本文
令和6年度第3回子ども・子育て会議開催結果について
日時
令和7年3月26日(水曜日)10時00分~11時30分
場所
群馬県庁28階 281-B会議室
出席
委員13人(2人欠席。オンライン参加4人)、事務局(生活こども部長ほか)13人、傍聴者1人
会議内容
1 開会
開会
2 生活こども部長挨拶
群馬県生活こども部長 上原 美奈子
3 議事
(1)幼保連携型認定こども園の認可について
事務局から説明を行った。
(2)ぐんまこどもビジョン2025について
事務局から説明を行った。
発言要旨
(会長)
資料に記載されている「現状」の数値はいつ時点のものか。
(事務局)
計画策定時における直近の取りまとめ数値である。
(委員)
「ぐんまこどもビジョン2025(やさしい版)」は、どのように配られるのか。こどもたちはどうやったら手に入れることができるか。
(事務局)
ぐんまこどもビジョン2025は、紙媒体ではなく県ホームページに掲載して公表する予定である。「やさしい版」については教育委員会に協力いただき、学校を通じてこどもたちに届けたいと考えている。
(3)こどもまんなか推進プログラムについて
事務局から説明を行った。
発言要旨
(委員)
「こどもが安心して過ごせる居場所づくり」について記載があるが、対象となるのは高校生までのこどもという認識でよいか。
(事務局)
それぞれの事業により、対象となるこどもの年齢は変わってくるが、県営住宅を改修して学習支援の場を提供する事業においては、中学生ぐらいまでを念頭に、地元自治体と調整を行いながら進めたいと考えている。
(4)第3期群馬県子ども・子育て支援事業支援計画の策定について
事務局から説明を行った。
今後の計画推進に係る意見・要望の発言要旨
(委員)
地元の幼稚園では来年度の入園児童が1人になるという話を聞いた。こども2人に対して先生が1人くらいついて保育をするような状況とのことである。公立の幼稚園なので、先生の人数を少なくすることができないのかもしれないが、そのような状況ならば、他の施設に回ってもらい、保育ができるようになるとよいと、保育士確保に関する資料を見ながら考えた。
(委員)
県庁の皆さんが、当方で運営する学童クラブを視察いただいた際にお話ししたことなどをビジョンに盛り込んでいただき、ありがたく感じている。
朝の居場所について、海外では先行して進んでいるが、日本ではまだ一部の取組がニュースで取り上げられる程度。地域での取組が進み、よい形になればと期待している。その取組を持続的なものにしていくにはボランティア頼みでは限界がある。運営のために雇用が生まれ、朝の居場所があるために移住者が増える、というような好循環が生まれればよい。一方で、そのような居場所に参加するこどもが、生活困窮世帯のこどもであるというように見られないような配慮が必要になると考える。
生活困窮世帯の母親と話す機会があるが、こどもたち自身が習い事などを諦めており、親に希望を言うこともないとのことである。また、母親自身が、土日などは身体を休める日としており、こどもたちも出かけることを求めないとのことであった。こども食堂やフードバンクに行く元気もないとのことである。もう少しプッシュ型の支援なども、地域に根ざして考えていく必要があると感じている。
(委員)
本市でも、県のビジョンを参考にしていきたい。その中で、こどもの意見について聴取する上で、実際に行ってみての反省点や、もっとこうした方が良かった、というような点、意見の聞き方等について参考に伺いたい。
(事務局)
こどもの意見については、こどもモニターとして当初想定していた120人を上回る300人近くのこどもが手をあげてくれたため、その全てに予算等を工夫して対応した。
声を聞かれにくいこどもに対して聞く際には、外国にルーツを持つこどもや不登校経験のあるこどもなど、4つのカテゴリーに分けて意見を聞いたところである。意見を聞く際は、経済的困窮状態にある家庭のこどもが、「自分は生活困窮なのだ」と思わせないように質問の仕方などに配慮しながら聞くなど、気をつけながら進めた。
昨年度から、市町村と情報共有する場を設けているので、今後も、各市町村といろいろな情報を共有しながら進めていきたいと考えている。
(委員)
村の子育て会議を開催したところ、委員から多くの意見をいただいた。その中で、保護者代表の委員から「委員になったことで、村のやっていることがわかるようになったが、普段の生活ではわからない」という声を聞き、情報発信の方法に課題があるのかなと感じた。それぞれの立場で、考え方や感じ方も違うが、話をすることで理解しあえた場面もあったので、なるべく関係者同士で話し合える場を作っていく必要があると感じた。
(委員)
幼少接続についてお願いが2点。学校に行きづらくなっているこどもたちが増えていると聞く。小学校と幼稚園と、段差がないように連絡・連携を取りたいと思っているところであるが、文科省の推進する「幼保小の架け橋プログラム」を作成しようとしても、なかなか小学校と現場の保育園・幼稚園で話し合う時間が取れていない。是非、各市町村の教育委員会等でリーダーシップを取っていただいて、うまく連携が取れるような仕組みにしていただけるとありがたい。
保育料や給食費が完全に無償化されているところとそうでないところとがある。各市町村で頑張っていただいていることは大変ありがたいが、市町村の補助の内容によって、わざわざ越境して入所する場合もあると聞いている。県としても、市町村でどのような補助があるのかなど、状況を確認していただきたい。
(事務局)
架け橋プログラムについては、委員御指摘のとおりなかなか難しいケースがあると承知している。教育委員会とプログラムをどのように進めていくか検討する会議等も行っている。義務教育課とも連携しながら、しっかり進めてまいりたい。
(委員)
みどり市では、来年度から保育料が無償化となる。このため、市外・県外の方からの問合せや見学申込みが増えてきている。
園や、子育て支援センターに通っているこどもについて、虐待が疑われる事例が多くなってきている。家庭でのこどもの様子や、家庭の背景がわからなかったりするので、保育施設としても保健師や自治体の方と一緒に訪問するなど、取組が進められればありがたいと考えている。
こども誰でも通園制度が来年度から始まるが、市町村によると、あまり利用がないような話も聞いている。市町村によって取組が大分異なると思うが、現場では不安に感じているところもあるので、どのように取り組んで行くのかなど、丁寧に市町村から話をしていただくようお願いしたい。
(事務局)
現在の国の方針では、母子保健と児童福祉を一体的に進めることとしており、市町村でこども家庭センターを作ることで具体化を目指していくこととしている。委員から提案のあった、なかなか情報がつかめないこどもに対し、保育士が同行して支援する、という所も、今後いろいろな展開が出てくるかと思う。児童福祉課を通じ、市町村に新たな取組を促してまいりたい。
こども誰でも通園制度は、市町村が条例を作ったり、事業実施のための認可の手続きが必要だったりと、本格実施までにはいろいろな準備が必要である。国も今後ガイドラインを出す予定であるので、国や市町村と連携しながら準備を進めてまいりたい。
(委員)
園では延長保育・病児保育に取り組んでいるが、そのためには保育士の確保が必要となる。国の配置基準は満たしているが、これらの事業を行うためには、配置基準以上の保育士が必要である。退職する職員もいれば、産休等に入る職員もいる。職員の確保が非常に難しい。
休日の保育を行う際の補助金を、市が増額してくれて非常に助かっているが、休日保育の利用希望が非常に多くなってきている。特に祝日の利用希望が多く、全てのこどもを預かるにはとても職員が足りず、利用制限をかけている状態である。知り合いの短大関係者に聞くと、来年度も保育士養成の科目は定員割れをしているとのことである。保育の仕事に就くことを希望する人が減っていることも不安である。県でも何かいい案があれば教えていただきたい。
(事務局)
保育士の確保については、これまでも様々な取組を行っている。修学資金の貸付けや合同就職説明会などの確保策のほか、潜在保育士の再就職支援についても、ぐんま保育士就職支援センターの活用を促しているところである。来年度は、潜在保育士にアンケートを実施し、就職意向のある保育士を掘り起こすとともに、センターへ登録し就職支援を行う予定である。
(委員)
低年齢児保育の4対1について、非常にありがたい。職員の負担が減ると思う。
ビジョンの「『はじめの100か月』を社会全体で支える」について、こども誕生前から乳児期まで、幼児期まで切れ目なくサポートすることにより、育児中の保護者が孤立しないよう、園側も情報をうまく発信していく必要があると感じた。子育ては1人ではなく、みんなで育てていくという意識を、園全体でまず共有していきたい。
親子にとって良質な教育・保育を提供するためには、引き続き保育教諭の確保と研修が必要である。
医療的ケアを必要とする園児も増えている。このような園児が安心して園生活を送れるよう、引き続き研修などを開催してもらい、どの園でも受入れができるようにしていければよいと思う。
物価高騰により、副食費等も値上げせざるを得なくなっている。集金が近くなると、生活の厳しい家庭のこどもは園を休みがちになる。そういった所を考慮し、県全体で補助できるような制度を検討していただけるとありがたい。
(会長)
県では、各市町村での保育料減免制度の状況について把握はしているか。
(事務局)
保育に関する減免の制度などについては市町村ごとに確認・把握し、紹介等も行っている。県でこどもまんなか施策を打ち出したが、市町村でもこども施策に力を入れているところである。各市町村の施策や事業、予算等、県で集計し、市町村に情報を提供しようとしている。御意見を踏まえながら進めていきたい。
(委員)
ライフステージごとの切れ目のない支援が年々拡充されており、支援者としても保護者としてもうれしく感じている。その一方で、相談支援を実施していると、特にシングルマザーの方が、こどもが18歳になるとこれまで受けられていた医療費の無償化や児童扶養手当が無くなってしまう。ひとり親家庭への支援が手厚くなっているからこそ、こどもが18歳以上になるところが大きな壁と感じる場面が多々ある。
こどもまんなか社会という、こどもを中心とした切れ目のない支援とは思うが、ひとり親として支援を受けている間に、保護者が自身の未来についても整えられるような、保護者にとっても切れ目ない支援が拡充されればよいと思う。
(委員)
学齢期のこどもにとって、放課後の居場所は非常に大切である。居場所の整備と運営支援には、人材の確保と資質向上が大きな課題である。人材確保と資質向上、処遇改善は三位一体であると思っている。
学童保育の質は、支援員の質であり、資質向上が不可欠である。資質向上のためには支援員のモチベーションが必要で、そのためには処遇改善が必要と考える。国の処遇改善事業について、県としても各市町村担当者へ適切な説明をしていただき、制度の利用が進むよう取り組んでいただきたい。
学童の保育料は地域によって異なるが、概ね月額1万円前後になる。市町村によっては、学童保育料に対する補助を設けているが、県単独で学童保育に通うこどもに対する保育料の補助や、生活困窮世帯のこどもに対する全額補助などの制度を是非作ってもらえればと思う。
(事務局)
放課後児童クラブの運営については、自治体ごと、クラブごとに異なっている。県議会でも、放課後児童クラブの現状を知ってほしいとの意見をいただいている。来年度、放課後児童クラブの運営等について、実施主体の市町村と情報交換を行い、現状を把握するとともに、課題等や支援策について検討する会議を開催する。また御意見いただければと思う。
(委員)
引き続き、本会ではピアサポート事業を継続していきたいと考えている。また、こどもの居場所とともに、保護者の居場所になれるよう取り組んで行きたい。
2月に渋川市の保育所を見学した。重症心身障害児で、医療的ケアの必要な児童が、他のこどもと同じ保育を受けたいとの保護者の意向で、週2回通園している。渋川市ではガイドラインが制定され、受け入れ体制も整っており、保護者も本人も安心して通っている現状が見受けられた。
発達障害や知的障害、重症心身障害や医療的ケア児等、障害は様々であるが、児童に適した就園先を選ぶに当たり、保護者の意向や兄弟との関係など、いろいろな影響を受ける。こども発達支援センターや医療的ケア児支援センターと関わりを持ち、早めにいろいろな支援につながってほしいと願っている。支援につながることで、いろいろな立場の人と児童との関わりができる。体験も増え、情報を共有することで、チームで支援する形ができるのではないかと考えている。
(委員)
前回計画の策定時から携わっているが、今回のビジョンについて、内容が素晴らしい進化を遂げており、全てが網羅されていると感じた。特にこどもの意見反映報告書は、こどもたちの意見や要望がしっかりと反映されていて素晴らしいと感じた。自分たちの意見が反映されているということが、大人や行政、社会への信頼につながると考えている。ぜひ、この報告書については意見を寄せてくれたこどもたちの手元に報告書を届けてもらえるとよい。
ライフステージごとの切れ目ない支援について謳われていて、先ほど市町村も子育て支援が充実してきていると伺ったところだが、ぜひ県だけではなく市町村との切れ目ない連携という所も大事にしていただきたい。
(事務局)
こどもの意見のフィードバックは、冊子のタイトルにもあるとおり、意見を寄せてくれたこどもたち全員に届ける。生活困窮世帯のこどもの意見については、掲載する際の表現に気をつけたところだが、その他のこどもの意見については、こどもたちの表現したとおりにまとめているので、見れば自分の意見が掲載されているとわかると思う。
(会長)
皆様から様々な御意見をいただいた。今後の施策にぜひ反映していただければありがたい。こども自身、保護者、それぞれの立場・目線に立っていただき、現場の声を十分に反映させていくことが重要と思う。引き続き、現場の声を吸い上げていただき、自分たちがどんな状況、どんな環境にあっても1人1人が大切にされ、幸福を実感できる社会の実現に向けて、着実に計画を進めていっていただきたいと思う。
4 その他
令和7年度群馬県当初予算について
事務局から説明を行った。
5 閉会
閉会