本文
劇症型溶血性レンサ球菌感染症
トピックス「劇症型溶血性レンサ球菌感染症の報告が過去最多!」(2024年3月26日発行) (PDF:260KB)
全国的に感染者が増加しており、群馬県でも2024年第12週(3月下旬)時点で、感染症法に基づく調査が開始された1999年以降最も報告の多かった2022年の報告数(13件)を上回りました。
どんな病気?
劇症型溶血性レンサ球菌感染症はレンサ球菌による感染症です。
患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌を吸い込むことで感染がおこります。また、細菌が付着した手で口や鼻、あるいは傷口を触れることでも感染します。
通常、レンサ球菌に感染しても無症候あるいは咽頭炎や皮膚の感染症にとどまります。しかし、通常は菌が存在しない組織(血液や筋肉など)に菌が侵入し、急激に症状が進行し重症化することがあります。
初期症状は手足の痛みや腫れ、喉の痛み、発熱、血圧低下などですが、発症してから急激かつ劇的に病状が進行します。発病後数十時間以内に筋肉周辺組織の壊死、多臓器不全などを引き起こし、約30%が死に至るとも言われています。
子どもから大人まで広範囲の年齢層で発症し、30歳以上の大人に多いですが、高齢者や免疫の低い人は発症しやすいと考えられています。
※小児が多く罹患する「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」とは区別されます。
予防方法は?
石けんと流水による手洗い、マスクの着用といった日常的な感染対策を心がけましょう。
また、小さな傷口からでも感染の恐れがあります。傷口を汚い手で触らないように、傷を清潔に保つことも大切です。
治療には、早期診断及び早期治療が重要です。傷周りの赤みや腫れ、痛み、発熱など感染の兆候がみられる場合は速やかに医療機関を受診してください。
群馬県内報告の状況
報告年 | 2014年 | 2015年 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
群馬県 | 5人 | 7人 | 3人 | 6人 | 12人 | 7人 | 4人 | 6人 | 13人 | 11人 | 29人 |
全国 | 268人 | 415人 | 494人 | 587人 | 694人 | 894人 | 718人 | 622人 | 708人 | 941人 | 1532人 |
2023年全国は速報値です。
最新の報告数はこちらをご覧ください。
- 群馬県:医師が届出を行う感染症(全数報告:五類感染症)
- 全国:感染症発生動向調査(IDWR)(国立感染症研究所)<外部リンク>
関連情報<外部リンク>
- 劇症型溶血性レンサ球菌感染症の届出基準(厚生労働省)<外部リンク>
- 劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは(国立感染症研究所)<外部リンク>
- 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)(厚生労働省)<外部リンク>
医療従事者向け<外部リンク>
感染症対策支援サービス 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)(国立国際医療研究センター 国際感染症センター)<外部リンク>