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第71回群馬県立文書館運営協議会の開催結果について

更新日:2025年9月10日 印刷ページ表示

1 日時

 令和7年8月25日(月曜日)14時~16時

2 場所

 群馬県立文書館3階研修室

3 出席者

 委員 8名(佐藤孝之会長、岡屋紀子副会長、新井小枝子委員、須田聡子委員、瀧沢典枝委員、
        野口華世委員、三上浩一委員、高橋康委員)
 委任状提出 2名(関戸明子委員、岩崎琢郎委員)
 事務局 8名(小池俊英文書館長ほか7名)
 傍聴人 なし
 取材者 1名

4 議事

 (1) 報告
 ア 前年度事業実績
 イ 本年度事業

 (2) 協議
 ア 計画の評価(令和6年度実績)

 (3) 意見交換

5 発言概要

(1)報告

(事務局)
 資料により報告
 ア 前年度事業実績【資料1】
 イ 今年度事業計画【資料2】

 <確認>
 なし

(2)協議

( 事務局)
 資料により説明
 ア 計画の評価(令和6年度実績)【資料3】【資料4】

< 質疑等>
(委員)
 目標となる「KGI(重要目標達成指標)」の数値は、どのように決定したのか。
(事務局)
 利用者数が減少するコロナ禍前である平成30年度の数値を参考に定めた。

(委員)
 図書館との連携で行う「郡村誌」のデジタル化について、詳しく説明をお願いしたい。
(事務局)
 県立図書館が行っているデジタル化事業の枠に、文書館も入れていただけることになった。「郡村誌」を選定した理由は、明治初期の郷土を示す代表的な資料であり、利用数が多いためである。

(委員)
 「郡村誌」はマイクロ等になっているものか。
(事務局)
 マイクロ化されていないが、翻刻された冊子が出版され、それを閲覧室で開架している。

(委員)
 「郡村誌」は私も利用したことがあり、現在では失われた方言が記録されているなど非常に興味深い資料だと思っている。デジタル化の際には、ただ公開するだけではなく、資料の魅力や価値、この資料からどういったことが分かるかといったことをあわせて発信できるとデジタル公開の価値が出てくるのではないか。
(委員)
 単なる公開ではなく、利用価値の発信が重要ということかと思う。

(委員)
 逸品展示やワークショップの周知の方法はどのようなものか確認したい。
(事務局)
 図書館等へのチラシ配布、県庁での報道提供、当館フェイスブックでの告知、報道機関への声掛け等である。ワークショップについては前橋市教育委員会の協力により「すぐーる」という保護者に情報提供を行うシステムで告知したところ、非常に大きな反響があった。

(委員)
 新しい客層へのアプローチ、そこからリピーターになってもらう取り組みが重要になると思う。⾧期講座等ではリピーターもいるのか。
(事務局)
 ⾧期講座にはリピーターの方もいる。また、県民向けの出張講座である「出前なんでも講座」を来年度から再開する予定である。

(委員)
 ワークショップの話を聞き、興味深く思った。「すぐーる」の話が出たが、近隣のショッピングセンターである「けやきウォーク」での宣伝等はできないのか。
(事務局)
 当初は図書館等へのチラシ配布を行ったが、そこでの反響はあまり大きくなかった。その後、生涯学習施設や「けやきウォーク」へのチラシ配布等も行っている。

(委員)
 委員を務めるまでは、文書館は縁の遠いイメージがあった。逸品展示は興味深い試みだと思うので、文書に気軽に触れられる機会を増やしてもらえるといいのではないか。
(事務局)
 逸品展示は、かつて当館でタイタニック号の沈没を故郷に伝える書簡が見つかった。
 その書簡を一品展示しただけでも、大きな反響があったと聞いたので、それを参考に企画したものである。

(委員)
 展示観覧者数等の数字はどのように算出しているのか。
(事務局)
 展示のパンフレットを観覧者が受け取った数(パンフレットの減少数)を元に算出している。

(委員)
 利用者数の回復のために展示観覧者数を増やすとのことだが、展示だけを見に来る利用者はあまりいないのではないか。文書館の展示は原本ではなく複製物である。閲覧室に人を呼び込むのが展示本来の目的ではないか。現物を手に取って見られるというのが文書館の特徴であり、それを目標にすべきではないか。展示しているものだけでなく、同所蔵者の資料などの閲覧に広げる導線等があった方がよいのではないか。 県立図書館のデジタルライブラリーでは文書館の資料が公開されてはいるが、単にホームページ上で見られるだけである。資料の価値や文書館で原本を見られるといったことを伝えて閲覧室利用に繋げていくべきではないか。文書館のホームページで地引絵図が公開されているが、場所が分かりづらくてトップページから該当ページへ、たどり着くのが難しい。地引絵図は一般人の関心を引く資料だと思うので、効果的な宣伝や公開方法を考えてほしい。
(事務局)
 展示を閲覧に繋げる仕掛けを作りたいと考えている。閲覧利用がしやすいよう、展示の関連資料の閲覧票を予め用意しておくといった方法等を検討している。また、「認証アーキビスト」を3ヶ年で2名を育成する予定であり、アーキビストの能力を展示・閲覧に繋げていきたい。デジタル資料の紹介方法(ホームページの構成や資料の解説等)は考えていきたい。

(3)意見交換

(委員)
 専門職員の問題について、「認証アーキビスト」を養成する予定とのことだが、近年ようやく国立公文書館や大学でアーキビスト養成の取り組みが活発化してきた。資格だけではなく、待遇の問題もある。専門職員としての待遇についてどのように考えているか。
(事務局)
「認証アーキビスト」は、現時点では学芸員のように法律上必置ではないことと、人事異動により職員が一定期間で異動してしまうため、養成が難しかった。しかしながら、当館で⾧く働きたい意向のある職員がいたので、県庁と協議した結果、養成できることとなった。待遇については他の自治体等の状況を踏まえて対応していきたい。
(委員)
 「認証アーキビスト」は国家資格ではないことから、待遇改善については、困難はあると思うが、頑張ってもらいたい。

(委員)
  小・中学生が古文書・公文書に興味があるかというと、なかなか難しいと思う。まず文書館の存在を知ってもらう点で、今回のワークショップはよい試みだったのではないか。どちらかというと教師への働きかけの方が重要で、そこから生徒にも関心を持ってもらうのがよいのではないか。また、職場体験等を通して興味を持ってもらうことも重要と思う。
(事務局)
 コロナ禍で中断していた、近隣にある前橋市立第五中学校と天川小学校との連携を昨年度から再開した。地域学習や社会科の授業での連携である。職場体験も、できるだけ受け入れていきたい。教員に対しては、総合教育センターと連携して研修を行っており、今後も継続していきたい。

(委員)
 文書館の果たす狙いや目的について改めて考えていた。県の施設ということで、様々な資料を保管しているが、対象が歴史等に強い関心のある人なのか、広く県民一般や小中学生なのか、どのように考えているのか。私個人としては学校に勤めていることもあり、後者を大事にしてもらいたいと考えている。展示や講座を通して徐々に関心を深めてもらい、閲覧にも繋げていければいい。関心のある人以外には文書館はあまり認知されていないのが実情であり、認知度を高めていく地道な活動が重要であると思う。少子化の中で学校は生き残りをかけて特色化、認知を広めることに力点を置いている。インターンシップ等、色々な形で生徒へ働きかけることが重要であり、「すぐーる」のような学校を通さない方法もありうると思う。歴史部会としても文書館を利用していきたい。
(事務局)
 文書館は専門家向けか一般向けかということについて、私は両方であると考えている。県全体の取組に関して、説明責任を果たせるよう、歴史的価値のある文書を確実に保存することはもちろんだが、教育委員会内の所属として一般人への社会教育も行う場でもある。例えば展示では、一般層へアプローチするようなテーマを設定し、さらに逸品展示を活用して多数開催する。その都度、きちんと広報し、周知したい。そして歴史部会で本館を利用していただければありがたい。

(委員)
  閲覧室は座席が限られている。研修室を県立図書館にあるような学習の場として解放し、まずは利用してもらうといった方法もあるのではないか。前橋市では学習の場を設置しており、利用もされていると聞いている。
(事務局)
  文書館を利用しているのは古文書団体等の限られた団体である。まずは他施設の状況等を確認したい。

(委員)
  現在の施設利用はどのような形なのか。資料の利用ではなく、部屋を貸し出すという形か。
(事務局)
 文書の同好会に特別に貸し出している。同好会のテキストは文書館の資料を複製して使っている場合もある。また、市史編さん室等に資料の閲覧のため利用を認めることもある。

(委員)
  地域資料を活用していくことが文書館の課題だと思う。県史追跡調査等は目立たない活動だが重要と考えている。現在の自治体は埋蔵文化財に関する活動が中心となっている。その中で地域の古文書が地域資料として非常に重要であるということを市町村へアピールしてもらいたい。指標に盛り込んでもらえるとありがたい。市の職員として、市町村と文書館とが連携して取り組むことが重要だと考えている。
(事務局) 市町村との連携では「群文協」という市町村と県で構成される組織があり、公文書、古文書の分野で研修会を行っている。この場を通じて文書の重要性ということも伝えていきたい。また、当館では文書調査員の委嘱しており、調査員を通じて市中に存在する古文書の情報収集や調査を行っていく。

(委員)
 ホームページ閲覧の際、例えば逸品展示の資料にたどり着くには、どのようにしたらよいのか。
(事務局) ホームページの検索システムは、キーワード検索に対応しているので、それを活用すれば、見つけることができる。

(委員) 例えば地域の狂歌などを研究対象にしている学生もいるが、そういった検索も可能か。
(事務局) 可能である。今、ホームページで「狂歌」で検索したところ100件ほどヒットした。

(委員)
  大学生等が、文書館で一次資料を発掘するような活用方法もあると思う。
(事務局)
 現在でも各地の大学からのレファレンスを受けることもあるので、同様な支援ができる。
(委員)
 学生にそのことを案内していきたい。

(以上)

【資料1】「群馬県立文書館年報」令和6年度版 (PDF:2.21MB)
【資料2】令和7年度文書館事業 (PDF:569KB)
【資料3】「利用実績回復 3ヶ年計画」業計画 (PDF:1.18MB)
【資料4】計画の項目見直し (PDF:440KB)
群馬県立文書館運営協議会委員名簿 (PDF:102KB)

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