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群馬県における児童虐待相談件数は、年々増加しています。県では子どもの安全・安心を守る取り組みをさらに進めるため、24時間の電話相談などの他、一時保護所の新設による体制整備や児童虐待防止条例の検討を進めています。
児童の虐待防止は公的機関による支援に加え、社会全体で取り組むことが大切です。子育て中の方だけでなく周りの人たちの早めの相談・早めの気付きが子どもたちを救うことにつながります。皆さんで子どもたちの笑顔あふれる社会をつくりましょう。
子どもの健やかな成長・発達を損ない、子どもの心身に重大な影響を与える行為です。
子どもがけがをする、またはその恐れのある暴行を加えること。
保護者などの怠慢や放置により子どもの健康や安全を損なうこと。
子どもにわいせつな行為をすること、また子どもにわいせつな行為をさせること。
言葉による脅しや無視・拒否的な態度など子どもの心を傷つけること。
※注 DV…ドメスティック・バイオレンスの略で、配偶者間などの暴力
※身体に苦痛や不快感を引き起こす行為は体罰に該当し法律で禁止されています
参考:厚生労働省「体罰等によらない子育てを広げよう!」
脳画像の研究により、子どもの頃につらい経験をした人は、脳にさまざまな変化を生じること(右図参照)が報告されています。目に見えない大きなダメージを子どもに与えているかも知れません。
※厳しい体罰により、前頭前野(社会生活に極めて重要な脳部位)の容積が19.1%減少
うつ・著しい不安など精神的な問題を持つことがある他、周りの人を傷つけるなどの反社会的な行動が増加したり、感情的にキレやすく攻撃性が強くなったりすることがあります。影響は幼児期だけにとどまらず、成人してからも続く可能性があります。
出典:「子どもを健やかに育むために~愛の鞭(ムチ)ゼロ作戦~」
県中央児童相談所虐待対応係長 武藤洋介(むとうようすけ)さん
児童虐待の通告があれば24時間以内に家庭を訪問し、安全確認を行う他、警察や市町村などの関係機関と連携して対応しています。
児童虐待の相談件数は年々増加しています。近年特に増えている相談は、子どもの前で配偶者に暴力を振るったり暴言を吐いたりする面前DVです。家庭内で日常的にけんかが起こる環境は、子どもの発育に悪影響を及ぼすため、心理的虐待につながります。
虐待通告を受けて家庭訪問をした時や、子どもの安全確保のため一時保護をする時に、保護者と対立することもあります。しかし、関係機関との連携により子どもの命や権利を守れた時や、支援により日常生活を取り戻すことができたと感謝の言葉をいただいた時にはとてもやりがいを感じます。
相談の際に皆さんに伝えていることは、不安や悩みがあったら小さなことでも早めに相談をいただきたいということです。子育てには正解がある訳ではありません。子どもの健やかな成長のために一緒に考えていきましょう。
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