に配慮した、きめ細かい造りこみと、生活しやすさ、家庭や家族の持っている特性に配慮した優れた内容の住宅が多く見受けられました。
 最優秀賞の「山河の家」は、土地選びからこだわりを持ち、選ばれた土地に建築家との共同作業は素晴らしい出来上がりでした。視線は群馬を象徴する赤城山と利根川の流れと対峙させる手法はまさに”ぐんまの家”でした。
 「リュウノイエ」は、子育てが終わり、また夫婦2人になってこれからの生き方、ライフワークを見据えた洗練された空間を生み出していました。広めの中庭を有効に配置し取り囲む部屋からの視線が季節や時間でさまざまな表情を醸し出す仕掛けが生きていました。
 「大きな輪の家」は、ほのぼのとした家族の将来が見えてくるようなあたたかい家、家族に対していつでも帰りたい家がある安らぎを感じさせる建物でした。
 「内外を回遊できる家」は、分譲地の特性をうまく利用し、生活スペースを2階に配置した合理的な空間を無機から有機に変える不思議な手法で際立つ内外装に仕上がっていました。
 「箕郷町の3つの家(ナナメ)」これは、これまでに建てられた(タテ)(ヨコ)に次ぐ3つ目の作品で互いに干渉しながら個々の存在感や独立性そして個性を持つ不思議な建物群の最後の一軒として建てられました。その手法は計算された動線、空間、演出、見るもの住むものを魅了する空間のマジックです。
 大きな柱、梁を伝統工法で組み上げた「磯部・木組の家」。こんな暮らしがしたいと思うクールな空間の「景色とつながる桐生の家」。敷地を大胆に切り取ってプライバシーと採光に配慮した「カコミノイエ」。「風通りの家」は、遠距離通勤のご夫婦の為に造られた週末住宅を思わせる明るく、開放的な家。目的の違う用途の部屋を連続させそれを屋根に反映させた「やねなみのいえ」。アプローチを斜めに振って方形屋根を粋に演出した「方形屋根の家」。
 選ばれた作品はどれも素晴らしく、そしてクライアント、設計者、施工者の素敵な出会い、信頼がこれらの感動する建物の原点だと審査を終えて感じました。
 最後になりますが、施主の皆様には公私ともにお忙しいところご協力いただき、誠にありがとうございました。審査員一同、御礼申し上げます。

受賞作品紹介

最優秀賞「山河の家」

2017最優秀賞(内観)写真
内観

2017最優秀賞(外観)写真
外観

審査委員講評

 前橋の利根川河岸段丘上に位置し、落ち着いた雰囲気の住宅地に建つ平屋建ての住宅。ゆったりと水平に伸びる瓦屋根と白い外壁の凛とした外観が街並みに溶け込んでいる。
 周囲の街路からは利根川を見ることはできないが、建物中央の玄関土間に足を踏み入れると、低く抑えられた横長の窓から利根川が目に飛び込み、思わず息を呑むことになる。
 リビングは屋根勾配がそのまま天井の形となり、白い壁・天井と柱梁の木部の対比が美しい。北東側の二つの面には大きな障子が組み込まれ、室内に柔らかな光を取り入れている。この障子を開放すると、圧巻と言うべき景観が現れる。美しい稜線の赤城山と力強い流れの利根川が窓いっぱいに広がる。さらに木製サッシを開ければ川の流れる音と心地よい風を感じ、まさに自然の中にいることを体感する。
 川に沿って「く」の字に曲がった平面はシンプルにまとまり、無駄がなく機能的で研ぎ澄まされた構成と言って良い。川沿いの崖地での計画には構造的にも細心の注意を払うなど、設計と施工の心を込めた取り組みが感じられる。
 自然と一体となり、ゆったりと流れる時を過ごせそうなこの家は、建主が土地探しから20年近い歳月を掛け、並々ならぬ思いを実現させたもの。ぐんまの景観を存分に活かした素晴らしい作品である。

最優秀賞「山河の家」(PDFファイル:663KB)

優秀賞・優良賞

優秀賞(まちなか住宅賞)「リュウノイエ」(PDFファイル:376KB)

優秀賞(ファミリー住宅賞)「大きな輪の家」(PDFファイル:387KB)

優秀賞(アイデア住宅賞)「内外を回遊できる家」(PDFファイル:415KB)

優秀賞(コンセプト住宅賞)「箕郷町3つの家(ナナメ)」(PDFファイル:404KB)

優良賞「景色とつながる桐生の家」(PDFファイル:226KB)

優良賞「磯部・木組の家」(PDFファイル:220KB)

優良賞「風通りの家」(PDFファイル:223KB)

優良賞「やねなみのいえ」(PDFファイル:245KB)

優良賞「カコミノイエ」(PDFファイル:238KB)

優良賞「方形屋根の家」(PDFファイル:233KB)

応募作品紹介

応募作品集(PDFファイル:1.85MB)

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