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災害時等におけるガソリン等燃料の供給に関する取組について

更新日:2024年8月19日 印刷ページ表示

 東日本大震災の発生により、ガソリンや自家発電設備の重油などの燃料が不足し、県民生活や事業活動に大きな影響が生じました。
 県では、その経験を踏まえ、災害時等における燃料の供給に関する仕組みや体制を整えています。

  1. 災害時における燃料供給
  2. 「災害時等における燃料対策の手引き」について
  3. 「災害時等におけるガソリン等燃料の供給に関する協定」について
  4. 「災害時の重要施設に係る情報共有に関する覚書」について
  5. 燃料対策実地訓練の実施(平成25年度~)
  6. 過去の取組

1.災害時における燃料供給

重要な施設等に対する燃料供給

 大規模な災害の発生により、県内にガソリン等の燃料が不足した場合、県民の安全を守るために特に重要な施設・車両等(以下、各重要施設)に対して、燃料の供給を行います。

  • 各重要施設は、燃料の不足が生じた場合は、まず、平時の契約先に対し、優先供給を要請します。
  • 平時の契約先からの優先供給が受けられない場合に、県に対し、優先供給を要請します。(下図(1))
  • 県では、各重要施設からの要請を受け、以下の2つのルートにより燃料の供給に向けた調整を行います。

災害時における燃料供給体制のイメージ画像

(1)石油協同組合ルート(地域レベルでの燃料供給)

 平成23年11月及び平成26年7月に、群馬県石油協同組合との間で締結した「災害時等における燃料の供給に関する協定」に基づくもの。
 災害時等に各重要施設の燃料不足が生じた場合、県はこの(1)ルートで調整を行います。

(2)石油連盟ルート(国レベルでの燃料供給)

 平成24年11月に、石油連盟(全国組織)との間で締結した「災害時等の重要施設に係る情報共有に関する覚書」に基づくもの。
 (1)の石油協同組合ルートで燃料供給が困難な場合等に、補完して(2)ルートでの調整を行います。

実際に要請する際は

 各重要施設からの要請や給油所からの燃料供給については、県と群馬県石油協同組合が作成している「災害時等における燃料対策の手引き」に沿って行います。

主な手順
  1. 各重要施設から県産業政策課へ要請
  2. 県産業政策課と群馬県石油協同組合で供給の調整
  3. 県産業政策課から各重要施設へ給油所等の連絡
  4. 各重要施設が給油

※手引きについての詳細は、2.「災害時等における燃料対策の手引き」についてをご覧ください。

自家用車等への給油(住民拠点ssのご案内)

  • 住民拠点ss(サービスステーション)では、自家発電設備を備えており、災害による停電時においても、可能な限り住民の方向けに燃料供給を行います。
  • 国(資源エネルギー庁)では、平成28年4月の熊本地震において、災害時における燃料供給拠点としてのssの役割が再認識されたことを踏まえ、全国各地に住民拠点ssの整備を進めています。
  • 住民拠点ssの所在地等は、「住民拠点サービスステーション一覧」(資源エネルギー庁ホームページ)<外部リンク>をご覧ください。「住民拠点サービスステーション等検索」(資源エネルギー庁ホームページ)<外部リンク>では、住民拠点ss等の位置情報を地図上に表示することで所在地を把握することができます。平時には地図サービスとして活用できるほか、震度5強以上の地震発生時等の場合には、お近くの住民拠点ss等の営業状況等を確認することができます。

平時からの備えについて(「満タン&灯油プラス1缶運動」にご協力ください)

  • 大規模な災害が発生すると、家庭用燃料(ガソリン・軽油・灯油)の入手が困難になります。
  • 石油製品は非常食や飲料水のように簡単に備蓄することができません。
  • 車の燃料メーターが半分程度になったら満タンにする、暖房用の灯油は1缶余分に買い置くなど、「満タン&灯油プラス1缶運動」へのご協力をお願いいたします。

満タン&灯油プラス1缶運動ステッカーデザインのイメージ画像

※この運動は、全国石油商業組合連合会、群馬県石油協同組合等が実施しています。詳細は、「満タン&灯油プラス1缶運動」(全石連ホームページ)<外部リンク>をご覧ください。

2.「災害時等における燃料対策の手引き」について

  • 平成23年11月に群馬県石油協同組合と締結した「災害時等におけるガソリン等燃料の供給に関する協定」を柱に、本県における総合的な燃料対策をマニュアルとして取りまとめました。
  • 大規模災害の発生等により、県内でガソリン等燃料が不足した場合において、情報収集や情報発信、重要な施設等に対する燃料の供給等をできる限り円滑に行うための具体的な取組を記載しています。

手引きの骨子

1.情報の収集・発信

関連機関との連携のイメージ画像

  • 県と群馬県石油協同組合は、燃料の供給に関し、日頃から緊密な連携を図るとともに、災害時には、他の機関とも情報共有を行います。
  • 県は、災害時等において必要がある場合は、石油製品の流通状況等に関する情報やメッセージを、様々な広報媒体等を通じ県民に発信します。

2.「協定」等に基づく燃料の供給

「協定」に基づく燃料供給の基本的仕組みのイメージ画像
「協定」に基づく燃料供給の基本的仕組み

  1. 協定の対象となる各重要施設は、災害等により自家発電設備や車両の燃料不足が生じた場合は、まず平時から契約しているガソリンスタンドに対し、優先供給を要請します。
  2. 平時の契約先からの優先供給が受けられない場合に、県に対し、優先供給を要請します。
  3. 県は、施設からの要請を受け、燃料の供給の調整を行います。
  • 県内における燃料在庫量が少なく、対象施設等へ一斉に供給することが困難な場合には、状況に応じて優先供給先の調整を行います。

3.「災害時等におけるガソリン等燃料の供給に関する協定」について

 今後の災害等による燃料不足に備え、群馬県石油協同組合との間で、平成11年度に締結した協定を見直し、平成23年11月14日に「災害時等におけるガソリン等燃料の供給に関する協定」を締結しました。
 また、各重要施設に対し、より確実に優先給油するため、燃料備蓄に関する事項を追加し、平成26年7月30日に改めて協定を締結しました。

協定の特徴

  • 避難所のほか、緊急通行車両や医療・福祉関係施設・事業など、民間事業者も含めて、県民の安全を確保するために重要な施設・車両などを対象に、燃料の優先供給を行います。
  • 県と組合との間で締結した協定ですが、市町村から県に要請があった場合も優先供給の対象としています。

4.「災害時の重要施設に係る情報共有に関する覚書」について

  • 緊急時の対応体制をより一層強化するため、平成24年11月14日、石油連盟との間に「災害時の重要施設に係る情報共有に関する覚書」を締結しました。
  • 当該覚書にもとづく燃料供給スキームは、災害時等における自治体からの緊急要請に基づき、政府災害対策本部が石油連盟に対して供給の要請を行い、石油連盟の会員である石油元売会社が各地の重要施設に対する供給を実施するものです。
  • 覚書に基づき、あらかじめ自治体と石油連盟との間で、想定される供給先の情報を共有することで、迅速かつ効率的に燃料を供給することが可能になります。
  • なお、石油元売会社からの供給は、大型タンクローリーによる各施設への直接配送となるため、実際の供給においては以下のとおり設備要件があります。したがって、県民の安全を守るために特に重要な施設のうちから、この要件を満たす104施設(令和4年1月末現在)を当該覚書の対象としてリストアップしました。
    1. 大型タンクローリー(14キロリットル積以上)が入構できること
    2. 概ね容量4キロリットル以上の燃料タンクを保有していること
    3. ローリーから直接接続して給油できるタンクであること(法令により、自動車、ポリタンク及び発電機等への直接給油が不可)
覚書対象施設〈104施設〉の内訳(令和5年3月末現在)
類型 施設区分 施設数
病院 救急救命センター、災害拠点病院、急性期病院等 22施設
警察 本部、警察署等 11施設
消防 消防署 6施設
官公庁 県庁舎、合同庁舎防災センター 4施設
市町村行政庁舎 12施設
避難所 9施設
浄水場 13施設
下水処理施設 14施設
公益事業 電力 2施設
情報通信 8施設
放送 2施設
金融機関 1施設

5.燃料対策実地訓練の実施(平成25年度~)

 県と群馬県石油協同組合との間で締結した「災害時等におけるガソリン等燃料の供給に関する協定」や、本県の総合的な燃料対策マニュアルとして取りまとめた「災害時等における燃料対策の手引き」に基づき、県、群馬県石油協同組合及び重要施設の初動対応や役割分担を確認・検証するほか、災害対応型中核給油所等の自家発電設備を稼働させた燃料供給作業の点検等を行うことにより、災害発生時の迅速・的確な対応に備えることを目的として実地訓練を実施しています。

訓練概要

  1. 県と石油組合の情報収集・共有訓練
  2. 災害対応型給油所における緊急車両に対する給油訓練
  3. 配送センターからの重要施設に対する燃料(自家発電用)配送訓練

実施日・参加機関

  • 実施主体 : 群馬県、群馬県石油協同組合
訓練実施日・参加機関
実施日 参加機関(給油訓練) 参加機関(配送訓練)
平成26年3月27日(木曜日) 群馬県警察   東京電力(株)群馬支店  
平成27年3月24日(火曜日) 群馬県警察   東京電力(株)群馬支店 日本赤十字社群馬県支部(前橋赤十字病院)
平成28年3月23日(水曜日) 群馬県警察 日本赤十字社群馬県支部(前橋赤十字病院) 東京電力(株)群馬総支社 (医)社団美心会 老健くろさわ
平成29年3月23日(木曜日) 群馬県警察 (福) 前橋至道会 シャリティエまえばし 東京電力パワーグリッド(株)群馬総支社 (独) 地域医療機能推進機構 群馬中央病院
平成29年9月12日(火曜日) 前橋市消防局 群馬大学医学部附属病院 NTT東日本群馬支店 (独)国立病院機構 高崎総合医療センター
平成30年9月10日(月曜日) 前橋市消防局   日本銀行前橋支店 日本赤十字社群馬県支部(前橋赤十字病院)
令和元年9月10日(火曜日) 高崎市等広域消防局   NTT東日本群馬支店 (医)社団日高会 日高病院
令和3年2月5日(金曜日) 群馬県警察   NTT東日本群馬支店(伊勢崎電話交換センタ) 太田市消防本部
令和4年1月28日(金曜日) 群馬県警察   東京電力パワーグリッド(株)群馬総支社 (独)国立病院機構 高崎総合医療センター
令和5年2月7日(火曜日) 館林地区消防組合消防本部・館林消防署   NTT東日本群馬支店 群馬大学医学部附属病院

※令和2年度~令和4年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により机上訓練

令和元年度の状況写真
令和元年度の状況(給油訓練)

令和元年度の状況写真
令和元年度の状況(配送訓練)

6.過去の取組

ガソリンスタンド等に対する災害時給油所地下タンク製品備蓄促進事業について(平成27年度~平成30年度)

 平成26年度に実施された国の補助事業にあわせ、災害時において、地域における石油製品の供給拠点となり、各重要施設に優先給油を行う中核給油所等に、一定量の燃料を備蓄するための管理費を補助しました。

事業概要

(1)支援内容

 国:備蓄燃料の購入費用及び初年度管理費用を補助
 県:2年目~5年目の管理費用を補助(1施設につき上限6,000円、群馬県石油協同組合は上限60,000円)

(2)実施施設

 57施設(中核給油所49施設、小口配送拠点8施設)

(3)事業目的

 一定量の燃料を備蓄することで、災害時に、重要施設・緊急車両等への安定・迅速・確実な燃料供給をはかる

ガソリンスタンド等に対する自家発電設備補助事業について(平成24年度)

  • 東日本大震災の経験を踏まえ、国では平成24年度、「災害対応型中核給油所等整備補助事業」を創設し、地域における石油製品の供給体制の災害対応能力を強化することとされました。
  • 県では、この国の補助事業に加え、独自の補助制度(群馬県災害時等燃料供給緊急対策費補助金)を設け、県内の給油所や配送センターにおける自家発電設備の導入を支援しました(補助金額:25,931千円)。
ガソリンスタンド等に対する自家発電設備補助事業一覧
補助事業名 整備数 対象設備 県の独自要件 補助率
中核給油所整備事業 50ヶ所 自家発電設備
(7,5kva以上)
  • ガソリン、軽油、灯油の3種の供給が可能であること
  • 固定電話の使用が可能であること
10分の1
災害対応型給油所整備事業 11ヶ所 自家発電設備
(3.0kva以上)
  • ガソリン、軽油、灯油の3種の供給が可能であること
  • 固定電話の使用が可能であること
10分の1
小口燃料配送拠点整備事業 8ヶ所 自家発電設備
(7,5kva以上)
  • ガソリン、軽油、灯油の3種の供給が可能であること
  • 固定電話の使用が可能であること
10分の1

kva=キロボルトアンペア

※群馬県石油協同組合や各給油所と調整のうえ、人口規模や面積を基本に、地域や市町村ごとの配分バランスに配慮して整備数を決定