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水道技術管理者について
1. 水道技術管理者とは?
水道技術管理者とは、水道法第19条に基づき、水道事業者(上水道・簡易水道)、水道用水供給事業者が必ず置かなければならない責任者のことです。専用水道においても、法第34条により第19条が準用され、設置者には水道技術管理者の選任が義務付けられています。
水道技術管理者には、水質の維持管理や設備の維持補修、供給システムの最適化など、幅広い技術的な判断が求められます。選任にあたっては、一定の資格が求められ、その資格要件は水道法で規定されています。
2. 責務
水道技術管理者は、次に掲げる事項に関する事務に従事し及びこれらの事務に従事する他の職員を監督しなければなりません。
- 水道施設が水道法第5条の規定による施設基準に適合しているかどうかの検査
- 水道施設を新設、増設又は改造した場合における給水開始前の水質検査及び施設検査
- 給水装置の構造及び材質が水道法第16条の基準に適合しているかの検査
- 定期及び臨時の水質検査
- 水道の取水施設、浄水施設又は配水施設において業務に従事している者及びこれら施設の設置場所構内に居住している者について、おおむね6ヶ月ごとの、病原体がし尿に排泄される感染症の患者の有無に関する健康診断の実施
- 水道施設・設備の清潔保持、水の汚染防止、水道施設への関係者以外の人や動物の立ち入り防止策、水の塩素消毒等の衛生上の措置の実施
- 供給する水が人の健康を害するおそれがあることを知ったときの給水の緊急停止
- 都道府県知事又は保健所を設置する市の市長による給水停止命令による給水停止
3. 資格(※令和7年4月1日改正)
水道技術管理者の資格は、技術管理者として必要な基礎教育と水道に関する技術上の実務経験との総合判断により定められています。具体的には下記のとおりです。
(ただし、消毒設備以外の浄水施設を必要とせず、かつ、自然流下のみで給水できる簡易水道及び同様の給水方法で1日最大給水量が1000立方メートル以下の専用水道の水道技術管理者は資格の適用が免除されています。)
(1)基礎教育と水道の技術上の実務経験年数から判断される資格を有する者
最終学歴/課程 | 土木工学科・土木科又はこれらに相当する課程 | 土木工学以外の工学・理学・農学・医学・薬学又はこれらに相当する課程 | 左記以外 | |
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大学卒業 (短期大学を除く) |
3年以上(1年6か月以上) | 4年以上(2年以上) | 5年以上(2年6か月以上) | |
短期大学卒業 高等専門学校卒業 旧制専門学校卒業 専門職大学前期課程修了 |
5年以上(2年6か月以上) | 6年以上(3年以上) | 7年以上(3年6か月以上) | |
高等学校卒業 旧制中学校卒業 |
7年以上(3年6か月以上) | 8年以上(4年以上) | 9年以上(4年6か月以上) |
※簡易水道等又は1日当たりの最大給水量が1万立方メートル以下である専用水道の水道技術管理者の実務経験年数は、( )の年数です。
(2)10年以上水道に関する技術上の実務に従事した経験を有する者
※簡易水道等又は1日当たりの最大給水量が1万立方メートル以下である専用水道の水道技術管理者の実務経験年数は「5年以上」です。
(3)国土交通大臣及び環境大臣が認定する講習会を修了した者
※毎年、国土交通大臣及び環境大臣の指定機関((公社)日本水道協会)が「水道技術管理者資格取得講習会」を開催しています。
(4)技術士法第4条第1項の規定による第2次試験のうち上下水道部門に合格した者(選択科目として上水道及び工業用水道を選択したものに限る。)であって、1年(簡易水道等の場合は、6か月)以上水道に関する技術上の実務に従事した経験を有する者
(5)建設業法施行令第37条第1項及び第2項の規定による土木施工管理に係る1級の技術検定に合格した者であって、3年(簡易水道等の場合は、1年6か月)以上水道に関する技術上の実務に従事した経験を有する者