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ナラ枯れ被害について

更新日:2022年6月8日 印刷ページ表示

ナラ枯れ被害が増加しています

ナラ枯れ写真
ナラ枯れ(利根郡みなかみ町)

 近年、カシノナガキクイムシ(以下カシナガ)によるミズナラ等のナラ類が集団的に枯損する、「ナラ枯れ」被害が増加しています。
 全国的には、本州の日本海側を中心として広がりを見せていましたが、令和2年度には各地で被害が拡大し42都府県に及んでいます。
 本県では平成22年8月利根郡みなかみ町において、ミズナラの枯損が確認され(国)森林総合研究所に鑑定を依頼した結果、初めて「ナラ枯れ」であることが確認されました。その後、拡大することなくいったん収束しましたが、平成29年から被害が増加傾向にあり、令和2年に急激に増加、令和3年は、県内2市町目となる館林市にも被害が発生しました。

ナラ枯れ 年度別被害発生量
区分 発生本数
(本)
被害材積
(立方メートル)
22年度 国有林 67本 40.79立方メートル
民有林 1本 1.10立方メートル
23年度 国有林 69本 23.62立方メートル
民有林    
24年度 国有林 35本 10.80立方メートル
民有林 1本 1.40立方メートル
25年度 国有林 33本 16.24立方メートル
民有林    
26年度 国有林    
民有林    
27年度 国有林    
民有林 7本 5.40立方メートル
28年度 国有林    
民有林 4本 2.70立方メートル
29年度 国有林 4本 2.41立方メートル
民有林 104本 109.50立方メートル
30年度 国有林 26本 9.15立方メートル
民有林 345本 274.00立方メートル
元年度 国有林 12本 1.52立方メートル
民有林 275本 247.50立方メートル
2年度 国有林 800本 720.00立方メートル
民有林 877本 789.30立方メートル
3年度 国有林 1,100本 990.00立方メートル
民有林 844本 756.00立方メートル

※館林市の被害発生量は調査中のため含まれていません。

ナラ枯れの原因

カシノナガキクイムシ写真
カシノナガキクイムシ

 ナラ枯れの病原菌であるナラ菌は、エサになる他の菌と一緒にカシナガによって樹の中に持ち込まれます。
持ち込まれたナラ菌は、孔道を伝わってまん延し、樹木の細胞に害を与えます。
ナラ菌が感染した部分の細胞が死ぬと、水分を運ぶ道管が目詰まりを起こすため、通水障害を起こし7月下旬頃から8月中旬にかけて葉が変色し、枯死します。

ナラ枯れの特徴

  • 7月中旬~8月中旬頃に真っ赤に紅葉したように葉が変色します。葉が萎え枯れ始めてから、1~2週間で急速に枯れます。
  • 被害の発生する樹種は、ミズナラ、コナラ等のナラ類のほかカシ、シイ類など。カシナガが穿入した木が全て枯れるものではありません。
  • 枯損木の根元付近には、カシナガが穿入した孔と、穿入する際に排出した木くずが大量に確認できます。
  • 一般的に太い木の方が加害されやすいです。

ナラ枯れのサイクル図画像

ナラ枯れ防除対策

【予防対策】ナラが枯れないように、被害に備える

樹幹注入:殺菌剤を幹に注入して、ナラ菌を防除する

樹幹注入写真
樹幹注入写真(新潟県より提供)

  1. 幹の地際から高さ20センチメートル程度の位置にドリルで深さ4センチメートル程度の穴を開ける。
  2. 注入孔に薬剤ノズルを差し込む。
  3. 薬剤注入完了後、注入孔をふさぐ。
  4. ナラ菌の繁殖を抑制する。

樹幹被覆:合成樹脂製のシートやフィルムで幹を覆い、虫の穿孔を防ぐ

樹幹被覆写真
樹幹被覆写真(新潟県より提供)

  1. 幹をシート等で覆う。
  2. 幹から剥がれないようにシート等を固定する。
  3. カシノナガキクイムシの侵入を防ぐ。

樹幹塗布剤:粘着剤、殺虫剤等を幹にコーティングし、虫の穿孔を防ぐ

樹幹塗布剤写真
樹幹塗布剤写真(新潟県より提供)

  1. 幹に粘着剤、殺虫剤を噴霧。
  2. カシノナガキクイムシの侵入を防ぐ。

被害にあう前に伐採・利用する方法

被害地から数十キロ離れている地域で、ナラ類が豊富にある林分では、被害にあう前に伐採して利用し若齢林にすることで、カシナガの繁殖には不適となることから予防効果があります。

【駆除対策】枯損木内に潜伏しているカシノナガキクイムシを殺虫して、他へ飛び移らないようにする

伐倒くん蒸:枯損木を伐倒集積し、くん蒸薬剤を集積した材に散布してビニール被覆を行う

枯損木の伐倒写真
枯損木の伐倒

下矢印の画像

伐倒木切断写真
伐倒木に切れ目を入れる

下矢印の画像

くん蒸写真
くん蒸剤を散布してシートで被覆、2週間以上くん蒸

立木くん蒸:枯損木を伐倒せず、そのままの状態で幹に穴を開け薬剤を入れて虫を殺虫する

  • 枯損木にドリルで薬剤注入孔を穿孔(10.5ミリメートル、深さ25ミリメートル)を開ける。
  • 地上高50センチメートルまでは10センチメートル間隔の千鳥状、地上高50センチメートル以上は20センチメートル間隔の千鳥状に穴を開け、くん蒸剤を注入します。

焼却・チップ:焼却又は枯損木を10ミリメートル程度の厚さに粉砕する

※伐倒した場合は、伐根に対してもくん蒸処理を行う。
ドリルで穴を開けてくん蒸剤を入れ、シートで覆う。

フェロモン剤使用のおとり丸太トラップ

おとり丸太にフェロモン剤でカシナガを誘引し、カシナガが穿入した丸太を焼却処理する。

ナラ枯れを見かけたら

「ナラ枯れ」の見分け方

ナラ枯れの見分け方写真

  • 夏に紅葉したように葉の色が変わる。
  • 木の幹に直径約1.5ミリメートルの穴があき、木くずがでている。
  • 木の根元に細かい木くずが大量に溜まっている。
  • 主に枯れる木の種類は、ミズナラ、コナラなど。

「ナラ枯れ」の疑いのある木を見かけたらお近くの環境森林事務所、森林事務所または、県庁林政課、林業試験場まで御連絡ください。

連絡先一覧
事務所名 連絡先
渋川森林事務所 0279-22-2763
西部環境森林事務所 027-323-4021
藤岡森林事務所 0274-22-2253
富岡森林事務所 0274-62-1535
吾妻環境森林事務所 0279-75-4611
利根沼田環境森林事務所 0278-22-4481
桐生森林事務所 0277-52-7373
林業試験場 027-373-2300
林政課森林整備係 027-226-3221