2015河川課事業概要

1　基本方針

本県が管理する一級河川は、428河川・延長2,686キロメートルあります。このうち、渓谷など改修が必要のない区間を除いた、要改修区間の約56％で河道拡幅や護岸整備などの改修が行われ、約34パーセントで一定計画（年超過確率1/5の規模の洪水に対して浸水被害を防ぐ）以上の改修が完了しています。
基幹となる河川の改修は進み深刻な洪水被害等は減少してきましたが、市街化が進む都市部の中小河川など、依然として治あ水安全度の低い箇所も多くあります。また、昨年は長野県南木曽町や広島市などにおいて豪雨による土砂災害が頻発しており、台風の巨大化や局地的に発生するゲリラ豪雨などにより、県内においても大規模な洪水が起こる危険性が高まっています。
治水対策にあたっては、「はばたけ群馬・県土整備プラン2013-2022」に基づき、被害が発生した地域や人口・資産が集中する地域などの改修事業を促進するとともに、ソフト対策も含めて洪水被害等の軽減に努め水害に強く、安全・安心な県民生活の確保に努めます。
なお、河川整備にあたっては、治水安全度の向上を図っていくとともに、自然豊かな水辺空間を守り、地域の方々とも協力して魅力ある川づくりを行っていきます。

（1）被害が発生した地域や人口・資産が集中する地域の治水対策

洪水被害を軽減するため、河道拡幅や調節池建設などの河川改修を促進するとともに、既設堤防の強化や堆積土砂の撤去など治水機能の回復を図ります。

（2）効率的・効果的な維持管理の推進

河川構造物長寿命化計画に基づき、排水機場、水門、堰の計画的な点検、補修を実施し、既存河川管理施設の健全性確保やライフサイクルコストの縮減を図ります。
また、「河川維持管理計画」に基づいた河川パトロール点検を実施し、堤防の除草、老朽施設の補修など適切な維持管理に努めます。

2　平成27年度主要事業の概要

（1）河川改修事業

洪水被害を受けた河川、河川断面が狭小で氾濫被害が生じやすい河川及び堤防が破堤する恐れのある河川について、河川断面の拡大や堤防の強化等を行うとともに、監視カメラの設置や災害関連情報の提供等のソフト対策を実施します。また、ダムや排水機場等の河川管理施設の長寿命化対策を実施し、ライフサイクルコストの縮減を図ります。

（2）公共土木施設災害復旧事業

台風や集中豪雨等の異常な天然現象により生じた公共土木施設の被災箇所について、迅速な復旧工事を行います。また、直接的な土木施設の被災が無い場合でも、緊急的に再度の災害防止するための対策工を実施します。

（3）水防

洪水被害の軽減を図るため、水防計画の策定、水位雨量などの河川情報を把握し市町村や水防団へ情報伝達するなど水防活動への適切な支援や指示等を行います。また、第64回利根川水系連合・総合水防演習を開催し、水防団の技術向上と水害への備えの重要性を住民に周知します。

（4）河川維持補修

堤防の除草・伐木や河道内の堆積土の除去などにより河道の流下能力を適切に維持します。また、河川管理施設の補修などを行い、洪水被害の軽減を図ります。

（5）河川管理

堰、排水機場等の維持管理を行い洪水被害の軽減を図り、また、水位雨量観測所等の管理運用により、水防活動の支援をすることで県民の安全を確保します。
水質浄化施設の維持管理や、ゴミの不法投棄防止対策を行い、良好な河川環境を保全します。

（6）ダム事業

県営7ダムを適正に維持管理し、洪水被害の軽減、渇水時の補給、河川環境の保全等、ダムの効果を発揮させます。

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