ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織からさがす > 教育委員会 > 生涯学習課 > 令和5年度群馬県社会教育委員会議定例会 開催結果について

本文

令和5年度群馬県社会教育委員会議定例会 開催結果について

更新日:2023年10月26日 印刷ページ表示

1 日時

 令和5年7月24日(月曜日)14時00分~16時00分

2 場所

 群馬県庁29階  第1特別会議室

3 出席者

 社会教育委員 9名
 県教育委員会 7名

4 議事及び意見

(1)令和5年度の協議テーマ及び協議の方向性について

[事務局による説明]

  • 社会教育委員の職務と会議について
  • 生涯学習・社会教育を取り巻く世界や国、群馬県の状況とテーマ案について

【A委員】
 社会教育は幅広い分野のため協議テーマを決めるのは非常に難しい。どういったテーマで進めていくか常に課題になるが、事務局から「誰一人取り残さない社会の実現に向けたこれからの生涯学習支援」と提案があった。キーワードとして「社会的包摂」、「ウェルビーイング」が挙げられる。また、「不登校、貧困等の課題を抱える子どもたちの学びの支援」と「高齢者、障害者、外国人等のニーズに応じた生活に必要な学びの支援」の二点に焦点を絞って議論を進めていきたいとの提案であった。これについて皆様から御意見等をいただきたいと思う。特に御意見等がなければ、このテーマで二年間検討を進めていくことでよろしいか。

〈異議なし〉

【A委員】
 今回初めて委員になる方もいるので、まずはこの会議についての確認であるが、年三回の会議を予定しているとのことである。以前は年二回の開催であったが、ここ数年で回数を増やし年三回の設定になった。今後二年間で報告書を作成し、それが各市町村教育委員会や社会教育施設等に配布される。時間があるようで意外と回数が限られている。このような状況の中で、様々な情報を皆様と持ち寄りながら議論を進めていきたいと考えている。テーマが決まったので、テーマに関わる情報を皆様と共有したい。まずは、群馬県の取組事例について事務局から紹介してもらい、御意見を伺いたい。

[事務局による説明]

  • 青少年自立・再学習支援について
  • 不登校児童生徒等支援事業について

【A委員】
 群馬県でも不登校児童生徒数がかなりの数になっており、一方ではフリースクール等への補助事業が始まっているとのことであった。また、青少年の自立・再学習支援、あるいは高卒認定のための学習支援の取組についての紹介もあった。ここからは委員の皆様から御意見を伺いたい。今日は何かを決めるわけではなく、課題意識を委員の皆様で共有したい。学校の現状から話を伺いたい。

【B委員】
 不登校に対する社会の取組が変わってきたと感じている。登校拒否と言われていた頃は、それを無くすためにどうすればよいかという取組が主だったと思うが、今はさらに、不登校の状況にある児童生徒にどう支援していくかという視点が社会に広がってきていると感じている。学校現場では、義務教育を終えた子どもたちをどうしていったらよいのかということが話題になることが多い。紹介のあった自立・再学習支援などの取組が増えていくとありがたいと思った。

【C委員】
 G-Sky Planなどの取組はまさにテーマにある、誰一人取り残さない取組であり素晴らしいと思う。このようなテーマに関われて幸せに思う。不登校についてであるが、不登校の状態になっている子どもへの支援はとても大切なことであると思う。フリースクールなどいろいろと支援されていて、社会とつながっていくことも大切なことだと思う。発達障害が増えているとの話があるが、障害に対する周りの理解が進んでいない状況にあると二次障害の状態に陥り最終的には行き場がなくなってしまう。不登校支援も大切であるが、社会全体が障害者を含めた多様な人たちに対する受け止めが重要であり、それがやがては共生社会の実現につながっていく。今、インクルーシブ教育が大変重要視されてきていてテーマに関わることだと思う。本当に今回重要なテーマを提案してもらったと感動したところである。

【D委員】
 フリースクールを運営しているが、一人一人不登校になる要因や利用する目的が違っていて、不登校の原因はひとつのことに定まらないという認識がある。発達の特性に対して周りの理解がなく、トラウマなど二次的な障害が出て、家庭で対応できず学校にも行けなくなり第三の居場所を求めるという人が増えてきた実感がある。そのような中で、私たちが大切にしていることの一つは寄り添うことである。医療機関との連携も必要であり、子どもたちが安心して過ごせる環境整備がこれから求められると思っている。受益者負担を最低限にしつつ、環境を整備する資金も必要であり、どうしても財政的な課題がつきまとうので財政的な支援は非常にありがたい。一方で、持続するために必要な継続的な財政支援をぜひ拡大して欲しいとも思っている。フリースクールは様々な団体が様々な活動をしていて差があるが、全体を支える基盤強化が大切でありそのための安定的な財源が必要である。また、補助金の申請が少なかったのは決して必要がないわけではないと思う。時間がなかったりノウハウがなかったりと申請までたどりつかなかった可能性もある。そういったところへのフォローが必要であると感じた。

【A委員】
 義務教育卒業後の子どもが心配であるとの話があったが、フリースクールではそういったところに対するフォローなどもされているのか。

【D委員】
 規模は小さいが、毎年高卒認定試験にチャレンジする子どもがいて、義務教育の次のステップとして働きかけを行っている。また、英検など小中学生が受けられる資格試験に対して、伴走して受験費用を持つような取組も行っている。

【E委員】
 不登校になる原因は無気力や不安、親子関係など様々である。昼夜逆転し学校がある時間に何時間もゲームをしているケースもあり、そういった子どもたちには学力の低下が見られる。インターネットの利用時間が学力低下に影響を与えていることは調査からもわかる。友人関係では、ネットの中でいじめがあり学校に行けなくなったケースがある。また、他人になりすましていじめを行うケースもある。昔は携帯を持たせない方がよいと言っていたが、今は子どもたちにどう活用させるかに変わってきている。生活のリズムの乱れだけでなく、ネットの中でいろいろなことが起こっていて学校現場では頭を悩ませている。他にも、不登校児童生徒の中で、どこにもつながっていない子どもたちがいると聞き、手を差し伸べたいし、調査研究したいと思った。

【F委員】
 不登校については当然PTAでも対応に取り組んでいるが、全ての根幹は日本が教育にお金をかけていないことが問題であると思う。教員の数が不足していて多忙化が問題になり、教員志望者が減少して質の低下を招いている。そういった現状を変える必要がある。PTAでは今後、教育費の増大を働きかけていきたいと考えている。また、学校の教育が時代に合っていないのではないかと思う。子どもたちの人権が尊重されていないこともあり、教育や大人への不信が広がっているのではないだろうか。不登校の理由で一番多いのが「なんとなく」でありそれは表現のしようがないのだと思う。学校に行くことそのものに価値を見いだせない状況があるのではないだろうか。フリースクールの支援は良いことであると思うが、家庭への財政支援の方が有効だと思う。今までPTAは学校の教育に理解を示して保護者としての役割をどう果たしていくかを活動の中心に掲げてきたが、これからは子どもたちにお金をかけてもらえるよう働きかけていきたいと強く感じているところである。フリースクールを運営されている方は熱意をもって頑張っている。少子化で子どもが減っていく中で事業展開をするため、経営は非常に難しいと思う。普通の事業とは違い将来の不安がないように支援するべきであると思う。

【A委員】
 学校現場の多忙化問題など公的な教育機関の限界が段々と見え隠れする中で、官と民が協調していかないとこの問題を乗り越えられないことの一つの現れではないか。今日のこの会議の意見交換そのものがお互いの実情を把握する上で大切なことだと委員の皆様の意見を聞いて思った。社会教育委員会議としては、この実情に対して社会教育として、言い換えると地域として何かできないかを議論していきたいと思う。最近の言葉で言うと生きづらさがひとつのキーワードであるが、日本では中高年齢層の引きこもりもまた問題になっている。「8050問題」と言われていたが、それが「9060問題」に移ろうとしている。子どもだけの問題だけではなく大人の問題でもあり議論していかなくてはならないテーマであることを共有しておきたい。公民館活動や地域活動の状況について情報提供いただきたい。

【G委員】
 桐生市は高齢化率が群馬で一番であり六十五歳以上がもう少しで四割になる。八十歳に近い女性たちが公民館を活発に利用していて、コロナで中止になっていた発表の場を待っていた。発表の場がないとどうしても家から出られなくなってしまう。今年度、発表の場を設けることができ、みんな生き生きとしていた。公民館の必要性を実感したが、小中学校の統廃合が進んでいる中で公民館だけが生き残れるのか、維持できるのだろうかとの思いもある。正規職員の配置が少ないが、人と人が交わり視点や視野が広がる重要な機能が公民館にはあるのでなんとかしていきたいと思う。不登校については、地域の方が関わって改善された話を聞いて、いろいろな立場、役職の人にサポートしてもらうことが必要だと思った。桐生市に二つフリースクールがあると思っているがよろしいか。

【事務局】
 二つである。

【G委員】
 フリースクールを始めるにあたり、学校現場の教員からあまり理解を得られなかったという話を聞いた。フリースクールのことを教員に理解してもらうことも大切だと思う。県の取組は良い方向に行っていると思う。子どもを主役にして周りの大人が官民関係なく連携できるとよいのではと感じた。

【H委員】
 皆様の話を聞いていろいろな状況に応じた支援が充実していると感じた。不登校については、保護者同士がしっかりと話をして、学校とも連携することで解決に結びついたという話を聞いた。保護者がよく子どもを見ることが大切であるし、家庭や学校の役割もとても大切だと感じている。地域団体としては高齢化の問題がある中、コロナの影響により事業ができず、今まで以上に若い人が入ってこない大変な時期であると実感している。地域の行事の話で、母親と地域の人がつながることで子どもたちの参加に結び付いてうまくいっている話を聞いた。母親も大切であるが、地域が密接に関わりながら若者を盛り上げていくことが大切だと考えている。

【A委員】
 学校と家庭の役割が大切であり、先ほどは第三の居場所も大切であるという話があった。また、各地では子ども会や女性会など伝統的な地域団体の解散が顕著になっており、いわゆる受け皿としての地域の力が弱まっている実情がある。そのような中で公民館がどのような役割を発揮するかということに多くの自治体が注目している。従来よりも幅広い機能をもった施設として展開させようとする動きも出てきている。このような話も今回のテーマの論点にも関わっていくと思う。今後、どのように協議を進めるか検討内容について事務局から説明をお願いする。

[事務局による説明]
 ・今後の検討内容について

【A委員】
 事務局から、具体的な事例を検討していった方が、皆様で議論しやすいだろうということで、今後の検討内容について提案があった。皆様の御意見を伺いたい。

【G委員】
 不登校に関わる情報を地域の人に開示していくのか。

【事務局】
 守秘義務のある民生児童委員と連携して解決の方策を探っている市町村もある。

【A委員】
 市町村によって対応が違うとのことである。他にも御意見を伺いたい。

【I委員】
 私の地域では、昭和50年代において、集団登校が行われていた。上級生が下級生の面倒を見るなど、学年を超えてコミュニケーションが図られていることから不登校はなかったと思う。また、地域活動の一環として、地区内企業の駐車場をお借りして、子供会で朝のラジオ体操を行っている。昔は子供会の役員は夏休みの恒例として、毎朝ラジ体操を行っていたが、今では、子供会役員が担当するのは、夏休み期間中前後合わせて6日間、間の期間33日間を地域の各種団体の代表が担当し、夏休み期間中毎日行っており、10年以上も続いている。そこでは六年生がみんなの前に立って下級生にラジオ体操を指導している。

【A委員】
 地域としてまた社会教育としての取組をこれから皆様と検討していきたいと思う。検討内容について基本的な流れとして提案のあった事例を中心に議論を重ねていくことでよろしいか。

〈異議なし〉

【A委員】
 提案にあったような流れで進めていきたい。参考として資料にある前回の報告書を確認していただき、このような報告書を作成するというイメージを持っていただければと思う。次回の検討までに、皆様に事例等について事務局から問い合わせがあるかと思うが、ぜひ御協力いただき、本日のように活発な議論を進めていきたい。議事は以上になるので進行を事務局にお返しする。

社会教育委員に戻る