ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 組織からさがす > 地域創生部 > 文化振興課 > 令和7年度第2回群馬県文化審議会の概要(通算29回目)

本文

令和7年度第2回群馬県文化審議会の概要(通算29回目)

更新日:2026年8月12日 印刷ページ表示

1 開催日時

令和8年3月10日(火曜日)13時30分~15時30分

2 場所

群馬県庁291会議室

3 出席者

委員8名(オンライン参加含む)

4 議題及び主な意見​

(1)令和8年度文化振興指針関連主要事業について

(委員)

以前、評価の業務に関わらせていただいた際にKPIやアクションについて意見を出した。今回の資料を拝見すると、本来それらが最終的な評価につながる形になるはずであるにもかかわらず、「何のKPIのために何を行っているのか」が分かりにくい。今後、検討する際には「このKPIのためにこれを実施している」とした方が取り組みがどのような成果に結びつくのかがわかりやすくなり、最終評価の際にも「このためにこれを行った」とわかりやすくなると思う。評価されるためにそういった書き方をするとよいのではないか。

 

【群馬パーセントフォーアート推進】

(委員)
主な取り組みにパブリックアートの推進があるが、具体的にどのような作家、どのような作品を選定するかの審査委員会について、どのような基準で審査員を選んでいるのか教えてほしい。

(文化振興課)
敷島公園で実施している学生コンテストは建設現場に関わる事業であるため、群馬パーセントフォーアート推進委員の建設業協会の青柳会長のご協力を得て実施している。その中で青柳会長から審査員の推薦をいただき、審査員長は内藤廣氏(建築家)にお願いしている。その他にもデザイン関係者や建築家を中心に審査員を構成している。

(委員)
群馬パーセントフォーアートの推進に関することであるが、現在、投資的経費の0.1%相当額をアート振興資金に充てる形で進めていると承知している。もちろん現状でも十分にご尽力いただいていると考えるが、可能であればそのパーセンテージを少し引き上げていくことを将来に向けて検討していただきたい。文化庁の予算が国の予算に占める割合は概ね0.1%とされている。単純比較は困難であるものの、フランスや韓国などと比べると割合は少ないと指摘されることが多い。群馬県において画期的な「パーセントフォーアート」条例を制定した意義を踏まえるならば、現在の0.1%から更に一歩踏み込んでほしい。
その時に、今回の主要な取り組みをみていると、意外なことに文化芸術寄りの施策だと感じる。パーセントフォーアートという形で県として取り組む際の眼目は、群馬県の様々な政策領域のあちこちに文化や芸術、アートが浸透している状況を作ることであると私は考えている。つまり、文化政策が総合政策として機能する状況を生み出すことこそが、パーセントフォーアート推進の肝と考えている。
領域横断的に、例えば教育施策、福祉施策、医療施策、場合によっては農林水産業など、様々な行政領域の中に文化やアートに関する事業が挿入されている状況を作り上げることがパーセントフォーアートの肝ではないかと思う。こうした観点から検討すれば、現状よりもさらに多様な取り組みが可能であり、比較的無理なく0.1%からの上乗せを実現できるのではないかと私は考える。この点を可能であれば検討してほしい。

(委員)
パーセントフォーアートの取り組みは先進的かつ画期的であると思う。多様な施策が行われているが、県民や県外来訪者に対してもこの取り組みを理解してもらったらいいなと思う。例えば県民の人が見た時に、これがパーセントフォーアートの取り組みの一環であるというのが、分かりやすいようになっているのか。

(文化振興課)
来年度予算に「アートプラットフォームの構築」を計上している。発信強化を目的としており、効果的に情報発信していくかを検討しながら情報発信を強化していきたいと考えている。併せて、パーセントフォーアートという事業内容が分かるよう、関係者の意見を伺いながらしっかりと伝えていきたい。

(委員)
今回の令和8年の1億393万円については、その中身がどのようになっているのか、どのような流れで取り組みができて、組み立てられているのかがもう少し見える方がよいと考える。
今回のパーセントフォーアートの補助金は新規事業に対して支給されるものであると理解しているが、私の周囲でも既に多くの場所でアートプロジェクトが実施されており、資金面で厳しいと感じている事業者が多い。パーセントフォーアートの予算を使いたいという声も寄せられており、相談を受けることが多いが、どう対応すべきかわからない。そのため、紹介の仕方や採択の仕組みがどのようになっているのか、アート支援団体やプレイヤーが分かるような資料があればよいと考える。

(委員)
四人の委員の意見に私は同感である。我々は事務局に対して単に質問を投げるという関係を超え、審議会内部での意見交換をより重視すべきである。

【温泉文化ユネスコ無形文化遺産登録】

(委員)
私は温泉文化に個人的にも大いに注目しており、ユネスコの無形文化遺産登録の中心に群馬県が位置づいてほしいと考えている。今年度、ぐんまちゃんのプロジェクトで温泉の歌を制作させていただいたが、そうしたソフト面からの盛り上げや、SNS等で若い世代が参加しやすい動きが、現在提示されている五つのトピックの中でバイラルヒットのようなかたちで生まれれば大変望ましいと考える。

(委員)
まず、先ほど他の委員から温泉文化ユネスコ無形文化遺産登録にあたり、「群馬県が中心にあれば良い」という発言があったが、本件に関しては完全に群馬県が中心に立っている。昨年11月の明るい発表後も、文化庁へ本年3月までに提出すべき多岐にわたる難度の高い資料は、すべて群馬県が整えていると聞いており、深く感謝している。4月以降に組織を新たに整備してユネスコ無形文化遺産登録に向けた組織づくりをするというニュースを受けた。私もその動きを歓迎する。来年度事業の計画を説明いただいたが、次の視点を取り入れていただきたい。
2030年を目標に、現状は運動段階にあると考えるが、登録後は外国人が日本の温泉文化を体験するために旅館・温泉付き宿泊施設へ殺到することが予想される。これに備え、固有の日本の宿の残すところ、外国人が利用しやすいようにアレンジしていくところの議論を重ねた上で、外国人をお招きするという過程を経ないと、外国人に利用いただくための温泉宿になってしまう。そうしたステップも中心となっている群馬県にお願いしたい。来年度以降、再来年度、2030年度に向けて、発信と受け入れ整備をセットで進めること、さらには観光庁等とも連携した観光面での事業化について協議している。今後あらためて群馬県と協議のうえ、観光庁等と連携した取り組みを進めたい。
最後に一報告である。今年9月に国際交流基金ハンガリー日本文化センターの招聘を受け、ハンガリーおよびチェコにて日本の温泉文化を紹介するために渡航する予定である。両国では温泉専門家との対談や日本の温泉文化を紹介する約一週間の企画展が計画されている。現地で使用する資料については群馬県にもご用意いただき、群馬県の温泉文化発信に協力したいと考えている。

(委員)
次に温泉文化についてである。私は温泉が非常に好きである。ただし、私の周囲の群馬県民を見ていると、意外にも温泉に行かない人が多い。群馬の人は近くに温泉があるためか足が遠のく傾向があるように思う。
北毛地域の温泉宿の関係者とは親交が深いが、現在は人手不足や担い手不足により、どんどんなくなっている。県として温泉を盛り上げようという方針は理解しているが、小さな日帰り温泉が、今年限りで閉館してしまうのではないかという危機感がある。担い手が見つからず消えていく温泉が非常に多く、これらも大切な文化であるため、大きな旅館の温泉だけでなく、こうした日帰り温泉も残していきたいと考えている。非常に良い温泉であっても消えていく例が多い現状である。どれくらいの数この群馬県内に温泉があって、危機的状況にあるのか、盛り上がっている場所があるのかを、見えるデータベース化してほしい。
また、インバウンドに関しては多くの宿が受け入れ困難であるとの声を聞く。団体客を受け入れられない、英語対応が難しいなどの理由から、元々インバウンドを想定していない日帰り温泉宿の経営者は、世界遺産登録が自分たちに関係あるとは感じていない場合が多い。そうした、もともとインバウンドを念頭に置いていない事業者も巻き込める仕組みがあれば望ましいと考える。

(委員)
温泉文化や世界遺産に関して、我々は大きな誤解をしてはいけないと改めて感じる。特に温泉文化については、2017年12月に何人かで話し始め、最終的に文化庁が「文化財保護法以外の保護措置でも、ユネスコが認める社会的慣習があるなら申請を検討しよう」という決断をしたことは画期的である。ついに「文化」について、ユネスコ基準の社会的慣習──すなわちある地域集団が長年にわたり行ってきた日常的な営みを、認めようと決断した、その重みは非常に大きい。
それをどう捉えるかである。逆に言えば、ボールが投げ返された感覚がある。本当にそれを社会的慣習として定着させうるのか、どのような問題が生じるのか。現在日本の温泉地は人口減少、少子高齢化、二人世帯・一人世帯の増加などに直面しており、非常に厳しい状況にある。そのような中で、外国籍の従業員がヨーロッパ型のホテル経営ではなく日本的な旅館・温泉経営の現場で働き、新たな社会的安定を生み出そうとしている例も見られる。
だからこそ「ユネスコ」であるという論理を我々は如何にしても持ちこたえられるのか。現在、温泉を保護し得る唯一の法律体系は温泉法であり、「適正な利用」という言葉はあるものの、信仰やそれに伴う様々な営みが変化した場合にそれをどのように担保するかは困難である。これを我々が今後の四年間でどのように形にしていくのか。もし群馬が中心となって取り組めることがあるならば、また、観光庁や国庫補助といった支援を組み入れられるような仕組みを構築するまで粘り強く取り組む視点も必要である。
最後に、これからの審議会ではこうしたレベルの議論をしっかりと行うべきである。そのために必要な有識者を招へいし、我々が実現可能な戦略を審議してほしい。国がこれまで手を付けてこなかった社会的慣習や文化財保護法以外の法的措置等の温泉文化を我々が責任を負うことでがんばれる。

【群馬交響楽団支援】

(委員)
令和8年度から第2期の改革プランが始まるとのことであるが、逆に言えば第1期の改革プランは本年度で終了する。そこで伺いたいのは、第1期の取り組みがどの程度の成果を得られたのかという点である。
併せて、令和8年度予算が2億8,900万円と、3億円を下回る水準に見える点が気になる。令和7年度と比較して減額となっているが、今後さらなるレベルアップを目指す上で必要不可欠な予算があるのではないかと懸念している。この減額が妥当であったのか。

(文化振興課)
予算についてであるが、令和7年度は80周年記念事業を実施したため、その分が例年と比べて上積みされていた状況である。したがって令和8年度は例年ベースに戻るもの。
次に、群馬交響楽団の改革プランについて、第1期の成果については現在検証を進めている段階である。楽団のさらなるレベルアップおよび安定的かつ継続的な楽団運営という観点から今年度までの取り組みを総括し、その結果を踏まえて来年度の新たなプランに反映させる準備を進めている。

(委員)
県民のオーケストラとして親しまれる群馬の文化の象徴であるという点に異論はない。これは誇りに思うところであり、他県の者から見ても「群響があって良いですね」と評価される。一方で、県が丁寧に支援をしてきていること、そしてこれだけの補助金等が投入されていることは事実。逆に言えば、全国の類似する交響楽団の中では、群馬交響楽団は恵まれていると評価される面もあるだろう。
しかしながら、群響自身もまた努力を続ける必要があると考える。とりわけ危機管理の意識、すなわち「楽団は危機的状況にあるかもしれない」という認識をもつ必要がある。例えばコロナ禍の事例を挙げると、楽団ごとに状況は異なったが、群響は活動を継続できてきた。こうした経験からも、楽団員はもちろん、事務局においても危機意識を持つことが不可欠であると考える。

【県民芸術祭(50周年記念事業)】

(委員)
県民芸術祭は非常に良い取り組みであり、地域の人々が当事者になれる点が優れている。地域の人々はお祭りや伝統芸能に非常に熱心であり、祭り以外の場でも発表できる機会があることは大変意義深い。

(委員)
50周年記念を迎えることを大変喜ばしく思う。節目としてこれだけの事業を実施する意義は大きい。ただし周年事業はしばしば「実施して終わり」となりがちであり、それだけでは芸術文化の本質である「継続性」を担保できない。継続性があってこその芸術であり文化だと思うので、次につなげる視点を各団体や関係者が考えていくが重要であると考える。

【世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」保存・活用】

(委員)
富岡製糸場と絹産業遺産群についてであるが、私見として富岡製糸場にはポテンシャルがまだまだあると考えている。私自身旅行が好きだが、訪問先の周辺がにぎわっていればいるほど足が向きやすいと感じる。そのため、本予算に保存整備が含まれているが、周辺に今風のおいしい飲食店等が数多く集まり、様々な人々が富岡製糸場周辺に集えるような、民間が参画しやすい動線づくり等ができたら素敵だと考える。

(委員)
審議会内でこれらの議論を深めることが重要である。例えば、富岡製糸場関係の産業遺産群に関する議論も同様である。絹産業遺産群について群馬県が訳したことについて、ユネスコの正式文書は、決して単に「絹」にのみこだわっているわけではない。我々が一歩踏み出したときに、絹の記憶や県内の絹産業をどのように結び付け、景観法における伝統的建造物群などとどう繋げるか、そしてそのストーリーをどのように理解・表現していくかが問われる。明治日本の産業革命遺産と富岡製糸場について、オールジャパンで問題に取り組んでいくことが必要である。

(委員)
絹文化に関しても触れておきたい。世界遺産に登録されていない絹関連の遺産や場所は荒廃している例が少なくない。群馬県内にはこうした場所が多く存在すると推測される。これらを、世界遺産と並行して扱い、群馬県内の絹に関わるスポットを巡るマップや、その背景ストーリーが一目で分かる冊子、あるいはウェブサイトなどの形で可視化し、富岡製糸場以外の絹文化にもきちんとスポットライトが当たるようにすることが望ましい。

(2)その他

(委員)
「群馬県の歌」。かつては県庁の始業前等で流れていた記憶がある。県が実施する事業や県の施設での催し、市町村の大会などの場で群馬県の歌や前橋市・高崎市・玉村町などの市町村歌をきちんと歌う文化を再び取り戻すことは意義深いと考える。ぜひそうしていただきたい。

(委員)
「パーセントフォーアート」の審査の際に内藤廣氏の名が挙がった。内藤氏が設計した「グラントワ」という施設が島根にある。島根県立美術館は松江と石見にあり、グラントワは石見に位置している。グラントワは音楽ホールやオランジュハウス、レストラン等を備えた複合施設であり、非常に美しく気持ちのよい建物である。私も一度訪れたことがあるが、今後の応用が利きそうな施設であると感じた。したがって、我々が今検討している事業についても、50年後や100年後を見据えたときに想像を超えて変化する可能性が高いことを踏まえ、柔軟に対応できる構造や設計を備えることが望ましいと考える。

5 会議資料

  • 次第
  • 令和8年度文化振興関連事業一覧

文化審議会へ戻る