本文
令和3年度第48回群馬県環境審議会議事録
開催日時
令和3年11月19日(金曜日)10時00分~11時25分
開催場所
県庁29階 第1特別会議室
出席者の状況
- 委員:21名出席 3名欠席(定足数12名)
- 事務局(県):環境森林部長、環境政策課長、気候変動対策課長、環境保全課長、廃棄物・リサイクル課長、自然環境課長
- 参考人等:なし
- 傍聴人:2名
審議の概要と審議結果
- 開会
- 挨拶 岩瀬環境森林部長、板橋会長
- 議事
- (1)審議事項
ア 部会の設置及び部会に属する委員等の指名について
循環型社会づくり推進部会の設置について、廃棄物・リサイクル課長から説明がなされ、会長が部会に属する委員、専門委員及び部会長を指名し、了承された。
イ 「第三次群馬県循環型社会づくり推進計画」の変更について(諮問)
第三次群馬県循環型社会づくり推進計画の変更について、廃棄物・リサイクル課長から説明がなされ、今後の調査審議は(新たに設置された)循環型社会づくり推進部会で行い、部会からの報告等を踏まえて知事あて答申することが了承された。 - (2)説明事項
ア 「令和3年版環境白書」について
令和3年版環境白書について、環境政策課長から説明がなされた。
イ 「ぐんま5つのゼロ宣言」の実現に向けた取組について
「ぐんま5つのゼロ宣言」の実現に向けた取組について、環境政策課長及び気候変動対策課長から説明がなされた。 - (3)その他
特になし
- (1)審議事項
- 閉会
第48回群馬県環境審議会 審議概要
審議事項
部会の設置及び部会に属する委員等の指名について
(廃棄物・リサイクル課から説明)
【委員】
(「資料1-1」 2 設置概要 (1)所掌事務 3)の「群馬県海岸漂着物等対策推進地域計画」について、あまり知らなかったが、海なし県である群馬県に限らず、色々な地域でも作られているのか。
【環境保全課長】
本県は内陸県であるが、河川等を通じてプラスチックが海岸に流れ出ることから、海岸漂着物対策に取り組む必要があり、今回、このような地域計画を策定したいと考えている。
【委員】
いわゆる利根川流域県と連携して取り組むのか。
【環境保全課長】
利根川が太平洋に流れ出る、茨城県、千葉県と連携して対応したいと考えている。
【会長】
当審議会については、新たに「循環型社会づくり推進部会」を加えて3部会を運営したい。
次に、審議会条例第8条に基づき、「部会に属する委員、専門委員及び部会長」は、会長が指名することになっている。
「循環型社会づくり推進部会」の所属委員を、お手元にお配りした名簿のとおり指名したい。また、部会長は、専門委員の西薗委員にお願いしたい。
【委員】
(異議なし)
【西薗委員】
了解した。
「第三次群馬県循環型社会づくり推進計画」の変更について(諮問)
(廃棄物・リサイクル課から説明)
【委員】
「資料2-2」の2頁にある計画の構成について、「第5章 海岸漂着物等対策推進地域計画【章立て・追加】」とある。計画という名称の章立てになっているため、計画の中に計画が入っていると捉えられてしまう。第5章(章立て)を計画という名称とする必要があるか確認したい。
【廃棄物・リサイクル課長】
この計画の中に個別法に基づく計画の内容を入れ込むことは、計画の位置付けに記載したとおり、可能だと認識している。ただ、章立てを計画という名称とするかどうかについては、記載方法を検討したい。
【委員】
内容としては矛盾しないと思うが、ここだけ計画として章立てしていることに違和感があるので、ぜひ検討してほしい。
【会長】
追加の御意見等がある場合は、お配りしているコメントペーパーに記載して、11月29日(月曜日)までに、事務局へ提出してほしい。
説明のとおり、委員からの意見を踏まえて計画変更を進め、今年度中には最終の形にまとめられるとのことである。
本審議会としては、今後の調査審議は新たに設置された循環型社会づくり推進部会で行い、来年2月頃に審議会を開催し、部会からの報告等を踏まえて審議の上で、知事に対して答申を行うこととしたい。
【委員】
(異議なし)
説明事項
「令和3年版環境白書」について
(環境政策課から説明)
【委員】
「資料3」1頁の(2)「第2部 ぐんまの環境」について、傾向欄の下向き矢印は、改善の度合いが弱くなっているという意味か。
【環境政策課長】
例えば、温暖化の指標については、温室効果ガス排出量の削減が進み、良い方向に向かっていることを表している。青色の矢印は、よい方向に進んでいるもの(指標)である。
【会長】
質問の趣旨は、傾向欄の青色矢印が上向きだったり、下向きだったりするのは、良くなっているのか悪くなっているのか、どちらなのかということだと思う。
【環境政策課長】
参考資料の1頁の左上には、県内温室効果ガス排出量の経年変化のグラフを掲載している。一時的に上がったり下がったりしているが、傾向としては望ましい方向に減っているという意味で、(「資料3」1頁には)下向きの矢印を掲載している。
【委員】
いずれにしても分かりにくいと思う。
【会長】
この表については、指標として書かれたものが上がっているか、下がっているかを傾向欄の矢印の向きが表しているということだと思う。
【委員】
ここでの説明としては分かった。ただ説明を聴かないと分からないので、表に出す資料なのであれば、検討が必要だと思う。
【環境政策課長】
この資料は、プレス発表の時に環境白書とあわせて公表している。傾向について、一般の方でも分かるよう作成したものである。今後は、誤解のないようにしていきたい。
【会長】
説明を聴けば分かるものだが、印刷物としてどこかに掲載するときは、注意していただきたい。
「ぐんま5つのゼロ宣言」の実現に向けた取組について
(環境政策課及び気候変動対策課から説明)
【委員】
すごく革新的な取組だと思う。「資料4-2」の2頁に革新的技術・取組による突破の例が記載されている。これは、群馬県独自で何かをつくるということか。それとも他のところの技術を積極的に導入するということ。その両方なのか。どういう方向性なのか、教えてほしい。
【気候変動対策課長】
資料では、例としてあげているところである。まだ具体の数字を積み上げたものは出ていない。その意味で方向性の意気込みはあるが、数字で表せていない状況である。
御質問の趣旨については、県単独でできる事業ではない部分が非常に多い。
このため、県単独の施策というよりも、国の施策を吟味して県としてもそちらへ誘導していく形で施策を展開していこうと考えている。方向性としては、県プラス国でいきたいと考えている。
【委員】
群馬県内では温室効果ガスの削減に関する技術をもつ企業があるので、県としてバックアップしていくことも考えられると思い、質問した。
【気候変動対策課長】
まさにそのとおりである。産業界(製造業、自動車産業)や群馬大学にも協力、アドバイスをいただくことを始めた。市町村とも連携して、金融機関にも声をかけて、トータルで脱炭素に向けて取り組みたい。
【委員】
プラスチックごみ「ゼロ」、食品ロス「ゼロ」を進める中で、処分時に出てくる二酸化炭素を始めとする温室効果ガスを減らす意味で掲載していると思うが、中身が分かっていないと、具体的にどうつながるのか分かりにくいと思う。
プラスチックごみ「ゼロ」、食品ロス「ゼロ」が、どうして温室効果ガスの削減につながるのか、具体的な数字を含めて教えてほしい。
【気候変動対策課長】
手元に具体的な数字を持っていないため、別途説明させていただきたい。プラスチックごみ「ゼロ」、食品ロス「ゼロ」ともに、脱炭素、カーボンニュートラルに不可欠な要素だと考えている。方向性として、プラスチックごみについては、発生自体を抑制し、発生したものもリサイクルに回して、最終的にエネルギー回収もしたいと考えている。食品ロスも、基本的には同じである。食品廃棄物のうち、まだ食べられるものがあるという意味で食品ロスがある。食品ロス自体をなくすため、家庭や事業者からの未利用食品をマッチングして、必要な者へ流す仕組みを構築していくことも考えている。企業から出る食品ロスも需給調整ができれば、ロス量が減少する業種もある。そういうもの(仕組み)の導入を進めたい。入口で減らして、発生したものはリサイクルなど、再利用できるよう進めたいと考えている。
【委員】
(資料に記載の)森林吸収量は、植林をして増やすしていくイメージなのか。
【気候変動対策課長】
森林吸収の部分については、樹齢がいくと二酸化炭素吸収が低減していく(頭打ちになる)。そうした樹木を伐採して、新しい樹木を植える形で二酸化炭素の吸収が減らないように努めていくことがひとつである。伐採した木材も、木質バイオマス発電を奨励しており、エネルギー源として使用することとしている。CO2の固定と新規のCO2の吸収拡大に努めたいと考えている。
【委員】
「ぐんま5つのゼロ宣言」の実現に向けた取組の実効性を上げるには、各市町村がどれだけ本気度を上げるかだと思う。取組を進めるにあたり、市町村にはどのくらい気候変動対策係があるのか。
【気候変動対策課長】
県内の市町村において、気候変動対策係・課があるところは、把握していない(おそらくないと思う)。全国的には、気候変動対策課は珍しいと思う。気候変動に関する業務は各環境セクションが担当しており、動きとしては、手探りで施策を進めているのが現状である。県としては、市町村と手を携えて取組を進めたいと考えている。今回の条例についても、市町村と意見交換を行っているところである。
【委員】
ぜひ思い切りやらないとだめだと思う。環境政策は、市町村でも上位政策でなければならないし、全体を見ながらやらなければいけないことを伝える必要がある。これに乗ると色んな補助金がとれるし、地域活性にもつながるなど、県には市町村の本気度を上げる取組をしていただきたい。
【環境政策課長】
市町村の本気度を上げることは大事である。市町村の環境課長会議を5箇所で開催して説明している他、首長に意識してもらうため、できる限り会って説明しているところである。市町村もしっかりとやっていきたいという考えを持っているので、意識を上げていきたい。
【委員】
「ぐんま5つのゼロ宣言」は、前回の審議会で初めて知ったが、インパクトがありよいと思う。
健康科学大では県民の生活と健康の科目の一部を担当しており、宣言の話をしたところ、学生の反応がよく、初めて知った学生もいた。良いものをつくっているので、市町村担当だけでなく、県として県民に周知して、機運を高める取組があってもよい。
県央ワクチンセンターでしばらくお手伝いをしていた時に、(ワクチン接種に関係する)ポスターが掲示されたり、アプリを周知するビデオが流れていた。そうした人が集まるところを利用してポスターを掲示して周知するなど、色々な人に知ってもらう取組が併せてあるとよいと思う。
ワクチン接種を要する感染症は、気候変動とも関係する。気温が高くなると南国の伝染病が入ってくるとも言われている。関係者と連携して周知を図ってほしい。
【環境政策課長】
「ぐんま5つのゼロ宣言」は市町村への説明を行っている他、CO2を大量に排出する企業にも説明してきたところである。
社会全体がゼロ宣言の実現に向かわないといけないため、県民にも親しみやすい形で周知していくとともに、意見を踏まえて対応していきたい。
【会長】
市町村長も入れたシンポジウムや、今、意識が非常に高い大学生を対象にしたシンポジウムや討論会を開くのもひとつの手である。
また、高校では、総合的な探求の時間が来年度から本格実施となる。SDGs関連のテーマをみんなで調べて、自分の探求活動にしようとしている。群馬県の高校の場合は、「ぐんま5つのゼロ宣言」などを、ひとつのテーマとして探求学習に取り上げてはどうかと提案することもよいと思う。
県民に広く周知して、みんながそれに向かって進む意識を醸成することが重要だと思う。
【気候変動対策課長】
広く普及して意識を持っていただくことが大事であり、PR不足を実感している。モチベーションの高い若い人をターゲットに普及させるるともに、脱炭素は将来を考える若者を中心に広がると考えている。PRについては、ポスターやウェブ等も検討しており、「ぐんま5つのゼロ宣言」のパートナー企業やメンバー、応援団を募集する企画を持っている。まだ現実化していないが、逐次、進めたい。将来PRが進むことを期待してほしい。