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令和6年度第1回群馬県審議会の概要(通算26回目)
1 開催日時
令和6年7月24日(水曜日)9時30分~10時30分
2 実施方法
オンライン
3 出席者
委員10名、県教育文化事業団1名(オブザーバー)
4 議題及び主な意見
(1)新・群馬県文化振興指針(第3次群馬県文化振興指針)関連事業について
【各事業に関するKPI等の設定】
今年度が第三次群馬県文化振興指針の初めての評価年度のため、まず各事業担当課において、各事業のKPI及びそれに伴うアクションの設定を行い、部会では、各事業に関するKPIやアクションの設定が適切かについて、委員の方々から意見をいただいた。そしてそれらをもとに再度KPI設定を見直し、評価個票を修正したことを説明。
【令和5年度の実績及び評価について】
事務局で評価案を設定。最終的な総合評価については、8月中に部会にて審議することを説明。
※意見があればメールにて事務局あて送付を依頼。
(2)群馬パーセントフォーアート推進について
群馬パーセントフォーアートコンセプトペーパーの説明
【主な意見】
(委員)
アートという分類の中に建築デザインが入るか。
(文振課)
アートの定義について、そういった概念もとりいれていきたいと考えている。
(委員)
新しいものだけではなくて、群馬県に伝わってきた建築物の再評価や保全についても視点として入るのか検討して欲しい。
(文振課)
- 白井屋ホテルが昔の建築物をリニューアルして、今非常に文化人の方等国内外から宿泊客が来ている。
- また、群馬県内には、有名な建築家が作った建物が多いと聞いている。今県内にある優れた建築物等についても検証を進めながら観光資源になるものもあるかもしれないということで考えて取り組んでいきたい。
(3)その他
(委員)
群馬県の文化政策の仕組みがとても斬新なもので、立ち上げようとしているということが伝わってくる。今、全国でこれまでのやり方ではない文化政策の試みがいろいろなされているが、今の時代、これからの時代に向けて、文化の位置づけが本当に重要性を増していると思う中で、群馬県は本当に安心な取り組みをしていると思っており、そのような新しい試みを積極的にしていること自体が群馬県の魅力で、注目を集めるきっかけにもなっていくのではないかと感じている。引き続き、勉強しつつ応援できたらと思う。
(委員)
- 群馬県は人口あたりの文化的なものに接することのできる割合は高いのではないかと思う。
- 今後期待をすることは、広報啓発について、本当に色々な層の方がいるため、一概には難しいとは思うが、届くべき人に届く方法できちんとPRをしていただきたい。
(委員)
- 群馬パーセントフォーアートは非常に画期的な取り組みだと思っている。県民にどう届けていくかが非常に重要になってくるかと思う。
- 例えば、この映画をこの人たちに届けたいとき、どこまで広報ができるかが非常に鍵になってくる。しかし、届けたい人になかなか届けられないという部分が非常にある。
- 県民の幸福度の向上というところを考えて、例えば美術に興味がある、建築に興味があるという方が、事前に何か登録をしておいて、そのような活動があったり、事業があるときにお知らせが届くというような、そのようなシステムがあると非常に便利だなと考える。
(委員)
- パーセントフォーアートがどれだけの県民に周知されているかが非常に大事ではないかと思う。
- 日本のどの県でも今敬遠しているこの内容を推し進めていって、どこまでいけるのかとても興味深く感じている。
- また、コロナが5月から制限なしとなったことは大きいが、コロナがまた流行っている。2、3年前に戻りたくはないが、本当に今厳しい状態である。
- パーセントフォーアートは少数の人たちだけで考えていることではないかと思うので、周知してもらえればと思う。
(委員)
- 他の委員の方々がいろいろ周知の課題を指摘しているが、その通りだと思う。どのように周知していくかということは、重要な課題と思っており、すでにある群馬県の色々な文化やアートの資源・資産というものを必要としている人々にリーチさせていく仕組みを今後も積極的に考えていかなくてはならないと改めて思った。
- 私自身は個人的に、要所要所であるいは話題のきっかけをつかんでは新しい文化振興指針を宣伝している。簡単に見られるので見てくださいと、自分が広報役と思って宣伝している。非常に重要な振興指針だと私は思う。
- 今回の新しい指針の立ち上がりの現場に立ち会えたことはとても幸せなことだと思っている。
- また、パーセントフォーアートについても大いに期待している。特にその一環として設立の予定が示されているぐんま未来デザインという一般社団法人がどのようになっていくか大変興味を持っている。今後の流れの動きを注視したい。
(委員)
- 今回、新しい文化振興指針やパーセントフォーアート、KPIの設定など新しいことをつくっていく・変えていくことに関われたことは非常に光栄だと思っている。
- 今後の期待としては、一つは理念を作ったものをどのように実現していくかというところで、今回個票のKPIの作り直しをしたが、実際考えて作ってもなかなか浸透には時間がかかると思うので、引き続き丁寧にフォローアップをしながら進めていって欲しい。
- もう一つは委員の方々が指摘しているところで、県民の幸福度に資するようなことをしていくということを考えると、どれだけ多くの人たちに県として今やろうとしてることを知ってもらい、かつ参加してもらえるかというところがとても大事なところだと思う。ただ、県の文化事業に関わらず、周知や参加を促すことが、今の時代なかなか難しいと思う。しかし、ぜひいろいろな取り組みを試しながらも進めていって欲しい。
(委員)
- 今年中之条ビエンナーレをきっかけに移住してきたアーティストが「アートフェア中之条」を開催した。小遣いを貯めて小学生が作品を買いに来たものもある。また、400冊以上のポートフォリオが届いたが、その中には高校生や中之条ビエンナーレがきっかけで美大に行って応募してみたとのことで、18年、19年という歴史を感じる。
- しかし、中之条でも18年ぐらいかかったものなので、パーセントフォーアートもやはりこれから先少しずつ、群馬県内にプレイヤーができればいいと思う。
- 条例8条1項にあるようなコーディネーターの育成やアート支援団体の育成など最初はこのようなプレイヤーを育てるところに注力していく。
- アートホテルやレジデンス、芸術祭はアーティスト・民間でもできることだが、アーティストヴィレッジは県が力を入れないとできない部分で、村レベルでアーティストの拠点を作ることができれば、これはかなり不動なものになるのではないか。これが10年後、20年後実現できればいいなと思っている。
- 実際、中之条ビエンナーレで働いてきた地域おこし協力隊のスタッフも、今、福島県の葛尾でレジデンスを立ち上げて、ほぼ中之条ビエンナーレのスタッフがそちらに行って地域を作っているという状況で、ノウハウを持った人が群馬県からもどんどん育っていけばいいなと思う。
- 一つの願いを込めて、このパーセントフォーアートの条例が育っていけば良い。
(委員)
- 三つ大きな反省を今感じている。
- 一つは、文化基本条例を作るときに温泉というものをきちんと文化として位置続けられなかった。
- 二つ目は、文化財保護行政と文化振興行政がまだ一体化できていない。国もそうだが、やはり合わせていかないといけないのではないか。特に国の文化審議会は、どちらかというと文化財に対する諮問答申を一つの柱にしているので、文化審議会のある文化振興の行政と文化財保護行政とをどう一体化していくか。その中で文化審議会がどのような役割を果たすのかということをもう一度考えなくてはならないのではないか。
- 三つ目は、できるだけ地域の中で小さい団体や小さい市町村の事業を、県が補完することが自治体の補完制原理から一番正しいやり方だと思うが、それが十分にできてきたか。むしろ本来であれば、自分でやるべき比較的大きな都市や大きな団体を支えてしまっていたのではないか。これで良いのか、というこの三点の反省点を自分自身は持っていて、議論できればと思う。
(委員)
- 温室効果ガスの排出削減といった環境負荷の削減の問題については、ICOM等でも議論の対象になり、国内でも国立美術館では館ごとの目標設定も行われているが、まずこの「文化審議会」として議論の対象とすべきか否かから検討できればと思う。
- パーセントフォーアートの中で、公がやるべきこととして、アーティストヴィレッジの設置という項目があったが、本当に重要なことだと思う。一過性のものとしてではなく、拠点となるようなビレッジを作ることが望ましい。
- また、群馬パーセントフォーアートが新しいものだけではなく、建築や古い文化財の保護等にまで広く関われるようになるとよりよいのではないか。建築ツアーをやるという話も出たが、例えば、原美術館ARCは磯崎新氏が設計した建築物であるが、群馬県内には公開されている磯崎建築が三か所もある。このパーセントフォーアートのコンセプトに合致するなら、それらを回るツアーなども検討・提案できれば良いと思う。
(委員)
- 文化振興指針等の評価等について、評価は非常に適切であったと思う。
- ただ、その中で、各文化団体それぞれが大きな努力をしているという事実があり、音楽関係については、中心になる役員の方々の高齢化が現実としてある。そして、若い人たちに変わっていただこうというようなこともあり、定年を設けたこともあったが、実際にそれをしてしまうと、次に役員になる方がいないので撤廃した。若い人を育てながら、まだできる人たちの力は大変大きなものがあるので、どこも大事にしないといけないかと思う。
- 若い人たちをどう育てて、どのようなリーダーを作っていくかもとても大事なことで、それぞれの団体が努力しているが、連携を取るなどの横の繋がりがないので、全体として難しくなっている。
- 県の文化振興指針、あるいはこのパーセントフォーアート等の提言等、これはよく県民の方々に周知をしてどのように実現していくか、どのように自分たちのものにしていくかを考えることが大事かと思う。
5 会議資料
- 次第 (PDF:68KB)
- 資料1 新・群馬県文化振興指針 評価個票
- 資料2 群馬パーセントフォーアートコンセプトペーパー
- 参考資料 新・群馬県文化振興指針