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令和5年度ぐんま農業新技術(水産分野)

更新日:2024年4月18日 印刷ページ表示

背景・ねらい

 水産試験場はアユの冷水病による被害軽減を図るため、冷水病に強い「江戸川系」を平成23年に作出しました。江戸川系は中間育成業者での飼育成績が良く、漁業協同組合からも放流用種苗として高評価を得られていました。しかし、作出から10年が経過し、継代を重ねることによる遺伝的多様性の減少や種苗性の低下が懸念されていました。そこで、生産性が良く、冷水病耐性に優れ、放流効果の高い新たな系統の作出に取組みました。

技術の内容・特徴

  1. 「江戸川系ver.2」は冷水病耐性の高い江戸川系(継代数10)のメスと遺伝的多様性の高い江戸川天然遡上魚のオスを交配した新たな系統です(図1)。

  2. 発眼率やふ化率、第一次選別(初めての大小選別)までの生残率は従来の江戸川系と比べて高く、その後の飼育成績も良く、生産性に優れています(図2)。

  3. 冷水病感染試験による半数致死菌量(LD50)は従来の江戸川系と同等であり(表1)、冷水病耐性が高く、冷水病被害の軽減が見込めます。

  4. 漁業協同組合を対象にした放流後の状況についてアンケート調査により、放流直後の行動、漁場への定着、釣れ具合の全てにおいて、半数以上が「大変よい」もしくは「よい」との回答を得られたことから(図3)、放流効果の高い種苗として普及を進めます。

江戸川系ver2の作出イメージ画像

図1 江戸川系ver.2の作出イメージ

江戸川系ver2の飼育成績画像

図2 江戸川系ver.2の飼育成績

表1 江戸川系ver.2の冷水病耐性

江戸川系ver2のLD50画像

江戸川系ver2の評判画像

図3 漁業協同組合へのアンケート調査