「2019ぐんまの家」設計・建設コンクール受賞作品

更新日：2019年10月21日印刷ページ表示

　「ぐんまの家」設計・建設コンクールは、群馬県及び群馬県ゆとりある住生活推進協議会の主催、住宅金融支援機構の共催で昭和62年から毎年実施し、令和元年度で33回目となりました。
　今年度は、『近年の人口減少・少子高齢化といった、社会構造の変化に伴い生じている「住生活に関する課題」、また、平成31年4月1日に施行した「林業県ぐんま県産木材利用促進条例」で掲げる県産木材を積極的に利用することで県民の安全で安心な暮らしや快適で豊かな生活環境を創造する目的に対し、先進的な取組を行い、良質で住み良い住宅を群馬県内に建設された住宅を表彰し、広く県民に紹介することにより、
県民の住宅に関する関心を高め、居住水準の向上及び住環境の改善を図ることへ寄与すること』を目的として、戸建住宅の他に、併用住宅、共同住宅住戸リフォームを加えた募集を実施し、新築33点、リフォーム2点、計35点の応募をいただきました。

受賞作品一覧

**受賞作品**
賞	住宅名称	設計者	施工者
最優秀賞	のぼり天井のいえ	ATELIER N	株式会社オムニバス
特別賞（住宅金融支援機構賞）	土間と薪ストーブのある家	株式会社関工務所	株式会社関工務所
優秀賞	観音山の家	有限会社HIRO建築工房	阿部工務店
優秀賞（リフォーム）	母を迎える家…猫と一緒に	徳井正樹建築研究室	株式会社数寄屋建設
優秀賞	通り土間のある家	一級建築士事務所　野積基子設計室	野積建設株式会社
優秀賞	ほしの家	浅見建築設計室	狩野建築工房
優良賞	呼吸する家	濱田慎太建築事務所	有限会社安松託建
優良賞	HP-58大久保の家5	WOOD'S環境計画工房	有限会社結木巧舎
優良賞	岩押の家	株式会社小林建設一級建築設計事務所	株式会社小林建設

審査委員長総評

　今年もたくさんの魅力ある作品が応募されました。審査委員一同、質の高さ等で頭を抱え、難しい中選考させていただきました。今年は新築33件とリフォーム2件の応募がありました。
　その中で最優秀賞の「のぼり天井のいえ」は間取りもコンパクトに出来ていて、しかも床面積も100平方メートル以下と言うことでこれからのぐんまの家を象徴するような作品でした。天井が、くの字に折れ下がり東から西に一体になっていて各部屋の上部壁はガラスで仕切られていました。居間から裏山が欄間越しに見えて気持ちよさそうでした。
　特別賞に「土間と薪ストーブのある家」が選考されました。天井板が県産材の杉板が使用され、間取りも良くできていて、土間はペットの遊び場となり、風通しも良く出来ていました。優秀賞は今回は2点に絞らせていただきました。1点はリフォームの「母を迎える家…猫と一緒に」が選ばれました。リフォームと言うより新築の様に良く考えてありました。特に施主と猫のことを考え工夫してありました。もう1点は「観音山の家」が選ばれました。別荘風でロケーションが最高の土地でした。高崎市街を一望でき高崎の花火を見られることを希望した家だそうです。間取りも面白く工夫してありました。その他に優良賞5点を選考させていただきました。
　現地調査では施主の皆様にはお忙しいところ室内外を見させていただきありがとうございました。
　最後になりますが、今後とも群馬らしい間取り、使い勝手、耐久性等を考えた県民の家で、県民に開かれた、「ぐんまの家」となることを望みつつ、総評とさせていただきます。

受賞作品紹介

最優秀賞「のぼり天井の家」

2019最優秀賞（内観）写真
内観

2019最優秀賞（外観）写真
外観

審査委員講評

　長閑な田園風景が残る里山の振興住宅地に佇む勾配屋根と勾配天井が特徴的な住宅である。内外連続する天井～軒が外部からの視線を遮りつつ解放感のある部屋を構成し、また居室間もガラスの欄間による視野の繋がりと広がりを確保している。特筆すべきはこの高い意匠性を確保しつつも設計主旨にあったように『ローコストでも諦めない』をみごとに実現している高コストパフォーマンスの良さにある。施主の満足度の高さと相まって「ぐんまの家」最優秀賞としてここに選出された。

最優秀賞「のぼり天井の家」（PDFファイル：1.04MB）