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平成30年7月教育委員会会議定例会の会議録

1 期日

平成30年7月17日(火)

2 場所

県庁24階 教育委員会会議室

3 出席者

笠原寛教育長、小池啓一教育長職務代理者、藤原重紀委員、平田郁美委員、青木章子委員、武居朋子委員

4 事務局出席者

北爪清教育次長、山口政夫教育次長(指導担当)、野村晃男総合教育センター所長、飯塚裕之総務課長、岩瀬春男管理課長、津久井裕美福利課長、上原永次学校人事課長、鈴木佳子義務教育課長、村山義久高校教育課長、上原篤彦特別支援教育課長、船引忠雄生涯学習課長、古澤勝幸文化財保護課長、小林信二健康体育課長、阿部誠総務課次長、根岸政彦総務課補佐(行政係長)、宇津木牧子総務課副主幹

5 開会

午後1時00分、笠原教育長、教育委員会会議の開会を宣す。

傍聴人は1名、取材者は2名であることを報告

6 会議録署名人の指名

笠原教育長が、今回の会議録署名人に小池委員を指名

7 議案審議の一部を非公開で行うことについて

議案審議に先立ち、笠原教育長から、第18号議案及び第19号議案は教職員の人事に関する案件であることから、審議は非公開で行いたい旨の発議があり、全員賛成で議決した。

8 教育委員会の行事日程

教育委員会の主要行事日程及び次回定例会議の日程について、総務課長が説明

9 教育長事務報告

(笠原教育長)

 まず一点目は、西日本豪雨災害についてである。西日本を中心に大変な被害があり、200人を超える方が亡くなられたと聞いている。亡くなられた方々の御冥福をお祈りする。また、たくさんの方がライフラインの整わない中、避難生活を余儀なくされている。改めてお見舞いを申し上げる。一日も早い復興を願うところである。本県からの支援について、全国知事会から具体的な支援の要望はまだ寄せられていないが、要請があればいつでも対応できるように準備を進めているところである。なお、警察本部からは、広域緊急援助隊を広島県に派遣し、救出活動を行っている旨の報告が、本日の庁議の場であった。物的支援については、知事部局と教育委員会で連携し、義援金の募金箱を設置した。教育委員会関係では、県立図書館、ぐんま天文台、ぐんま昆虫の森、生涯学習センターに募金箱を設置し、県民の皆様に募金を呼びかけているところである。
 また、被災地域の児童生徒の就学機会を確保するため、文部科学省から、被災した児童生徒が一時的に公立学校への受入れを希望した場合は、速やかに対応するよう通知があった。これを受けて、県教育委員会から、市町村教育委員会、県立学校あて通知したところである。なお、過去の例では、東日本大震災の時には、学校数で小学校61校、中学42校、高校28校、合計131校で195名の児童生徒を受け入れた。熊本地震では、小学校1校、高校1校、合計2校で3名の児童生徒を受け入れた。今回についても、希望者があれば速やかに受け入れることとしたい。
 次に、前回の教育委員会会議以降に実施した主な行事等について報告する。
 6月26日には、全委員と私で、学校運営の改革と特色ある教育活動を行っている東京都千代田区立麹町中学校を訪問した。学校では工藤校長先生から学校改革等の詳細な説明をいただき、意見交換を行ったところである。
また同日の午後、公益財団法人群馬県育英会が運営する「学生寮上毛学舎」を視察した。施設視察の他、舎監、入寮生にも同席いただいて普段の生活等について聴き取るとともに、意見交換を行ったところである。
 7月2日には、教育委員による第1回学校訪問を行い、この4月に新たに誕生した吾妻中央高校を訪問した。吾妻地域の伝統校であった中之条高校と吾妻高校の両校が新高校としてスタートしたばかりであるが、学校運営の方向性、統合後の生徒の様子などについて校長先生から説明を受けるとともに、学校施設や生徒の授業の様子などを視察した。
 翌日の7月3日には、教育委員の個別の学校訪問として、小池委員が富岡高校を訪問した。富岡高校も、旧富岡高校と富岡東高校が高校再編により統合し、4月にスタートを切ったばかりの新しい高校である。委員には校長先生らと意見交換や学校施設の視察を行っていただいた。
 7月7日には、全国高等学校野球選手権大会群馬大会の開会式が、上毛新聞敷島球場で開催された。今年は100回記念大会となることから盛り上がりを見せているが、私からは教育委員会を代表して選手らに言葉を掛けるとともに、知事からのメッセージを伝えてきた。
 7月13日には、いじめ防止フォーラム(前橋地区)が開催され、武居委員が出席した。同フォーラムは県内各地で開催されており、委員も適宜出席する予定である。
 このほかにもインターハイ出場選手の結団式や定時制・通信制高校の生徒が参加するスポーツ大会の結団式があり、私が出席してきた。生徒たちの元気な姿に私も力をもらった。甲子園を含め、それぞれの活躍を期待している。
 多くの行事があったが、委員から報告があれば、発言を願いたい。

(小池委員)

 まず千代田区立麹町中学校の県外訪問調査について報告したい。私自身、群馬に来る前の30年間をこの千代田区で過ごした。東京都ではドーナツ化現象が進んでおり、私が小学生の頃と比べると住民もかなり少なくなった。千代田区内の公立中学校は麹町中学校を含め3つしかなく、その内の一つは中等教育学校であるので、実質は2校だけという状況である。
 麹町中学校の改革はインターネットなどを通じて有名になってきている。大変興味深い取組を行っている学校であるが、群馬県とは状況がまったく違うので、参考にならないという意見もあると思う。しかし、工藤校長の非常に先見性のある取組は、個人の才能と言った方がよいものである。このため、麹町中学校の取組をそのまま群馬県に持ってきたいという話ではなく、これを一つの刺激にすることで、本県の発想の転換が少しでも進めばよいと考え、訪問調査を行ったところである。
 麹町中学校は特殊な立地条件にある。すぐ近くに国会や中央省庁が建ち並び、学区内には国会議員の議員宿舎もある。私くらいの年齢の人は、番町小学校から麹町中学校、日比谷高校、東京大学という定番のエリート進学コースとして記憶しているだろう。学校群制度が導入されてこの構図は消滅してしまったが、麹町中学校はその後も名門校として広く認知されている。人口が減っても税収がたくさんあるため、学校施設は大変立派なものであった。収入の面でも立地条件に恵まれた学校である。
 麹町中学校では、まず学校改革の判断を「子どものためになるかどうか」を軸に考えていた。子どもが最優先で、次に保護者、教員と学校、教育委員会は最後と言い切っている。
 目指す生徒像を、自分の意志を持って社会に出て行く人材としており、外部を巻き込んだオープンイノベーションにも積極的に取り組んでいた。現実の社会を知った上で人間形成をしていくことを大事にしている点が、もっとも興味を惹かれる点である。2年生の1年間、企業のインターンシップを行っているが、これも通常のキャリア教育とはやり方が違う。こうした取組ができるのも、サポートしてくれる大きな企業がたくさん東京にあるからである。こうした恵まれた条件を見ると、地方はいつまで経っても良くならないという気がしてしまうが、学校が間接的な豊かさを上手く活用している面もある。
 今年度から始めた取組を見ると、まず、固定担任制を廃止し、全員担任制を採用している。要するに気が合わない先生と生徒の間で無理にコミュニケーションを取らなくても、生徒に合う先生を選んでやり取りをすればいいではないかという取組である。
 また、定期テストを廃止し、単元テストを増やしている。しかも、5教科の単元テストでは再挑戦できる仕組みになっており、最初に50点でも2度目に80点が取れたなら、その間に30点分の勉強をして成果を上げたのだからと、成績には80点の方を採用する。
こうした取組は、ある意味で、生徒をどう捉えるかということが視点にあると思う。その土台としてノートの取り方指導も行っている。これは群馬県や他県でも行っており、それだけでは特徴的とは思わないが、非常に上手いやり方をしている。昨年訪問した秋田県もノートの取り方が上手かった。ただノートを作らせるだけではダメということが分かった。
 授業は45分の短縮授業にしており、短縮した5分をまとめて1枠とし、様々な方面で有効活用していた。なかなか細かいところまで工夫されている。
 アフタースクールの取組では、高校受験を意識し、学校の中に塾を開設していた。大学生などに応援してもらい、いろいろな科目に対応できるようにしている。部活動やサークルにも外部の専門家が多く協力している。このアフタースクールの取組を実践するため、教員の勤務時間も工夫していた。都費で採用する一般教員は午前8時に出勤し、7時間45分の勤務時間が終わるのが午後4時30分。そこで退勤していいことになっている。別に区費で採用した非常勤教員がおり、こちらは午前10時30分に出勤し、退勤は午後6時15分である。この一般教員と非常勤教員の勤務時間を上手く組み合わせることで教員を確保し、通常の授業だけでなく、アフタースクールにも教員が参加することで内容を充実させている。アフタースクールにはたくさんの外部人材が参加している。中には無報酬の人もいるそうだが、年間の予算は2千万円程度とのことだった。教員2人分の人件費に相当する額だと思うが、この費用は千代田区が負担しているそうである。千代田区が豊かだからできることではあるが、これらの取組が2千万円でまかなえているなら、非常に効果的に使われていると言える。
 まとめると、麹町中学校では『自主・自立』を目指す教育が行われていたが、これは古い言葉の意味ではなく、自分で情報を集めて、自分で考え、自分で判断して、自分で行動できる人間を育てるという意味である。この目標のもと、集団を管理する教育ではなく、個人を重視した教育が徹底されていた。時間を有効活用する努力をし、成果も上げていた。悪くすれば校長先生のワンマンになってしまうかもしれないが、校長先生は2年で交替ばかりでなくてもいいのではないかと思った。
 千代田区教育委員会にも、どうしてこうした取組が出来るのか話を聞きたかったが、それが叶わなかったことは残念である。工藤校長から、教育委員会とはケンカせず上手く付き合っていると聞き、工藤校長先生の個人の才能のすごさをここでも感じた。
 工藤校長本人も麹町中学校のこれらの取組を全国に広げていくにはどうするべきかと考えていたが、群馬県でのこの取組、この訪問が無駄にならないようにしたい。これから先、グローバル化で今以上に個人を中心に物事を考え、行動する時代が来る。麹町中学校の取組は、これからの教育の参考になると思う。
 次に、吾妻中央高校への学校訪問について報告したい。特に印象に残ったのは、吾妻中央高校と、前々年度に訪問した勢多農林高校との対比が極端なことである。同じ農業系の学校だが、農学校から始まった中之条高校の伝統を引き継ぐ吾妻中央高校と、立地条件が良くバイオやトリミングなどの新しいジャンルを積極的に取り入れた勢多農林高校。この歴史の違いが、そのまま大きな差になっていると思う。吾妻中央高校では、現在、農場などの維持が非常に重荷になっている。これは二つの学校を統合しただけでは解消できない大きな課題がある。これから先、構造改革など様々な取組が必要となるだろう。また、普通科の存在意義についても難しい点があるように感じた。学校を統合するということは色々な問題を抱えているから行うもので、統合して終わりとはならないことを実感した。
 この翌日、やはり今年4月に旧富岡高校と富岡東高校が統合して誕生した、新生富岡高校を訪問してきた。以前から気になっていたが、富岡東高校は、旧富岡高校と比べると規模の小さい女子校なのに定員割れを起こしていた。統合してこれから先、男女共学でやっていくならば、本来は男女比が1:1で維持されることが理想である。私自身もこの地域の住民だが、地域の認識として男子は進学させたいが、女子は進学しなくてもよいという感覚が根強く残っている影響と思う。しかし、それ以上に悪い問題が交通の便である。男子学生は安中市から自転車で通っている生徒もいるが、女子でそれは難しい。もっと以前には藤岡市から、上信電鉄で乗り継いで通う男子学生もいたと思うが、これも今の時代にはそぐわなくなっている。学生を集めるには、もっと私学的な発想を取り入れ、安中市にスクールバスを出すなど、広域的な取組が必要ではないか。こうした取組ができれば、学生募集に大きな力を発揮すると思う。受益者負担による工夫がもっと必要である。校長先生も自覚していたが、このままではこの先じり貧になってしまう。地域の特性を活かしたやり方というは、学校の中だけでなく、地理的な条件など周辺環境も加味して考えていかなければならない。そうした取組を抜きにしては、統合しても何ができるというものではない。特に女子の進学について、もっと真剣に考えた方がよいと思った。

(藤原委員)

 麹町中学校と上毛学舎、吾妻中央高校、この3箇所への訪問について私からも報告したい。
 麹町中学校について、小池委員から話があったように、工藤校長が色々な改革をなされていた。その中で、カリキュラムの改革に4年かかったという話があった。工藤校長はアクティブラーニングを推進しているが、授業で実践できている先生は1割程度とのことだった。つまり他の先生は今も一斉授業を行っていることになる。校長先生がしゃかりきに頑張っても、同じ方向を向いてくれる先生ばかりではないということだと思う。ではなぜそうした中で工藤校長は改革ができているのかというと、オープンイノベーションやアフタースクールにも見られるように、恵まれた立地条件と学校の知名度を生かして、一流の人材を集めている点にあると思う。人材の集め方についても、校長ならではのひらめきがあるのだろう。料理講座の講師を陳建一氏に頼んだと聞き、陳氏とつながりのある知人に話を聞いてみた。知人の話では、陳氏のお店が麹町中学校のすぐ隣にあることも大きいと思うが、いわゆる一流と呼ばれる方は、その技術を人に伝えたいという欲求を強く持っていることが多く、その思いと上手くマッチングしたのではないかとのことだった。工藤校長は一流の人材の思いを上手く先取りすることができたのだろう。しかしこれを群馬でできるかはまた別問題である。改革するということは、生半可な熱意だけでなく、相当の時間も必要である。一つ一つを丁寧に進めていくことも大事だと感じた。
 次に学生寮上毛学舎だが、ここでは施設の概要や入寮生の反応などを見せてもらった。初めて行ったが、セキュリティーもしっかりしており、女子学生の保護者から見ても不安を感じないであろう、安心できる管理状況だった。出入口や各階の移動がICカードで制限されていること、駅からの近さ、近隣の住民層も良さそうだった。食事も栄養管理されており、施設、立地条件、共に申し分ないと感じた。群馬県でよくあのような良い場所を確保できたと感心した。
 舎監と入寮生から話を聞くことができた。寮は学生主導で管理されており、入寮生からなる自治会で運営していた。入寮生は4つある委員会のいずれかに入り、自ら運営に関わることになる。それぞれ、企画委員会なら歓迎会などのイベントを行い、生活委員会なら施設の美化や生活指導などを行う。文化委員会では広報紙を作成し、食堂委員会では食堂の管理を行っているとのことだった。入寮生の一人は、経済的理由から、上毛学舎に入寮できなければ都内の学校に入ることは諦めざるを得なかったと話していた。また、別の学生は、同県人で支え合うことができるので、学校生活や就職活動にも心強いと話していた。上毛学舎にはいろいろな役割があり、学生にとっても有益なものと感じた。これからも支援をしていく必要があると思う。
 次に吾妻中央高校について報告する。統合後、学生たちがどのような学校生活を送っているか気になっていた。鎌田校長先生から、吾妻高校の女子生徒たちは元気よく、中之条高校の男子生徒は大人しい、そのバランスが良かったのか、統合で学校全体が活性化したと話があった。同時に職員も増え、生徒にもきめ細かく対応できているとのことであった。難題なのは美野原農場だろうか。活動として旧態依然としている印象があった。今は酪農などの農業を希望する生徒が少ない。犬のトリミングなども学べるが、それを加えてもなお入学希望者は少ないのではないだろうか。活性化がなされていないため生徒が減り、農場などの経費がまかなえない。農場の経費をまかなうためには牛乳などの生産物などを売って収入を得なければならず、管理する職員らもそちらに重点を置かざるを得ない状況になってしまっている。教育という本来の目的を果たすために農場がどうあるべきか、改めて検討していかなければならないのではないか。

(平田委員)

 麹町中学校の訪問では、私自身も多くを学ぶことができた。
 学校改革が短期間で上手くいっている理由を自分なりに考えてみた。一つ目は目標を階層化しているところだと思う。学校の最上位の目標は「社会ってそんなに悪くない。大人になるってけっこう素敵」ということを子どもに伝えることとのことであったが、目標を実現させるため、上位の目標、下位の目標、そのための手段と、目標を階層化しており、それらの優先順位もよく考えられていた。それは生徒や先生にも徹底されており、体育祭や文化祭においても、上位の目標を妨げなければ手段は生徒の自由にしてよく、教職員も上位の目標を妨げず、かつ保護者・地域の理解が得られれば何をしても良いという柔軟な姿勢であった。工藤校長自身も大切なことは譲らないが、やり方はこだわらないという姿勢を貫いていた。初めは色々あったことと思うが、保護者や地域、企業、千代田区教育委員会とも良好な関係を築くに至ったのはその柔軟性があったからだと思う。トップに立つとつい物事の枝葉まで決めたくなってしまうものだが、目標は譲らず、それ以外は自由という姿勢を持つことが大切だと思った。
 二つ目は、教育を見える化をしたことにある。麹町中学校には、生徒が参加する3年間の行事の予定を一覧にまとめた資料がある。一つ一つ見れば、やっていない学校はないというくらい当たり前の行事がほとんどだが、工藤校長はこれをライン(線)で分かるようにし、どの行事を通して、生徒がどのような力を身に付けるのかを明確にした。それを保護者や地域に繰り返し説明することで、教育の目的の見える化を図ったことが、改革につながっていると思う。
 上毛学舎では、学生の自主・自立による自治が図られていた。入寮生と親代わりとなる舎監を中心とした支援スタッフとの間には、心の通った交流があるようだった。寮の生活は秩序が保たれており、とても良い寮だと感じた。
 吾妻中央高校については、統合してまだ3ヶ月ということで、この短い期間の中で上手くやっているという印象であった。生徒募集の点だけ見ると、普通科、特に女子については、これまで吾妻高校に来ていた生徒がそのまま吾妻中央高校に入ってきたわけではない状況が見えた。これから募集人数の配分など、影響も大きいと思うが、いろいろな工夫が必要だろうと思った。

(青木委員)

 麹町中学校について報告する。訪問の最後に校庭で体育の授業をしている子どもたちの様子を見て感じたことがある。体操服の着方がまちまちで、シャツをズボンに入れている子とそうでない子、靴下をちゃんと伸ばして履いている子とそうでない子がいた。これが群馬なら、シャツはズボンに入れて、靴下は白で、ちゃんと伸ばして履きなさいという指導を優先してすると思う。工藤校長先生の考え方で言えば、体育の目的は服装の指導をすることではなく、生徒がきちんと運動することにあることになるだろう。子どもたちの目的意識はきちんと運動に向いており、また向くように上手く指導されていたのだと思う。私の知り得る学校とは違うなと強く印象に残った。
 また、工藤校長から、現代の子どもは与えられることに慣れ過ぎている、子どもは手を掛ければ掛けるほど自立できなくなり、自分が上手くできないことを人のせいにするようになってしまうという話があった。手を掛けすぎる保護者とはきちんと向き合い、意識の転換をしなければいけないため、学校の目的や、社会で必要となる学びについて、PTA行事の中に組み込んで保護者や生徒に説明する場を設けていた。学校でそこまで説明してくれるところは、なかなかないと思う。保護者にとって安心できる姿勢だなと感じた。平田委員からも話があったが、学校は最上位の目標を「社会ってそんなに悪くない。大人ってけっこう素敵。」としていた。成績ではなく、そこに目標を持ってくることが、保護者としてとても魅力的だと感じた。校長先生のカラーが出ている学校で大変面白く、また勉強になった。
 上毛学舎について、つい母親目線になってしまうが、子どもが家を出るときに何が心配かと言えば、食事や治安の問題である。寮生活ではプライバシーが守られているか、規則は厳し過ぎないか、舎監さんは怖くないかなど、いろいろ気になってしまう。今回、入寮生から舎監は本当にお父さんみたいに優しいし、御飯もすごく美味しい。アルバイトなどがあって食べられない時は残念だという話が聞けた。すごくいい寮だということが伝わってきて、安心した。
 吾妻中央高校では、福祉科の実習施設がすごく充実していたことにまず驚いた。この辺りの福祉施設にもないような良い設備が実習用においてあり、ここで学んだ生徒が、何にもない外の施設に入って大丈夫だろうかと逆に心配してしまうくらいだった。とても羨ましい環境である。この学校でなら、きっと高度な技術やテクニックが学べると思う。できるなら卒業したらすぐに現場でその力を生かしてほしい。大学に進学する子も多いと聞くが、介護現場は従事者が減り厳しい状況にある。できればすぐにでも現場で活躍してほしいと思った。

(武居委員)

 麹町中学校について、工藤校長から、学校運営を行う上で、学校教育目標が最上位の目標になるが、そこに向かうための手段がいろいろあるため、いつの間にか手段が目的化されてしまい、結果として最上位と違う方向に動いてしまうことがままあるという話があった。非常に納得するものがあった。工藤校長は、常に最上位の目標が何であるかを思い浮かべながら物事を選別しており、その積み重ねで学校改革を進めてきたということを熱心に説明してくれた。今、県教育委員会でも第3期教育振興基本計画の策定を進めているが、教育行政の施策の見直しも同じように考える必要があると思う。子ども、保護者、教員の順で見直しの柱に据えて、最上位の柱が何であったか常に意識して施策を見直していくことが大切だと改めて感じた。
 次に、前橋地区のいじめ防止フォーラムについて報告したい。フォーラムの最初に、人間関係づくりの体験活動について講師から説明があった。その際に、たまたま印象的な出来事が起きた。講師が説明のお手伝いをして欲しいと、前列に座っている生徒にお願いしようとしたところ、指名された生徒は立ち上がり、非常に戸惑いながら、身振り手振りで、自分は聞こえないので何をすればよいか解らないと講師に伝え始めた。今までの経験から、講師はその役を別の生徒に任せる流れになるだろうと、少し残念に思いながら見守っていた。しかし、この時は違うことが起きた。講師は生徒が聾学校の生徒であることに、指名した後で初めて気付いた様子だった。そして、その生徒に自分のお願いを伝えるにはどうすればよいか、一生懸命に工夫しようとしてくれた。そのうち、手話通訳の人が壇から降りて手伝ってくれて、生徒は説明のお手伝いを無事にできたという場面があった。この一部始終は会場の全員が見ていた。フォーラムのスローガンに「仲間同士で支え合うために自分たちでできることをする」という言葉があったが、実際に目の前で、仲間として認め合い、どうにかしてコミュニケーションをとって一緒に考えるという体験を、会場の全員で共有することができたのは、素晴らしいことである。その後行われた人間関係づくりの体験活動そのものも、子どもたちの心に残る活動になったと思う。その後行われた班別協議と意見交換では、小中高や特別支援学校など、いろんな学校種の子どもたちが集まって行ったことにも意義があったと思う。発達段階が違うので、話し合いにぎこちなさがあることが当然だと思うが、どうにかそれを乗り越えてコミュニケーションを成立させようと努力する司会役の高校生の頑張りの素晴らしさを、他の小さい子どもたちも体感したのではないか。また、子どもたちは表現力が乏しいながらも本気で自分の考えを語っていた。その姿に刺激される中学生、高校生の姿もあった。私も参加者として、聞こえない友達、見えない友達もいて、一緒に考えているという実感があって、サポートする高校生の姿もあり、学ぶことが本当に多いフォーラムだった。主催した前橋南高校の生徒たちは、主体的に、かつ、フォーラムの目的に適った運営を行ってくれた。あの場に参加した児童、生徒、保護者が学んだことは、非常に大きい意味があるだろうと思った。できるなら参加者には、この気持ちの冷めないうちに、各学校や地域に戻って、多くの人たちに学んだことを伝えてくれるといいと思った。

(笠原教育長)

 たくさんの御意見をいただいた。最後にいじめ防止フォーラムの報告が武居委員からあった。フォーラムは昨年5年目を迎え、少しマンネリ化しているのではという指摘を受けていた。見直しを行う中で、SNSの事件などもあり、子どもたちの人間関係づくりという視点を加えてきた。子どもたちがしっかり認め合い、支え合う関係をつくり、ポスターにあるような傘を差し伸べる役割ができるようになってほしい。見直しにより、フォーラムの狙いが具体的になる形で開催できたものと安心している。いじめ防止フォーラムはこの後も県内各地域で開催する予定であるので、引き続きフォローアップをお願いしたい。
 私からも麹町中学校の訪問について一つ報告したい。いろいろな話があったが、目的と手段をしっかり持つことはやはり大切だと感じた。工藤校長から、手段が目的化していることはないかという問い掛けをいただき、働き方改革が思い浮かんだ。学校の中では、子どもたちのためと手段が増え、先生たちが非常に忙しくなってしまっている。最終的な目的が何か改めて考えていかないと、働き方を改革することは難しいのではないか。手段に時間を取られている状況があるのだとすれば、時間を取られないやり方をしっかりと考えていかなければならないと感じた。学校現場の改善につながるよう、しっかりと取り組んでいきたい。

 それでは引き続き、所属長から関係の報告をお願いする。

(1)学生寮上毛学舎平成30年度入寮生の追加募集について(PDF:208KB)

管理課長、学生寮上毛学舎平成30年度入寮生の追加募集について、資料1による報告。

(2)県立学校における既存ブロック塀等の安全点検等状況調査について(PDF:44KB)

管理課長、県立学校における既存ブロック塀等の安全点検等状況調査の結果について、資料2により報告。

(3)桐生・みどり地区新高等学校の基本構想(PDF:82KB)

学校教育課長、桐生・みどり地区の新高等学校2校の基本構想について、資料3により報告。

(4)平成30年度第53回群馬県中学校総合体育大会の概要(PDF:41KB)

健康体育課長、平成30年度第53回群馬県中学校総合体育大会の概要について、資料4により報告。

(笠原教育長)

 委員から質問があればお願いする。

(青木委員)

 学生寮に居住する学生の住民票はどうなっているのか。

(管理課長)

 住民票を移転することになっている。家庭により状況が異なるため、それぞれの家庭の判断によっているところである。

(青木委員)

 住民票を寮に移している子もいるということか。住民票を移すと、成人式の時に地元の市町村から通知が来ないケースがあると聞いた。転居先ではなく、地元の成人式に出席したい場合は、事前に行政に連絡しておく必要があるなど、いろいろと手間がかかるようだ。そうした点にどう対応しているか気になった。

(管理課長)

 生計が同一である家族が住民票を別にすると、いろいろと不便な点が出てくると聞いている。家庭の状況によって判断が異なるので、学生によって対応が異なる状況である。

(青木委員)

 住民票は移さなければいけないものと思っていた。

(平田委員)

 今後、選挙権のことも問題になってくるだろう。

(笠原教育長)

 前橋市では、30歳の成人式を開いていると聞く。中学校を卒業後、進路の関係で県外に出る人が多い。このため30歳になる年に中学校の同窓会を開催している。グリーンドームなどで合同開催するので30歳の成人式ということらしい。

(藤原委員)

 ブロック塀の安全点検について質問したい。外観に基づく点検の結果、近寄れない措置をしている学校が3校、注意喚起+近寄れない措置が4校あると報告があった。これらはどういう場所に設置されているのか。また、ここまで把握できたなら、早急に対処すべきと思うがいかがか。

(管理課長)

 表の「注意喚起」「近寄れない措置」「注意喚起+近寄れない措置」の3つの区分は、ブロック塀の状態によるものではなく、学校の対応について区分したものである。各学校に対し、管理課から「注意喚起」または「近寄れない措置」のいずれかの対応を取るよう指示している。状況により注意喚起で対応した学校がある一方で、特別支援学校など、地震の際にすぐに退避することが難しい児童生徒が多い学校で、コーンやバーで近寄れなくする措置をとった学校もある。ブロック塀の状況ではなく、あくまでも学校が外観に基づく点検を行った結果、安全性に問題があると判断したブロック塀について、いずれかの措置を講じた結果である。
 なお、ブロック塀の状況については、県立学校では月1回、施設設備の点検を求めているところだが、その中では大変危険、倒壊の恐れがあるといった報告は受けていない。

(藤原委員)

 近寄れない措置を取ったが、ブロック塀そのものには問題はないということでよいか。

(管理課長)

 そのとおりである。今にも倒壊しそうといった状態のブロック塀はない。

(笠原教育長)

 安全点検を行った上で、問題があるブロック塀について、予防措置の意味で近寄らないように注意喚起したり、近寄れないようにしたりしたということである。
 実際に手を入れるのは、第2段階の詳細調査を行った後、優先順位を付けて行いたいと考えている。

(管理課長)

 スペースがある場所であれば近寄れない措置がとれるが、面する道路が狭いなどの理由で注意喚起しかできない場所もある。

(藤原委員)

 私が危惧したのは、公共の道路にセイフティーコーンやバーを置くと、それもまた危険ではないかという点である。

(管理課長)

 公道にコーンなどを置いているという報告は受けていない。公道に面している場所は注意喚起に留めている。占有許可を受けてでも近寄れないようにすべき場所の有無は把握していないが、これまでの報告等から現状ではないと考えている。

(笠原教育長)

 それでは教育長事務報告については以上とする。

10 議案審議(非公開)

ここで、笠原教育長から、これからの審議は教職員の人事に関するものであるため非公開で行う旨の発言があり、関係者以外は退室した。

第18号議案 教職員の人事について

学校人事課長、原案について説明

異議なく原案のとおり決定

第19号議案 教職員の人事について

学校人事課長、原案について説明

異議なく原案のとおり決定

11 教育委員会記者会見資料について

教育委員会記者会見資料について、総務課長が説明

12 閉会

午後2時32分、笠原教育長、教育委員会会議の閉会を宣す。

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