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令和7年度第1回群馬県文化振興指針及び基金部会の概要(通算13回目)
1 開催日時
令和7年6月13日(金曜日)9時30分~11時30分
2 場所
群馬県庁29階291会議室
3 出席者
委員5名
4 議題及び主な意見
(1)新・群馬県文化振興指針(第3次群馬県文化振興指針)関連事業について
【1 群馬パーセントフォーアート推進】
(委員)
・23件の事例について、どのような基準で選定されたものか、また、その内訳について教えていただきたい。
(文化振興課)
・条例では様々な主体がアートに取り組むことを目指している。条例の規定に基づき県内の市町村にアート事業に係る照会を行い、その回答をもとに集計を行ったものである。具体的には、市町村主体で実施している事業、当該市町村管内で民間主体で行われているアート事業をリストアップし、集計している。また、アートで地域おこしやにぎわい創出といった取り組みを主な対象としてカウントしている。
(委員)
・市町村によって回答の基準が異なる。今後は、統一したカウントの基準についても検討が必要だと思う。
(委員)
・KPIに対するアクションとして具体的なものがあるとよい。補助金での支援以外に、何か呼びかけ等は行っているのか。
(文化振興課)
・事業を行う際には、地域の自治体も実行委員会に入るなど協力して取り組んでいる。
(委員)
・アート支援団体を育成する意味とはどういうものか。
(文化振興課)
・アートを活用して、地域経済の活性化に取り組む団体を県内に増やしていきたいと考えている。
…A評価
【2 GUNMAマンガアニメフェスタ】
(委員)
・KPIはハードルの高いものであり、やむを得ないと思われる。また、来場者数についても、他のイベントと重なったため苦戦した点も理解できる。一方で、県外の作品応募者が増えたことは、広報活動を頑張った印象をもつ。
(委員)
・漫画家デビューをKPIとすることは、かなり高いハードルではないかと考える。また、クリエイティブな人材の育成については、アニメーターになるなど、業界に入って活躍している方も多数存在していると思う。対象を漫画家に限定してしまうと、評価に結びつくことは難しい。
(委員)
・漫画家になることを目的とするのではなく、例えば、「漫画家になりたい」という希望者を増やすことを目指すことも良いと考える。
・認知度を高めることと来場者数の増加は必ずしもイコールではない。認知度を上げることを目的とする場合は、別の指標を設定する必要がある。来場者数を増やすことが目的であれば、別のアクションを検討すべきである。
(委員)
・指標の設定に関して柔軟に見直して欲しい。
…B評価
【3 伝統文化継承】
(委員)
・数字の減少をいかに防ぐかが重要であると認識している。回復は難しいかもしれないが、いかに現状の減少を食い止めるか努力しており、その結果489という数字だと思う。
…A評価
【4 県民芸術祭】
(委員)
・写真・美術が下がっているのは懸念事項である。若年層の減少に関する改善案としてはなにがあるか。
(文化振興課)
・令和7年度で49回を迎え、長年にわたり継続されてきたものであり、古くから活躍している方々が中心に運営されているところが課題としてあげられる。その中で、設定しているアクションの一つとして、若年層加入が課題となっている。
・こうした状況において、例えば伝統芸能の歌舞伎において新しい団体が立ち上がったり、演劇の団体が新しくたち上がったりといった動きも見られる。全体的な参加者の若年化を図ることは難しい部分もあるが、個々の新しい取り組みを育てあげていくことが必要であると考える。
(委員)
・県民芸術祭のような文化事業が高齢化している状況は、群馬県だけの話ではない。全国的な傾向として、こうした状況があり、その中で、若年層の取り込みが、この問題を解決する上で最も大きな問題であると思う。
・ただし、県民芸術祭のフォーマット自体は、高齢の方々が喜びを見出しながら活動しているものであり、高齢者にとっても非常に意義があるものである。一方で、そのフォーマットは若い世代が入っていくような仕組みにはなっていない。こうした状況を踏まえ、県民芸術祭という既存の枠組みを刷新する選択肢も一つの方法かもしれないが、それだけにとらわれず、県民芸術祭とは別に、若い人たちの新しい芽を育てるためのフォーマットを作る方法も考える必要があると感じている。
・これは群馬県に限った話ではないが、日本の自治体の文化政策の方向性として、十分に若い人たちの新しい感性を育てることにリーチできていないというのはよくある話だと思う。そこを見直すことを長期的には考える必要があると考える。
…B評価
【5 「温泉文化」ユネスコ無形文化遺産登録推進】
(委員)
・群馬県発の取組で、群馬県が知事の会事務局となり、全国を主導し、ユネスコ無形文化遺産への登録を目指している。
…A評価
【6 世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」保存・活用】
(委員)
・KPIを達成するためのアクションとしては、プロモーションによって認知度を高めることが考えられる。このアクションを達成したとしても、必ずしも来場者数に直結しない可能性もある。改めて考えてみると、動画の再生回数ではなく、何らかのプロモーション活動がより直接的な効果をもたらすのではないかと考える。
(委員)
・動画を制作する場合、1000回の再生回数を目標とすることは妥当なのか。実際、再生回数として1000回は少ないのではないかという印象も持った。
(委員)
・たとえ46万人の動員があったとしても、再生回数が1,600回程度では非常に少ない。具体的にどのようなところで配信されたのか。
(文化振興課)
・県の動画公開サイト「Tsulunos」にて公開している。
(委員)
・都内でのプロモーションを行うなど、より効果的な手段を検討すべきではないか。
(委員)
・施設整備については、具体的な計画があるのか。
(文化振興課)
・資産ごとに取り組みを進めている。例えば富岡製糸場においても、同じ構内で複数箇所の整備を行うなど、各市町村が計画を立てて進めている状況である。
(委員)
・達成できなかった背景にはさまざまな条件が存在しているためだと思う。これらはやむを得ない事情であると考えると、逆に、このKPIを設定するのは過酷ともいえる。努力次第で達成可能な目標を設定すべきであり、どうしようもない事情が施設整備にはある現状も考慮すべきである。
(文化振興課)
・長期的な計画であり、中期以降には実績が出てくる見込みである。
(委員)
・指標設定の方法について見直しが必要である。
… B評価
【7 「世界の記憶」上野三碑周知】
(委員)
・アクションについて、来場者数やイベント参加者数はかなり努力しなければ変えることが難しく、達成は容易ではないと思われる。一方、企画展や講演会の開催については、実施することであれば難しくないと考えるが、これらを2回しか実施できなかった理由は何かあるのか。
(文化振興課)
・県や高崎市で行うものであるが、令和六年度の実績は、高崎市の多胡碑記念館で開催した企画展が2回であり、県の講演会は開催できなかった。令和七年度については、県での講演会も予定しており、引き続き開催していきたい。
…B評価
【8 埴輪王国ぐんま発信】
(委員)
・古墳や博物館を周遊するツアーを造成とあるが、具体的にはなにか。
(文化振興課)
・県が実施したツアーが1件、民間によるツアー造成に関する相談対応が2件、合計で3件となる。県が実施したツアーは、文化庁の補助金を活用したものであり、県外の方を対象に事業者と連携して実施した。具体的には、県外の参加者に県内の古墳を見学してもらい、学芸員等による説明を聴いてもらい、県内に1泊して帰るツアーを実施した。一方、民間のツアーでは、埴輪や古墳に関心を持つインフルエンサーがSNS等を通じて情報発信を行っており、その方とともに古墳を巡るツアーを実施している。これについては、訪問先や見学場所の相談に対応したものとなっている。
(委員)
東京国立博物館で開催された埴輪展は非常に多くの来場者を集めており、彼らが群馬県に、国宝の『挂甲の武人』をはじめとする多数の埴輪が存在することを知って感銘を受けている様子が印象的であった。
(委員)
・商品開発は新規の目標であるが、これから毎年これを追加していくのが大変になるのではないか。
(文化振興課)
・例えばお茶のパッケージでは味が変わるごとに新規申請があり、一定の件数は見込まれる。今後の状況も踏まえながら、引き続き検討していきたい。
… B評価
【9 上毛かるた活用】
(委員)
・すべての群馬県民がそらんじて言える状態を目標とするのは、非常に高いハードルであると認識している。また、その達成は容易ではないと考える。しかし、あえて設定するのであれば、是非頑張っていただきたい。
(委員)
・傾斜をつけても良いと思う。例えば50%や60%など。現状、最初から80%というのはかなり高いハードルである。
(委員)
・これが理想的な目標であることは間違いないが、その一方で高いと感じるのも確かである。
(委員)
・アンケートの取り方も、こういうものほど非常に難しいと考えているのだが、今回はどのように行ったのか。
(文化振興課)
・「県政重要課題に係る県民アンケート」の一環で行ったものである。
(委員)
・回答者数は何人であるか。
(文化振興課)
・3,000人である。
(委員)
・努力を重ねて、この十年間でこのパーセンテージを引き上げていくことは、群馬県の持つ独特のこだわりの一つである。
(委員)
・年代による違いもあるのか。
(文化振興課)
・比較的、20代や30代の方の割合が低いという傾向があった。
(委員)
・市町村によっても取り組み方が異なる。小学校で上毛かるたの大会を開催しているところもあれば、市町村によっては上毛かるたではなく、地域内の共同かるたを行っているところもあるという。その濃淡を踏まえると、もし県として何か推進したいことがあるのであれば、働きかけも必要になるかもしれない。
… B評価
【10 近代美術館】
(委員)
・SNS のフォロワー数はどれくらいか。
(近代美術館)
・SNS もいくつか種類があるが、概ね平均すると1,500ぐらいである。
(委員)
・毎日何か発信している割には、受け止めてる側が少ないように思える。
(近代美術館)
・これを伸ばすことが課題であると認識している。
(委員)
・近代美術館は、直接KPIに反映される部分ではないところでも、多様な工夫をされていると思う。群馬の森に訪れるファミリー層をもう少しうまく取り込めるような工夫が、より一層進められると良いと感じている。群馬の森に訪れる子連れや家族連れが、気軽に1階のエントランスに入っていけるような環境になると良いと個人的には考えている。
(近代美術館)
・その点について検討を進めている最中である。2階のコレクション展については、大人の入館料を300円と設定し、また、小学生や中学生は無料としている。これらの情報を、もう少し積極的にアピールすべきだと考えている。さらに、ショップやホールなど無料で利用できるゾーンも存在することから、その点についても周知をはかる必要がある。群馬の森に来館した方々が、気軽に入館できる工夫についても検討している。
…B評価
【11 館林美術館】
(委員)
・学校との連携については、課題があると認識されている。ただし、これは学校側の事情によるものもあり、館林美術館のみの努力では解決が難しい部分もあると考えられる。
…B評価
【12 歴史博物館】
(委員)
・歴史博物館は教育普及事業等の利用がしやすいという特性もある。また、歴史博物館と美術館では、その目的や利用方法に差が存在するため、一概に比較することは難しいが、歴史博物館の実績が高いといえることは確かである。
(委員)
・昨年度と今年度において、KPIおよびその達成のためのアクションの評価が同じであったが、総合評価が昨年度の「B」に対して、今年度は「A」となると考えられる理由はなぜか。
(歴史博物館)
・アクションの評価については、確かに昨年度と表記上は同じである。しかし、来館者満足度の目標値95に対して、令和五年度には94と目標の95に達しなかったが、令和六年度は96となり、目標値自体は達成したと認識している。これを今後より向上させていく必要はあるものの、実質的には目標値をクリアしたと判断して、総合評価をAとした。
…A評価
【13 自然史博物館】
(委員)
・自然史博物館は教育事業として非常に利用されており、コンテンツ的にも子供たちが非常に関心を持つことから、県内の博物館施設の中でも最も人気のある博物館の一つと考えられる。
・そのため、今回B評価と自己評価しているが、数字的にはかなり高い目標設定となっている。
(委員)
・資料の更新は継続的に維持できる目標なのか。
(自然史博物館)
・基本的には、劣化しているものや、新しい研究や施設の情報が出た場合に更新を行いたいと考えている。基本的には50点の更新は行いたいが、今回はパネル中心となったため、そこまで更新できなかった。更新については、単に費用がかかる・かからないに関わらず、展示に適した内容にするためにどのような展示がよいのかを考えながら、50点程更新を行うことで、より魅力的な展示となり、来館者にとっても新しい展示が増えたことによる関心の高まりが期待できると考えている。更新については、ストーリーに沿った形で実施することを考えると、50点程度の更新が適切であると考えている。
…B評価
【14 土屋文明記念文学館】
(委員)
・入館者数について非常に記録的な成果を上げたとのことである。自然史博物館においても、ポケモン展を開催した際に、多くの来館者が訪れ、子供向けのアニメなどのコンテンツの強さを改めて実感した。それをうまく活用し、博物館施設の活性化につなげている点は、今後も参考となる取り組みであると感じた。
(委員)
・イベント数及び情報発信(SNS)に関して、かなり高い目標設定がなされていると思うが、特に問題なく達成可能な目標値か。
(土屋文明記念文学館)
・イベント数については、過去数年間の実績に基づき設定したものであり、令和五年度はほぼ目標に近づいたといえる。しかし、令和六年度については、企画展に関連したイベントや移動展、さらに自主学習会や学校への生徒受け入れなどを行ったものの、自主学習会の実施本数が前年より減少したことや、学校の受け入れ数が、令和五年度の23件から12件へと減少し、学校の都合による部分も大きい。
・SNSについては、設定した目標は450回であり、令和五年度はやや上回る結果であった。しかし、令和六年度は、常設展の紹介や短歌などの投稿が少なかったことや、イベント関連の情報発信も少なかったため、実績は目標に届かなかった。
・ただし、この目標は過去の数値を参考に設定したものであるため、今年度はこれを達成すべく、発信頻度を増やしていきたいと考えている。
…A評価
【15 世界遺産センター】
(委員)
・教育普及事業の目標値が低すぎるのではないか。
(委員)
・今後に向け目標値1,500を見直すことを検討してほしい
…B評価
【16 障害者芸術文化活動支援センター(こ・ふぁん)運営】
(委員)
・総合評価のところに、基礎セミナー、講演会、研修という言葉があるが、具体的にどういう方を対象にしていたか。
(障害政策課)
・障害福祉事業所の支援者の方が対象となっている。その研修の中には、障害当事者の方も参加し、ワークショップを通じて実際に支援者にみてもらうことで、障害のある方に対するアート活動の理解を深める内容である。
(委員)
・KPIはやはり数字で捉えるものであるが、数字以外の面も非常に重要な取り組みであると感じている。特に、障害者の方々のアート活動に関しては、質的な側面を汲み取れるような確認が望ましいと思われる。
引き続き、より良い質的な側面の取り組みを推進できるように、応援していきたいと考えている。
…B評価
【17 群馬交響楽団支援】
(委員)
・群響の支援は、上毛かるたと並び、群馬県の文化振興にとって象徴的な存在だと思う。やや数字に微減傾向が見られることが気になるが、今後も引き続き頑張ってほしい
…B評価
【18 デジタルミュージアム推進】
(委員)
・来館者満足度については、前橋の事業(イベント)に関してか、それともデジタルコンテンツをネット等で閲覧したものに関してか。
(文化振興課)
・対象は、実際にイベントに参加された方である。
(委員)
・毎年アーカイブ化を進めていく予定なのか。
(文化振興課)
・各館では順次進めているところである。この事業については、特別枠として実施している。
(委員)
・特別枠であるにもかかわらず、なぜ前橋商店街のみで実施しているのか。他の場所では実施しないのか。
(文化振興課)
・今年度は、例えば、アーケード商店街や集客施設(ショッピングモールなど)を想定している。また、美術館博物館でも実施できるよう検討をしている。
商店街については、デバイスが雨に濡れる恐れがあることから、アーケードがあるところの方がよい。昨年度は、デバイスを用いて広く長い通りを歩き、恐竜等を見ることができる仕掛けとなっており、アーケードがある前橋商店街で実施した。
昨年度は商店街に特化した内容であったが、今年度は、できれば場所を限定しない形でパッケージ化した内容で作りたいと考えている。
…B評価
【その他】
(委員)
・教育普及に関して二極化の傾向が見受けられると感じた。順調に進んでいるところと、学校側の都合や事情によるもの、特に、館林美術館や土屋文明文学館では計画通りに進まなかった部分がある。歴史や自然科学に関する分野は学習に適しており、立地の要因もあるかと思うが、しかしながら、近年の学校側の働き方改革やさまざまな改革により、教員の忙しさなど事情も急激に変わっている。そのため、子供たちの体験活動の重要性は変わらないものの、時間の奪い合いのような状況が生じている可能性もある。こうした事情を踏まえると、現状に即した目標設定や事業計画が求められると感じる。
(委員)
・文化振興指針の関連事業であるが、昨年度に県制作の映画「眠る男」がデジタルコンテンツ化されたことを踏まえると、そのようなものも文化の継承に含まれるものであると考える。ただし、映画のコンテンツが、この文化振興指針の中にどのように位置づけられるかは難しいと思う。それでも、こうした分野を広げていくことも考えられるのではないかと思う。
(文化振興課)
・「眠る男」については、現時点で事業として展開しているものはないが、文化振興指針で定める政策目標の中に位置づけて捉えることはできると考えるので、今後、事業展開の可能性等について検討していきたい。
5 会議資料
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