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第2部第4章第6節 里山・平地林・里の水辺の再生

更新日:2017年12月20日 印刷ページ表示

主な指標と最新実績

ため池の保全・整備数 2地区

第1項 里山・平地林・里の水辺の整備

1 ぐんま緑の県民基金市町村提案型事業(荒廃した里山・平地林の整備)

 かつて、きのこや山菜、薪や炭、肥料にする落ち葉や生活用具の材料となる木材や竹などの日々の生活に必要な様々なものを、私たちは身近な里山から得ていました。
 また、里山は、二次的自然として、特有の動植物の生息地となることで、生物多様性を保全する機能を担っていました。
 しかし近代化が進み、電気やガスが普及し、食材や道具類はいつでも簡単に手に入る時代となった今、たとえ人家裏の雑木林や里山であっても非常に遠い存在となっています。
 人の手が入らなくなった里山は、ヤブや竹、シノが繁茂し、更に人を寄せ付けなくなります。
 このような荒廃した里山は、イノシシなどの野生動物の隠れ家となり、近隣の畑や果樹園における農作物被害を拡大させています。
 また、ヤブだらけの里山は、ゴミが投棄されやすく、更に見通しが悪いと防犯上の問題も起きやすくなります。里山の保全は、生物多様性だけでなく、地域の安全安心な生活環境を保全するためにも重要な課題です。
 野生鳥獣の被害が発生する地域や、ゴミの不法投棄や見通しが悪く防犯上の問題がある地域では、平成26年度から始まった「ぐんま緑の県民基金市町村提案型事業」の「荒廃した里山・平地林の整備」事業を活用し、地域住民と市町村が連携し、身近な里山や竹林において里山・平地林の整備に取り組んでいます。
 平成26年度は22市町村、63か所、平成27年度は26市町村、112か所、平成28年度は29市町村、177か所の整備を行いました。

2 ため池等の周辺整備

 ため池は、豪雨や地震等の自然災害により崩壊した場合、農地に被害を与えるだけでなく、下流の住宅や道路などの公共施設等にも大きな被害を与えることが想定されます。
 このため、県では平成24年度から県単独事業として老朽化等の理由により自然災害等で崩壊の危険性があるため池について緊急的に整備に着手し、下流地域の安全、安心の確保を図り、景観や生態系に応じた整備を実施しています。
 平成28年度は、2地区でため池の堤体改修や保護、洪水吐・取水施設の改修を実施し、更なる整備に向けて新たに2地区の調査・計画に着手しました。

3 多々良沼公園における自然再生活動の推進

 多々良沼及び城沼周辺において、沼に流入する河川の水質等の改善や絶滅種の復活及び減少しつつある希少種の復活を目指し、失われてしまった自然を取り戻す又は保全するため、平成22年4月に地域住民、NPO、学識経験者、地方公共団体、関係行政機関など多様な主体により多々良沼・城沼自然再生協議会を設立しました。
 平成23年5月には、協議会の目標となる全体構想を策定し、「水質」「生態系」「親水性」の目標を掲げました。平成26年1月には、目標達成に向け、それぞれの実施者が取り組みやすいよう、協議会としての実施計画を策定し、その後は実施計画に基づき、それぞれの目標に沿った様々な事業を展開しています。
 平成27年度は、多々良沼においてヨシ焼きを行いました。枯れたヨシを焼くことは、春に多くの植物に対して芽生えの機会を与え、豊かな湿地環境の保全に繋がります。ヨシ焼きに先立ち、「多々良沼自然公園を愛する会」主催で、多々良沼・城沼自然再生協議会の各構成団体や地元の皆さんの参加により、延焼防止のためのヨシ刈りを実施しました。ヨシ焼きの際には、上空にオオタカの姿や避難する狸の姿が見受けられましたが、昼頃には無事終了し、対岸を見渡せる広大な光景が眼前に広がりました。
 平成28年度は、植物・魚類・水質等のモニタリング調査を実施し、外来種駆除に取り組みました。
 これからも、一人でも多くの参加者とともに、自然再生に向けた取組を積極的に進めて参ります。
「多々良沼・城沼自然再生協議会」ホームページ

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