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コラム~専門家から学ぶ~「群馬県における花粉発生源対策について」
更新日:2025年3月13日
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群馬県環境森林部林政課 森林整備係 中村 博一 係長
※こちらの内容は、令和7年2月1日に開催された花粉症に関する県民公開講座「花粉症について知ろう!~最新の対策と治療~」の講演内容から抜粋したものです。
ポイント
- 群馬県は、県土の3分の2を森林が占める関東一の森林県。民有林の約4割は人工林で、全体の約6割がスギです。
- 県では、豊富な森林資源の循環利用を進める中で、収穫期を迎えたスギ人工林等を花粉の少ない苗木や他の樹種へ植替えを行うなど、花粉発生源対策に取り組んでいます。
内容
群馬県の森林の状況
群馬県は、県土の3分の2を森林が占める、関東一の森林県です。県内にある民有林の約4割は人が植えて育ててきた人工林で、樹種別ではスギが最も多く、全体の約6割を占めています。
花粉の少ない苗木の生産
- これらのスギ人工林が成長するにつれて、スギ花粉等によるアレルギー疾患が顕在化していきます。そのため、群馬県では、収穫期を迎えたスギ人工林等を花粉の少ない苗木へ植替えを行うなど花粉発生源対策に取り組んでいます。
- 花粉症の少ない苗木とは、花粉の少ないスギ・ヒノキ品種から採取された種子により生産された苗木のことで、一般的なスギやヒノキの苗木と比べ、花粉の生産量が少ない苗木です。
- 群馬県では、花粉の少ない苗木に切り替えるため、全国に先駆け、平成15年から花粉の少ないスギ品種で構成した採種園の造成を開始しています。平成17年に採種園から種子の生産が可能となり、平成18年春から交付している種子は、全量花粉の少ない種子となっています。
ヒノキについても、平成23年から花粉の少ないヒノキ品種で構成した採種園の造成を開始し、令和元年春から交付している種子は全量花粉の少ない種子となっています。これにより、スギは平成21年春から、ヒノキは令和4年春から本格的に花粉の少ない苗木の出荷が始まっています。
花粉発生源対策を進めるため、引き続き、スギ・ヒノキ林の植替えや花粉の少ない苗木の生産に支援していきます。
今春のスギ花粉飛散の見込み
- 春に飛散するスギ花粉は、前年秋のスギ雄花量を確認することで予測することができます。雄花の生育は、前年夏の気象条件に大きな影響を受け、夏の日照時間が長く気温が高い年は着花量が多くなります。また、雄花の着花量の少ない翌年は着花量が多くなります。
- 群馬県では、県内にスギ定点林を設定しスギ雄花の調査を行なっています。その結果、令和7年春の推定雄花数は、令和6年春より1.5倍と増えましたが、過去10年の平均値と同等であり、「平年並み」と見込まれます。