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群馬県農業技術センター研究報告第16号(2019)
表紙・目次
群馬県農業技術センター研究報告第16号の表紙です。
群馬県農業技術センター研究報告第16号 平成31年3月 表紙(PDFファイル:28KB)
群馬県農業技術センター研究報告第16号の目次です。
群馬県農業技術センター研究報告第16号 平成31年3月 目次(PDFファイル:106KB)
研究報告
1 施設栽培における花香物質の設置がセイヨウミツバチの訪花促進に及ぼす影響
(要旨)施設栽培の花粉媒介昆虫として利用されるセイヨウミツバチの放飼初期の訪花促進を図るため、セイヨウミツバチが生得的に好むとされる花香成分(フェニルアセトアルデヒド、リナロール)の溶液の利用を検討した。ナスの栽培ハウスにフェニルアセトアルデヒドの溶液を設置したところ、蜂群(6群)は放飼当日から翌日に訪花活動を開始し、訪花活動の開始にかかる日数のばらつきが少なかった。イチゴの栽培ハウスにリナロールの溶液を設置したところ、蜂群(4群)の訪花開始は、無処理区の蜂群よりも早かった。これらのことから、フェニルアセトアルデヒド、リナロールの溶液をハウス内に設置することで、放飼初期のセイヨウミツバチによるナス、イチゴへの訪花を促進できることが示唆された。
施設栽培における花香物質の設置がセイヨウミツバチの訪花促進に及ぼす影響(PDFファイル:298KB)
2 イチゴ品種「やよいひめ」育苗ハウスへの屋根散水がハウス内環境と収穫開始時期および年内収量に及ぼす影響
(要旨)イチゴ品種「やよいひめ」育苗ハウスへの安価で簡易な施設冷却法として、ハウスの屋上に設置した散水チューブから散水した水の気化熱を利用した屋根散水の効果について検討した。晴天日の日中、育苗ハウスに屋根散水を行うことにより、ハウス内気温の上昇を平均2度程度抑制することができた。9月上旬の気温が平年なみか平年以上の年においては、屋根散水を行うことによりイチゴの花芽分化が促進され、収穫開始期が早くなり、年内収量が増加した。
イチゴ品種「やよいひめ」育苗ハウスへの屋根散水がハウス内環境と収穫開始時期および年内収量に及ぼす影響(PDFファイル:396KB)
3 ウメ新品種「ひなた丸(仮称)」の育成
(要旨)「ひなた丸(仮称)」(出願番号第32236号)は、2006年に「I3」(「織姫」×「南高」)を種子親に、「玉織姫」を花粉親として交配し、得られた交雑実生から選抜し、育成した。「ひなた丸(仮称)」は、自家結実性を持ち、本県主要品種である「白加賀」と交雑和合性を持ち、開花期が一致する。果実重は23グラム程度の中粒で、核重率は小さく、核の先端は尖っていない。育成地において、梅ジュース用の青ウメの収穫適期は6月上旬、梅干し用の漬けウメは6月中旬であり、完熟落果は「南高」より2週間程度早い。生理落果は少なく、ヤニ果や陥没症果等の生理障害の発生は少ない。
ウメ新品種「ひなた丸(仮称)」の育成(PDFファイル:665KB)
4 Eod処理が鉢物アジサイの生育開花および省エネ効果に及ぼす影響
(要旨)鉢物アジサイに対するEod-heating処理(日没後4時間21度以降11度)により、夜温16度一定と比較すると、各品種とも数日開花が遅延した。また、処理時間を4時間から3時間に短縮することによって、品種により数日開花が遅延した。草姿は、無処理と差がなく、処理時間を4時間から3時間
に短縮しても草姿に大きな影響はなかった。年次格差が大きかったが(7~27%)、省エネ効果が認められた。しかし、Eod-lighting処理については、生育・開花にあまり影響がなかった。
以上の結果から、鉢物アジサイのEod-heating処理は生育・開花に大きな影響を与えることなく、燃油消費量を削減できる有効な方法であると考えられた。
Eod処理が鉢物アジサイの生育開花および省エネ効果に及ぼす影響(PDFファイル:460KB)
5 キャベツセル成型苗に対応した自動灌水システム
(要旨)群馬県嬬恋村のキャベツ栽培においてセル成型苗の導入が進んでおり、安定した育苗技術の開発が求められている。そこで、(株)ソフトウェア研究所で開発した灌水コントローラを用いてキャベツ育苗時における灌水方法の自動化を検討した。セル成型苗を導入している生産者の育苗時における土壌水分を調査したところ、育苗前半は15~25%、後半は7~15%であった。6時から15時の時間帯で土壌水分量15%以下、平方メートル 当たりの日射量200W以上に達した時点で自動灌水することで、慣行の手動による朝昼の灌水に比べ、1日の土壌水分の変化が少なくなり、苗の生育が4日、収穫期が6日早まった。
キャベツセル成型苗に対応した自動灌水システム(PDFファイル:993KB)
6 県育成トマト品種「甘しずく」に適したトマト根腐萎凋病に対する抵抗性台木品種の選定
(緒言)県育成トマト「甘しずく」の促成栽培において、土壌伝染性病害であるトマト根腐萎凋病(病原菌:Fusarium oxysporum f.sp.radicis-lycopersici)の被害が発生している。本病は、低温期にかけて発生する土壌伝染性病害で、病原菌が根から侵入し、根を腐敗させるとともに維管束を褐変させ、慢性的な全身の萎凋症状と茎葉の黄化を引き起こす。本病の対策として、ほ場の土壌消毒と抵抗性台木品種を用いた接ぎ木栽培が有効とされている。また、「甘しずく」はTmvの抵抗性を持たないため、Tm-1型の台木に接ぐことが必要であり、現地では「デュエットO」を台木に用いているが、本病の被害が拡大してきている状況にある。そこで、本病に対する抵抗性台木の品種間差を接種試験により明らかにしたので報告する。
県育成トマト品種「甘しずく」に適したトマト根腐萎凋病に対する抵抗性台木品種の選定(PDFファイル:333KB)
抄録
1 Nuclear magnetic resonance- and gas chromatography/mass spectrometry-based metabolomic characterization of water-soluble and volatile compound profiles in cabbage vinegar(NMRおよびGC/MSメタボロミクスによるキャベツ酢の水溶性・揮発性成分プロファイルの解析)
Journal of Bioscience and Bioengineering Volume 126, Issue 1, July 2018, Pages 53-62
Nuclear magnetic resonance- and gas chromatography/mass spectrometry-based(PDFファイル:52KB)
奥付
群馬県農業技術センター研究報告第16号の奥付です。
群馬県農業技術センター研究報告第16号 平成31年3月 奥付(PDFファイル:57KB)