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第2部第4章第4節【新エネルギーの活用】

更新日:2011年10月5日 印刷ページ表示

1 新エネルギーの導入促進

(1)新エネルギーとは

 石油を代替するエネルギーで、経済性の面における制約から普及が十分でないものであって、促進することがその導入を図るために特に必要なものとされており、次のように分類することができます。

(2)新エネルギーに関する調査研究

 石油代替エネルギーの確保や地球温暖化対策の取り組みが求められる中、新エネルギー導入の必要性は、近年一層高まってきています。
 このため、県庁内に設置している「新エネルギー研究会」において、群馬県における今後の新エネルギー施策のあり方を総合的・部局横断的に検討しています。

(3)新エネルギー導入の推進

 地域における新エネルギー導入の事業化に必要な研究・調査を実施する「新エネルギー導入可能性調査」を実施しました。(小水力発電の導入可能性等について2件実施。)
 また、模範的・先進的な新エネルギー導入を支援する「新エネルギー導入モデル支援事業」を実施し、2件の小水力発電システム導入に対して、補助を行いました。

(4)新エネルギーの普及啓発

 新エネルギーの普及啓発のため、市町村における地域新エネルギービジョン策定の支援や、セミナーの開催等を実施しました。
 「地域新エネルギービジョン」は、地方公共団体が地域特性に適合した新エネルギーを普及することを目的に、地域における新エネルギー賦存量や導入目標、導入に向けた取り組み等を盛り込んで策定するものです。策定を支援するために、市町村のビジョン策定委員会に参加し、助言や情報提供を行いました。
 また、小規模な流れを利用した小水力発電や小型風力発電、温度差発電などをテーマとした新エネルギー研修会、小学生を対象とした新エネルギー教室、木質ペレットストーブの燃焼展示やぐんま環境&森林フェスティバルにおける新エネルギー導入事例の紹介など、様々な機会を通じて子どもから大人まで幅広い世代を対象に新エネルギーの普及啓発を行いました。

(5)群馬県地域結集型研究開発プログラムの推進

 県では、本県が全国的にも畜産業が盛んな場所であり、余剰たい肥が生じている状況を踏まえて、「家畜排せつ物からエネルギーを獲得して有効利用するとともに、環境への負荷を低減する技術」を開発する「環境に調和した地域産業創出プロジェクト」を平成18年1月から進めてきました。平成22年度は、畜産農家での実証実験を中心に行いました。
 本プログラムでは、大学、企業、試験研究機関が結集して、以下の研究開発に取り組んできました。

  • 家畜糞を低温でガス化することにより効率良くエネルギーを獲得する技術の研究開発
  • 家畜尿汚水からリンなどの資源を回収するとともに、汚水を浄化する技術の研究開発
  • 畜産臭気対策として低コストで効率の良い脱臭装置の研究開発

今後は、事業化・商品化につなげる研究開発を推進するとともに、研究成果の普及促進を図ります。

2 バイオマス活用推進

(1)バイオマスについて

 バイオマスとは生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、「再生可能な生物由来の有機性資源で、化石資源を除いたもの」をいいます。
 また、バイオマスの性質としては、植物は成長過程で光合成により二酸化炭素を固定するため、燃焼しても実質的には大気中の二酸化炭素を増加させることにはならない性質があり、このように二酸化炭素の増減に影響を与えない性質のことを「カーボンニュートラル」と呼んでいます。
 バイオマスによる発電、熱利用、燃料製造も「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」において、新エネルギーとして位置づけられています。

(2)バイオマス活用の推進

 バイオマスはその特性として、種類が多く、広く薄く存在し、利活用形態も極めて多様であるため、関係する業界、行政分野が非常に広範囲に及んでいます。そこで、活用推進に向けて関係者が連携・協力して取り組むため、「群馬県バイオマス利活用推進連絡会議」を庁内関係各課の参加を得て設置し、バイオマス利活用の推進方針として「群馬県バイオマス総合利用マスタープラン」を定めています。
 平成21年度時点における利活用率について進捗点検を実施したところ、バイオマスの「賦存量」はプラン作成時(平成15年時点)からほとんど変化ありませんでしたが、バイオマスの「利活用率」については、プラン策定時の51%から16%増加し67%となりました。
 これは、賦存量が特に多い「家畜排せつ物」や、「わら類」、「建設発生木材」における利活用量が大幅に増加したことなどによるものです。
 しかし、計画目標年度(平成22年度)時点での利活用率の目標は77%であることから、目標達成は困難な状況です。

(3)取り組みの状況

 「群馬県バイオマス利活用推進連絡会議」では、平成18年度においては家畜排せつ物の利活用、平成19年度においては木質バイオマスのエタノール化や、赤城南面地域における松くい虫被害マツ材や未利用の広葉樹の熱源としての利用可能性について検討し、結果を公表しました。平成20年度においては関係者の見識を高めるため、国内外のバイオマス利活用事情について有識者による講演会を開催しました。平成21年度においては、木質バイオマス(木質ペレット)利用実現のための実証調査を行い、普及にあたっての問題点等について検討しました。
 また、平成22年度には、バイオマスに関連する情報や事例を整理した、「平成23年度版バイオマス利活用推進ハンドブック」を編纂するなど、庁内各課が連携してバイオマス利活用の推進に取り組んでいきます。