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酪農家族経営における農場HACCP認証取得支援
要約
家族経営の酪農における農場HACCPの取り組みを定期的に支援した結果、農場HACCPとして認証を取得出来ました。
1.ねらいと背景
農場HACCP認証を既に取得している親交のある酪農家の影響もあり、東吾妻町の酪農家から認証取得に取り組みたいと希望がありました。将来は6次産業化や法人化を視野に入れた酪農経営とするため、農場のマニュアル作成を進め、農場HACCP認証取得に向けた取り組みを支援しました。
2.取り組み成果
農場HACCP認証主任審査員の千葉県の獣医師を講師として招き、経営主と農場HACCP構築支援メンバー(群馬県畜産協会、JA、飼料会社、普及指導課、家畜保健衛生課)による構築会議を、毎月1回これまで30回開催してきました。
会議では、農場HACCP衛生管理システム構築のため、各作業工程ごとに危害要因を防ぐ注意点や作業手順、方法等を記した作業分析シートの作成支援を行いました。4月中に概ね農場HACCP衛生管理システムの文書化が完成し、5月6日に初回認証申請書を(公社)中央畜産会へ提出しました。その後、文書審査結果と懸念事項が示され、懸念事項は審査当日に回答できるよう事前に関係者で協議しました。7月7日に現地審査が行われ、審査員からは不適合事項等は無く、各種の記録があり高い生産技術レベルを保持していたとのことでした。審査機関の判定委員会を経て、8月3日付けで農場HACCP認証農場として認証されました。経営主からは、「これからシステムを運用し、安定した酪農経営に取り組みたい。」という決意が感じられました。
3.今後の方向
現在は構築した、農場HACCP衛生管理システムを運用した酪農経営に取り組んでいます。
今後はPDCAサイクルに基づきながら、継続的な改善を図り、家畜・畜産物の安全確保と生産性の向上が図られるよう、関係機関と連携しながら支援していきます。
農場HACCP認証取得後は、差分審査による畜産GAPの取得を目指します。
構築会議開催風景
農場確認による検討風景