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育成した蚕品種
糸繭生産用の蚕種は普通蚕種といい、その親種を原蚕種といいます。普通蚕種は、そのすべてが交雑種で、農林水産大臣が飼育及び製糸の調査を試験研究機関に委託し、農林資材審議会蚕種部会の答申を経て、優良と認めた品種(交配形式)のみ製造を許されていました(原蚕種管理法=昭和20年制定の蚕糸業法に内容は受け継がれる)。この法律によって、国が指定した品種以外のものを飼育したり、その繭を販売することは禁じらていました。平成10年にこの規制は撤廃されました。
1 国の品種指定を受けた蚕品種
指定年月 | 内容 | 品種名 | 命名の趣旨 |
---|---|---|---|
昭和25年 | 夏秋用 |
秀峰×明月(しゅうほうめいげつ) |
群馬県の風景をイメージしたもの |
昭和26年 |
春用 |
秀峰×刀水(しゅうほうとうすい) |
群馬県の美しい山と川をイメージしたもの |
昭和30年 |
春用 |
群峰×錦水(ぐんぽうきんすい) |
群馬県の山々をイメージしたもの |
昭和35年 |
春用 |
みやま×ひかる |
上毛三山にちなんだもの |
昭和44年8月 |
春用 |
妙峰×麗月(みょうほうれいげつ) |
妙義山にちなんだもの |
昭和49年3月 |
夏秋用 |
飛・鶴×黎・明(ひかくれいめい) |
群馬県の地形をイメージしたもの |
昭和53年3月 |
夏秋用 |
利・根×秀・水(とねしゅうすい) |
利根川にちなんだもの |
昭和56年4月 |
夏秋用 |
榛・名×刀・川(はるなとうせん) |
榛名山をイメージしたもの |
昭和57年10月 |
春用 |
赤・城×清・水(あかぎしみず) |
58国体を記念したもの |
昭和62年3月 |
夏秋用 |
赤・城×恵・泉(あかぎけいせん) |
本県を代表する赤城山と豊かな水をイメージしたもの |
平成3年3月 |
その他 |
世・紀×二・一(せいきにいいち) |
中細繊度、長糸長で、特徴ある品種として21世紀を展望したもの |
平成6年3月 |
春用 |
ぐんま×200 |
群馬県人口200万人達成を記念したもの |
平成8年3月 |
夏秋用 |
ぐんま×200 |
通年用に用途拡大 |
2 法令廃止後の育成蚕品種
命名年月 | 品種名 | 命名の趣旨 |
---|---|---|
平成10年2月 |
新小石丸 |
日本の在来種「小石丸」を現代にマッチするよう生まれ変わらせたことをイメージしたもの |
平成13年2月 |
ぐんま黄金 |
群馬のオリジナルであることを強調し、黄金に輝く神々しさをイメージしたもの |
平成13年2月 |
新青白 |
群馬県由来の蚕品種「青白」のイメージアップを狙ったもの |
平成15年2月 |
蚕太(さんた) |
ラテン語santaの聖なるものという意を込めて蚕糸振興を願うとともに、ニット製品に利用されることを期待し、カジアル的(親しみ・愛嬌)雰囲気を込めたもの。 |
平成19年2月 |
上州絹星 |
絹の輝きと蚕糸振興の星となるよう意を込めたもの |
平成25年9月 | ぐんま細 (ぐんまほそ) |
繭糸が細く生糸にきめ細かな高級感がある点をわかりやすくイメージしたもの |