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8 先進的な取組みへの医療保険・介護保険適用について
超高齢社会を迎えた我が国では、2025年までの15年間で、65歳以上の高齢者は約709万人増加し、社会全体の高齢化率が23%から30%に大幅に上昇するため、これまで以上に医療・介護ニーズが高まることが見込まれる。こうしたニーズに対応するためには、今から取り組んでいく必要がある。
医療分野では、我が国における死亡原因の第1位であるがんに対する重粒子線治療及び陽子線治療についてである。超高齢社会の進展に伴い、がん患者数は今後更に増加することが予想されるが、重粒子線治療及び陽子線治療は副作用が少なく、生活の質を重視した治療であり、高い治療効果が期待できるため、患者数は年々増加しており、全国で施設の整備や計画が進められている。
しかしながら、現在「先進医療」として位置付けられ、医療保険が適用されず、自己負担額は300万円程度と患者の経済的負担が多大であるため、負担軽減を図る必要がある。
次に介護分野では、超高齢社会の進展に伴い、介護サービスに対するニーズが高まる中、サービスの質の向上や、従事者の負担軽減等の効果が期待できるロボットの利活用は、高齢者の自立支援に資するものとして、介護現場における認知度の向上や、導入環境の整備等が一定程度図られてきたところであり、また、医療機器としての活用も期待されているところである。
しかしながら、費用面の課題が普及の阻害要因となり、現状、その効果が十分に発揮されるまでの利活用がなされていないため、介護保険等の適用による負担軽減を図る必要がある。
ついては、これらの課題に対して、次の事項について特段の措置を講じられたい。
1 重粒子線治療及び陽子線治療への医療保険適用について
重粒子線治療及び陽子線治療を保険診療の対象とすること。
2 ロボットへの介護保険及び医療保険の適用等について
- 介護保険給付における福祉用具の対象について、介護ロボットの利用を考慮した種目等の設定とすること。
- 介護施設等における介護ロボットの活用について、事業者負担の一層の軽減を図ること。
- ロボットによる治療等について、早期に保険診療の対象とすること。