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第2部第4章第3節 バイオマスの活用推進

更新日:2012年10月1日 印刷ページ表示

第1項 活用システムの構築

1 バイオマス活用推進

(1)バイオマスについて

 バイオマスとは生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、再生可能な生物由来の有機性資源(石油などの化石資源を除く)のことです。
 バイオマスの性質として、植物の成長過程で光合成により二酸化炭素を固定するため、燃焼しても実質的には大気中の二酸化炭素を増加させることにはなりません。このように二酸化炭素の増減に影響を与えない性質のことを「カーボンニュートラル」といいます。そのため、バイオマスは、化石燃料に代替する再生可能エネルギーとして注目されています。

(2)群馬県バイオマス活用推進計画

ア 策定の趣旨

 平成21年9月に「バイオマス活用推進基本法」が施行され、平成22年12月には、国の「バイオマス活用推進基本計画」が策定されました。
 これを受け、県では、県内に豊富に存在するバイオマス資源の活用を推進し、環境への負荷が少ない低炭素・循環型社会の実現に向け、また、農林業の振興、地域の活性化及び新たな産業の育成にも資するため、県の取組方針、バイオマスの種類ごとの利用量及び利用率の目標を定めた「群馬県バイオマス活用推進計画」を平成24年3月に策定しました。

イ 基本目標、基本理念

 当計画では、現状のバイオマス全体の利用率71パーセント(炭素換算)を10年後の2021年度(平成33年度)には、81パーセントまで高めることを基本目標としています。
 また、豊富に存在するバイオマスを有効活用した地域循環型システムを構築し、新たな技術の開発と産業の育成により、環境負荷の少ない低炭素・循環型社会を実現する『バイオマス先進県ぐんま』を目指すことを基本理念としています。

ウ 重点事項

 本県は畜産業が盛んなため畜産バイオマスが豊富に存在しています。しかしながら、そのほとんどが肥料として利用されているため供給過剰となり地域内での消費が困難になっています。
 また、本県は県土面積の3分の2を森林が占める「関東一の森林県」であり、木質バイオマスが豊富に存在していますが、間伐材等の林地残材はほとんど利用されていません。
 以上のことから、本県の更なるバイオマスの活用推進を図るため、「畜産資源のエネルギー利用の推進」及び「林地残材利用の推進」について、重点的に取り組みます。

(3)バイオマス活用の推進

 本県では、バイオマス活用推進計画の基本理念・基本目標の達成を目指して、学識経験者・市民活動団体・NPO・事業者・行政から構成される「群馬県バイオマス活用推進委員会」を中心に、県庁各部局で構成される「群馬県バイオマス利活用推進連絡会議」と協力・連携し、持続可能な低炭素・循環型社会の実現に向けた取組を総合的・計画的に推進します。

2 地域結集事業成果の普及促進

 県では、「家畜排せつ物をエネルギーに変換して有効利用するとともに、環境への負荷を低減する技術」を開発する「環境に調和した地域産業創出プロジェクト」を平成18年1月から進めています。平成23年12月には、環境調和型畜産振興特区として総合特別区域の第一次指定を受けました。
 本プロジェクトでは、大学、企業、試験研究機関が結集して、家畜ふんを低温でガス化することにより効率良くエネルギーに変換する技術の研究開発に取り組んでいます。
 今後は、実証試験の規模を拡大し、技術の実用化・事業化を図ります。

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