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令和7年度第1回県立図書館協議会の開催結果について

更新日:2025年12月1日 印刷ページ表示

1 日時

令和7年8月1日(金曜日) 13時30分~15時00分

2 開催場所

県立図書館3階ホール

3 出席者

委員9名出席、事務局8名

4 傍聴人

1名

5 議事

(報告事項)

  1. 令和6年度事業の実施状況について
  2. 令和7年度群馬県立図書館事業計画について
  3. 群馬県立図書館サービス評価について
    ・令和7年度群馬県立図書館サービス評価目標の進捗状況

(審議事項)

  1. 群馬県立図書館サービス評価について
    ・令和6年度図書館サービス目標評価

(意見交換)

発言の概要

(報告事項)

  1. 令和6年度事業の実施状況について
  2. 令和7年度群馬県立図書館事業計画について
  3. 群馬県立図書館サービス評価について
    ・令和7年度群馬県立図書館サービス評価目標の進捗状況

(委員意見)

  • 県立図書館の出前授業にビブリオバトルを導入するよう希望し、勤務校で実践した。子供たちが真剣に本の紹介を聞き、友人だからとの理由でなく、本当に自分の読みたい本を選ぶ姿が印象的であった。ゲーム感覚で本を紹介し合え、「本を通じて人を知る。人を通じて本を知る」システムは素晴らしく、他校にも勧めたい。
  • ボランティア(図書館支援隊)の読み聞かせ活動について、ハロウィンやクリスマスが取り上げられている。日本の行事も取り入れてほしい。

(事務局)

  • ビブリオバトルは、図書館がPRできる、体験型で新しい取り組みと認識している。
  • 出前授業は、県立図書館の指導主事や司書による図書館や読書に関する授業プログラム実践である。県立図書館が伝道師となり、学校と連携して実践を広げることで、最終的には学校が自立的に実践できるようになることを目標に取り組みたい。

(審議事項)

  1. 群馬県立図書館サービス評価について
    ・令和6年度図書館サービス目標評価

(委員質問)

  • 図書館等職員研修参加者数の達成率が低いが、理由は?

(事務局回答)

  • 目標値を設定する際には対面とオンラインの併用を前提としていたが、研修実施にあたって対面の良さを重視し、オンラインを行わなかったためである。

(委員質問)

  • 学習支援図書セット貸出冊数について、教育のデジタル化(1人1台端末環境)により達成率が苦戦しているとのことだが、現状及び対策はどうか?
  • 学習支援図書セットの目標を見直してはどうか?

(事務局回答)

  • 今まで利用していたリピーターの学校でも貸出が減っている。教育のデジタル化の影響だけでなく学校現場のニーズとの乖離などの原因を探りながら、新たな需要の掘り起こしをしていかねばならないと考えている。
  • 周知については、まだ取組の余地があると感じている。例えば、一昨年から図書館の設置に向けて自治体の首長、教育長を訪問する事業を行っているが、その際にも情報発信している。学校で使う図書を公立図書館から貸し出す取り組みは、まだまだ有効だと考えている。
  • 目標は、安易に上下させずに頑張りたい。

(委員意見)

  • 今の子供たちは、調べ学習で紙の本よりもタブレットを利用すると聞く。子供たちが本で調べるということに、大人が注力しなければならない時代となった。誰かが県立図書館の行う学習支援図書セット貸出や、出前授業での百科事典の使い方などを学校に広めなければならない。校長会等で宣伝してほしい。
  • 情報発信については、まだ低いと感じる。動画にこだわらずXなどテキスト発信でよいので充実に力を入れてほしい。
  • 若年層へのSNS発信力はXよりもインスタグラムに傾いていると思う。広報にやりすぎはないので、インスタグラムを検討してはどうか。

(意見交換)

(委員意見)

  • 県立図書館の活動に対する子供の減少やタブレットの影響など、評価指標を変えずに取り組むことで経年変化を見て考察できる。変えずに頑張ってほしい。
  • 自校のPTA役員に図書館でのレファレンス、相互貸借やビブリオバトルについて聞いてみたが、認知度が低かった。私自身も情報発信に取り組みたい。
  • 図書館とは本当は学習するところで、本を借りるだけの場所でないことを知ってほしい。子供たちには図書館に行けば知識が得られると当たり前に思ってほしい。
  • 頑張っている学校司書のいる学校では、授業で必要な本があり、何かあったときに子供たちが学校図書館へ行く。これができる学校とできない学校で、子供の環境がこんなに違っていいのかと感じる。
  • 今の子供たちは、調べ学習において学校図書館や本から情報を得ているのだろうか。インターネット検索では情報の選択が行われるが、生成AIでは問いを出せば答えが瞬時に生成されてしまう。この状況では、本を見つけ、本から情報を得ることはいわば「宝探し」くらいの感覚になるのではないか。学校現場での様子を知りたい。
  • 小学校では、調べ学習のとき児童はタブレットを持って学校図書館に行く。限られた時間で一斉に調べるとなると本が足りず、情報が入手しやすいタブレットを使うことが多い。市立図書館の貸出で本を準備し、学校司書のサポートを受けて本で調べるときには楽しそうな姿が見られてとても良いが、余裕がないのが現状である。
  • 中学校では、なかなか時間がなく、どうしてもタブレットを使うことが多くなる。タブレットの良さは短時間でピンポイントの情報が得られること、本の良さはその周辺にある情報も見られることである。主体的に学ぶことを求められているので、生徒が選択できるとよい。本の良さを広げるためには教員の声掛けが必要と思う。
  • 勤務校では生徒の2割が外国籍のため、授業中にタブレットを使わないと全くわからない生徒もいて、AIを使い日本語を母国語に翻訳してメモを取っている。
  • 高等学校では、調べ学習から探究学習にシフトしている。ゴールとなる答えはなく、仮説を立て、フィールドワークで検証する。そのため、情報源は本に限らずデジタル情報でもよく、本の優位性はなくなっていると感じる。現在、高校生が情報に触れる時間は8時間、ほとんどの高校生が接触するメディアはSNSとされる。SNSを活用して活字文化の裾野を広げていかなければと感じる。一方で、若い世代は興味のある本には飛びつく。いかに本に触れるスタートラインに立たせるかが、教育者に求められていることだと思う。
  • 大学では図書館の在り方検討が議論されているところだが、私のような理系の研究者は図書館に行く必要がない。なぜなら、文献やデータがデジタル化されており、そこから必要な学術情報を得ることができるからである。ただし、私たちは本の使い方やその良さ、本の持つセレンディピティ(注1)の重要性を理解した上でデジタル情報に触れている。しかし、最初からタブレットを渡された人たちがその重要性に気付けるか、情報を活用して新しいことを創造していける人になり得るかどうか心配である。
  • 図書館は必要で、これからも存在すると考えがちだが、人が減り、資金が減って現実的に管理が困難になってくると、図書館不要論、図書館でなく本を届ける物流倉庫のようになればよいとの極論が出てくる。そのときどうするか考えることが大切である。大学で言えば、県立図書館やいろいろな図書館とすみ分け、大学図書館は研究に特化させ、学生が一般書を求めたらすぐに他館から取り寄せるようなかたちである。不要論に向き合い、学びの端緒となる本が大切だという情操教育・リベラルアーツ(注2)をいかに進め、図書館がそれを担う組織になっていくか真摯に考える必要があるだろう。

(注1)セレンディピティ
素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。

(注2)リベラルアーツ
一般教養。専門的な分野にとらわれず、自由に幅広い知識を養うための学問。

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