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第2期群馬県教育大綱について

はじめに

 新型コロナウイルス感染症拡大により、社会や生活様式が大きく変容し、学校では長期にわたる臨時休業措置が取られました。
長い臨時休業では、学校が果たす機能として、学習の場としての役割だけでなく、子どもたちの安全な居場所としての役割、集団生活を通して社会性を育む場としての役割、健康的な生活リズムを保つ役割などを学校が担っていたことが再認識されました。
 一方で、これまでの授業形態による学習が困難となり、学校におけるICT環境整備の重要性とICT化の遅れが指摘され、文部科学省がGIGAスクール構想の前倒しを表明するなど、ICT化が加速するきっかけにもなり、教育も「ニューノーマル(新常態)」への転換が急務となっています。
 このように、予測困難で、価値観の多様化が進む時代を生きる子どもたちには、答えが一つに定まらない中で課題を発見し、解決に向けて自ら考え、多様な人々と協働する力や、新たな価値を生み出す力が求められていると考えます。
 県では、今後20年の本県を取り巻く様々な変化を見通し、目指す姿を描く「ビジョン」と、今後10年間に重点的に取り組む具体的な政策を体系化した「基本計画」の2つを合わせた新たな総合計画(以下、「新・総合計画」という)を策定しています。
 新・総合計画(ビジョン)では、新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえた「ニューノーマル」への転換と県民の「幸福度向上」を目指し、デジタルと群馬県の固有性を掛け合わせた新たな魅力の創出を掲げています。これを踏まえ、教育においてもデジタル技術を活用し、あらゆる状況において子どもたちの学びを保障するとともに、多様な個性を持った子ども一人ひとりに応じた個別最適な学びと、多様な人々と関わりながら課題解決を図る協働的な学びを実現するため、県では、教育イノベーションを推進し、群馬ならではの新しい学びの確立に向け、動き出しています。
 こうした取組等を通じて、本県の教育分野における最上位計画である「第3期群馬県教育振興基本計画」の基本目標に掲げているように、子どもたちの「たくましく生きる力」を育み、誰もが自己の可能性を高め、互いに認め合い、共に支え合う社会をつくっていきます。
 この大綱では、群馬の未来を担う人づくりのために、これからの時代を生きる子どもたちに必要な力とは何かを考え、学校教育をはじめとする教育全般について、基本的な方向性をまとめました。

策定の趣旨

 この大綱は、群馬県の教育に関する施策の根本となる方針を定め、知事と教育委員会が方向性を共有し、一層密接に連携して総合的に施策を推進していくことを目的に、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第1条の3に基づき、知事が策定するものです。

大綱の計画期間

令和3年度から令和7年度までの5年間とします。

策定に当たり留意した点

  1. 新・総合計画(ビジョン)と連動しながら、第3期群馬県教育振興基本計画との整合性を踏まえ、教育の基本的な方向性を示すものとしました。
  2. 総合教育会議における意見、市町村教育委員会からの意見及びパブリックコメントを反映しました。

基本方針

 「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のための国際目標であるSDGs(Sustainable Development Goals)を踏まえ、多様な個性を持つ一人ひとりの子どもたちを誰一人取り残さず、第3期群馬県教育振興基本計画の基本目標「たくましく生きる力をはぐくむ~自らの可能性を高め、互いに認め合い、共に支え合う~」の下、生涯にわたり一人ひとりが持つ個性や能力を伸ばし、自ら学び、自ら考える力を育成するとともに、誰もが互いに多様性を認め合い、共に支え合う教育を推進していきます。
 さらには、社会の在り方が大きく変化している時代において、ルールや目標が明確でない中、自分の頭で考え、生き抜く力を持ち、他人が目指さない領域で動き出す「始動人」を育成するため、「新・総合計画(ビジョン)」に掲げた教育イノベーションを推進し、群馬の環境を生かした教育で感性を磨きながら、デジタルで世界とつながる、群馬ならではの学びを展開します。

施策の方向性

 基本方針に掲げた教育を実現するため、以下のとおり、10の施策の方向性に沿った取組を進めます。

1 新しい価値を創造する力の育成~感性を磨き、時代を牽引する人材を育成する~

  1. 社会のあり方が大きく変化し、ルールや目標が明確でない中で、自分の頭で未来を考え、生き抜く力を持ち、他人が目指さない領域で動き出す「始動人」を育成します。
  2. SDGs(持続可能な開発目標)を踏まえて主体的に行動する、持続可能な社会の創り手を育成します。
  3. 国内外の研究機関及び大学、企業、関係団体等と連携し、多様な学びの機会を提供します。
  4. 探究型学習(総合的な学習(探究)の時間、STEAM教育等)を充実させ、課題が複雑化・多様化する現代において、多角的に物事を捉え、課題を解決する力を育成します。
  5. 多様な個性、多様な価値観を受容し、豊かな発想ができる力を育成します。
  6. 教科等横断的・継続的にキャリア教育を推進し、社会的・職業的自立に必要な力を育成します。
  7. 社会の課題を解決するための情報を自ら入手、分析し、自分の意見を構築・発信するなど、主権者としての自覚を促す教育活動を充実させます。
  8. 自国の歴史や文化についての理解を深めた上で、積極的に異文化を理解し尊重する態度を身に付けたグローバル人材を育成します。
  9. すべての学びの場において、障害の有無や性のあり方、国籍・文化の違い等にかかわらず、互いに認め合いながら学び合える教育活動を推進し、「違い」が新たな価値であることを認め合える人材を育成します。

2 ICTの活用による教育イノベーションの推進~子どもたちの可能性を高める個別最適な学びと協働的な学びを実現する~

  1. 県内公立学校に整備された1人1台端末の効果的な活用を進め、ICTを活用した個別最適な学びと協働的な学びを通して、子どもたちの可能性を高めます。
  2. 1人1台端末を最大限活用し、対面指導とオンライン教育のハイブリッド化により、学びの質の向上を図ります。
  3. 不登校児童生徒や外国人児童生徒、障害のある児童生徒等、支援が必要な児童生徒を含め、誰一人取り残さない個別最適な学びの実現に向けた取組を推進します。
  4. 小学校から高校までの学びのデータの蓄積・活用により、個別最適な学びの充実を図るとともに、学びの知見の共有を図ります。
  5. ICTを活用した教育の在り方を検討し、教育イノベーションを推進する教員の資質・指導力の向上を図ります。
  6. ICTを活用し、学校における業務の効率化や省力化を図り、子どもたちとしっかり向き合う時間を確保しながら、教員の働き方改革を推進します。

3 ICTリテラシーの育成~ICTを適切に活用し、デジタル社会で生きるために必要な力を育成する~

  1. 児童生徒が情報を適切に活用・発信できるよう、発達段階に応じた情報活用能力を育成します。
  2. 発達の段階に応じたプログラミング教育を通じて、物事を論理立てて説明したり、試行錯誤しながら問題を解決したりするプログラミング的思考を育成します。
  3. 児童生徒が、インターネットを介したいじめや誹謗中傷、犯罪等の被害者と加害者のいずれにもならないよう、ICTリテラシーの向上を図ります。
  4. SNSに頼らない人間関係づくりを推進するとともに、インターネット、SNS等の適切な活用に向けて、家庭や地域等と連携し、社会全体のICTリテラシー向上を推進します。

4 確かな学力の育成~学力の確実な定着を図り、学びに向かう力・社会に参画する力を育成する~

  1. 主体的・対話的で深い学びを通して、基礎的・基本的な知識・技能の定着を図るとともに、思考力・判断力・表現力等を育成しながら、学びに向かう力、人間性等を涵養します。
  2. 1人1台端末を最大限活用し、対面指導とオンライン教育のハイブリッド化により、学びの質の向上を図ります。(再掲)
  3. 児童生徒が情報を適切に活用・発信できるよう、発達段階に応じた情報活用能力を育成します。(再掲)
  4. 探究型学習(総合的な学習(探究)の時間、STEAM教育等)を充実させ、課題が複雑化・多様化する現代において、多角的に物事を捉え、課題を解決する力を育成します。(再掲)
  5. 発達の段階に応じたきめ細かな指導を行い、しっかりとした学習習慣・生活習慣を確立します。
  6. 不登校児童生徒や外国人児童生徒、障害のある児童生徒等、支援が必要な児童生徒を含め、誰一人取り残さない個別最適化した学習の実現に向けた取組を推進します。(再掲)

5 豊かな人間性の育成~互いに認め合い、自他を大切にする心を育む~

  1. 学校教育全体を通して、多様性を認め自他を大切にする心や、自己肯定感や自己有用感を育み、社会性や規範意識を高めるなど、健やかな心の育成を図ります。
  2. 人権の意義・内容や重要性についての理解を深め、児童生徒自らの態度や行動につながるよう、人権教育を推進します。
  3. ボランティア活動や体験的な活動を充実させ、地域や社会教育団体等と連携しながら、共に支え合う心の育成に取り組みます。
  4. いじめを許さない心を育むための児童生徒による児童会・生徒会活動等を通じた自主的な活動を支援し、良好な人間関係を築く力を育成します。
  5. ネットを介したいじめ等を含むすべてのいじめ防止を図るため、いじめ防止対策推進法に基づくいじめの正確な認知と解決に向けた適切な対応に、学校全体で取り組みます。
  6. スクールカウンセラーや電話相談等、子どもたちの心のケアを充実させ、いのちを大切にする心を育みます。

6 健やかな体の育成~生涯にわたり健康に過ごすための心と体の土台づくり~

  1. 教育活動全体の中で継続的に体を動かすことの大切さを学び、運動したときの喜びや楽しさを体感させながら、体力の向上を図ります。
  2. 学校におけるスポーツ活動の充実を図るため、地域や関係団体等と連携しながら、運動機会の拡大と競技力の向上を図ります。
  3. 家庭や地域等との連携を図りながら、すべての部活動の推進と適正な運営に取り組みます。
  4. 食育等をはじめとした健康教育の充実を図り、データに基づく個に応じた指導により心身の健康を保持増進します。
  5. 児童生徒の健康状態を的確に把握し、新型コロナウイルス等の感染症や、アレルギー疾患等に適切に対応します。

7 信頼される魅力的な学校づくり~地域とともにある学校づくりと教員の資質向上~

  1. 地域学校協働活動とコミュニティ・スクールの一体的推進を通して、地域と学校が一層連携・協働する学校づくりを進めるとともに、そうした取組を通して地域コミュニティの形成を図ります。
  2. 少子化の進行や社会の急激な変化の中で、本県の子どもたちが本県で十分な高校教育を受けられるよう、公立高校と私立高校とで協調して、生徒の受入体制の整備を図ります。
  3. 中学校卒業者の急激な減少に伴い、高校教育の質的水準の維持・向上を図る観点から、ICTの有効活用を図るとともに、地域と一体となって高校教育改革を推進します。
  4. 学校における課題が多様化、複雑化していることを踏まえ、外部人材や専門家の知見を活用しながら、学校の教育相談体制を充実させます。
  5. 障害のある児童生徒が、一人ひとりの障害の状態やニーズに応じた自立や社会参加ができるよう、すべての学びの場において特別支援教育を充実させます。
  6. 教員の資質向上、指導力向上に努め、新たな課題への対応力を高めるとともに、相互に学び合い、高め合う職場環境づくりを推進します。
  7. 学校における働き方改革を推進し、教職の魅力向上を図り、有為な人材を採用することにより教育活動を充実させます。
  8. 高い使命感と倫理観をもって職務に当たり、児童生徒、保護者及び地域から信頼される教職員の育成を推進します。
  9. 教職員が健康づくりに主体的に取り組むことを推進するとともに、メンタルヘルス不調等に対して組織として適切な対応を図ることで、教職員の心身の健康の保持増進を推進します。

8 安全・安心な学びの場づくり~新しい生活様式を踏まえた環境づくり~

  1. どんな状況であっても児童生徒の学びを止めないよう、市町村教育委員会などと連携し、オンラインを活用した教育を推進します。
  2. 感染症の正しい理解に基づいた「新しい生活様式」を踏まえ、児童生徒が安全に学べる環境を整備します。
  3. 児童生徒が状況を適切に判断し、主体的に行動する態度を身につけられるよう、防災教育を推進します。
  4. 児童生徒が危険予測・回避能力を身につけられるよう、身を守るための力を育む安全教育を地域ぐるみで推進します。
  5. 児童生徒がネットを介した犯罪の被害者と加害者のいずれにもならないよう、家庭や地域、関係機関と連携して未然防止に努めます。
  6. 学ぶ意欲のある児童生徒が経済的理由により就(修)学困難とならないよう、支援等充実を図ります。
  7. 児童生徒の安全・安心な教育環境を確保するため、県立学校の安全対策と施設の長寿命化を計画的に推進します。

9 地域の教育力の向上~官民共創を推進し、地域全体で子どもを育てる~

  1. 家庭教育を地域全体で支援する機運を醸成し、地域が一体となって家庭の教育力の向上を図ります。
  2. 質の高い研修を提供し、幼児教育施設における教育の充実を図ります。
  3. 学校と地域がパートナーとして連携・協働し、地域で行われる様々な活動を通して、子どもたちの地域への愛着を形成しながら地域の将来を担う人材を育成します。
  4. 地域学校協働活動とコミュニティ・スクールの一体的推進を通して、地域と学校が一層連携・協働する学校づくりを進めるとともに、そうした取組を通して地域コミュニティの形成を図ります。(再掲)

10 生涯学習社会の構築~人生100 年時代を豊かに生きるための社会教育~

  1. 時代の変化に対応した知識等を身につけるため、県民一人ひとりが生涯にわたって学び、その成果を適切に生かすことができるよう、多様な学習機関と連携したさまざまな学習サービスを提供し、社会教育の充実を図ります。
  2. 全ての県民が読書に親しみ、人生をより豊かに送ることができるよう、社会全体で読書環境の整備に取り組みます。
  3. 生涯学習の拠点として、社会教育施設の魅力向上を図るとともに、民間の力の活用や利用対象の拡大にも取り組み、社会教育施設の有効活用を推進します。

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