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令和6年度第2回群馬県文化振興指針及び文化振興基金部会の概要(通算12回目)
更新日:2024年8月30日
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1 開催日時
令和6年8月21日(水曜日)9時00分~11時20分
2 実施方法
オンライン
3 出席者
委員6名
4 議題及び主な意見
(1)新・群馬県文化振興指針(第3次群馬県文化振興指針)関連事業について
【1 群馬パーセントフォーアート推進】
(委員)
- 令和5年度のB評価はこの制度設計を評価するという理解である。特に異論がなければ、その評価をしてよいと考える。
(委員)
- 具体的に令和5年度の事業数10というのは何をしたのか。
(文振課)
- 令和5年度に実施したアート振興に関する施策事業ということで、市町村に照会をかけた。令和5年度に市町村で把握しているアート事業がどのくらいあるかということで照会した結果が10ということである。
【2 GUNMAマンガアニメフェスタ】
(委員)
- 事前の参考意見では、短期の主要KPIがD、アクションについては、Bが2つ、Cが1つで、総合評価がBというのは甘いのではないか、総合評価Cとして事業主体のあり方や改善策を少し議論してもらったほうが良いのではないかとのことである。
- 他にも海外からの参加についても積極的に受け入れると良いのではないかという提案もある。
(委員)
- 最近はネットから直接のほうが人もたくさん見てくれる。そのため、このフェスタについてメリットはあるのかと言われることが多い。結局、音楽も昔はプロデューサーに認められてデビューしていたが、今はインターネットで即日デビューも普通で、世界が変わってきている。
(委員)
- このKPIの仕組みの問題について考えると、今回のケースだけではないが、KPIの結果と評価が異なるものがいくつかある。
- 本来的には厳密に言うと、KPIの結果、例えば結果がAであれば評価はA、Dであれば評価はDだと思う。そのため、KPIの結果が達成できたら、究極的にはアクションが全くできていなくてもそれを良しとするのか、あるいはアクションが達成できたらKPIが達成できなくてもアクションができたから良しとするのかという考え方を決めた方がいいと思う。
- 漫画家デビューを最終的なKPIにしても良いが、ある程度KPIを短期、中期、長期で段階を追っても良いのではないか。まずは集客を短期で増やし、中期では応募を増やすなど、KPIを変えることで評価できる仕組みにすることもあるのではないか。
(委員)
- 長期の令和11年から令和13年のKPIが、通年十年間を通じての漫画家デビューがあったら、それを評価するということにしておいて、短期、中期は別なKPIでも良かったのではないか。漫画家デビューをするのは大変なことだと思う。それを最初からコアなKPIに設定するのは、ハードルを高く設定しすぎではないかという気がする。
(文振課)
- 継続している事業であり、逆に言うと、色々なことをしてきた上での今の状態である。応募件数も伸びておらず、アニメフェスタに来るお客さんの人数もあまりもう変わっていかない。その中での原点回帰ではないが、漫画家を増やしていくしかないと思った。むしろ厳しい評価で、改善策を議論すべきであるというのが良いのかもしれない。
(委員)
- 賞を取ってもその先がない。例えば、漫画・アニメはヨーロッパでもかなり人気があり、ポーランドのクラクフに漫画の美術館がある。そのようなところで展覧会ができるなども考えてはどうか。
(委員)
- 総合評価はC評価にした方が良いのではないか。短期におけるKPIがD評価であり、KPI達成のためのアクションとして作品応募者を増やすことがB。県外の作品応募者を増やすというのもC評価であり、マンガアニメフェスタの認知度もB評価である。そして、事業全体の頭打ち感が見えている中で、今後の方向性を大きく見直す必要があるのではないか。また、このフェスタにクリエイターとして参加する人たちにとって、より意義のある仕組みが構築されなければ意義が認めにくいのではないか。
(委員)
- 応募してくれたエントリー者が、別の出版社の賞に応募して出版ができたらKPIクリアということか。マンガアニメフェスタに応募しても出版にはならないということでよいか。
(文振課)
- 実際に賞をとるときの審査員の中に出版社の方も入れているため、そういったところの目にとまって、最終的にデビューができれば一人と考えている。今回の作品がそのまま優れていてデビューできれば別だが、どちらかというと、そこで大賞等をとった人が出版業界の誰かの目に留まり、デビューができれば良いというイメージである。
(委員)
- 十代のアマチュアバンドコンテストがあるが、十年前に比べると、応募は半分ぐらいになっており、1万件以上の応募があった時に比べると、今は三、四千件ぐらいになっている。何がモチベーションかというと、最終のステージを3000人のお客さんの前で、プロの照明音響でライブができるというメリットがある。
- 同様に、このフェスタに何のメリットがあるのか気になってしまう。優勝した人は漫画家が続くかどうかが難しい。とりあえず一冊は形にしてあげることが大切ではないか。自費ではなく商業出版で、一冊出るという名刺になるから良いのではないかと思う。
(委員)
- クリエイターにとってインセンティブがあるような仕組みになっていなければならない。
- 総合評価はC評価とする。これは今すぐ対応することは難しいかもしれないが、今後の評価形式の見直しの中で、随時、この十年間で進めていくことで対応すると良いと思う。
- KPIとKPI実現のためのアクションとしてのいくつかの項目が連動していないという形のものがある。理想として考えられるべきは、KPIというコアが設定されていたら、そのコアが実現するためになすべきことがアクションである。だから、そのアクションが積み重なっていけば、KPIが実現されるということになっていなければならない。しかし、今回のものを見ると、まだその連動が理念としてきちんと結びついていない。KPIはKPIで、それに関連しそうだが、実はよく考えたらあまり関連していないアクションが並んでいるということである。より良い形での評価の連動を考えて、今後随時アクション等の設定も見直していければと思う。
【3 伝統文化継承】
(委員)
- 事前の参考意見では、数値で捉えれば評価の通りだが、特に伝統芸能を有する中山間地域における厳しい少子高齢化状況を考えると、いささか厳しい評価であり、このままでは数値は上がりにくいだろう。県として事業参加者数を増やす具体的な努力およびKPI母数の検討が必要であるという指摘がある。
- 522というKPIを長期的に維持していくことが理想であり目標である。しかし、これを十年間維持することは相当厳しいことも予想される。十年間という長期のプランであるため、中期長期のKPIも進行とともに見直す契機が出てくると思う。
(委員)
- 522団体の継承ができているということだが、なかなかその実態が数だけではよくわからず、非常に厳しい状況でなんとか繋いでいるというところが多いのかなとも思うが、状況がわからないので、継承維持することができたというこの評価が文字通り受け取っていいものかどうか判断がつきにくい。どのような状況にあるのかがもう少し見えると良いと思う。
(委員)
- 事前の参考意見にも重なるが、水面下にあるものが重要ではないかということである。令和5年度の評価についてはBで良いと思っている。しかし、この事業については先ほどからの話を踏まえると重要なのは今年である。つまり、令和5年度から令和6年度の中でどれくらい520人の中に変化があるのかを確認することが大事である。そこに減少する事態が発生する可能性があるが、その差異が発生するときにその原因を説明し、そこからよりこの事業について何をしていくのかを県として考えていくプロセスになるのではないか。
(委員)
- コロナ禍で、伝統文化やお祭りなどいろいろなものが一回中断してしまったが、それを今、再興させるためにエネルギーを使っていると思う。こういった時だからこそ、支援のしどころなのではないか。また、活動しているかと聞かれて「はい」と答えたら維持ということになるのだとしたら、それはやはり違うのではないか。そこの見極めと評価は非常に難しく、522という数が減ったからといってダメだというわけではないだろう。
(委員)
- 評価としてはBとなると思う。委員のコメント等々踏まえると、この数字だけでは確認しにくい水面下の危機的な状況について、県としてはなるべくスピーディーに、予防策を張る形で、伝統文化が衰退していくことに対する歯止めをかける取り組みをしていくことが必要である。
(委員)
- 自分の地区では、三つの山車があり、コロナ前は全部出していたが、一つだけにしたり、太鼓の打ち方が3種類あったものを1種類にして集中してすることにしている。ただ、本当に人が集まらず、今までできたことができなくなってきている。獅子舞などは映像としてアーカイブし、少子化に歯止めがかかれば、それを見ながらまた復活させることができればと思う。中山間地は少子化が激しいが、お祭りの日になると若者がみんな帰ってきて、神輿を担ぐところもある。子供の頃から笛や太鼓の練習をしていると、それが蘇ってまたやりたいと思う。次世代の継承として、小中学校の伝統芸能教室は非常に良い取り組みである。
【4 県民芸術祭】
(委員)
- 若年層の参加が目標値よりは上回っていたというところは少し良かったと感じるところがあるが、何か理由があるのか。それとも目標値が低かったのか。
(文振課)
- 数値が初めてのため、今を起点だと思っていただくのが一番正確かなと思う。
(委員)
- 最初のスタートいうところがあるので、これが最初の基準点だと考える必要があるかもしれない。来年度以降も、随時、その基準点自体を見直していく必要もあるのかもと改めて感じた。
(委員)
- 県民芸術祭の参加協賛事業一覧を見ていくと、例えば、先ほど出たGUNMAマンガアニメフェスタや各美術館・博物館の展覧会、コンサートも入っている。参加人数が結局、個別の美術館・博物館、アニメフェスタと重なってしまっており、評価も参加人数も重複していると思うがこのままで良いのだろうか。
(文振課)
- 県民芸術祭自体が、もともと長い歴史があり続いている。ここですべて整理されているので、重複というよりは、県民芸術祭そのものとして捉えて、県民が参加しながら文化に親しむ場を提供していくということで、総合的に評価していただくのが良いと考えている。この県民芸術祭についても、根本的に見直した方が良いのではないかと教育文化事業団とも相談しているので、中身などこれから変わる可能性はあるかと思う。
- 実は県民芸術祭は、県展の5部門が中心で、そこでは若い人たちのための特別な賞を設けるなど、若い世代を取り込もうという努力をしているので、KPIやアクションとして設定をした。
(委員)
- B 評価だが、あくまでこれはスタート地点の基準点という理解は強調しておかなくてはならない。県民芸術祭がより鑑賞機会として外部の人たちに開かれた形になっていくように、事業のあり方を見直していく必要がある。
【5 「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録推進】
(委員)
- 事前の参考意見で、登録への政治過程の一つにすぎず、後半の動きを考えると早期申請延期が事実で申請準備までは行き着かなかったとして、総合評価Bが適当ではないかという指摘は無視できないと感じた。また、湯けむりフォーラムだけでの参加者KPIも過大に設定されているのではないかともある。
- また、インバウンド対策としても重要なものであり、理解者が増えてきているところを評価したいとの意見もある。
(委員)
- アクションでもB、B、Cと考えると、Aである根拠がよくわからないと思うので、納得いく評価でこれを見たところ、B評価かと思った。
(委員)
- KPI自体設定はされていないとはいえ、アクションがB、B、Cということを考えたときに、いろいろ政府の方針に含まれたとは言っても、ここで Aと設定されるのは微妙である感じもある。
- アクションの成果を踏まえて、B評価が妥当ではないかと考える。
【6 世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」保存・活用】
(委員)
- 事前の参考意見では、周遊プランの充実等取り組みをより見直していく必要があるのではないかという指摘があり、世界遺産の状況を考えると、常に楽観的にはなれないというところかと思う。
(委員)
- アクションはDとA、Aということもあって、総合的にはBという状況になっている。これも数字に表れていないところで、世界遺産をめぐってどのような状況が起きているのかをつぶさに見ていく必要があるのだろう。
- 世界遺産をめぐっては今後も厳しい状況が予想されるので、早めの対策を県としても打っていただきたい。
【7 「世界の記憶」上野三碑周知】
(委員)
- 事前の参考意見ではボランティアのデータも取れるのではないかという指摘があったが、現状では対応が難しそうだという話だった。また、ボランティアガイドの配置などの魅力や歴史を伝える工夫がもう一歩必要だという意見をいただいている。
- 確かに上野三碑は非常に重要な遺産であると同時に、その遺産の意義が伝わりにくいタイプのものだと思う。これを広く県民に浸透させるためには、もう少し努力が必要だと思う。
- 総合評価Bということで、アクションでDになっている評価も、講演会の実施回数ということなので、評価的には問題はないと思う。
- 意義が伝わりにくい文化財や遺産であるだけに、県としても可能な限り周知のための工夫を望みたい。
【8 埴輪王国ぐんま発信】
(委員)
- アクションの設定については、今後も随時見直していくのはどうか。
- 事前の参考意見として埴輪グランプリなど意欲的なことを群馬県としてしているが、まだ周知として十分ではないのではないか。より一層のPR活動が必要ではないかという指摘がある。
(委員)
- 担当コメントのところで、東京発着の親子向けバスツアーを開催したと記載があり、このKPIのためのアクションと親子向けバスツアーは違うものか。
(文振課)
- ツアー造成は、あくまでも民間が自分で主体的に造成した場合の数ということで考えており、コメントはあくまでも県の事業(文化庁の事業)で行ったものなので、コメント欄に記載した。
(委員)
- 県内のいくつもある歴史博物館の入館者総数をKPIにするということで良いのか。群馬の埴輪王国の発信のKPIとして関連がないわけではないが、ダイレクトな結びつきでもない。その意味でも、もし本当にもっと良いKPIを思いつくことができれば、このKPIも見直しても良いのではないかという気もしている。また、アクションの中での項目も、もっとほかに良いものがあるのかもしれない。
(委員)
- 純粋に、例えば日本一の埴輪県群馬を発信してイメージアップを図ると考えると、本来そのKPIは、ブランドイメージを図っていくのが通常のKPIになると思う。埴輪で群馬というイメージができて、行こうと思った時に、必ずしも歴史博物館の人数が増えるということなのかというと難しいところだと思う。ここの人数をKPIにすることは考えた方が良いかもしれない。
(委員)
- 例えば古墳などは出入りがフリーなので、いつ何人来たかをカウントしているところは多くはないだろう。ただ、本当に埴輪は群馬が世界に誇るキラーコンテンツだと思うので、もっとPRをしていきたいところである。
(文振課)
- KPIとしてブランドのイメージを持てればいいが、アンケートする手段がなかなかなく、設定しにくかった。これから進めていくにあたって、どういった形で取れるかを考える必要がある。
- 実は世界遺産は、来た方に対してアンケートをとっている。そのため、他の三施設に対する評価も把握するようにしており、非常に数字的に使えるものである。これから工夫しながら、来年度以降検討したいと思う。
(委員)
- 来た人に聞くというやり方もあるが、ブランド調査は来ていない人も踏まえて聞かないと、どれだけ群馬県が埴輪と分かっているかということが図れないので、それをこの事業のために行うのは難しいと思った。この調査が必要なのは 実は埴輪だけではなく、例えば先ほど議論があったマンガアニメフェスタ、温泉文化や上毛かるたも、日本の中でどれだけ認知があるかということは計っても良い気がするので、もしかすると県全体として、群馬県の文化の理解などのブランド調査のようなものがあっても良いのではないか。
(委員)
- そういう調査の仕組みも作っていかないといけなくなる気がする。この事業についてはスタートポイントとしてB評価とし、指標の設定については随時見直しを進めていただきたい。
【9 上毛かるた活用】
(委員)
- すべての群馬県民が上毛かるたの札をそらんじて言えるということについてのアンケートを群馬県で行う調査の中に盛り込むということか。
(文振課)
- 18歳以上が対象で、毎年県民アンケートをとっており、本年度その項目を入れられるか相談している。
- 統計的にはある程度把握できるような形で、今後その数値を持っていきたいと思っている。
(委員)
- 上毛かるたの学習機会はデータ的に把握できるのか、可能性について伺いたい。
(文振課)
- 東国文化副読本は、使っているかについて学校に一斉アンケートをしている。
- 上毛かるたも副読本を作っているので、学校で使っているかを把握することはできるかもしれないが、学校現場の負担にもなってしまうので、相談しながら検討させていただきたい。
(委員)
- 総合評価はBで良いのかと思う。今後行われであろう上毛かるたの認知度に関する調査はできたら面白いと思うので、調査業務がきちんと行われることに期待したい。
【10 近代美術館】
(委員)
- 近代美術館は充実した活動展開で多くのファンを獲得している。しかし、ホームページについて見直すべきとの事前の参考意見がある。
(委員)
- ホームページのトップページは非常に大事だと思う。そこに「新着情報」と書きながら、去年のものが半分入っているのは、あまり積極的にアップしていないという印象をどうしても与えてしまうと思う。方針のところで見直す余地があるのではないか。
(委員)
- ホームページを含め、ネット上での配信、情報提供についてより一層の努力が必要ではないか。
(委員)
- SNSに関して、SNSの反応を図ること自体はもちろん可能である。ただ、それには専門のツールを導入して測らなければならない形になっており、可能ではあるが大変である。まず段階が必要で、投稿していなかったところは投稿を始めること、投稿を始めたら次にどれだけ多くの人たちに見てもらえるかというところが重要である。どのような展覧会をしているかという美術館の活動の認知に広がっていくことになると思う。
- 各館の成長段階によってKPIを変えていけばいいと思う。まずは投稿することから始めるのも良いと思うが、その先としてはインプレッションやリーチ、さらにどれだけの人がどう思ったかを見ていくという設定も可能だと思う。
(委員)
- SNS活用の指標設定について、随時より意義のある方向性に向けての検討を進めてはどうか。
- 事前の参考意見で、KPI達成のためのアクションの二番目、来館者満足度がアクション目標値として設定されていることについて、本当に有効かという話だが、来館者満足度は基本的に高いのが当たり前で、9割を超えることが多い。その時に、これを使いたくなる気持ちはわかるが、来館者満足度の館内アンケート調査で実は意味があるのは自由回答欄だと思う。
- 来館者満足度について、他により良い指標がないのかどうかを検討する余地があるのではないか。
- また、他の博物館施設も含め、デジタルアーカイブの活用という点も指標として検討できないか専門部会で議論してほしいという意見もある。
(委員)
- 来館者満足度について、来館者に限らず、ブランド調査をしていく中で、満足度ではなく、ここ5年くらいネットプロモータースコア(NPS)が図られている。それは、商品を購入して使って満足したかという満足度ではなく、それを人に伝えたいか、人に勧めたいかを図るスコアだ。それを高くするということは、企業がその商品に関して行っていることで、満足度の一歩先を行くのであれば、ネットプロモータースコアを取るという方法がある。
- 実際にツイートしなくても、例えばその人に伝えたいか、口コミで友達や家族に伝えたいか、紹介したいかのようなところで構わない。ソーシャルの時代という感じだが、測り方としては単に満足して終わりというのではなく、人に伝えたいということがより伝わっていく。満足度を将来的にネットプロモータースコアに変えていくということもあるのではないか。
(委員)
- 指標についての引き続きの見直しはして欲しい。総合評価としてはB評価としたい。
(文振課)
- 改めて相談しながら、来年度に向けて考えたい。
【11 館林美術館】
(委員)
- 総合評価Aは入館者数や地域との連携した取り組み件数が理解できる。特に近代美術館よりも1万人も入館者が多いことは驚く。審議会レベルで地域との連携した取り組みを具体的に示していただけると議事録にも残り、県のサイトから公開されるので、他館の模範になるのではないかという意見がある。
- また、県立美術館で統一したKPIを設定すると、取り組みの状況確認ができ、それぞれの個性が際立つのではないか。年間イベント回数41回というのは大変な充実ぶりで、その地道な活動が多くのファンの獲得につながっているのではないかという好意的な意見もある。
- Bが比較的多いとはいえ、質的な見方として、館林の令和5年度における取り組みが際立って成果を上げたというところを事務局としては高く評価したくてAという提案をしているのだと思う。実際、館林は群馬県の中ではかなり外れたところにあり、立地条件がいいとは言えないところにある。その中で、それだけの成果を上げたというのは評価しても良いのではないかと感じた。
(委員)
- 地域との連携した取り組みを具体的に教えて欲しい。目標値が5で、令和5年度の実績が6ということであるが、具体的には何を実施したのか。
(館美)
- 令和5年度の実績で6つの地域連携の取り組みについて項目を紹介する。まず1つ目が館林邑楽地区の小学生による木版画展の開催である。これは館林邑楽地区小学校の五年生の作品を当館の講堂で展示している取り組みである。2つ目が地元の西邑楽高校と連携した夏休み宿題相談室という夏休みのイベントである。3つ目が県立女子大と連携したワークショップで、これも夏休みのイベントとしている。4つ目は東武鉄道と連携し、ポスター掲示による当館のPRを行った。5つ目が館林ミュージアムネットワークという館林地域の美術館や科学館と連携した連絡会の設立である。館林ミュージアムネットワークは頭文字を取ってTMN連絡会と名付けている。いくつかの地域のミュージアムや科学館と連携して情報交換や意見交換を行っている。6つ目が館別館を活用した演劇公演である。ここ三年間行っており、地元出身者の演者で構成されている地元の劇団と連携して演劇の公演を行っている。
(委員)
- 令和5年度の取り組みの実績を評価するということで、事務局原案通りA評価としたい。
- 例えば、施設間で統一した指標設定を考えても良いのではないかという意見も興味深いと思った。そこまで進むかどうかは別としても、各館で他の施設の指標設定を参考にして、いろいろ効果を検討するのも良いかと思う。
【12 歴史博物館】
(委員)
- 来館者満足度という指標については、今後の指標設定の見直しの中で再度検討して欲しい。
- 事前の参考意見の中で、他の博物館施設もだが、デジタルアーカイブをKPIに設定できないかとある。デジタルアーカイブは確かに今後の博物館行政の中では重要になってくるとは思うが、他の指標よりも優先させて指標設定することの重要性は、難しいところである。
(委員)
- デジタルアーカイブの考え方としてアーカイブとしてデジタルにしておくという考え方と、デジタル化をして積極的に公開することによって、認知や集客につなげていく考え方の二つがあると思う。そういう意味では、例えばソーシャルメディアに投稿することと、デジタルアーカイブを公開することは、もし集客や認知を目的とするなら、同じような考え方になる。ただ、ソーシャルメディアの投稿、SNSの投稿の方が短期的には集客しやすい。デジタルアーカイブは何を持っているかを知ってもらって、かつそこを利用してもらうことによって、こんな作品や収蔵品がこの館にあるということを知ってもらう。しておいたほうが良いが、どちらが集客につながるかというと、ソーシャルメディアなのではと思ったりするので、何をしたいかにもよるかと思う。
(委員)
- おそらく作成にとどまっていてはダメで、その利用というところも考えたところでアーカイブというのは意味を持つのかと感じている。
- 評価自体はB評価としたい。
【13 自然史博物館】
(委員)
- KPIそのもののコアとなる指標がAだった。実際、それを十分に反映した実績がその裏にある。実績が非常に優れていた成果を上げることができたという点では、事務局からの原案通りA評価で良いかと思う。ただ、満足度評価に関しては引き続き検討して欲しい。
【14 土屋文明記念文学館】
(委員)
- 事前の参考意見では、KPIやその達成のためのアクションが、短期・中期・長期で変わらないところが気になるとあるがどうか。
(文学館)
- 令和8年度に30周年を迎えるので、30周年(令和8年度)に向けて入館者数を今の状態から千人増やすといったKPIを目標にしている。その後は、残念ながらそれ以上の大きな新しい要素がないため、長期についてはそれを維持というKPIとしている。
(委員)
- アクションについては数値が変わっていないが、そこは今後の見直しの余地はあるか。
(文学館)
- 今後の展開で見直しというのは考えていきたい。
(委員)
- イベント・講演会を166回しており、規模からするとかなり大きな数だと思うが、具体的にはどのようなプログラムを開催しているのか。
(文学館)
- 数字として大きいのは自主学習会で、ここを利用している方が講師の先生を招いて、例えば俳句、短歌などの学習会を7講座ほど持っており、それが約月1回ほど実施されている。その講座数が半数近くを占めるようなものになっている。その他には、館の主催の講演会や企画展に関連したイベント等そういうものを含めてこの回数となっている。
(委員)
- 博物館施設の中でも、比較的集客の難しい施設だと思う。立地の点でも、非常に有利な場所にあるとも言い難い施設で、その中ではいろいろ工夫をしているという印象を持っている。
- いろいろな条件を乗り越えるための努力をしているところを評価してB評価としたい。
【15 世界遺産センター】
(委員)
- 総合評価はKPIの実績も踏まえB評価としたい。
【16 障害者芸術文化活動支援センター(こ・ふぁん)運営】
(委員)
- 事前の参考意見では、令和5年度に初めて明確に位置づけられた段階なので、令和5年度はKPIを無理に設定する必要はない。他の項目とずれても、中期あるいは長期のいずれかを二年間として帳尻合わせをすれば良いのではないかという意見がある。
- また、指針の中で、「ボーダレスな地域創造」に明記されているが、障害政策課案件であるこ・ふぁんの運営も文化振興指針事業として評価対象になっているのが新鮮であるが、具体的な評価をするための材料と、こちらの知識が十分でないように感じているとの意見もある。
- 部署が異なるため、今後の審議会等で取組について丁寧に説明できる機会があると良いと思う。障害者芸術に関しては、国のレベルでも文化庁と厚生労働省の連携のような形でいろいろ取り組みが進んできており、群馬県でも引き続き、もう少し実績が上がるように前向きに取り組んでいただければと思う。こちらは提案通りのC評価ということで進めたい。
【17 群馬交響楽団支援】
(委員)
- 事前の参考意見を確認すると、実際の来場者の状況で年齢層の高さが気になるという意見がある。また、財団として独立しているのでコストパフォーマンスの指標も重要ではないかという意見もある。もう一つ、目標値が高すぎるのではないかという意見もあるが、このコストパフォーマンスの議論については、審議会で少し議論していただくと良いのかと思う。県としても後押しをしている事業のため、基本的には少しハードル高めとはいえ、この設定で総合評価Bということでよいのではないか。
(委員)
- フォロワーを増やすということは、新しい人を獲得するというよりは、固定ファンを増やすというような考え方である。もしかすると改善の余地があるのではないかと思う。
(委員)
- 固定ファンの確実な確保だけではなく、新規層の開拓に目を向けても良いのではないか。
- 総合評価自体はBということにしたい。
【18 デジタルミュージアム推進】
(委員)
- 事前の参考意見では、「博物館再登録」においてもDX化は課題となっている。ただ所蔵品をデジタルデータ化するだけでなく、それを魅力的なコンテンツで紹介し、広く普及させていくことも求められている。各館ごとの特徴を生かしたアップデート可能な取り組みに期待するという意見もある。
- 単にアーカイブ化として保存を進めるだけでなく、事業としてそれをどう活用するかというところまでを含めた事業である。そのため、コンテンツをどう魅力的に提示するかという実績の中で、総合評価としてはCという提案が出ている。
- これを独立した評価項目として作るべきか否かという参考意見については、国からの交付金事業として一つの枠として設定されているので、これを評価することは特に問題ではなく、むしろしてよいことだと思っている。
(委員)
- 高崎市のギャラリーで群馬鉄山の戦争についてデジタルアーカイブのインタビューをしている。被爆者がどんどん少なくなっていており、残していく必要があると感じている。模擬原爆の資料などデジタルミュージアムは明るい部分だけでなく、色々なものを残していくことが重要である。県が動きづらい部分もあるかもしれないが、そういったものもアーカイブしていくこともして欲しい。
(委員)
- 事業としては非常に短期である。令和7年度までの事業であるが、交付金事業としてしていることなので、有意義に使えるように、いろいろ検討して欲しい。 評価自体はKPIが結果として出ているので、原案通りC評価ということで今後に期待したい。
【その他】
(委員)
- 短期・中期・長期という設定について、令和5年度から13年度までをトータルで考えたのが長期ではないかと思う。前期・中期・後期に分けて、この三年間では何を目標とするというように見えてしまい、どちらが良いのか分かりづらい。この短期・中期・長期という区分けと令和何年から何年という言い回しが合致してないような気がするがいかがだろうか。
(委員)
- 私も少し気になるので事務局で見直して、検討して欲しい。
5 会議資料
- 次第 (PDF:39KB)
- 資料1 新・群馬県文化振興指針個票
- 参考資料 参考意見